魔理沙の弟子は方陣使い。   作:破片

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#24 赤羽とともに散った黒桜

「幽々子は倒せたけど、西行妖が…!」

 

 そして、輪花は西行妖をみた。完全に黒色に染まりつつある桜。恐らく、漆黒になった刹那、周りの霊を喰らい始めるのだろう。

 

「どうすれば…!」

 

 魔理沙が慌てている。

 

「…今、花びらを落としている暇なんて無いし…!」

 

 咲夜が唸る。

 

 

 

-一方、霊夢は、何も言わなかった。

 怒っていた。『博麗の巫女』という名をここで汚してしまう。しかも、周りを巻き込んで。…自分自身に、怒っていた。

 そして、無意識に歯を食いしばった、その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私が行く。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-その声がした方を、全員が向いた。その声の本人とは-

 

-朱莉だった。

 

 

 

「私が行けば、恐らく、あの桜は静まるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………え?」

 

 輪花は自然と声に出ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私はみんなも知っている通り、私は怨妖。つまり、怨霊が集まってできた妖怪。それを解き放てば、収まるはずね。みんな、離れて。」

 

 そして、朱莉はゆっくりと歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「-だ、ダメ!」

 

 輪花が駆け出し、朱莉の腕を掴んだ。

 

「他に何か方法が-」

「…あるの?」

 

 輪花の言葉を遮り、輪花の方を見る。

 

「………。」

 

 輪花は何も言えず、腕を掴んでいる手の力を弱めた。

 朱莉は再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……朱莉……。」

 

 魔理沙は最早名前をつぶやくことしかできず、歩いて行く朱莉を見ることしかできなかった。

 

 

 

 

 

「…っ!」

 

 輪花は朱莉の方へ駆け出そうとしたが-

-頭部に鈍い痛みが走った。

 

 その痛みに耐えることができず、輪花はゆっくりと倒れていく。

 そして、最後に目に写ったのは-

-風雅だった。

 

 

 

 

 

 

 

「…風雅、ごめんなさいね。こんなこと…。」

「いや、構わん。…こいつを放っておいたら、何をやるかわからんからな。」

「…そうね。」

 

 輪花を気絶させたのは風雅だった。峰の部分で思い切り切ったのだ。

 そして、朱莉はみるみる近づいていき、西行妖に、手を触れようとした、その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…朱莉。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朱莉の名を呼ぶ声が聞こえ、朱莉が振り向く。そこには、霊夢がへたり込んだ体制で、俯いていた。

 

「…ごめんなさい。貴方は何も悪くないのに…。博麗の巫女という立場なのに、私は何もできずに…。」

 

 絞りだすように、俯いたまま霊夢は言う。

 すると、朱莉は微笑み、

 

「大丈夫よ。気にしないで。…私達が首を突っ込んだのも悪いんだし。」

 

 

 

 

 

 

 

「…っ。ごめん……。」

 

 

 そして、霊夢の足元に、黒く小さい、丸い染みができていく。それが少しずつ増えていく。

 

 

 

 

-霊夢は、泣いていた。

 

 

 すると、朱莉は-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「                     」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それだけ言うと、朱莉は歩き出した。そして、西行妖に手を当てる。すると、朱莉から、黒い、幽霊のようなものが大量に吸い取られていく。

 

「……それじゃあ、みんな。」

 

 魔理沙は泣き、咲夜、風雅、妖夢は俯き、何も言わなかった。

 

 霊夢はというと-立ち上がり、真剣な顔で、成り行きを見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『異変解決を見守るのも、巫女の仕事じゃない?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、西行妖が光輝き、周りを白く染めた-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-それが晴れた時、一人の少女がいたところには、一枚の赤い羽根が、桜とともに落ちていた。




作者「はい、これが終結です。」
風雅「そして、秋春異変は終わった。次回は宴会ではない。これは地上の者達には一切の影響がなかった異変だからな。」
作者「次回、#25『行末』。では。」
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