一度警告受けて非公開にされたけど、おもえばこのタイトルをうっかりそのまんまにしちゃってたんですね。
今のこのタイトルが、この長編の正しいタイトルです。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
スリークでジェフと出会い助けられたネス。 地上からゾンビを追い払うために町のテントにアップルキッドお手製のゾンビホイホイを設置し、一晩待ってみたところ、成果は現れた。
「わぁ……」
「こ、これは……」
ゾンビホイホイを設置したテントの中は、文字通りゾンビまみれだった。 全員ゾンビホイホイにより呼び集められ、その装置から発生する麻痺の薬を受けて動けなくなっていた。 その絵はまさに地獄絵図であり、町の人達も恐怖して誰も入りたくなくなっている。 途中で自分勝手なおじさんがいたが、そのおじさんはゾンビの中に突き飛ばしておいた。
「説明書によれば、これでゾンビの動きを数日は停止させられるみたいだ」
「数日の間に大ボスを倒せば、自然とゾンビはいなくなるのかな」
「ますます、私達の行動が重要になってくるわね」
そう、動けなくなったゾンビ達をみて、ネスはふとある場所のことを思い出した。
「ねぇ、ここにゾンビがみんな集まっているってことは、あそこも通れるようになってるんじゃないかな?」
「昨日君達が言ってた、ゾンビが見張りをしている道のことだね?」
ジェフの言葉にネスはうなずき、3人は早速ゾンビが塞いでいた墓場の奥の道へ向かう。 そこはかつてゾンビが見張っていた場所ではあるものの、今はゾンビの姿がなく、奥の地下への道が開けていた。
「やっぱり、いなくなってるわ」
「チャンスだ、今のうちに通ろう!」
「ああ!」
ネスとポーラとジェフは、その道を通り地下へと進む。 地下にはゾンビが数体ほどいたものの、地上の数と比べれば大した数じゃないので、ネス達も正面から戦うことができた。
「ぐっちゃぐちゃ……おえぇーっぷ……」
「ん?」
そんな彼らは道の奥で、小さな緑色の液体状の生物が現れた。 ぐちゃぐちゃと音を立てながら、生物はネス達に気付く。
「あ、おまえはゾンビじゃないからなかまじゃないな……ゲップーさまのジャマをしにきたのか?」
「そうだ、と言ったらどうする?」
「ジャマものと、ゾンビじゃないやつはたおす! オエップがたおす!」
そう言ってオエップは襲いかかってきた。 敵と認識されたネス達は、戦いに向かう。
「きったない名前だな! みんな、一気に片づけるよ!」
「ああ!」
「ええ!」
その宣言通り、ジェフがバンバンガンを放っている間にネスとポーラがPSI攻撃を放ったことで、あっという間にオエップは戦えなくなった。 最期に、オエップははえみつが食べたかったと、はえみつは自分やゲップーの大好物だと言い残し、蒸発した。
「やっぱり、ゲップーはあのはえみつ、ってものが好きなのね。 ますます、はえみつが重要になりそうだわ」
「うん」
「そのときまで、大事に持っておこう」
そうしてスリークの地下洞窟を越えた3人は、川や滝のある道にでた。 看板をよんでみると、この場所はグレープフルーツの谷という場所らしい。 3人はこの道の安全な場所でいったん休息をとっていた。 そのため、スリークでかっておいたものを飲み食いする。
「どこにも敵の本拠地らしいところはないね」
「見つかりにくくて、意外な場所にあったりして」
「もっと奥へいってみよう、もしかしたら小さな村とかあるかもしれない」
そういいながらジェフは、奥にまた洞窟があることに気付いてそちらをみる。 思えばネスとポーラも、こういうことには心当たりがある。 自分達もそうして出会い、悪と戦って勝つことができたのだから。
「よし、これは善は急げってやつだ! みんな、いこう!」
「ちゃんと後かたづけはしましょうね!」
「うっ……わかってるよ……」
ポーラに注意をされて、ネスは自分が食べた分のゴミを袋に入れリュックに入れた。 彼らは道中で休憩のために食事をすることがあるのだが、そのたびにこうして袋に食べた後のゴミを入れておいては町に着いたときにゴミ箱に投入するのである。 ゴミはきちんとゴミ箱へ。 その基礎が出来ない者は世界を救えないものだ。
「よし、今度こそいこう!」
改めて再び歩き出す決意をし、3人は歩き出す。 そうして洞窟の中に足を踏み入れた、そのときだった。
「うぉ!?」
「こ、これは……!」
ネス達に悲劇が起こった。 彼らの前に現れたのは、黒光りするあの虫だったのである。 しかもふつうのサイズより、でかい。 その虫をみたネスとジェフは、本当に汚いものをみるような目の色になり、ポーラは硬直していた。
「ぽ、ポーラ?」
「……き……」
「き?」
「きゃぁぁぁぁーーーっ!!」
ポーラのことが心配になったネスが声をかけてみると、ポーラは悲鳴を上げて、韋駄天のごとく走り去っていってしまった。
「ああ、ポーラッ!」
「PKキアイ!!」
あれをさっさとPKキアイで殺し、2人はポーラの後を追いかけた。
「やっぱりポーラ、あれが大嫌いだったんだ!」
「男のボク達でもきついから納得だけどね!!」
そう話をしつつ2人は、ポーラを探した。 そのとき、再び悲鳴が聞こえてきた。 それは間違いなくポーラのものであり、あれに遭遇したに違いない。 すぐに声の方に向かってみると、そこではポーラはあれの群に向かってPKファイアーを放っていた。
「群に遭遇したか……ふつうにいやだな」
「ふつうにいやだね」
そういいつつ、すぐにポーラが落ち着きを取り戻すように2人もポーラに加勢をする。 そうしてあれの群はチリとなってこの世から消滅し、それによりポーラは荒く呼吸を繰り返しながらも、平常心を保とうとすることができた。
「……はぁ……はぁ……」
「ぽ、ポーラ……大丈夫……?」
「……ごめんなさい、まだ、だいじょうぶって、いえない……」
「そっか、そうだよな……」
この洞窟にいる限り、あれに遭遇する可能性は0にはならない。 だから、一刻も早く洞窟を抜けるため、3人は足を早めたのであった。
そうして無事に洞窟を脱出できた3人は、精神的な疲労から開放されたかのようにへたりこんだ。
「はぁぁ~~~……! なんか平和そうな空間にでられたぁ!」
「……ふぅっ……!」
平和で明るい空間にでられて、ようやく落ち着きを取り戻したポーラは、先程までの自分の混乱ぶりを恥じて、2人にそのことを謝罪した。
「……さっきは取り乱しちゃって、ごめんなさい……」
「ああ、いいよそのくらい、気にしないで。 あんなもんボクもイヤだし、遭遇したときのダメージはでかくて当然だもん」
「そうそう、むしろ君の反応がふつうだよ」
ネスもジェフも、ポーラの行動を異常だとはおもっていないし迷惑だったともおもっていない。 その気持ちを素直に伝えると、ポーラは安堵したように微笑む。
「ところで、無我夢中で洞窟を越えてみたけど、ここはどこなんだ……?」
そうして、冷静さを取り戻したネス達は今自分達がいる場所を確認する。 周囲を調べてみると、そこに不思議な生き物が集まってきた。
「ぽぇぇ~ん」
「へっ?」
「ぷーぷー」
集まってきたのは太い眉とつぶらな瞳、長い髭。 頭には一本の毛が生えていて、そこには赤いリボンがついている。 肌色の体に大きな鼻、足は2本。 そんな不思議な姿をした生き物だった。
「じぶんたちは、どせいさんというものですよ」
「ど、どせいさん?」
「どせいさん」
聞き取りづらさはあったが、この生物が自分の名前を名乗っているであろうことはわかった。 おまけに、不思議と敵意は感じない。 奇妙な姿をしているものの、魔物ではないようだ。 どせいさん、と名乗った生き物達はネス達に興味を示しているようで、囲って彼らをみているだけでなく、話しかけてもくる。
「ひとくるのめずらしい。 ぷー。 あらあら」
「どせいさん達は、ここにすんでるの?」
「すんでる、みんなで。 ここはサターンバレーいうです。 ぐんまけん」
「サターンバレー……」
ここはどせいさん達がすんでいる、サターンバレーという場所のようだ。 どせいさんたちはしばらくネス達を興味津々とみていたが、皆そろって村の中に入っていった。 ネス達も追いかけてみると、そこには小さな家がいっぱいならんでいた。
「ふふ、かわいいっ! おうちもどせいさんも、みんなかわいいわ!」
「あれがみんな、どせいさんのおうちと言ったところ、なのかな?」
「何度みても、ふしぎな生き物だな、どせいさんって。 ……こんな生き物、生まれて初めて見たよ……」
どせいさん達に囲まれながら話を聞いてみると、色んなことがわかった。 最近どせいさんの数が減ってきていること、ゲップーというのが現れてから消えていくことが増えていったこと。 恐らく、敵がどせいさんをさらっていっている可能性が高いと言うこと。 その話を聞いて、ネス達はここにもゲップーの支配が及んでいることを知った。
「くそ、ゲップーのやつめ……スリークの町だけじゃなくてここまで支配してるなんて……!」
「放っておけないわね」
どせいさん達が巻き込まれている、と聞いたネス達は、ゲップーにたいする怒りをさらに蓄積させた。 彼らのためにも、自分達がゲップーを倒すべきだと、確信する。
「ぐれーぷふるつのたき、そこにいる」
「そこに敵のアジトが?」
「げっぷーのこぶん、あいことばいえ、いう。 そうしたらだまって、3ぷん、まつんだ」
「なるほど……」
どせいさんの言いたいことを、ジェフは理解した。 グレープフルーツの谷にある大きな滝の裏に、ゲップーが基地を構えているアジトが存在し、そこに入るための合い言葉があるということ。 そして、その合言葉とは、そのまま三分間黙ることである。 その方法をとる相手に対し、ポーラは率直な感想を口にする。
「なんか、変わった入り方ね……」
「合言葉というから、なにか言わなきゃいけないってなる……その真理を突いた……ってところかな?」
「うーん、そういうものなのかな?」
ネスには心理というものは理解しがたいようだ。 だが、今はゲップーの基地にはいる方法がわかっただけでもめっけもんだ。 だから、今日はどせいさんたちが休ませてくれるというので、その厚意に甘えて休み英気を養うとして、明日には早速その敵のアジトにのりこむことを決めた。
「よし、明日3人でゲップーを倒しにいこう!」
「ええ!」
「そのためにも、きょうはやすむと、いいよーん」
「そうするよーん」
「そうかよーん」
「よろしくだよーん」
「おい便乗するな」
そうしてその日は、ここまでの移動で疲れた体を癒すため、どせいさんの経営する宿屋で一泊することになった。
そして、翌日。 ネス達はしっかりと朝食も食べて装備を調え、道具も多く用意し、ゲップーの基地があるというグレープフルーツの谷に向かった。 幸いにも、あの洞窟を再び通ることになったものの、あれに遭遇することはなかった。
「あれにさえ遭遇しなければ、怖いものなしなんだから!」
「非常に同感だ!」
「よし、みんな、いくぞ!」
そう言葉を交わし、3人は滝の裏側のみちに入っていく。 そこには岩があるのみだが、その奥からあの言葉が聞こえてきた。
「あいことばをいえっ!」
そう聞こえてきたので、3人はどせいさんに教えてもらったとおり、3分間黙ることにした。 そうして、3分黙った後のこと。
「よーし、はいれ!」
その言葉と同時に岩が動き、中に入れるようになった。 ネス達はそれに従い、中に入っていく。 中には、悪臭が漂ってきている。
「うぅ……なんか、この時点で臭いね……」
「よく見て、ネス」
ポーラに言われ、ネスはポーラの指し示す方をみた。 そこには、あの洞窟で戦った液状のモンスター・オエップにそっくりなモンスターが多くいた。 思い返してみれば、あのオエップもひどい悪臭を体内から放っていた。 だから彼らにはすぐにわかった、この基地を覆う悪臭の正体は、あの液体状のモンスターだと。
「この臭いにおいは、あいつらのせいか……」
「だけど、数が多いってことはここが奴らの生産場である……つまり、ここに奴らを生み出す親玉、ゲップーがいる証拠とみて、いいかもしれないね」
「うん」
ジェフの説にネスは頷きつつ、3人は戦いを回避するために場所を選びながら移動を繰り返していた。 物陰に隠れていれば見つからない。 途中で基地の中を飛び回る無数の蝿に遭遇したこともあったが、殺虫スプレーでこっそりと蠅を撃退してきた。
「あれは……!」
その途中、ネス達は衝撃的な光景を目の当たりにした。 窓ガラスごしにみた、工場とおもしきフロアで、どせいさんが働かされていたのだ。 どせいさんはベルトコンベアの前に立たされ、ビンに液体を注がれる仕事をしていた。
「あれって、どせいさん!?」
「足に重りをつけられてるわ……かわいそう……!」
「つまり、どせいさんはここに連れ去られて……ここに閉じこめられて、ずっとあいつらに働かされているんだ……! そして、あれはおそらく……はえみつだ!」
「ッ!」
どせいさんがここに連れ去られ強制労働させられている。 その事実を知ったネスはどせいさんを助けようと、飛び出そうとするが、それをジェフが腕をつかんで制止する。
「待って、ネス」
「ジェフ……だけど!」
「僕達がここで飛び出したら、大混乱になる。 ここは敵陣の真ん中だ。 ここで派手に戦って多くの敵を相手にしなければならなくなったら、僕達には多勢に無勢……本山であるゲップーと戦う前に体力を消耗してしまう。 そうなってしまったら、ゲップーを倒すのも難しくなる。 だから、ここはゲップーを倒すことだけを考えよう……」
「……」
冷静に説得をしてくるジェフの言葉に言い返せないネスは、不安を覚える。 このままどせいさんを見捨てていいのか、と。 そんなネスを励ますために、ポーラはあえて明るく伝える。
「だいじょうぶよ、ネス!」
「ポーラ」
「どのみちゲップーを倒しちゃえば、ここから追い払っちゃえば、結果としてどせいさんを開放できるはずよ! それに、スリークのゾンビもいなくなるだろうし……」
ポーラは、強気に笑って見せた。
「ゲップーを私達が倒せばいい、これならカンタンでしょ!」
そういわれ、ネスは一度キョトンとしたが、すぐに笑顔になって頷く。
「……うんっ……!」
そうして2人の言葉を受けたことで、自分のやるべきことを思い出したネスは、帽子をかぶりなおして、気合いを入れ直した。
「よし! ポーラ、ジェフ! ゲップーの元へ急ごう! そして……ヤツを倒して、どせいさんやスリークのみんなを助けよう!」
ネスの強い気持ちに対し、彼と同じ気持ちを抱いたポーラとジェフは頷いて答えるのであった。
次回は、ある意味マザー2でも有名なボスとの戦いです。
刮目ください!大げさだけど!