色んな事がぎゅうぎゅう詰めになっちゃいました。
大都会・フォーサイドを訪れたネス達。 バスに乗ってその町を訪れた際は天に届くほどの高層ビルがたちならぶ町並みに興奮を覚えたが、砂漠での冒険の疲労から町を探索するほどの元気はなく、その日は仕方なくフォーサイドのホテルで一泊することになった。
「おはよ!」
「おはよう!」
「おはよう」
そして、翌朝。 先に起きていたポーラとジェフに、おくれて起きてきたネスが挨拶をした。 寝癖で爆発した頭に対しポーラは笑いつつネスに朝食を渡し、ネスはそれを受け取って食べていく。
「そうそう、ネス。 ジェフってば昨晩夜なべしてたのよ」
「えぇ!? ちゃんと寝なきゃダメだよ!」
「平気だよ、僕元々あまり寝ない体質だし……それに、夜なべをしたおかげで壊れたものを新しいアイテムとして生まれ変わらせられたよ!」
そういってジェフは、夜中のうちに修理したアイテムをネスに見せた。 どれもかつては壊れたものであるという面影がなく、冒険の役に立つかもしれないものばかりであり、それを生まれ変わらせるジェフの頭の良さや手先の器用さに感心してしまう。
「ボク達の冒険に役立つ道具を造ってくれるのは嬉しいし、キミの技術はすごいって思うけど……でも、夜はちゃんと寝るときは寝てよ! キミは平気でも、ボク達は心配なんだから!」
「ああ、わかってるよ。 もうある分のアイテムは造っちゃったのもあるし、今晩はふつうに寝るよ」
ネスの怒った言葉に対しジェフは苦笑しつつそう返事をし、モーニングコーヒーを口にした。 ネスもやや呆れたように残ったサンドイッチを食べ、ポーラもクスリと笑いながらデザートのヨーグルトを食べた。
「さて、ホテルから出たらフォーサイドをいろいろ調べてまわろう!」
「「おー!!」」
とりあえず町をみて歩いてみようと言うことになり、その提案にしたがってフォーサイドの町を歩いていると、3人はある大きな劇場の前にたどりついた。
「あれっ?」
トポロ劇場、とかかれたその劇場には、今メインで活動しているミュージシャンの名前が書かれている。 今活躍しているのは、トンズラブラザーズというグループらしい。 そのグループを知っているネスは、懐かしげに笑顔を浮かべた。
「へぇー! 今トンブラ、ここでライブやってるんだー!」
「あら、ホントだわ!」
「とんぶら?」
「「え」」
その名前を知らないらしい、ジェフは首を傾げていた。 そんなジェフのリアクションに対しネスもポーラも驚きながらも、彼にトンズラブラザーズというバンドグループのことを説明した。
「へぇ……そうだったんだ。 そんなすごい人たちとネス達って知り合いだったんだな」
「ボクとしちゃ、ジェフがトンブラを知らないことにビックリだよ」
「ごめん……僕そういうのに疎くて……」
「まぁいいや、ジェフも実際にショーをみてみるといいよ!」
ジェフも曲を聴けばトンブラを好きになるはずだ、と思ったネスはここで行われるトンブラのショーを3人で見に行き、ついでに前にもらったバックステージパスを使ってトンブラに会いにいこうと思いつく。
「!?」
「ど、どうしたの!?」
そう最初はうきうきした気分でいたネスだったが、不意に彼の脳裏に謎のイメージが浮かび上がり、それが悪寒となって襲いかかってくる。
「一瞬なんか、イヤな予感がしちゃった……」
「ま、まさかネス」
「……」
このイヤな予感がはずれていることを願ったネスは、劇場に入りバックステージパスを使い直接トンブラに会いに行った。 まず彼らは再会を喜び合ったものの、ネスが事情を尋ねる前にトンブラのほうから事情があかされる。
「いやぁ……またここのオーナーにだまされちゃったよ」
「えぇっ!?」
「今度は100万ドルだ。 そんな金額、埋蔵金でもなきゃ出せないぜ」
また借金を背負わされていた。 ツーソンのデジャヴだとネスとポーラが感じていると、メンバーはオーナーの話をする。
「ここのオーナーは、宝石が大好きで、宝石に目がないんだよ。 まぁどっちにせよ、お金もなければ宝石もないから、借金をここで永遠に歌って返してくしかないんだけどな」
「それはどうなんだ……」
このままでは、トンブラは延々とここで歌い続けさせられ、ほかのところにいけなくなるだろう。 金額によっては、四六時中ここで働かせられる可能性も高い。 トンブラが好きなネスは、今度もトンブラを救えないものかと思っていると、先程彼らが口にした言葉がヒントとなり、ある提案をする。
「でも、埋蔵金ならなんとかなるかもしれないね!」
「ええ!」
「そうだね」
宝石は入手できないかもしれないが、埋蔵金なら手がかりがある。 あの発掘隊隊長に話をした上で自分たちも手伝えば、埋蔵金の分け前をもらって、トンブラの借金の肩代わりができるかもしれないのだ。
「よし、再び砂漠のあの、発掘現場へゴーッ!」
「「おーっ!」」
そう気合いを入れて3人はバスに乗って砂漠へ向かい、あのときの発掘現場へ向かった。 一度行ったこともあるし、野次馬が多いから、迷わずに発掘現場にたどり着くことができた。
「うわぁ、野次馬だらけだ」
「隙間をぬって、あの人のところへ行こう。 野次馬やテレビ局には見つからないようにね」
「わかってる」
ジェフの話を聞いて、ネス達は拠点小屋に到着し、そこにいるあのときの発掘隊の隊長のところに到着した。
「ああ、あのとき食事を分けてくれた子達か! また会えてよかったよ!」
「お元気そうですね!」
まずは挨拶をしあい、ネス達は彼に、自分たちが埋蔵金を求めていることや、それを求める理由を説明した。 話を聞いた発掘隊隊長は納得をしてくれるものの、同時に難色を示す。
「うぅむ……君達の気持ちもわかるし、そういう理由なら埋蔵金をいくらでもわけてあげたいが……」
「どうかしたんですか?」
「実は、今捜索が難航していて……とんでもない足止めを食らってしまっているんだよ」
「え?」
「とんでもない大きな化け物が何匹も、この洞窟の中にいて……そいつらを退治しないと、安心して発掘作業の続きができないんだよ」
事情を聞いた3人は、顔を見合わせて頷いた。 化け物退治ならお手の物だからだ。
「その化け物、ボク達が全部倒してあげるよ!」
発掘隊の隊長やその隊員にそう言い切ったネス達は、発掘現場の洞窟の中に入っていき、例の化け物というのを探した。
「なんか如何にもな敵はいっぱいいるけど……どれも、あの人達が言うような情報にはあっていないよね」
「こいつらは多分ザコだ。 あからさまなやつが怪しいな」
そういいつつ、ジェフはなにかを発見したらしい。 その報を指さしつつネス達に言う。
「たとえば、あんな感じとか」
「どんな感じ?」
ジェフの指さした方向にネスもポーラも視線を向ける。 そこには、きょだいなモグラがいた。
「で、でかいモグラ!?」
「なんか会ったことがあるきがするわっ!?」
「あからさまだろ?」
「あからさまだね!」
そう声をかけつつ、3人はそのきょだいなモグラに向かって叫ぶ。
「やいやいやーい! お前が埋蔵金発掘をじゃましてるというバケモノだな!?」
「お前には恨みはないけど、僕達には埋蔵金が必要なんだ! ここで倒されてくれよ!」
「……あぁ?」
ネス達の呼びかけに答えるように大きなモグラ、もとい穴の主はネス達の報を向き、名乗りを上げる。
「そうだ、おれはこの穴の主だ。 この穴には5人の主がいて、おそらくオレはそのうちで3番目に強い」
「さ、さんばんめ?」
「その3番目に強い主の力、あじわえっ!」
なんか微妙な達位置にいる気がする、その穴の主と戦うことになったネス達。 相手はするどい爪を持っていたが、それはディフェンスをあげることで対処し、ネスとジェフが攻撃した直後に繰り出された、ポーラのPKフリーズがヒットし、穴の主は氷付けになってそのまま粉砕された。
「倒れたよね」
「ええ」
ポーラは手のひらに残っている冷気を払いつつ、穴の主が倒れたことを確認する。 まずは一体を倒すことができたが、
「でも、今のが3番目ってことは、あいつより強いのと弱いのが、2匹ずついるってことだよな……」
「そうなるんだよね」
「油断はできないわ、とにかく全部を倒すしかないなら進みましょう」
そう真剣な顔つきになりつつ、3人はこの洞窟をさらに奥へと進んでいった。
「おれが、本当に3番目に強い、この穴の主だ!」
「へ?」
だが、次にあった姿形が全く同じの別の穴の主は、自分こそが3番目を語ったのだ。 そいつも難なく倒した。
「おれは2番目の穴の主より弱いが、4番目の穴の主より強い!」
「え」
しかし、次にあった穴の主も、同じだった。 こいつもまた、とどのつまりは3番目だと自己紹介をする。 そして、同じ方法で簡単に倒すことができた。
「おれが正真正銘の、ナンバー3の穴の主だ!」
「こいつもか!」
もうなにもいわずもがな。 この穴の主も3番目を自称する。 こいつもあっさり撃退できた。
「お前はこれまでに1番目と2番目と4番目と5番目の穴の主と戦ったはずだ! おれが、おれが! 真に3番目に強い穴の主だ」
「もういいわぁぁぁっ!!」
ネスはさすがにキレて、PKキアイを放ち穴の主を倒した。 その一撃にモグラは倒れ、戦いはあっという間に終わった。 ネスは、荒い呼吸を整える。
「はぁ……はぁ……思い切りやっちゃったけど、しょうがないよね?」
「まぁ、しょうがないわよ。 私もさすがにうんざりきていたもの……」
「もう微妙に3番目にこだわるヤツには、関わりたくないのはわかるし……これで目標を達成できたんなら、結果オーライだ」
「……たぶん、これで大丈夫だろうし、あの人に報告でもしにいこっか……」
そう声を掛け合い、3人は洞窟の外にでて隊員や隊長に、巨大なモグラの化け物を5体ぐらい倒してきたから大丈夫だと報告した。 これで発掘が続けられることに喜んだ発掘隊は、出てきた埋蔵金を彼らにお礼としてプレゼントすると約束して、発掘に力を入れた。
「また化け物が出てきたときのために、僕達はここで休ませてもらって結果をまとう」
「そうね」
「うん」
そうして発掘隊が寝泊まりしているコンテナに3人は待機することにした。 幸いにも夕方まであのモグラのような厄介な化け物は出てこなかったらしい、ネス達もゆっくりと身体を休めることができた。
「だ、ダイヤモンド!?」
「わぁ、大きくてキレイ……!」
そうして発掘作業が進んだ後に発見されたのは、とても大きくて輝いている、ダイヤモンドといわれている高価な宝石だった。 埋蔵金が目当てであった発掘隊は、このダイヤモンドでよければネスにあげると言ってきたので、ネスはそれを受け取る。
「お金じゃなくて残念だったな」
「でもあのオーナーさん、宝石も好きだって言ってたよね!」
「こんな大きなダイヤモンドなら、100万ドルの価値に値するかもしれないわ! 物は試しで、行ってみましょうよ!」
「よっしゃあ、いくぞー!」
ネス達は速攻でフォーサイドの町に帰り、そのままトポロ劇場へ一直線に向かった。
そうしてフォーサイドのトポロ劇場に到着したネス達は、そこの支配人の女性に会いにいった。 そうしてトンブラの借金の話になり、100万ドルを出せるのかという話になったとき、ネスはあのときと同じようににやりと笑いつつ例のダイヤモンドを取り出した。
「どう? これ?」
「え、な、な、なによそれは!? ちょ、もっと近くで見せなさい!」
思った通りと言うべきか、支配人はそのダイヤモンドに食いついてきた。 ネスはそれを光に当てててまわし、ダイヤモンドの輝きを見せつつ、彼女に交渉を持ちかけてきた。
「これがほしかったら、トンブラの借金をチャラにしてもらうよ!」
「え、ええいいわよいいわよ!! このダイヤモンドで借金はチャラでいいわ!!! この契約書もチャラよ!! さぁ、これでトンズラブラザーズは、自由の身よぉ!!」
「やったぁ!」
これでトンブラが解放される、と喜んでいるネスの元に、あのときのようにトンブラが駆けつけた。
「またこの坊主に助けられちゃったな!」
「一気に地獄から天国だ!」
「せっかくだ! 最後にもう一曲だけ歌ったら、ここを立ち去ろう!」
「是非、君達もきてくれよ!!」
「うんうん、絶対に行くよ!」
そうしてトンブラのトポロ劇場でのラストライブを見に行く3人。 ステージではトンブラがヒット曲を歌う中、ある人物が現れる。
「わっ、あれビーナスさんよ!」
「おぉ~~! ゲストをだすとはやるぅ!」
それは今人気上昇中と言われる女性歌手、ビーナスだった。 ステージに歓声が響きわたる中、トンブラは彼女とともにダンスと歌を披露し、最後は全員バスに乗ってステージから立ち去っていった。 すばらしい演出に対しその場にいた全員が惜しみない拍手を、彼らにおくっていた。
「やっぱりトンブラは、最高だっ!」
「いいわね!」
もちろん、ネス達3人もそのステージに対し大きく拍手を送っていた。 そんな中、ネスはジェフに問いかける。
「どう、ジェフ?」
「え」
「こういう体験、はじめてでしょ? 感想はどう?」
唐突に質問をされて戸惑うジェフだったが、確かにこういう体験は初めてだ。 だから、少しぎこちないながらも、自分の正直な気持ちを打ち明ける。
「……君の言うとおり初めてだったから、ドキドキしたよ……」
「うん」
「だけど」
「だけど?」
ジェフは胸を押さえながらも、その口元には笑みを浮かべていた。
「なんか、ああやって大きく歌って演奏されると、こっちまで気分がスッキリするな……! 僕達が彼らを助けたんだと思ったら、よりその気持ちが強くなってくるよ……!」
「うふふ、そうね!」
「人助けをした後って、やっぱり気持ちがいいよね!」
ライブを堪能し、トンブラを救った達成感を感じたネス達は、その日はホテルに帰り、ちょっとした祝いの席のような物を用意してライブの余韻にひたるかのように話をして盛り上がった。
「この調子を保っていきたいわね!」
「そうだね」
「よし決めた! 明日、みんなでデパートに行こう! そこで思い切り買い物をしよう!」
「やった!」
「ちょうど明日には、休んでいたデパートも営業を再開するみたいだしね! 楽しんでもいいかもしれないな!」
「きまり!」
明日の予定も決まり、3人はその日は眠りについたのであった。 今、フォーサイドの摩天楼を、月が見下ろしている。
ナンバースリーなモグラ軍団はなんだったんでしょうね、あれ。
そんなことはさておいて。
割とテンションが高い一行。
はてさて明日はデパートでのお買い物です。
マザー2をプレイしたら、次回が不穏な内容ではないかと思いますが、大丈夫ですよ!