「おー、まさか『似非』を越えるとはな!」
スィスは千に話しかけた。
「いや、あれ多分一時的だと思う。」
千はそういいきった。
「あらら。まあ、気神のお前がそういうならね。」
そう言ってスィスはもとの方に向き直った。と、輪花のマスタースパークが飛んできた。
「わお、あれは飛ばせるんだな。」
そう言ってスィスは千の後ろに隠れた。
「自分で防ぎなよ……‥。」
そう言って苦笑した千は、杖を取り出した。そして、薄い肌色の半透明の膜を張った。
「あれでどうやって防ぐんだよ!」
魔理沙は叫んだが、次の光景に目を疑った。
その薄い膜でマスタースパークを防ぎきったのだ。
「だから、神の力をなめちゃいけないって。」
平気な顔で千は、言い切った。
「僕の能力は『外気を操る程度の能力』。」
「あ、ついでに言っとくと俺の能力は『自然を操る程度の能力』だ。やー、ありがとな。」
「いいよ。僕は能力を発動して疲れることはないし。」
二人はそう言って話している。
二人の実力は異常。4人は改めてそれを実感した。
と。
「うわっ!?」
魔理沙の後ろから輪花の弾幕が襲う。
「くっそ、厄介だぜ!」
魔理沙は輪花の方に向き直り、対抗する。
そして、輪花は手を掲げると、輪花の周囲に大量の魔方陣が現れ、全方向に弾幕をうち始めた。
「なっ!」
それは当然、あの二人にも襲ってくるが、千は薄い膜で、スィスは氷の壁であっさりと防いでいる。
「あいつら、本当に助けないのね!」
霊夢はそう毒づいて再び戦闘に集中した。
「だって助けたら一瞬で終わるじゃん。」
霊夢の毒づきにそう呟いて返す千。もちろん誰の耳にも届いていない。
「ああ、もう、行くわよ!神技『八方鬼縛陣』!」
そして、霊夢は二枚目のスペルを発動させた。
すると、輪花も緑色の魔方陣からスペルカードを取り出した。
「おっ。」
スィスはそのカードに反応した。
「来るね、『六』のスペルカードが。」
千が呟いた。そして-
「陣符『エモーション・サジックス』」
輪花がスペルカードを発動させた。
輪花の後ろにできた大量の緑色の魔方陣からレーザーが放たれた。
そして、霊夢の八方鬼縛陣に向かっていく。すると-
赤い八方の壁を軽々と打ち破った。
「嘘-」
霊夢の声が聞こえた直後、轟音がした。そして-
三人の目に写ったのは、霊夢が滑落する姿だった。
「霊夢!」
朱莉は慌てて霊夢を抱える。
「っ!輪花‥‥!」
すると、魔理沙は突っ込んでいった。
輪花は右から左に流れるように弾幕を放った。
魔理沙もそれにつられて移動する。が、すぐそばにある魔方陣に気がつかなかった。
「しまっ-」
魔理沙が転送されたその位置は-
マスタースパークを利用したあの剣の、剣先だった。
みるみる光が剣先にたまっていく。
魔理沙はもはや避けられない。
そんな魔理沙を輪花は無表情で見下ろす。
そして、剣先からマスタースパークが放たれた-
-そして、失神した魔理沙を抱えていたのは-
「千…。」
千は残った二人にこういった。
「後は任せて。」