ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

散らばったエレベーターボタンを探すため、三人は3階のショッピングフロアに辿り着く。
そこでは狭い隙間を通れるグーイージが大活躍し、三人の冒険はかなり捗った。
ショッピングフロアにいたのは、警備員のオバケ、ゴロリファット。
オバケの癖に怖がりなゴロリファットをグーイージの力で撃退し、
新たなエレベーターボタンを手に入れるのだった。


4章-1「Ghost Food」

 ゴロリファットを倒した一行は、エレベーターに行ってオヤ・マー博士に報告した。

 

『ルイージ君、ミロ君、ユミル君、

 これでロビーの2階フロアにも直接エレベーターで行けるようになったぞい。

 せっかくじゃから、2階の様子をもう一度見に行ってみてはどうじゃね?』

「その前に、まずはオバケのデータを送ります」

 ルイージは一旦ベースラボに戻り、オバケのデータをオヤ・マー博士に送った。

 筒の中にはたくさんのオバケがいて、ミスリーは中でも相変わらず掃除している。

 ゴロリファットの水鉄砲も吸い込んだようだ。

「う~ん、こうしてみると、オバケもあまり怖くない……かなぁ」

 

 三人はエレベーターを使い、2階のアッパーロビーに戻った。

 そこは、三人が初めてオバケと遭遇し、オバキュームでオバケと戦った階だった。

「オバ犬! こんなところにいたのか!」

「ワン、ワン!」

 今までいなかったオバ犬と、ようやく再会した。

 オバ犬は鳴いた後、ドアの向こうに消えていった。

「今まではこれのせいで行けなかったけど、今度は上手く行けるはずだ」

 そう言って、ルイージは看板にキューバンショットを当て、

 オバキュームを吸い付けて看板を叩きつけて壊した。

 上にはナイフとフォーク、ドアにはフォークとスプーンが描かれてある。

 ドアを開けてみると、そこはレストランエリアに繋がる廊下だった。

 オバ犬はチーズの匂いを嗅いだ後、チーズを咥えて向こうに去っていった。

 

 東の娯楽室ではビリヤードの玉が宙に浮いている。

 ユミルは若干の不快感を覚えるが、これもオバケの仕業だろうと気に留めなかった。

 上に向かって歩くと、ダーツの的がある場所の扉が音を立ててゆっくりと開いた。

「わわわわわわっ!!」

 やはり、ここにもオバケがいるのか、とルイージは軽い不快感を覚えた。

 あまりオバケを刺激しない方がいいかもしれない。

 三人はすぐに、娯楽室を後にするのだった。

 

 次に、三人は廊下を北東に曲がり、右の部屋に入る事にした。

 隣にはコインが描かれた絵画があり、

 ルイージがダークライトで照らすと中からたくさんの金品が出てきた。

「なんか、また嫌な場所に来たんだけど」

「ごめんごめん……」

 ミロが不快な気分になったため、ルイージは金品を回収した後に引き返し、

 オバ犬がいるドアを開けた。

 

「うわぁ~! 美味しそう~!」

「ワン! ワン!」

 三人はレストランに到着した。

 中にはパンやモンブラン、果物にロブスターなど、たくさんの食べ物があった。

 食べ物の匂いで、ミロとユミル、そしてオバ犬は大喜びだ。

「ワンワンワン」

 オバ犬はパンがあるテーブルに頑張って登り、パンを一口食べてどこかに去っていった。

「ちょっと気になりますね……」

 ユミルが食べ物を調べてみると、毒は入っていない事が分かった。

 だが、周りからオバケの声が聞こえてくる。

 ルイージが怯えながらレストランの奥に進むと、

 オバケ達が楽しく食事をしている光景を見かけた。

「静かにしてくださいね」

 ルイージはライトを消し、オバケに見つからないように、ゆっくり、ゆっくりと蟹歩きする。

 ミロとユミルも、ゆっくりと後をついていく。

 しかし、ルイージが途中で瓶を落としてしまい、割れて大きな音を鳴らしてしまった。

「ル、ルイージ!」

「しまった……!」

 オバケ達が三人に気づく前にユミルは杖を構える。

 一体のオバケが口笛を吹くと、たくさんのオバケが援軍として飛び出してきた。

「ええーっ!? 八対三!?」

「……やるしかないようですね」

 ルイージはオバキューム、ミロは魔法の弓を構え、八体のオバケと戦った。

 

「はあはあ、背後は一番の急所、はあはあ、戦場の鉄則」

 何とか三人は八体のオバケを退けるが、負った傷は多く、しばらく休む事にした。

 ミロは、右の袖をめくって時の歯車を見せた。

 書かれた数字は「100」のままだ。

「……ミロ」

「なるべくなら使いたくなかったんだけどね。このままだと、使う可能性もあるわね」

 ミロの最後の切り札、時の歯車。

 だが、使う回数には限りがある――つまり、ルイージの運命は実質的に有限だ。

「……大丈夫よ、あなたはあたしが守るわ」

 ミロは自信満々に言うが、その声は震えている。

 ルイージを助ける事ができないかもしれない、という漠然とした不安のせいだ。

「ミロ……」

「だから、怯えないで。あたし、あなたの未来を変えたい、から……」

 

 三人はしばらく休んだ後、黒い煙が出ている調理室に入った。

 中からはおぞましいオバケの声が聞こえてくる。

「うぅぅぅぅぅぅ……」

「なんだか怖いですね……」

 ルイージとユミルはかなり不安になり、二人でぴったりと寄り添った。

 辺りは黒い煙で全く見えず、オバキュームで吸い込んでも煙は増え続ける。

 ミロとユミルは、煙を吸わないようにしている。

 床をダークライトで照らしてみるとオバ犬が通った跡が見えるが、このままでは先に進めない。

「一人じゃ吸い込めないのなら……二人で一緒に吸い込めばいいんじゃない?」

「その手があったか!」

 ルイージはグーイージを呼び出し、二人で一緒に黒煙を吸い込んだ。

 すると、コックの姿をしたオバケが姿を現した。

 オバケは奇妙な魚を調理している。

「ああぁっ!」

「ダレダ? ワシノジャマヲシタノハ……」

 三人が驚くと、オバケは三人に気づく。

 調理を邪魔された事で、腹が立っているようだ。

「オマエタチカ!」

「……来るわよ!」

 オバケはフライパンを振りかざして三人に襲い掛かってきた。

 

「あのオバケの名前、分かる?」

「ムッシュテイシェっていうんだ」

「右手にお玉を持ってれば、とりあえず超奥義!*1 じゃなくて、フライパンが盾になってるわ。

 なんとかフライパンを落としましょう!」

 ミロは、あのフライパンが盾代わりになっていると見抜いた。

 なので、まずはフライパンを落とさなければならない。

 ルイージ、ミロ、ユミルは回避に専念し、ムッシュテイシェが食材を落とすのを待った。

 そして、ムッシュテイシェが食材を落とすと、ルイージはすぐにオバキュームで吸い付ける。

「ウォォォッ!」

「うわぁっ!」

 ムッシュテイシェはルイージの隙を突いてフライパンで殴りかかる。

 ルイージはすぐに体勢を整え直し、

 フライパンに食材を当ててムッシュテイシェが持っていたフライパンを落とす。

 これで、“盾”はなくなった。

 ルイージはすぐにムッシュテイシェにストロボを当て、怯ませる。

 ミロの矢が命中した後、ルイージはオバキュームでムッシュテイシェを吸い込み、

 パワーを溜めて思いっきり叩きつける。

「バーン!」

 ユミルも指を向けたフィンの一撃でムッシュテイシェにダメージを与える。

「これはガンドを強化したもので、オバケにもダメージを与える事ができるんです」

「ガンド?」

「まあ一種の呪術なんですけどねー、おっと!」

 ムッシュテイシェのフライパンをかわすユミル。

 ルイージは食材をオバキュームにくっつけ、すぐにムッシュテイシェにぶつける。

 その後にストロボで怯ませ、ミロの矢が命中した後にオバキュームを吸い付け、

 逃げる方向とは逆に動く。

 そして、ムッシュテイシェの体力はなくなり、彼を吸い込む事に成功したのだった。

 

「よし、勝った!」

 ムッシュテイシェを吸い込み切った後、

 オバキュームの中から4階のエレベーターボタンが飛び出してきた。

 ルイージがそれを取ろうとすると、ネズミのミミーが飲み込み、

 そのまま小さな穴に潜り込んでしまった。

「しまった!」

「また追いかけるのね……」

 ミロは嘆きながら、ミミーを追いかけるのだった。

*1:
『テイルズオブデスティニー』のリリス・エルロンの秘奥義「サンダーソード」の台詞。




次回はミミー追跡回です。
鬼ごっこしてばかりだなぁ。
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