Fate/staynight Snow hope 作:kirika4
夢を見た....男は人を救ったのに、批難され、背中には棘のように剣が突き刺さっている。
それでも進んで人を救い続ける
そんな光景をどれだけ見ただろうか?
他人事とは思えないぐらい、その生き方が虚しく感じつつ、共感してしまう自分がいた
場面が切り替わる。
白銀の綺麗な髪をなびかせて、笑顔をチラつかせてる
しかしその素顔はハッキリ見えず、モヤがかかった感じだ
その子が遠くに行く、それに対して思わず手を伸ばし、出ないはずの声を振り絞って出した
「待ってくれ!」
飛び起きた。息が上がっている。
肩を上下に動かし、見た夢を思い出し、頭を抑える
「あの手紙が切っ掛けだよな...」
昨夜の手紙を思い出す、切嗣が遺したもの、その事を頭の中で考えていると、トントントンとリズミカルな音が聞こえた。
「まずっ、もうこんな時間か!」
時計を見れば既に6時を超えていた。起床時間をとうに過ぎている
素早く着替えを済ませ、居間に駆け足で向かう
「おはよう、桜」
挨拶をする。この衛宮邸には俺1人しか住んでいないが、合鍵を後輩に渡してある。とある事故がきっかけで彼女に渡すことになったが、当の本人は喜んでいたので問題無しとする
「おはようございます、先輩」
間桐桜。俺のひとつ下の学年で後輩だ
「手伝うよ」
そう言ってかけてあったエプロンを手に取り、羽織る。手を洗い、水を切って桜が作ろうとしている料理を見る
「今日は山芋を使うのか」
「はい!和食に慣れてきましたから、少し冒険を」
そうして話は進んで行く中、ふと思い出す
「藤ねえ遅いな...」
「そうですね...寝坊でしょうか?」
藤ねえに限ってそれはない。飯を食いに絶対くるため、ギリギリでもやってくるだろう。
「健康そのものが藤ねえだから寝坊じゃないと思うぞ、大方学校の仕事とかだろう」
そう発言した時、居間に藤ねえがやってきた。だが、挨拶もせずに無言で新聞を開いて、そのままじっとしている
何を考えてるのか分からないが、放っておいてお皿を並べていき、盛り付けをする
「「いただきます」」
俺と桜は手を合わせて挨拶を、藤ねえはまだ新聞を読んでいる
「藤ねえ、ご飯の時ぐらい新聞しまえって」
「...」
沈黙が帰ってくる。これは何を言っても聞かなさそうだ
コチラも黙ってご飯を食べることに
「桜、醤油取ってくれ」
「はい...って大変です!先輩のお醤油は昨日で切れてました!」
「あー、じゃあ藤ねえのでいいから頼む、いいよな?藤ねえ」
ん、と返事が、そのまま桜から手渡され、スーッとかける
白色が醤油の色で濁らせるように掻き混ぜ、ご飯に垂らす
「ゴフッ!?ん、不味っ!?これソースだぞ!?しかもオイスター!」
口に広がる酸味が鼻にくる
思わず吹きそうになったが、手で口を抑えて耐える
桜が直ぐティッシュを取ってくれてなんとか零さずに済んだ
「引っかかった!どうだー!醤油とソースのラベルを入れ替える作戦なのだ!」
「アンタ、やけに静かだと思ったら朝からこんな事企んでたのかよ!」
「みんなでこぞってお姉ちゃんを虐める士郎が悪いのだ。おかげでこの後テストの採点が詰まってるからお姉ちゃん、急がないといけないので」
がババっと口に料理を放り込む藤ねえはそのまま食べ終えると俺たちに遅れるなと言い捨てて学校に向かってしまった
「たくっ...」
そうして騒ぎも終わり、学校に行き、生徒会の手伝いもして、バイトの時間になった
「えみやーん、こっちお願ーい」
「はい!」
忙しい時間が2時間近く続く
酒場、コペンハーゲンで働かさせてもらい、20時前に家の近くまで着くと視界に紫色の服を着込んだ少女が見えた
「...?」
「早く呼び出さないと死んじゃうよ?お兄ちゃん」
すれ違い様に、そう呟かれた。振り向いてその少女を呼び止めようとしたが
「いない...」
今の少女は、初めて見た気がしないほど、どこか安心感があった
なぜ安心感が出るのか考えると、頭痛がし始める。
痛む頭をかかえて先の少女の言葉を思い出す
「呼び出さないと死んじゃう...どういう事だ?」
何か分からないまま、家へ戻って1日を終える
運命の夜まであと2日