原作にそう形を目指しつつ、ちょっと違うところがあるかも? な内容となっています。
よろしくねがいします。
その事件は199X年……はるかイーグルランドにある小さな田舎町・オネットのはずれで起きた。 時刻は深夜。 誰もが眠りについている時間である。
その時間、その街の空を、一筋の光が走っていった。 その光は、オネットのはずれの丘の上に向かって一直線に降ってきて…そして、そのまま地面に直撃した。
「なんだなんだ!?」
「なにがおきたんだ!?」
その音はオネット中に響きわたり、眠っていた人や夜の時間を過ごしていた人達は一斉に騒ぎ出した。 警察は即座に動き出し、得意技の道路封鎖を行いながら、事件の現場に向かっていく。
「ふぁぁぁ~~~~……なんだろう、今のおとぉ?」
そして、オネットはずれにある家に住んでいる一人の少年が、黒髪のはえた頭をぽりぽりとかいて、大きなあくびをしながら目を覚ました。
この少年の名前は、ネス。
いつも元気いっぱいで、誰にでも優しい性格から街でも人気者な男の子。 ちょっと向こう見ずなところがあるものの、自分の正義には正直で、誰が相手でも物怖じせずに立ち向かい、意見を言う強い勇気を持っている。
「あら、ネス」
「ママ、今の音ってなに?」
一階のリビングに下りてきて、同じように起きたらしい母親に今のオネットの状況を尋ねるネス。 そんなネスに、母は現状を伝える。
「それが、ママにもよくわからないのよね」
「そうなんだ、トレーシーも音がすごくて起きたみたいなんだけど」
「そりゃ、あんな音がしたらみんな飛び起きるわよ。 なーんだったのかしらね?」
母も音の正体が気になってはいるようだが、あくまでも首を傾げるだけだった。 ネスは、あの音の正体に強く惹かれているようではあったが。
「ところでネス、あなたちっとも怖がってないみたいね? まさか、外に出て様子を見に行くなんて事言うんじゃないでしょうね?」
「とーぜん! 気になるし、みてこようって思ってるところだよ!」
そう堂々と言うネスに対し、母はふぅっと笑みを浮かべる。 彼はおそらく、自分が止めても部屋を抜け出して見に行くに決まっているからだ。 息子がそういう性格だということは、12年育ててきた母親だからこそわかること。 ここはこのままネスを行かせた方がいいと判断し、わかったわと伝える。 ただし、ちゃんと、言うべき事は言っておく。
「確かめにいくなら、せめて着替えてきてちょうだい!」
「うっ……はぁ~~~い!」
そうしてネスは母の言うとおり、普通の服に着替えてきた。 青のボーダーのTシャツに、青いジーンズの短パン、赤いスニーカーに黄色いリュック。 そして、幼い頃から持っていた赤い野球帽。 今、ネスはそれらを堂々と身につけており、その姿を見た母親が一言コメントをした。
「やっぱり、いつものその格好なのね」
「いいじゃん、僕のお気に入りなんだから」
そう、今のネスのスタイルは、ネスのお気に入りでかためられたものなのである。 彼はこの格好が一番動きやすくてしっくりくるので、お気に入りとしているし、これから音の正体を確かめるためには、このように動きやすい格好になった方がいいのだ。
「じゃ、いってきます!」
「いってらっしゃい、なるべく早めに帰ってくるのよ」
「はーい!」
そうして音の正体を確かめるために家を飛び出したネス。すると外は警察が出てくるほどの大騒ぎになっており、野次馬と化した町の人達から、話を聞くことができた。
「隕石、かぁ」
どうやらオネットのはずれの丘の上に、隕石が落ちてきたらしい。それで警察も出てきて、町全体がどよめいているようだ。
「それよりも、なにかあるとすぐに道路封鎖をするオネット警察のほうがずーっと厄介だよ……ギネスとかどうでもいいから、やめてほしいものだよね……」
と、封鎖された道路をみてネスは呟く。そうして隕石の落下地点とされるオネットのはずれの丘の上に向かうネスはその道中で、顔見知りの男性に遭遇する。
「やぁ、ネスちゃん」
「ライヤーさん」
「隕石がごーーーーっと、すごい音を立てて落ちてねぇ。 そりゃもう大変だったんだ」
なにやら大蒜(ニンニク)がどうとか宝探しがどうとか色々話をされたが、今のネスにはどちらも関係ないと思ってスルーした。そして、奥へ進むとネスはあわてている警察官に声をかけられる。
「ああ、ネス!いいところにきてくれた!」
「おまわりさん!」
「あれを……」
そういって警官はある方向を指さした。 警官が指さした先には、小太りな金髪の少年が、バタバタと暴れていた。その少年に見覚えのあるネスは、仰天しながらその名前を口に出す。
「ぽ、ポーキー!?」
「ポーキーをなんとかしてくれよ。うるさくてまいってるんだ。 お前ら、友達で家も隣同士なんだろう?」
「え、まぁ……」
「頼むよ!」
こう頼まれてしまった以上、ネスはため息を吐きつつ、ポーキーの方へ向かい、彼の名前を呼ぶ。
「ポーキー!」
「んぁ? なんだ、ネスじゃないか。野次馬は警察のみなさんの邪魔になるんだぞ!!」
「はぁ!? 邪魔な野次馬って、今のキミじゃないか!」
「なんだとっ!!」
ネスはポーキーの言葉に反発し、そう声を上げたが、ポーキーはそれ以上の大声を出した。
「お前もう、うちに帰れよ! 謎の隕石のことは、このポーキー様が詳しく教えてやるからさ!」
「ホントかなぁ?!」
「ホントだって! おれはいいけど、お前は邪魔になってるんだ!いいから帰れよ!」
「ああもう!わかったから、そんなに顔を近づけるな!大声で怒鳴るな!! ツバもとばすな!!!」
間近で声を上げるポーキーに半ギレを起こしてそう怒鳴った後、ネスは一気にポーキーから距離を取って、そしてそのまま帰って行った。もう警察の頼みなど知らないといわんばかりに早足で立ち去った。
「はぁ……やれやれ……ポーキーにも困ったものだよ……あいつをあそこに放っておくなんて、ポーキーの家の人達はなにを考えてるんだよ、まったく」
そう呟いたネスはふと、ポーキーの家であるミンチ家のことを思い出した。正直、あの家とはいい関係を築けているようには見えない。4人家族なのだがそろったところをここ最近はみてない。
「しょうがない……帰ろ」
考えたら負けだ、そう思ったネスは素直に自分の家に帰って行った。そして、家の前に着くと、母の姿が目に映る。
「ただいま」
「おかえり、ネス」
母はネスを、いつもの笑顔で迎え入れる。 そして、ネスの顔を見ると彼に言う。
「なにも言わなくてもいいの。ママはわかってるつもりよ」
「ママ……」
「さ、今日はもう遅いから、早くおやすみなさい」
「うん」
そう母に優しく言われ、ネスは家の中にはいると、もう一度パジャマに着替え直して眠りについた。
そして、さらに夜がふけた頃。
「ん~~~~?」
この家の中に、扉を激しくノックする音が響きわたり、それによりネスは再びたたきおこされてしまった。
「……今度は激しいノック? もう今夜は何なんだよぉ?」
「誰かが家のドアをノックしてるみたい。なんだか下品なノックだなぁ」
「そうだなぁ」
と、妹のトレーシーもノックに対する率直な感想を口にする。こうなればノックの相手には不満を言うべきだと覚悟を決めたネスは、家の玄関に向かう。
「うわぁ!?」
「うぉ!!」
そうして扉を開けたと同時に意外な人物が入ってきた。 それは、ポーキーだった。
「ネス!」
「ぽ、ポーキーィ!?」
「た、た、たたたいへん、なんだよぉ!」
「え、なにが?」
「なにがじゃないよ! あの隕石の落ちたところに、ピッキーを連れてったらさ……。あ、おばさんこんばんは、いつもキレイですね、へへ」
「おい」
「えーと、つまり、ピッキーを連れてったらさ……警察はシャーク団が暴れてるからってそっちへいっちゃって……だから、ピッキーがいなくなっちゃったんだよ。 警察が悪いんだよ」
「あーつまり、ピッキーと一緒に隕石を見に行ったら、ピッキーとはぐれたってことか」
ネスは呆れた顔で、ポーキーの身に起きたことを要約した。それに対し、ポーキーはぐぅ、と悔しげに顔をゆがめつつ、話を続ける。
「おれは悪くなくてさ、でもとーちゃんが帰ってきたら、おれが怒られるだろ。ケツたたき百回だ!だから、一緒にピッキーを探しに行くだろ!親友だろ、な!?」
「………えぇー……でもボクは眠い……自分でがんばってよ……」
「そんな冷たいこと言うと、心が張り裂けそうなことを言うぞ!!」
「うげ……」
ネスは断ろうとするものの、ポーキーの荒い呼吸を聞くのが苦しくなってきたので、開き直ってみせた。
「もう、わかったわかった!いくから!!だから呼吸を整えろ!」
「そうか、行ってくれるか友よ! レッツでゴーだぜ!!」
「変にかっこつけるな!!」
何故か誇らしげなポーキーに対し、ネスはそうツッコミを入れた。
そうして例の服に着替え直したネスは、ポーキー、そしてムク犬のチビを連れ、ボロのバットをもって外に繰り出した。 途中で野良犬やカラスやヘビがネス達に襲いかかってきたが、なんとかバットであしらったり、チビが吠えて追い払ったりしていった。ちなみにポーキーはなにもしてない。
「……なんか、変だなぁ……?」
と、ここまでの違和感を呟くネス。野生動物はみたことはあるものの、ここまで自分に襲いかかってきたことはいっさいなかった。おまけに相手はこちらに敵意を向けてくる。バットで抵抗していいものかと迷ったものの、正当防衛だと自分に言い聞かせる。
「!!!」
「どうしたの、チビ」
そんなこんなで、例の隕石の落ちてきたオネットのはずれの丘のところまできたとき、チビは硬直し震え上がり、何かに向かって吠えた後、立ち去ってしまった。 ネスは、感じ取ったチビの気持ちを訳す。
「“怖いところだと知ってたらこなかった”……なにいってんだよ……?」
「また動物としゃべったのか?」
「まぁね」
実はネスは、幼い頃から動物の気持ちを察知することができる。 動物の言葉をなんとなくで訳したりすることができるのだ。 周りはネスが優しい性格だから動物の気持ちを理解できるのだろう、と、彼の性格がその不思議な力の理由だと思いこんでいて納得していた。
そんなネスの能力を、ポーキーはヘンだと言い捨てる。 そんなポーキーに対しネスは苦笑しつつも、遠目でうたたねをしているピッキーの姿を発見する。
「あ、ピッキー!」
「ネス!それにポーキー兄ちゃん!」
ピッキーの方もネスとポーキーに気付いて、駆け寄ってきた。
「もう!ポーキー兄ちゃんが怖がっていなくなっちゃったから、随分探してたんだぜ!」
「……ポーキー……」
「……オホンッ!」
ピッキーの口から出た衝撃の事実にたいし、ネスはジト目でポーキーをにらみつける。それに対し、ポーキーは咳払いの真似事をする。ピッキーはそんな兄の姿を見ながら、やれやれといった様子で口を開く。
「無事でよかったよ、早くうちに帰ろうぜ!親も心配してるぞ! まったく、どっちが兄貴だかわかりゃしないよ」
「あっはは!とりあえず、帰ろうよ!」
「……………」
ピッキーに言われ、ネスとポーキーはそれに従う。ポーキーはどこか悔しげだったが、そこでなにかの音に気づきネスにたずねる。
「ネス!」
「あ、なに?」
「ブーンブーンっていう、カブトムシが飛んでるみたいな音が聞こえないか?」
「えっ?」
ポーキーに言われ、ネスは耳を澄ました。すると、確かにぶんぶんと何かが飛んでいるような羽音が聞こえてくる。虫か、とネスが首を傾げたそのときだった。
「わ、なんだ!?」
隕石から一筋の光の柱がたったのだ。そういえば、ピッキーを探すことを最優先にしていたため、隕石が近くにあることを忘れていたのだ。その隕石から光の柱が伸びてきたと思うと、そこから一匹のカブトムシが現れた。
「か、カブトムシ?」
「わしは、カブトムシ……ではない!!」
「わぁ、しゃべったぁ!!」
「わしは、ブンブーン!10年後の未来からやってきたもの……じゃ!」
「はい!?」
なんとカブトムシは普通にしゃべり出し、自己紹介をした上、未来からきたと語り出した。いきなりすぎる展開に、ネスはついていけないが、ブンブーンはそのまま語り続ける。
「未来はもう、惨憺たる有様……じゃ! ギーグという、銀河宇宙最大の破壊主が、なにもかもを地獄の暗闇にたたき込んでしまったのじゃ!」
「……そ、そうなんだぁ……」
「……しかし、しかしじゃ……わしのいる未来に、不思議な言い伝えが残っているのじゃ!」
「言い伝え?」
「少年がそこにたどりつくならば、正しきものは光を見つける。時の流れは悪夢の大岩を砕き、光の道ができる」
そう予言の内容を告げたブンブーンは、ネスの前に降り立つ。
「その少年というのが、ネス!」
「は、はい!!」
「あんたなのじゃということが、わしの鋭い直感でわかったの……じゃ!」
「え、えぇ!?」
いきなりそんなことを言われても、実感がない。ネスは、ブンブーンに確認をとる。人違いではないのかと思ったからだ。
「ほ、ほんとにそれ、ボク?」
「ギーグの悪の計画は、もうすでに地球の一部に及んでいるはずじゃ!」
「いくらなんでも、そんなとんでもない奴にボクが本当に勝てるの?」
「今すぐに戦いを始めれば、間に合うはず、じゃ!」
普通の子より少し運動神経が良いとはいえ、そこまで大きな存在に立ち向かう力が自分にあるのか。戸惑うネスに、ブンブーンはさらに話を進める。
「大切なのは、知恵と勇気……そして、仲間達」
「仲間……」
「……言い伝えでは、3人の少年と1人の少女が、ギーグを倒すという」
とりあえず自分だけがこのとんでもない運命に落とされているのではないと知って、ネスはまず一安心した。流石にいきなりこんな重大なことを自分一人だけに押しつけられたら、たまったものではない。
「詳しいことは後で教える。いくぞ、心配するな!」
「うーん、まぁしょうがないか……でもそのかわり、ちゃんと話をしてもらうからね!」
とりあえず今は、ポーキーとピッキーを彼等の家に連れて帰ることが優先だと思い直したネスは、ブンブーンとともにまずは帰ることを決めて、歩き出した。その後ろでポーキーとピッキーは、話をする。
「ネス、随分と厄介なことに巻き込まれたみたいだね」
「3人の少年って……おれも入ってるのかなぁ……いやだなぁ、どきどきする」
「ないない」
帰り道の途中、“スターマンのむすこ”と名乗る、ゴムみたいなスーツを全身に纏ったような宇宙人におそわれるアクシデントがあったものの、ブンブーンの援助により、ネス達は倒すことに成功した。ブンブーンいわく、あれは未来からきた宇宙の殺し屋でブンブーンとネスをねらってきたとのこと。不思議な力も目の当たりにして、いよいよ自分の運命が本物であると受け入れるしかなくなった。
「はぁ、ホント、本格的なことになっちゃったなぁ」
とにもかくにもネスは、ポーキーとピッキーを家に連れて帰ることができた。家には明かりがついており、ピッキーは呟く。
「あ……帰ってきてる……」
「今日とーちゃんとかーちゃん、おれ達を家においていって食事にでかけてたもんなぁ」
「……そうだったんだ……」
この家の事情にたいし、ネスは少し難しい顔になりつつ、扉の前にたってドアをノックする。すると、太った厚化粧の女性が扉を開けて、いきなり怒鳴り散らしてきた。
「いったいどこをほっつき歩いてたんだい、あんた達は! お仕置きだよ!」
「ひぃぃぃっ!」
「ちょ、ラードナおばさん……」
「部外者は引っ込んでな!」
ネスはなんとかフォローしたかったが、ミンチ兄弟の母ラードナ夫人の気迫に押されてしまった。そしてその奥から、太った男が現れる。
「やぁやぁネスくん」
「アンブラミおじさん……」
「うちのガキどもがどえらいご迷惑をかけたようで、すまなかったね。さて、二人ともお仕置きだぞ!」
「「ぎゃーーーっ!!」」
そう言うと、ポーキー父は二人の息子の腕をつかんで、ひきずって、家の中に連れ込んだ。その後、激しく何かを強く叩く音が聞こえてきて、ネスは身震いする。
「……」
ネスの父は仕事で忙しく、滅多に家に帰らない。だが、今、ポーキー達のような目に遭ったことはない。何故そういうことを平気でできるのか、シツケだからできるのか。ネスがいぶかしげな顔になっていると、ポーキー達へのお仕置きを終えただろうアンブラミが、ネスの前に出た。
「ところで、おたくの家、そろそろいい加減、立ち退いちゃくれないもんかねぇ……」
「えっ?」
「あんたの親父さんには、どえらい金を貸してるのさ。 何百万億ドルに、ちょっとかけるくらいのな。 おかげでうちは、貧乏暮らしをしているのさ」
「………」
「ホント、うちの人のお人好しにゃ、呆れるよ」
どこがだよ、とネスは下唇をかんだ。本当にお人好しな人が、あんなこというもんかと。
「正直モンは、損してばーっかり……あたしらみたいに、ね」
「正直?」
「なにか文句ある?」
「いいや」
こういうのには長時間関わらないほうがいいと思ったネスだったが、直後に至近距離で無駄にでかい大声が響く。
「キィィィ! 小うるさいハエだよ!!死んで地獄へいけ!!」
「あっ!!」
バシン、という音とともに、ブンブーンは地面に落ちた。ラードナ夫人が、ブンブーンをハエのごとくたたき落としたのだ。
「ぶ、ブンブーン……!」
「はっは、ようやく静かになった!」
「……っ!」
高笑いをするラードナ夫人をにらみつけ、ネスは足早にその家を立ち去っていった。あの家の中にいたまま、ブンブーンの話を聞くのがイヤだったから。外に出たネスは、手の中にいるブンブーンに呼びかける。
「ブンブーン、しっかりして!」
「う……うぅ……思ったより、わしはずっとずっとかなり……弱かった。 しかし、あんたはわしに構わず、冒険の旅にでるの……じゃ……」
「そ、そんな」
こんなただの12才の少年でしかない自分に、なにができるというのだ。ネスが涙目で困惑していると、ブンブーンは命がつきる前にネスに、やるべきことを伝えた。
「最期に、わしの遺言を聞いてくれ」
「ゆい、ごん?」
「ギーグを倒すには、地球とお前の力を一つにすることが必要なのじゃ。この地球には、お前のパワーを揺り起こし強めてくれる……“お前だけの場所”が8カ所ある。そこを全て訪れるのじゃ」
「ボクの、場所……」
「その一つの場所は、このオネットにある……“ジャイアントステップ”と呼ばれている場所、じゃ。まずはそこへゆけ!」
最初の目的地を伝え、ブンブーンは光をともす。その光はネスの手の中におさまると、一個の石となった。
「この、“音の石”を、持って行け。8つのお前の場所の音を染み込ませるグレートなアイテムじゃ。お前ならできる、信じて進め……それが、わしの、命よりも大事な願い……じゃ……」
「……うん、わかった……わかったよ。キミの願い、ボクがかなえる……! キミの犠牲も、教えてくれたことも、無駄にしないから……!」
ネスは涙を拭い、ブンブーンに対しうなずいた。すると、ブンブーンはうなずいたように小さく動いた。
「物わかりのよい子じゃ……頼んだぞ、ネス」
「……ブンブーン……」
その言葉をさいごに、ブンブーンはぴくりとも動かなくなる。ネスは手の中で息絶えたブンブーンを抱きしめ、誓いをたてたのだった。
「……ボク、強くなるよ……強くなって、未来を守るからね……!」
ここから、ネスの物語は幕を開けるのであった。
今回は旅のはじまり。 次回はオネットの不良をやっつけます。
MOTHER2はすごく好きなゲームなので、頑張ります!