なお、今回は物語の都合上、原作ゲームにはない戦闘シーンとなってます。
ご了承ください。
宿敵を追って過去の最低国にたどりついたネス達はそこで、ギーグと彼の側についたポーキーと遭遇した。 まずはポーキーを攻撃して大ダメージを与えることに成功したネス達だったが、そこでポーキーは、邪悪そのものと化したギーグの本性を露わにすると言って、なにかのスイッチを押した。
「こ、これは……」
「どういうこと……なんだ……?」
その瞬間、周囲の景色は一変した。 背景は赤と黒で何かの模様が描かれているのを延々と繰り返し、地面の役割をしていた肉塊からは触手が飛び出し、各所に突き刺さるように張り付いていた機械の破片のようなものはバラバラになって宙に浮かぶ。
「怖いだろ、おれだって怖いよ。 ギーグはもう、考えることすら出来ないし、自分がなにをしているのかも、もうわからないんだ」
「なんだって!? どういうことだ……!?」
そう説明されても、常識を越えすぎていてネス達には理解できない。 そんなネス達にたいしポーキーは、今のギーグがどういう状態なのかをそのまま伝える。
「ギーグは自分の力の、あまりの強さで……自分の人格さえ破壊してしまったのさ! とんでもない力の、大馬鹿野郎さ! ギーグは!」
「そんなことが……そんなことになっているなんて……!!」
「実際にそうなってるんだよ、ギーグがそれなんだよ」
信じられなかった、悪という概念そのものになるなど、力の強弱の問題ではないとも思えてしまうのだ。 そんなことになってしまった今のギーグにたいし、4人は呆然とするしかなかった。 それが、彼らにある隙を与えてしまう。
「けっけっけ! ネス!」
「うわぁぁ!?」
「ネスっ!?」
突如足下の肉塊から触手が伸びてきてネスを包み込み、飲み込んだ。 目の前でネスがギーグの肉塊に飲まれたのをみたポーキーは、ほくそ笑むように告げる。
「餌になれよ……ギーグの!」
そう言い残してポーキーはマシンに乗って飛んでいった。 それと同時に仲間達もまた肉塊に飲まれていく。
「うわぁぁっ!」
「きゃぁぁっ!」
「クッ……!」
全員肉塊に飲まれてしまい、それにより4人はバラバラになる。 そのとき、声のようなものが響きわたった。
「……ネスサン……ネスサン……」
どくん、と肉塊が脈を打ち膨らむ。
「キ モ チ イ イ」
その声ともに彼らを封じ込めた肉塊が膨れ上がった。 まるで、彼らを完全に閉じこめようとしているかのように。 だが、4人はそこで終わるはずはなかった。
「……負けてたまるもんかっ!!」
その先の空間の中で、ネスは己を奮い立たせた。 このまま一人で戦わない、誰も見捨てない。 必ず合流するという意志が、ネスの中にはあった。
「待ってて、必ずみんなを見つけるから!」
そしてポーラも、仲間を捜す意志を見せていた。 その証拠に彼女はPKファイアーを放ち、強引に肉塊を焼き払っていった。
「こんなところでくたばるもんかっ!」
ジェフも同じだった。 彼はバズーカや爆弾を放って肉塊を破壊し、活路を開いていった。
「この程度、障害になどならんっ!」
プーも剣とPSIをうまく織り交ぜた技を駆使して道を遮るものを破壊していく。 すべては、運命を共にすると決めた仲間と再びともに、歩むために。
同じ空間の別々の場所にとばされたネス達は、ギーグからの攻撃を防ぎつつ、道を遮るものを破壊していった。
「うわぁぁぁぁっ!!」
今も、正体のつかめないギーグからの攻撃を受けてしまったところである。 突然飛んできた衝撃波に全員がダメージを受けてしまう。 なんとか立ち上がりつつ、ネスは全員に届くよう祈りながらライフアップΩを放ち、再び肉塊に向けてPKキアイを放ち、そこにできた空間に足を踏み入れて先へ進む。
「なんとしてでも、みんなのところにいかないと!」
そう自分に言い聞かせて、ネスは自分の傷を押さえつつあるき続けた。 この偉業の空間のどこに仲間がいるかなど、ネスには少しもわからないことだが、必ずここにいて、必ず合流できると信じてやまなかった。 腕についたお揃いのリストバンドが、それを伝えてくる。
「ハッ!」
そんなネスの行く手を再び、肉塊の触手が襲いかかる。 別々の方向からは機械の破片が飛んできており、一斉にネスを攻撃しようとしてくる。 肉塊はPKキアイ、破片はバットで打ち返していくが、地面から出てきた触手に身体をからめ取られ動けなくなり、そこにギーグの謎の攻撃が襲いかかる。
「イタイ……イタイ……」
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
動きを封じられていたせいでネスはその攻撃をモロに受けてしまい、大ダメージを受けてしまった。 それにより、床にネスははいつくばることになってしまう。
「うぐっ……」
致命傷ともいえるダメージを受けてネスは苦しむが、そんなネスに対してギーグはまだ攻撃を続けてきた。 これまでか、とネスが一種の覚悟を決めたそのとき、バリアーが出現してそれを防いだ。
「えっ?」
「大丈夫、ネス!?」
「ポーラ?」
「ええそうよ、ポーラよ!」
そこに駆けつけたのは、ポーラだった。 彼女はサイコシールドで相手の攻撃を防ぎ、そして今も自分たちに襲いかかろうとしていた触手をPKファイアーで焼き払ったところだ。 そして、そのままの姿勢でポーラはネスに告げる。
「さっきの回復、私にも届いたから……ここまでこれたの! だから、負けずにここまでこられたのよ」
「……」
「だから今度は、私が貴方の助けになる!」
そういってポーラは、再び襲いかかってきたギーグの謎の攻撃にPKサンダーで対抗した。 そんなとき、再び破片が二人に襲いかかろうとしていたが、それは別方向からのレーザー銃が防いだ。
「大丈夫かい、君たち!」
「ジェフ!」
「よし、君たちの姿を確認できたことだし……このまま攻め立てよう!」
ジェフはそう言うと、ペンシルロケットを放って周囲の触手を消しとばした。 そして、今度は奥にいるギーグに攻撃を仕掛けようとしたが、それは相殺された上に4人は謎の力に縛られて動けなくなってしまう。 麻痺を起こしてしまったようだ。 そんな彼らにギーグは追撃をしようとしたが、それはいくつもの流星によってはばかられた。
「間に合ったな!」
「プー!」
「たとえどんなに離されようとも……すぐにお前達を助ける、誰も見捨てない!」
そういってプーは仲間達にヒーリングをかけて、彼らを救ったのだった。 仲間達が全員そろったところでネスは、再びライフアップΩを使って全員の傷をいやした。 それにより、ネスもまた再び立ち上がることが出来るようになり、彼らの身体も軽くなる。
「これで全員、そろったね!」
「当たり前よっ! なにがなんでも必ず、ひとつにまとまるわ。 それが、私達よ!」
再び同じ場所に、4人が集結した。 これにより、彼らの戦う意欲は再び高まってくる。
「ネスサンネスサンネスサンネスサン」
そんな彼らの意欲に反発するかのように、ギーグは狂ったように声のようなものを発していた。
「イタイ……イタイ……」
「えぇいっ!!」
ネスは伸びてくる触手にバットで対抗し、一つずつ削り取っていく。 そんなネスの動きを阻止しようとギーグが触手をのばしてくるが、それはジェフがバズーカで吹っ飛ばしプーが剣で切り裂いていく。 ギーグのとばしてくる衝撃波も、ポーラがシールドを張って防ぎ、さらに炎のPSIで攻撃をしてギーグにダメージを与える。
「またくるっ!」
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
そのとき、正体のつかめないギーグの衝撃波のような攻撃が再び襲いかかってくるのを、ネスは直感で感じ取った。 その言葉に従い仲間達は頷くと、ポーラがサイコシールドを張ってそのダメージを軽減する。 するとギーグはその直後、謎のエネルギーを放ってネス達を状態以上に陥れてくるが、それをネスとプーが仲間を治療することで防いだ。
「PKキアイ!」
「PKフリーズ!」
「スーパーバズーカ!」
「PKスターストーム!」
そこで4人は一斉に大技を放ってギーグに食らわせるが、まるでそれを取り込んでいるかのように通じている気配がない。 そもそも、この空間に漂うものすべてがギーグだと言われても、形がはっきりわからないと手応えの有無がわからない。
「チガウ……チガウ……」
「……このまま、退けるものかっ!」
そう声を上げてプーはギーグに攻撃をするべく剣を振り上げて突進していこうとしたが、直後に触手が現れてプーをとらえてたたきつけてくる。
「うわぁぁ!!」
「プーッ!」
「くっ、邪魔をするなっ!!」
そういってプーは力ずくで触手を引きちぎり、空いた手でPKフリーズを放って別の触手を破壊する。 それによりプーの身体は再び自由になり、ジェフはそんなプーに再び襲いかかろうとしていた触手をペンシルロケットで破壊した。
「……イタイ……」
「きゃあっ!!」
「ポーラッ」
刹那、ポーラにギーグが放った攻撃がヒットして、ポーラの身体が吹っ飛んだ。 ネスはそれを受け止めて彼女を救い、そのダメージをライフアップで回復させつつ、相手に向かってPKキアイを放つ。
「平気かい、ポーラ」
「大丈夫よ、ありがとうネス」
そう言葉を交わした後でポーラは立ち上がり、相手に向かってPKファイアーを放ち攻撃をする。 周囲の触手も同じように焼き払って消滅させる。
「キ モ チ イ イ……」
「はぁっ!」
ネスもバットを振るって触手を取り払った後でPKキアイを放ってみるが、これといって手応えは感じられない。 ジェフもペンシルロケットを放ってみるものの当たった気配が見えないようだった。 本当に自分たちがなにと戦っているのかわからなくなっていたネス達は徐々に疲弊していき、困惑もしてくる。
「いくら攻撃してもきりがないわっ……」
「うまく攻略が見えない……そもそも、これ、本当にギーグなのか……!? どうしたら、概念というものを、倒すことが出来るんだ……!?」
奮闘をする4人だったが、未だにギーグを打ち倒す方法が見えてこない。 どうしたら、ここにいる悪の概念となりはてたギーグを倒すことが出来るのだろうか。 攻略法方が見えず困惑するネス達に、再びあの正体のつかめない衝撃波のようなものが襲いかかってきた。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
「……ッ!!」
その一撃は今までギーグが繰り出してきたどの攻撃よりも大きく、強かった。 4人はそれに、一瞬で飲まれてしまった。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
「……う……」
自分はわずかな時間の間、気絶していたのだとネスは気付いた。 目を開けると周囲には、あの一撃を受けて弱り果て、地面に横たわる4人がいた。
「み、みんな!! まって、いますぐに……」
倒れている仲間達に対しすぐにライフアップをかけようとしたネスだったが、そこに妨害が入ってくる。 ネスの身体になにかが刺さり、ネスの動きを封じたのだ。 なにがあったんだと困惑するネスの耳に、ある少年の声が聞こえてくる。
「……ッ!?」
「けっけっけっけっ」
「ぽ、ポーキー……!!」
ネスを攻撃して動きを封じたのは、ポーキーだった。 ポーキーは変わらず、ボロボロになった機械に乗っていて、そのアームの一つが、ネスの腹部を貫いていたのだ。 必死に動いて抜け出そうとするネスだが、そのダメージは予想以上に大きいようで、力がでない。
「お前達の力も、そんなもんで精一杯だろ」
「……そんな、はずは……ぐぅぅぅ……!」
「この異次元空間に正義の味方とやらは、お前ら4人だけ。 誰にも知られず、宇宙のゴミになって消えるのを待つばかり……くーっ、悲しい話だよ! 涙がでるね!」
そういいつつポーキーはアームをネスの腹部から抜き取ると、そのまま宙に浮かぶ。
「おれもドキドキしてるんだよ……こわくてさ……」
そしてポーキーは、自分の攻撃を受けて苦しむネスを見下しながら、さらに彼を挑発してくる。
「この真っ暗闇に向かって、助けを呼んでみるかい? ハハハハハハ! ママーって叫んでみろよ、ネス!」
「……おまえ……」
「ママーッ! パパーッ! おしっこもらしちゃいそうにこわいよぅ! ってか!」
「……ッ」
「テレパシーでもなんでも、使えるもんなら助けを呼んでみればいいさ! 弱虫毛虫の正義の味方さん、だーれもきちゃくれないぞ!!」
そうネスに言い捨てた後、ポーキーは再びアームを振り上げてネスを攻撃しようとする。 彼にトドメをさそうとしているのだ。
「けっけっけっ……早く楽になりな!!」
ポーキーがネスに向かってアームを振り下ろそうとした瞬間、ポーキーの身体はこおりづけになった。 何事かと困惑するポーキーの元に、一人の少女の声が響きわたる。
「ネスを失わせはしないわっ……私達がいる限り、誰も死なせない……!」
「な、お前……まだ……!?」
「……ポー、ラ……」
ポーラは自力で立ち上がって、PKフリーズでポーキーの動きを封じたのだ。 同じようにジェフも立ち上がり、ポーキーに向かってペンシルロケットを放って攻撃した。
「ごほぉ!? なにするんだよ!!」
「なにするんだ、はこっちのせりふだ。 八つ当たりも対外にしろよ、ポーキー……!」
「あ?」
「まったく、そのとおりだな……」
同じようにプーも立ち上がり、ネス達にライフアップをかけつつもポーキーに向かって言い捨てた。
「さっきネスに言い放ったあの言葉……あれは、お前がずっとやりたくても叶わなかったことじゃないのか? 自分で叶えられなかったことじゃないのか! 自分がいくら親に助けを求めても助けてくれなかったから、そういってネスを挑発してるんだろ! ネスの親は助けを求められれば、ネスに手をさしのべる人だと知ってるからな!!」
「うるさいっ!!」
「うるさいのは、貴方の方よ!!」
ジェフとプーの言葉にたいしポーキーは怒りを露わにし攻撃を仕掛けようとしたが、そこに激しい落雷が起きた。 ポーラが、PKサンダーを放ったのだ。 その一撃の前にポーキーは、撃沈する。
「……ポーキー……」
その一方でネスは、立ち上がりながらぽつりと呟いた。 撃沈していったポーキーに対し、言葉を向けた。
「……いつも独りのお前にはわからないだろうけどさ、ボク達には……いるんだよ。 ここにいる以上に、多くの人たちが……今まで出会って、絆をはぐくんだ人たちが……」
「そうだな」
「うん、わかる」
「私達、いつもそれを感じていた」
「その絆を信じて、助けを求める」
ネス達は顔を上げた。 それにあわせて、ポーラも祈るように両手をくんで目を閉じた。
「……この祈りを……届けます……」
その祈りは、どこかへと届くように飛んでいった。
こんな調子で、投稿続けられるのかはふあんですが…チャンスを見つけたらすぐに行動に移したいと思います。