MemoryStamp   作:彩波風衣

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ムーンサイドを攻略して、そのまま立て続けにモノトリービルを攻略します。
サルの洞窟は軽めの省略をかけてたりします。


17.突撃!モノトリービル!

 

 マニマニの悪魔は破壊した。 あとはモノトリービルへ突撃する方法を探し出すだけだ。 ネスとジェフがその方法を探している時、アップルキッドから電話があった。 それは、ぐるめどうふマシンという、いちごどうふなるものを作れるという謎のアイテムを開発したのでネス達にプレゼントをしたいというものだった。

 ところが、そのお届け物をうっかり屋の宅配員が砂漠の中にあるサルの洞窟に忘れてきてしまったという。

 

「あのお届け屋は、クビになればいいよ」

「どうどう」

 

 手間をかけさせることにたいしネスが不満を露わにしているのをジェフはなだめつつ、酒場を出たときに起きたことをネスにもう一度はなし聞かせる。

 

「変なサルが僕達に言っていただろう? 砂漠にあるサルの洞窟で僕達を待っている人がいるって……さ。 ついで感覚で行けばいいんだよ」

「それはわかってるよ。 その人には会う必要がある気がするのは、ボクもわかっていることだよ。 それに……」

 

 ぐるめどうふマシンのやりとりを聞いていたメイドの女性が、是非それを譲ってほしいとお願いしてきた。 どうも、いちごどうふが必要とのことだ。 そのメイドさんの部屋は彼女の職場に当たる、モノトリービルの中にあるという情報をつかんだネスは、ぐるめどうふマシンを彼女に渡せばビルの中に入ることができることに気付き、彼女に渡す約束をした。

 

「という経緯があって、ボク達はいま」

「この洞窟に人を尋ねつつ、マシンを探しにきたというわけだ」

 

 そう。 ネス達は今、そのサルの多い洞窟の中にいるのである。 中には話に違わぬ数のサルが多くいて、自分達の持ち物をほしがっていた。 それを渡しながら道を通っていき、やがて2人は洞窟の最奥部にたどり着いた。 そこには、あぐらをかいて宙に浮かぶ、一人の老人の姿があった。

 

「……この人が、タライジャブさん?」

 

 この人物がそうなのか、とネスがその老人の顔を凝視した、そのときだった。

 

「……よく、まいられた」

「うぉ!?」

「宇宙の心理は粒のように波のように宇宙を駆けめぐり、人という宇宙に語りかけているものじゃ。 あなた方がここに来ること、私がここで待つこと……全て、定められた心理」

「え、えぇっと?」

 

 突然口を開いたかと思えば、老人…タライジャブは話を続ける。 その内容は哲学的と言うべきか、はたまた異次元というべきか。 悟りを開いたようなその難しい話に、ネスはついていけない。 ジェフも、さすがにこういう話は苦手なようだ。 タライジャブはさらに、ネス達の名前を口にしていく。

 

「ネス、ポーラ、ジェフ。 そして、プー」

「プー……」

「4つの力が出会うとき、捻れようとしている宇宙は……安らかな呼吸を取り戻す。 わかるかね」

「え、えぇっとぉ……ごめんなさい、わかりません!」

「すなお!」

「わからんでもよい」

 

 正直な感想を返したネスに、タライジャブは目を細めながら彼に告げる。

 

「あなた方の好きなように歩んでゆけば、それでよい」

「そ、そうですか」

「さぁ、そこの箱を開けて持って行きなさい。 ついでに、うっかりものが穴に落としていきよったものである、これもな」

「あぁっ!」

 

 タライジャブが玉手箱と共に見せたのは、何かの機械が入った箱。 お届け主はネスであり、差出人はアップルキッドと書かれていることから、これは自分達が探していた、ぐるめどうふマシンで間違いない。 目的のものが見つかり安堵するネス達に対し、タライジャブはさらにあるものも授けようとする。

 

「ここから先の旅も、並大抵のものではなかろう。 空間を自由に移動する力を授けてあげよう。 そこのサルについていきなさい」

「おお、それはいいや! 覚えます!」

「ほっほっほ、そうじゃろう」

「ウキキー!」

 

 指導役を担ったサルが早速洞窟の外に向かったので、ネス達もサルについて行く。

 

「ありがとうございました、さようなら、タライジャブさん!」

 

 出て行く前にちゃんと、タライジャブにたいしお礼の言葉を言って。

 

 

「ウッキー!」

「うん、バッチリ! テレポーテーションaを使えるようになったよ! ありがとう!」

 

 そうしてサルの援助でテレポーテーションのPSIを手に入れたネスは、早速ぐるめどうふマシンのことを例のメイドに報告し、それを彼女に譲った。 するとメイドは是非ネス達にお礼がしたいといい、ビルにいる人たちには自分から話をしておくから、モノトリービルの高層にいる自分の部屋にきてくれと伝えてきた。

 

「あのメイドさんを口実にモノトリービルの潜入に成功した、という感じだね」

「ネス、言い方」

 

 ネスもいろいろ鬱憤のようなものがたまっているのだろうか。 ネスのやや黒さのある発言にジェフは苦笑しかできない。 だが、なにはともあれ、普段は誰も行くことができないとされる、モノトリービルの48階に行くことができた。

 

「でも、ちゃんと会いに行かないと失礼だからね……」

「わかってるって」

 

 エレベーターガールの女性はネス達の事情を知っているらしく、特別に48階までエレベーターを動かしてくれた。 そうして彼らは48階に到着し、いきなりロボットに襲われるというアクシデントを経験しながらも、そのメイドさんの部屋に到着した。 扉をノックすると、どうぞという声が聞こえたのでネス達は扉を開けて部屋にはいった。

 

「まぁ、本当に来てくれたのね! はい、これがあなたにもらったぐるめどうふマシンで作った、いちごどうふよ! さぁ、めしあがれ!」

「あ、じゃあお言葉に甘えて……いただきます」

 

 メイドさんはネス達が来てくれたことにたいし喜び、彼らにもいちごどうふを振る舞った。 正直未知の味であるので、ネスもジェフもゴクリと息のをみつつそれを口にする。 すると、想像以上にいちごどうふがおいしいものであることをすぐに認識できた。 意外なおいしさに、2人とも驚く。

 

「思ったよりおいしいな……」

「そうだね」

「これ、実は今ここにきているポーキーって方のリクエストなのよ!」

「えっ」

 

 まさか、ここでポーキーの名前を聞くとは。 このビルに最初に突撃したときにポーキーと会った時のことを思い出したネスは手を止め、ジェフもやや眉間にしわを寄せていた。 そんな彼らをよそに、メイドさんは上機嫌で話を続ける。

 

「あぁ、ポーキー様ってステキ。 この前、わたしにおみやげをくださって……メイドのみやげだよ、ですって!」

「………」

「日本のことわざと英語をミックスしたジョークでしょ」

 

 そう明るくいうメイドさんに、ネスはもはやなにもいえなくなった。 ツッコむ気力さえない、といった調子だ。 こんなリアクションをとれるのは皮肉にも、ポーキーとつきあいの長いネスにしかできないものであろう。 ジェフはそのことを察してか、複雑な顔をしている。

 

「……ネス……」

「なにも、なにもいわないでジェフ……」

 

 ネスの言うとおり、ジェフはこのことについてこれ以上はなにもいわなかった。

 

 

 とにもかくにも、いちごどうふを完食したネスとジェフは、メイドさんにお礼を言ってその部屋を出ていき、モノトリーの元へ急ぐためにビルの中を攻略した。

 

「ポーキーのせいで変なキモチにはなったかもしれないけど、僕達の今の目的は、ポーラの救出だ。 ネス、気を引き締めなおしていこう!」

「もちろんだ! ボク達にはポーラを助けなきゃ行けないという、今一番大事な使命があるんだからね! 忘れるわけがないじゃないか!」

 

 そう、本来の目的であるポーラ救出に意識を戻す。 今はポーキーなんてどうでもいい。 ポーラが最優先だ。 ネスはそう自分に言い聞かせることで我に返り、自分達を不審者と見なして排除しようと襲ってくるロボットを再び撃退しつつ、モノトリーの部屋に向かう。

 

「メイドさんのところに向かう途中でも思ったけどさ……無駄に部屋がおおいよな、このビル」

「うん……いくらお金と権力があっても、ただビルが高いとか部屋が多いとか広いとかだけが、いいことだとは限らないもんね」

 

 どの部屋にモノトリーがいるのかがわからず、ネスもジェフも扉を開けては部屋に入りモノトリーを探し、時には例のロボットと戦闘を繰り広げる…というのを繰り返した。 幸いなのは、ほとんど人の姿がなく、追い出される心配がないことなのだ。

 

「……でも、そう考えるとおかしいな……」

 

 それにたいし、ジェフは違和感を抱いた。 仮にもモノトリーは権力者だ。 そんな重要な人がいるはずのこの階層の警備がここまでガバガバなのは、妙である。 もしや警備ロボットがいるから大丈夫なのか、とこの状況をやや無理矢理に納得させる。

 

「ジェフ、なにを考えてるの? 先を急ごうよ」

「えっ……あ、うん」

 

 ネスがジェフをせかしたことで、ジェフはこの状況に対する違和感について考えるのをやめた。 やがて2人は大きな扉を開けて先へ進み、そこでへんちくりんなロボットに遭遇する。

 

「ガチャガチャピーピー」

「な、なんだこのロボット!?」

「ボロボロブルブル、ドンガラガッシャン。 ぽっ!」

「なんだ、やる気か!?」

 

 姿形は今まで戦ってきたものとは少し違うが、このロボットもまた侵入者を排除するために戦闘をするタイプのものらしい。 ゆだんロボ、というネームを持つそのロボットに、ネスとジェフは身構えて、それに立ち向かう。

 

「でぁぁ!」

 

 早速行動を起こしたネスは勢いよくバットを振るいゆだんロボを攻撃する。 すると、ゆだんロボは頭を大きくぐらつかせたので、今の攻撃は効いているのだとネスは確信し、さらに一撃を加える。

 

「ジェフ!」

「うん!」

 

 ネスはバットの追撃の後でジェフに声をかけ、ジェフはレーザー銃を放ってゆだんロボに標準をあわせて放つ。 それにあわせてネスはゆだんロボから離れ、レーザー銃はネスに当たることなくゆだんロボに命中した。 その攻撃にたいしゆだんロボはねじを落として、それを拾おうとしているので、隙ができた。 それをチャンスとみたネスは、PKキアイを放つ。

 

「やった!」

「うまくいったか!?」

 

 そのPKキアイが命中し煙が上がり、ネスもジェフもこの戦いに勝利をしたのかと思いこんだ。 ところが、煙の中から、ゆだんロボが現れる。

 

「えぇ!?」

「な、なんて頑丈なんだ……!」

 

 ネスとジェフの連続攻撃に、超能力の念波攻撃。 それを受けたら大抵の敵はひとたまりもないはず。 だがこのゆだんロボは平然としており、相変わらず頭はぐらついてて体もよろめいているが、壊れる様子はない。

そんなとき、ゆだんロボはどこからともなく手巻き寿司を取り出して、それを食べ始めた。

 

「えぇぇ!? ろ、ロボットが、手巻き寿司をたべてるぅぅ!?」

「あ、ありえない……どうなってるんだ!?」

 

 ロボットが手巻き寿司をふつうに食す光景に、ネスもジェフも驚きを隠せず困惑する。 そんなとき、ゆだんロボの腹部が開き、そこになにかが見えたジェフは、慌ててネスに呼びかける。

 

「まずい! ネス、さがってて!」

「ジェフ!?」

「ペンシルロケット・5!」

 

 ジェフがペンシルロケットを放つと、ゆだんロボはその腹部からミサイルを発射してきた。 そのミサイルとペンシルロケットが衝突し、相殺して大爆発を起こす。 目の前の光景に対し、ネスは口をあんぐりと開けた。

 

「……え……」

「……危機一髪だったな……ネス、ゆだんをしたらダメだったんだよ……

ミサイルが再び飛んでくる前に、なんとかしてケリをつけるぞ!」

「え、あ、うん」

「ぼけっとしないで、やるぞ!」

「は、はい!」

 

 ジェフの叱責をうけて我に返ったネスは、ゆだんロボに向かってPKキアイを放つ。 ジェフもそれに合わせてレーザー銃を打ち、それを受けてもゆだんロボは壊れることなく平気な顔で手巻き寿司を食べる。 もう一度ネスとジェフがバットとレーザー銃の攻撃を繰り出すとゆだんロボがまたミサイルを放ってきたので今度はネスがPKキアイを放って相殺し、ジェフがペンシルロケットを攻撃として繰り出して命中させるものの、ゆだんロボはゆらゆら動くだけで倒れる気配がない。

 

「くっそー! いいかげんにしろよぉ!!」

 

 ケリのつかない戦いに対しうんざりきたネスが怒りの声をあげた、そのときだった。 軽快な音楽が鳴り響いたのは。

 

 

 この緊迫した空気に不似合いの、あまりにも軽快な音楽にネスもジェフも驚く。

 

「え!?」

「な、なんだぁ!?」

 

 さらに、この空間に起こった異変はそれだけではなかった。 突然、黒いスーツに楽器を持った男達が流れ込んできたのだ。 その姿に見覚えのあるネスは、彼らの名前を口に出す。

 

「と、トンズラブラザーズ!?」

「いえーい! いかにもその通り!」

「金と自由を愛する、イカれたミュージシャン! トンズラブラザーズだぜ!」

 

 そう、彼らはトンズラブラザーズだったのだ。 なぜ彼らがここにいるのかが理解できなかった2人だが、ここは今戦いの場であることをすぐに思い出し、ネス達は彼らを止めようとした。

 

「背中のスイッチを押したら止まったぜ!」

「え」

「はははは、わかりやすいやつだ!」

「お前、頭いいな」

 

 ところが、それよりも早くメンバーの一人がゆだんロボの背後にまわり、ゆだんロボの電源スイッチを切ったのだ。 ロボットの動きを止める方法を見破り、あっさりと簡単にこの長期戦を終わらせた彼らに対し、ネスもジェフも、こう叫ぶしかなかった。

 

「「そんな、バカなーっ!?」」

「わっはっはっはっは!」

 

 そんなネス達と対比的に、陽気に笑うトンブラ。 一度は絶句したものの、こうしてゆだんロボとの戦いが終わったことを思い出し我に返ったネスは、トンブラに問いかける。

 

「そ、それよりもなんでこんなところに、トンブラのみんながっ!?」

「オレ達、お前等にお礼がしたいんだ。 いくらでも力になるぜ」

「金はなくても力はあるんや」

「この隣の部屋が怪しいんじゃ」

「さぁ、隣の部屋に踏み込もうぜ」

 

 トンブラは親身になって、本心からネス達を助けたいといってくれた。 自分達にはこんなに、心強い味方がいるんだ、というのをネスは強く感じて、力強くうなずいた。

 

「……うん!」

 

 ネスとジェフは、互いに顔を見合わせてうなずきあい、奥の扉の部屋に入る。 あのゆだんロボが守っていた部屋だ、ここにあの男がいると気付いたのだ。

 

「おいつめたぞ! モノモッチ・モノトリー!」

「ヒィ!?」

 

 ネスが勢いに任せて扉を開けると、部屋の中にいた老人は震え上がった。

 

「もう、もういい! やめてくれ! 私は戦いなんかしない! 本当だ!」

「こ、こら!」

 

 さらに部屋の奥へ逃げていくモノトリーにむかってネスは怒鳴るが、直後にその部屋にいた少女に気付く。

 

「あっ!」

「……!」

 

 その少女…ポーラもまた、ネスに気付く。 そのままポーラはネスの方にかけていき、彼の名前を口に出しながら彼に抱きついた。

 

「ネス!」

「ポーラッ!」

 

 ネスも迷わず、彼女の名前を呼びながらポーラを抱き留める。 そうして2人は抱きしめあって、離れてた時間を埋め合わせていく。

 

「やっぱり来てくれたのねっ」

「当たり前じゃないか! 大丈夫、ケガとか怖い思いとか、しなかった?」

「……私は、大丈夫よ。 きっと、あなたが来てくれるって思っていたもの」

 

 ちゃんと顔を見て、ネスはポーラに外傷や異常がないことを確認する。 彼女の蒼い瞳は涙で潤んでいるが、それは疑うまでもなく、うれし涙だろう。 その顔を見て、ネスも安堵のほほえみを浮かべる。

 

「よかった」

「うん」

 

 今はただ、無事の再会がうれしくて、2人は近い距離でほほえみを向け合った。

 

「ふふっ」

 

 そんなネスとポーラを、ジェフは少し離れたところでほほえみながら見ていたとさ。

 

 




無事にポーラと再会、救出成功です。
はたして、モノトリーはどうなる?
次回に期待!
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