Fate/staynight Snow hope 作:kirika4
真夜中に金属同士がぶつかり合う音が、ここ衛宮邸の土蔵にて鳴り響く。
カン!カン!カン!
と、まるで鍛冶師が刀を鍛える音だが、そうではない。
ただ修理をしている音である。
「...」
男、衛宮士郎はストーブを治すために中身を弄くり回し、解体しては部品を交換している。
やがて集中力が切れたのか、ため息を吐き、額の汗を拭った
「まだ治ってないからな、もうひと踏ん張り頑張るか」
と、再び目を凝らしてストーブと向き合う。
少し経つと士郎に睡魔が襲いかかるが、そこで"本来ならば"有り得ないことが起きた。これが分岐点とも言えるひとつだった
「ーーっ!!?」
頭上から物が落ちてきた。土蔵なのだから戸棚など置いてあり、その上に乗せてあった箱が落下したのだ。士郎は頭を摩りながら、落ちてきたものを拾う
「いつつ...また藤ねえが置いていったものか?」
箱には何も書かれていない。いや、裏にはEinzbernと書かれていた
「あい....アインツベルン?」
ドイツ語というのは士郎も理解できた。士郎の父、衛宮切嗣がよく海外に出かけていたのだから、そのお土産で様々なものをもらった。しかし、これだけなぜ土蔵にしまってあったのか疑問に思い、蓋を開けた
「これは、
『これを見つけるのは士郎だと願って僕は書いている。
率直に言うと僕はいつも娘に会いにいくために海外に飛んでいたんだ。
でもそう上手くはいかなくてね...だから自分にできる限りのことをしていた。
難民の人達を助けたり...娘はきっと僕を恨んでいるだろう、そして僕を殺しにくる。だけどもし、僕が亡くなっていた時、おそらく士郎に矛先が行くだろう...』
「親父...」
士郎は続きを読む。正義の味方への道、何か答えがあると信じて
『最後に...士郎、君の姉を...イリヤを頼んだ』
読んだ手紙を綺麗に折りたたみ、箱にしまう。そして土蔵の外に出て、月を見上げる
月光が衛宮士郎を照らす、その光を見つめる
「分かったよ、切嗣。たった1人の姉を守れなくて何が正義の味方だって話だからな」
月を掴むように手を伸ばす士郎、その目は決意の眼差しだ
「絶対に守ってみせるよ...大切な...家族だもんな...」
この日、衛宮士郎は希望を持った。きっとその希望は絶望をも跳ね返す、眩い光であろう
やがて、彼ら彼女らに、
Fate/staynight Snowhope