ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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本編が始まる前、プロローグのプロローグです。
ミロとユミルの冒険は、こうやって始まります。


断章「Good Night」

『もちろん、額縁はもう1枚、ちゃーんと用意してあるぜ?』

『ま、まさか……!!』

『さあ、大人しく観念するんだな! ルイージ!!』

 ゴーストは魔法で額縁を作り、中に青紫の渦を生み出した。

 あれに吸い込まれれば、額縁に囚われてしまう。

 ルイージは全速力で、ゴーストから逃げ出した。

 ゴーストはゆっくりとルイージを追跡し、家具を飛ばしてルイージの逃げ道を狭める。

 ルイージはどこに逃げればいいか、迷いながらも左に向かって走る。

 部屋のドアも魔法で消え、散らばったトイレットペーパーと皿が、逃げるルイージを邪魔する。

 そして、ルイージがもたもたしている隙に、

 ゴーストの舌が食器をなぎ倒すと同時にルイージに命中し、転倒した。

『うっ……』

 ルイージは動こうとするが、足を挫いて動けない。

 そうしている間に、ゴーストはルイージに近づき魔法の額縁をルイージに向けて振りかざした。

額縁に収まりやがれ、ルイージ!!

うわあああああああああ!!

 

 ――Good Night。

 おやすみなさい、絵の中で永遠に。

 

 所変わって、ここは時空の狭間。

 ミロは暇だったので(実質年中暇だが)、アデルの水晶玉に映った光景を見ていた。

 

「アデル……これ、何?」

「近いうちに実現する未来だよ。

 マリオ一行はゴーストに捕まり、絵画としてあのゴーストの物になりましたとさ」

「そんな、あいつ、異次元空間を開ける魔法を使えたのね!」

 ミロは、額縁にあった渦だけを見てすぐに異次元空間を開ける魔法だと分かった。

 これは異次元の旅人なら誰もが知っている基礎知識である。

「その通り、あの額縁は、

 魔法を通してあのゴーストが作った異次元空間に対象を封じ込めるものだよ」

「捕まる時はかっこいいポーズがいいですね」

「あのなぁ……ずっとそのままの可能性もあるんだぞ?

 君が絵画になれば、あのゴーストの物になっちゃうんだよ」

 ユミルのボケに突っ込むアデル。

「そうでした。ボクはミロさんの下僕なのに、いつから浮気するようになったんでしょうか」

「だろ? だから、君達時空警察は、この未来を変えるんだ。

 天下がゴーストのものになったら嫌だろう?」

「「当たり前でしょ(です)」」

「というわけで、君にはこれを持ってほしい」

 そう言って、アデルは小さな歯車をミロに渡した。

「あら、これは?」

「これは『時の歯車』といって、時を操る力を持った歯車だ。

 使う事で時を巻き戻し、生死をやり直す事ができる。

 ただし、時の歯車を使える回数は1つの冒険で100回までだ。

 それ以上使えば世界に負担がかかるからな」

「便利ですね」

 つまり、死んでゴーストに絵画にされても、100回までならやり直す事ができるのだ。

 ちなみに、絵画になるのはルイージだけで、

 ミロは時の歯車で守られているため基本的に絵画にはならない。

 

 こうして、アデルはルイージが絵画と化す前の時間に、ミロとユミルを送る事にした。

「じゃあ、行って来いよ! ミロ! ユミル!」

「「はい!」」

時空貫通(カオス・ゲート)

 そして、アデルが呪文を唱えると、螺旋状に光が渦巻き、大きな渦の穴ができた。

 それを見た瞬間、ミロが「やめて!」と叫ぶ。

「なんで、やめてほしいんだい?」

「あたし達を額縁に放り込むつもりでしょ! やめて! やめてってば!」

「ミロさんがそう言ってますよ」

「いや、大丈夫だよ。これは時と場所を超える、時のトンネルなんだから」

「その渦が嫌なの! 早くやめて!」

「……はいはい」

 アデルはすぐに、時のトンネルを消した。

 

「まったく、初っ端から怖い思いをさせないでよ」

「ごめんごめん……ちょっと形が悪かったかな? じゃあ、別のものにするよ。時空貫通(カオス・ゲート)

 アデルは再び呪文を唱える。

 今度は、サイケデリックな穴ができる。

「これなら君も大丈夫だろ?」

「ええ、大丈夫よ。これなら安心して、ゴースト退治できるわ。

 よーし! いざ、ルイージが待つ場所へレッツ・ゴー!

「レッツ・ゴー!」

 

 こうして、ミロとユミルは、

 ルイージの未来を変えるためにキノコワールドに乗り込むのだった。




次回は本編のプロローグとなります。
ミロとユミルはルイージの未来を変えるために異世界に赴く。
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