ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
ホテルの2階にいたのは、コックのオバケ、ムッシュテイシェだった。
強力な攻撃に苦戦する三人だったが、
食材をフライパンにぶつけて落とすという作戦で何とか彼を撃退する事に成功する。
しかし、エレベーターボタンをネズミのミミーに盗まれてしまった。
三人はミミーを捕まえて、エレベーターボタンを取り戻せるのだろうか。
三人はエレベーターボタンを盗んだミミーを捕まえるため、調理室を後にした。
ユミルが目星してみると、小さな穴の中にミミーがいるのを発見した。
しかし、ミミーは三人に気づくと再び潜った。
「おびき寄せる手段があればいいんだけど……」
どうすればミミーをおびき寄せられるのだろうか。
三人は考えたが、手段が思い浮かばない。
「仕方ない、オヤ・マー博士に話を聞こう」
ルイージはそう言って、VBを起動した。
『なんじゃ? ルイージ君』
「オヤ・マー博士、ミミーにエレベーターボタンを盗まれたんです。
そいつは穴の中にいます。どうすればいいんですか?」
『ネズミが好きな食べ物といえば、チーズじゃ。そいつでおびき寄せればいいと思うぞ』
「ありがとうございました」
VBの通信を切った後、ミロはミミーがいる穴にチーズを置いて、ミミーをおびき寄せる。
4階のエレベーターボタンを手に入れたルイージだったが、
またもやミミーに盗まれてしまった。
「ネズミは小さな穴の中にいます。まずは、ここを調べてみましょう」
廊下を出ると、ミミーがチーズを食べていた。
ミミーが三人に気づくと、小さな穴の中に逃げていった。
三人が後を追って娯楽室に入ると、ミミーは箪笥の隙間の中に入る。
「えーっと、ここにいたんだよな……」
ルイージが忍び足で箪笥に近付くと、ビリヤードのボールが飛んできた。
「ひゃっ!?」
ルイージが振り向いてライトをつけると、
そこには、8番ボールを持っている橙色のオバケ、ナロストがいた。
「うわああああああああああああああ!!」
しかも、ナロストは二体いる。
三人は武器を構えて、ナロストと戦った。
ルイージ、ミロ、ユミルは動き回りながら、ナロストの投擲攻撃をかわす。
「魔法の矢よ!」
ユミルは魔法で攻撃するが、実体化していないためナロストには当たらなかった。
ルイージは何とかナロストをストロボで照らすが、
その間にもう一体のナロストがルイージの背後からボールをぶつける。
「うわぁっ!」
「ああ、戦場の鉄則が……」
ルイージはナロストをもう一度ストロボで怯ませ、
オバキュームで吸い込んでびったんびったんと叩きつける。
ミロとユミルの援護射撃もあって、ナロストを一体吸い込む。
その後は、三人で協力してもう一体のナロストも吸い込んだのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ルイージ……なんか、あなたの顔色、悪くない?」
ミロは、ルイージの顔から血の気が引いていて、呼吸も荒くなっているのに気づいた。
もう少しで狂気に陥るほど、精神的に追い詰められている事が分かる。
「怖いよ……怖いよ、怖いよ」
いい加減に解決しないと、ルイージが大変な事になる。
ルイージは箪笥をキューバンショットで破壊し、中からミミーを発見した。
だが、またもやミミーは逃げてしまった。
今度は北東の廊下の方向に走っていき、ミミーは穴の中に潜り込んだ。
三人がミミーの後を追っていくと、ミロとユミルがまたもや嫌な顔をした。
「……本当にここに行く気なの?」
「ボクも、ここは苦手です」
「だよねぇ……。どうすればあそこに行けるんだろう……」
ルイージはミミーを捕まえるために、壁の穴からトイレの中を見た。
すると、右側に土管があるのを発見した。
「あっ、分かったぞ! ミロとユミルは待っててね」
「「はーい」」
ルイージはミロとユミルを待機させ、一人でトイレの中に入った。
そして、塞がっている場所をキューバンショットで剥がしグーイージを呼び出して中に入れた。
トイレの中にはたくさんの食べ物が入っている。
ミロとユミルがこれを見たら、きっと「もったいない」と言うだろうが、
汚物が付着している可能性もあるので食べない方がいいのだろう……。
グーイージが中央のドアをキューバンショットで破壊すると、中からミミーの群れが出てきた。
ミミーの群れは散らばって逃げ出すが、グーイージはライトで次々と攻撃していく。
そして、光っているミミーを倒すと、ようやくエレベーターボタンが飛び出した。
グーイージはルイージのところに戻って、オバキュームの中に入り、
エレベーターボタンを外に出した。
ボタンには汚物がついていたので、ルイージは汚れを取り払った。
「うえー、汚いなあ。でも、これでもう邪魔は……入らないよね?」
周りにミミーなどの邪魔者の姿はない。
これで、今度こそエレベーターボタンを取り戻す事ができた。
三人はレストランエリアを後にして、エレベーターに戻った。
「これで……」
ルイージがエレベーターボタンを取り出すと、ボタンはひとりでに穴の中に入る。
しばらくすると、オヤ・マー博士がモニターに映った。
『ルイージ君、ミロ君、ユミル君、追いかけっこお疲れ様じゃったな』
「はい……大変でした」
報告するルイージの声に元気はなかった。
何度も追跡した上に、オバケや怪奇現象のせいで精神的に参ってきているからだ。
『それは、ルイージ君にとって辛かったのう。一旦、ベースラボに戻ってきてはどうかの?
キミ達にちょっと知らせたい事があるんじゃよ』
「何なのかしら?」
『それじゃあの! 待っておるぞい!』
そう言うと、オヤ・マー博士は通信を切った。
三人は地下1階のボタンを押し、駐車場のベースラボに戻っていった。
「ただいま……」
「おお、やっと戻って来たかね。年寄りをあまり待たせるもんじゃないぞい?」
ルイージは、ミミーとの追いかけっこに時間がかかったり、
ミロとユミルをトイレに連れていこうとして不快にした事をオヤ・マー博士に報告した。
「……まあ、キミがげんなりするのも仕方ないな。
さてさて、このベースラボについてじゃが、ようやく設備が随分整ってきたもんでのう。
その事についてキミ達にぜひともお知らせしてやろうと思ってな」
「ほう?」
オヤ・マー博士はやはり有能だ、とミロは思った。
ルイージとユミルもオヤ・マー博士の話を聞く。
「……時に三人よ、ホテルの探索も随分と板についてきたかのう?
ルイージ君のポケットも、
そろそろ集めたお金でずっしり重たくなって困っておるんじゃないかね?」
ミロとユミルは首を横に振った。
「わしはその悩みの解決策を知っておるぞ」
「何ですか?」
「……全部わしに渡してしまえばよいのじゃ!」
「嫌よ!!」
「「「!!」」」
せっかく集めたお金を渡すなんて、そんな事はできない、とミロは怒鳴る。
ルイージ、ユミル、オヤ・マー博士はミロの声の大きさに驚いた。
「ミ、ミロ!?」
「待て待て待て待て、ミロ君。わしはお金を取るわけじゃない。落ち着いてくれないかね?」
「……本当に取らないのね?」
「わしを信じるのじゃ」
はぁ……と、ミロは溜息をついた。
オヤ・マー博士は悪人ではないが、我儘さはどこかの誰かに引けを取らないのだ。
「という事で……」
オヤ・マー博士はパソコンのキーボードを叩き、モニターにワゴンの絵を映した。
「ベースラボに、なんと、オヤ・マー博士のショップチャンネルがオープンじゃ!
ジャジャーン!」
どうやら、オヤ・マー博士は所持金と引き換えに何かを売ってくれるようだ。
もしかして、とミロは3階へ行く時にルイージと行った会話を思い出す。
『いや、タダでじゃないよ。黄金のホネがないと助けてくれないんだ』
『うーん……集めたばかりのお金がもったいないわねぇ……』
「やっぱり」
オヤ・マー博士のショップチャンネルには、
黄金のホネ、テレサマーカー、宝石マーカーがあった。
これを、所持金と引き換えに売ってくれるようだ。
ちなみに、黄金のホネは無料で1つ貰えるらしい。
ルイージがそれを選ぶと、黄金のホネが彼の目の前に出てきた。
これで、黄金のホネの在庫数は2つになった。
「ま、とりあえずこれで時の歯車を節約できるわね」
ミロが画面を見ながら呟いていると、ユミルが彼女の肩をぽんぽんと叩く。
彼女はすぐに視線をオヤ・マー博士の方に戻した。
「……そうじゃ、忘れるところじゃった。実はキミ達に、もう一つ用があるのじゃ」
「何の用ですか?」
「ルイージ君よ、ちょっと後ろを向いてキミのオバキュームを見せてくれんかね?
ミロ君とユミル君はちょっと待ってくれ」
「「「はい」」」
ミロとユミルはベースラボの中で待機し、ルイージはグーイージが格納されている方を向いた。
すると、オヤ・マー博士はオバキュームに何かを取り付けた。
「……よし、これで調整完了じゃ。オバキュームに新しい仕組みを一つ追加したぞい!」
「新しい仕組み?」
「実はのう、わしの調査によると、このホテルからはテレサが潜んでおる気配を感じるのじゃ」
「テレサ!」
ルイージは「テレサ」という言葉を聞いて怯える。
キングテレサがいるため、当然、彼の同族がいないわけがなかった。
兄やピーチ姫が絵にされたため、たとえテレサでも震えてしまうのだ。
「そこで、隠れたテレサを探せるように調整してやったぞい」
「え、えっと……」
「ま、詳しい事については後で教えてやるわい。さて、お知らせはこんなところじゃ。
それではルイージ君、ミロ君、ユミル君、探索の再開じゃ!」
「はーい!」
「……」
テレサを吸い込まなければいけないのか……と、ルイージはげんなりするのだった。
次回は序盤の山場、私も苦戦したあのエリアに行きます。
そして、ミロは……。