魔理沙の弟子は方陣使い。   作:破片

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#52 竹の花、月兎

「…本当にどの季節の花も咲いてるわね………。」

 

 

 霊夢はそう言って、輪花とともに人里の周りを飛んでいる。

 

 

「あ、ほら、迷いの竹林も…。」

 

 

 輪花はそう言って竹林の方を指さす。そこには、竹林が白くなっているようにしか見えなかった。

 

 霊夢は少し考える。そしてー

 

 

「…また幽々子の仕業かしらね…。」

 

 

 霊夢は冥界の方向へと飛ぶ向きを変えていった。

 

 しかし、輪花は考え込んだ。

 

 

「…僕は竹林の方に行ってみる。」

 

「あら、そう?分かったわ、別行動ね。」

 

 

 そうして、二人は各々の方向へと飛んで行った―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…やっぱり、桜がさいてるわね…。」

 

 

 そういいながら、霊夢は冥界の階段を上っている、否、飛んでいる。

 

 

「またあの桜を咲かそうって魂胆かしら…朱莉の思いを踏みにじって…。」

 

 

 すると、いつも階段の終りで待っている妖夢が、階段に座っていた。

 

 そして、妖夢は霊夢の姿を確認したかと思うと、立ち上がり、剣を抜いた。

 

 

「…何、やっぱりなにか企んでるの?」

 

 

 霊夢はいつもの調子で霊夢に問う。

 

 しかし、妖夢はいつも以上に冷静で、こう答えた。

 

 

「…何も企んでませんよ。」

 

 

 そして、ただ無言で、静かに霊夢を睨む。

 

 しかし、霊夢はいつもと様子が違う妖夢に気が付いていないのか、頭を掻きながらお祓い棒を妖夢に向けて、こう言い放った。

 

 

「そういうのが一番怪しいのよ。ほら、さっさとそこを通しなさい。」

 

「…本当に、花が咲いただけだと思ってるんですか?」

 

 

 いつもの妖夢なら、ここで仕方なくも剣を抜くところだが、今回は霊夢に問いかけた。

 

 

「…何よ。何か隠してるようね、洗いざらい話してもらうわよ。」

 

「…断ります。」

 

 

 そして、なんと妖夢は霊夢に背を向けて歩き出したのである。

 

 

「…あ、ちょっと!…何なのよ、まったく…。」

 

 

 …が、流石に妖夢の様子がおかしいのを感じ取ったのか、霊夢はそれ以上問い詰めず

 

 

「…また一通り回ったら来るから、その時は覚悟してもらうわよ!」

 

 

 と、言い捨て、戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは…すごいね、竹の花とか初めて見たよ、こんなにたくさん…。」

 

 

 一方、輪花は竹林の中を飛んでいた。

 

 

「…あら、あなたは…。」

 

 

 と、制服を着た一匹のウサギが竹林の中からやってきた。

 

 

「あ、えっと…。」

 

「…鈴仙よ、鈴仙・優曇華院・イナバ。…久しぶりね。」

 

「あ、うん…あの、前はありがとうね。」

 

「いえ、大丈夫よ。それにしても…。」

 

 

 と、鈴仙はじっと輪花を見つめる。

 

 

「…?」

 

 

 つられるように輪花も鈴仙を見つめ返す。

 

 

「…いえ、なにもないわ。ただ、貴女がここに来るのは珍しいわねって。」

 

「あ、うん…そうなんだけどさ、君たちはこれ見ても騒がないなーって。」

 

「ああ、それね…。」

 

 

 それで、と輪花は言葉を続ける。

 

 

「…君なら何か知ってるんじゃないかってねー…。」

 

 

 そう言って、輪花は鈴仙を見つめ返した。

 

 

「あら、何故分かったのかしら?」

 

「だって君たち騒いでないけど、こんなに竹に白い花が咲いてるっていうのに…珍しくないの?」

 

 

 その問に、鈴仙は改めて周りを見回す。竹の花が咲くこと自体が稀であり、ましてやその花が一度に大量に咲くなど-普通はありえないだろう。

 

 

「ええ、珍しいわね。」

 

「‥?じゃあ-」

 

 

 でも、と鈴仙は輪花の言葉を遮り、言葉を続ける。

 

 

「別に、60年前に同じことが起きたしね。その前にも…。」

 

 

 そう言って、鈴仙は竹林の奥へと飛んで行く。

 

 

「…話してあげるわ、お師匠にもあったら?」

 

「あ、うん…。」

 

 

-今回は、輪花の勘が冴えていたようだ。

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