ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

10 / 46
~前回までのあらすじ~

メイドオバケ・ミスリーに盗まれたオヤ・マー博士の鞄を取り戻すため、
ルイージ達はミスリーを追いかける。
逃げてばかりの彼女に苦戦する三人だったが、ミロのおかげでミスリーを撃退し、
彼女からオヤ・マー博士の鞄を取り戻した。
果たして、鞄の中には何が入っているのだろうか?


2章外伝「Summon Gooigi」

 メイドオバケのミスリーを撃破し、

 オヤ・マー博士の鞄と三階のエレベーターボタンを取り戻したルイージ達は、

 エレベーターに乗ってベースラボまで戻った。

 三人はエレベーターに入り、ルイージは三階のエレベーターボタンを取り出してはめ込む。

 これで三階に行けるようになったが、まずはオヤ・マー博士の鞄を届けるのが先だ。

 三人は地下一階のベースラボに戻るのであった。

 

 地下一階に着いた後、ルイージはベースラボを目指して歩いていく。

 場所は覚えていたので、三人は迷う事なくベースラボに到着した。

 

「ただいま!」

「よくぞ、無事に戻ってきた!」

 オヤ・マー博士はルイージ達の帰還を喜ぶ。

 大した外傷はなかったため、オヤ・マー博士はフェッフェッと笑う。

「さあ、鞄をこっちによこすんじゃ」

「これが、オヤ・マー博士の鞄ですね? しっかり持ってきましたよ」

 そう言ってルイージは鞄をオヤ・マー博士に渡す。

「フェッフェッ! これじゃよ、これこれ! 今こそ、こいつを実践投入する時が来たのじゃ!」

「こいつ……?」

 鞄の中には、一体何が入っているのだろうか。

 ユミルが首を傾げていると、オヤ・マー博士は「研究日誌」と書かれた本を彼によこした。

「今からルイージ君に説明するから、キミはそれでも読んで待っているのじゃ」

「……?」

「わしも、もう(とし)で自分でオバケを捕まえられんからのう。

 代わりにと思って助っ人を開発したのじゃよ」

 ユミルはオヤ・マー博士が説明している時、彼がよこしてくれた研究日誌を開いた。

 最初のページには、目次が書かれていた。

 ユミルはそのうちの「第一章 偶然の産物」が書かれたページを開いた。

(なるほど……グーって、どの元素にも属さない特殊な存在なんですね)

 ユミルが研究日誌を読んでいる間に、オヤ・マー博士は鞄を開け、

 中から緑色の液体が入った瓶を取り出す。

「これぞ、天才オヤ・マーの最新の発明品! その名も、グーイージ君じゃ!!」

「グ、グーイージ?」

「この緑がそうなの?」

 ルイージとミロが驚いている中、ユミルは「第二章 "グー"の特性」を読んでいる。

 グーというのは、オバケエネルギーとルノマングリーニーコーヒーを

 掛け合わせる事で誕生した新たな物質である。

 熱と水に弱いが、何らかの刺激を与えるとそれにひとりでに反応する不思議な性質がある。

 オヤ・マー博士はこれを利用し、ルノマングリーニーコーヒーを片手にアイデアを考えていた。

「こいつはなかなか開発に苦労したぞい。試作品を誰かに動作テストしてもらったりもしたのう」

「あ、知ってます。ルイージですね」

「そうじゃとも。まあ、正確に言うと『過去の』ルイージ君じゃがな」

 ユミルは「第四章 懐かしのあの屋敷」を読んでいたため、動作テストの内容が分かっていた。

 ゴーゴーカメラにちょっと手を加えて、過去の世界と通信できるようにした後、

 出会ったばかりの過去のオヤ・マー博士とルイージに連絡を取り、

 屋敷にグーイージを送り込み、二人にグーイージの動作テストを依頼したという。

「で、これのどこが助っ人なの?」

「まあ、そう焦るでないわい。ほれ、ルイージ君よ。

 オバキュームにセットするからちょっと後ろを向くんじゃ」

「はい」

 ルイージが後ろを向いた後、

 オヤ・マー博士は緑色の液体が入った瓶をオバキュームの中に注入した。

「よし、これでセット完了じゃ!」

「おおー! ありがとうございます」

 ルイージは新たな仲間を手に入れ、オヤ・マー博士に感謝する。

 すると、オヤ・マー博士は気持ちを逸らせながら言った。

「それではルイージ君、まずは訓練といくぞい。一旦、表に出るんじゃ!」

「分かりました。ミロとユミルはベースラボの中で休んでね。

 僕はオヤ・マー博士と一緒にグーイージの訓練をするから」

「「はーい」」

 オヤ・マー博士はグーイージが入っていた瓶を投げ捨てた後、

 ルイージと共にベースラボを後にした。

 ミロは、ユミルが読んでいた本が気になって声をかける。

「ねえユミル、あなた何を読んでたの?」

「オヤ・マー博士の研究日誌です。グーイージの誕生について書かれていますよ」

「へえー! ちょっと見せてー!」

「いいですよ」

 ミロとユミルは、二人でオヤ・マー博士の研究日誌を1ページ目から読んだ。

 

 その頃、ルイージは外でグーイージの訓練に入ろうとしていた。

 ルイージの頭上には檻がある。

 オヤ・マー博士は何かのボタンを押した。

 嫌な予感を感じたルイージだったが、時既に遅し。

 檻が落下し、ルイージは捕まってしまった。

うわあぁぁぁぁぁぁ! 何するんですか、博士!」

 何故かオヤ・マー博士はガッツポーズをしている。

「フェッフェッフェッ、わしの罠にはまったな、ルイージ君よ!

 ……というのは冗談じゃが、悪いが閉じ込めさせてもらったぞ?」

(こんなのが訓練だなんて、聞いてないよ……)

 ルイージは、もう少し大人しい訓練がよかった、と溜息をついていた。

 オヤ・マー博士はルイージに脱出法を説明する。

「ルイージ君、早速じゃが、グーイージ君を使ってそこから何とか脱出してみせるのじゃ!」

「どうやってですか?」

「それを教えたら訓練にならんじゃろう? 自分で考えるのも訓練じゃ!」

「はぁ……」

 ルイージは溜息をつきながらも、オバキュームからグーイージを出した。

 すると、ルイージは眠るように動かなくなり、出てきたグーがルイージの形を取った。

「ジャジャーン! 見よ! これがキミの助っ人となるグーイージ君じゃ!!」

「……」

 オヤ・マー博士が叫ぶが、『ルイージ』の方は、全く反応しない。

 それもそのはず、ルイージの意識はグーイージの方に行っているからだ。

 

 一方、ベースラボの中では。

「グーイージって、格子状のものをすり抜けたり細いパイプを通り抜けたりできるのね!」

「力を込めるとすり抜けるようにできてますね」

「あのインクのイカ*1みたいに水には弱いけど、水蒸気が満ちた空間ならセーフみたいね」

「それと、ドアを開けるのは流石にボク達じゃないと無理っぽいです」

 ミロとユミルが、グーイージの能力を研究日誌で覚えていた。

 

 場面はルイージ、グーイージ、オヤ・マー博士がいる外に切り替わる。

「ほれ、早速試してみるんじゃ!」

「……」

 グーイージが力を込めると、その身体は鉄格子をすり抜けた。

「うむ、その要領じゃ!」

 そのままグーイージが真っ直ぐ走ると、何故かグーイージが溶けてしまった。

 何故そうなったのかを聞くと、オヤ・マー博士はグーイージの弱点について説明した。

 それを聞いたルイージは再びグーイージを出し、今度は水に触れないように慎重に進む。

 そして、扇風機をオバキュームで動かすと、鉄格子はゆっくりと上がっていった。

 ルイージはすぐに自身に意識を戻し、オバキュームを使いながら鉄格子から脱出した。

 

「お待たせ!」

「フェッフェッフェッ! お見事じゃ、ルイージ君!

 どうやら安心してグーイージ君を任せられそうじゃな」

「ありがとうございます」

「よし! それでは訓練はひとまずおしまいじゃ。一旦、ベースラボに戻るとするぞ」

 

「「ただいま!」」

「「お帰り!」」

 ベースラボに戻ったルイージとオヤ・マー博士を、ミロとユミルは快く迎えてくれた。

 二人は既に研究日誌を読み終わった後だった。

「ルイージ君、なかなかの腕前じゃったな! ミロとユミルも留守番ご苦労じゃった。

 わしの研究日誌はもう読んだかのう?」

「ええ、おかげでグーイージについて学ばせてもらったわ」

「本当にありがとうございました」

 ミロとユミルはオヤ・マー博士にお礼を言った。

 オヤ・マー博士はさて、と話を続ける。

「そんなキミ達に、ここで一つ知らせたい事があるぞい」

「知らせたい事?」

「実はこのベースラボのセンサーが奇妙な建物の存在を感知してな」

「えっ?」

 このホテル以外にも、何か別の建物があるのだろうか。

 ミロとユミルは首を傾げているが、ルイージはオヤ・マー博士の話をしっかり聞いていた。

「調べてみたところ、このホテルのすぐ近くに

 おどろおどろしいタワーがある事が分かったんじゃ。

 ルイージ君、仲間探しに必死なのは分かるが、

 たまには気分転換にタワーに行ってみてはどうじゃ?」

 オヤ・マー博士はパソコンのキーボードを叩きながら建物について説明している。

 このタワー……テラータワーは、オヤ・マー博士曰く、オバケがたくさんいるらしい。

「タワーへはベースラボからいつでもアクセスできるようにしておいてやったからの。

 この中では異世界の者も本来の力を発揮できるぞ」

「本当!?」

 じゃあ、思う存分動けるのね、とミロは喜んだ。

 ユミルも本来の力を発揮できると聞き笑顔になる。

「そうそう、気分転換といえばもう一つ……プレイランドで息抜きするのもおススメじゃぞ?」

「って、ちょっと待って。本題からずれすぎ! エレベーターボタンは手に入れたんだよ?」

「おお、そうじゃった!」

「はぁ……」

 ルイージに指摘され、ようやくオヤ・マー博士は気付いた。

 話を聞かない彼にまた溜息をつくルイージ。

「よし、では早速エレベーターに乗り込んで、お次は3階へと向かうんじゃ!」

「わ、分かりました」

*1
『スプラトゥーン』のインクリング。




次回は本格的にグーイージが活躍します。
楽しみに待っていてください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。