ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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ここから本編が始まります。
ただ、ここまではまだ、平和です。


序章-1「Last Resort」

 ある晴れた日の事。

 一台のバスが、ある目的地を目指して走っている。

 

 バスを運転しているのは、あかキノピオ。

 キノコ王国に住む、ピーチ姫の家臣としても有名なキノコ族の一種である。

 バスの中ではマリオとピーチ、そしてミロとユミルが、他愛のない会話を繰り広げていた。

「今日はいっぱい乱闘したぜ」

「あら、私もよ! Zzzzz……」

「リヒターは強かったわ~」

「ヴァンパイアハンターは伊達じゃなかったです」

 話の途中でピーチが寝てしまったため、

 マリオは代わりにピーチ、ミロ、ユミルと話す事にした。

 

「きゃあぁぁ!」

「うわっと!」

 あかキノピオが乱暴な運転をしたせいで、右に進むバスが揺れてしまった。

 マリオ、ピーチ、あおキノピオ、きいろキノピオ、ミロ、ユミルが体勢を崩しかける。

「いたたた……」

「あのキノピオ、結構乱暴な運転でしたね」

 ユミルがさらっとあかキノピオに毒舌を吐く。

 あかキノピオはそれも気にせず運転する。

 きいろキノピオがパンフレットを読み、あおキノピオが野球ボールで遊ぶと、

 野球ボールを落としてしまう。

 転がった野球ボールは、ある人物が座っている座席の下に潜り込む。

 

「Zzzzzzz……」

 その人物こそ、今回の主役、「怖いくらいに幸運に恵まれた」ルイージである。

 彼はキャリーバッグを自身の座席の隣に置き、ぐっすりと眠りについていた。

 しかし、あかキノピオの運転で揺れて起こされる。

「凄い揺れたね。ふわぁあああ……」

 ルイージが欠伸をしてキャリーバッグを右手で叩くと、

 二回目の冒険でペットになったオバケ、オバ犬が飛び出した。

うわっ!

「ワン、ワン!」

「な、なんだオバ犬か……どうしたんだ?」

「ワンワン!」

 オバ犬は人懐っこい様子で尻尾を振っていた。

 かなりルイージに懐いている事が伺える。

「おや?」

 ルイージは、オバ犬がくわえている招待状が気になり、オバ犬からそれを取った。

 招待状には、このような文字が書かれていた。

 

 おめでとうございます! ルイージ様

 特別キャンペーンにて 当ホテル

 ラストリゾートに無料でご招待いたします

 

 あなた様のために最高級のおもてなしを

 ご用意してお待ちしておりますので

 ご家族やお友達を誘ってぜひいらしてください

 パウダネス・コナー

 

 これからルイージ達が行くホテルの名前は、ラストリゾートというらしい。

 差出人の名前はパウダネス・コナーといい、ここでは最高のおもてなしが出るらしい。

「ホテルかあ……一体どんな場所なんだろう」

「ワン、ワン、ワン」

「わっ、やめろってオバ犬。でも、こいつは結構いいペットになるな。

 オバケだから物を食べる必要はないし、トイレもないから節約になるし」

 オバ犬は舌でルイージを舐めてきた。

 ミロとユミルは、その楽しそうな光景を微笑ましく見守っていた。

 そうしている間に、バスは目的地に向かって走っていく。

 ルイージとオバ犬は、窓の外から建物を見ていた。

 

 そして、バスは乱暴な運転ながらも、無事にホテルラストリゾートに辿り着いた。

 最初にピーチ、次にマリオが下り、マリオはピーチを軽くナンパする。

「よし、到着!」

「ここが、ホテルラストリゾートですか」

 次に、ミロとユミルがバスから降りる。

 あおキノピオときいろキノピオは、ピーチの大量の荷物を運び、

 ふらふらしながらもバスから降りる。

 あかキノピオも、転びながらバスから降りた。

 

「うんせ、うんせ」

 最後に、ルイージが自分の荷物を持って、バスから降りるのだった。

 彼の荷物には「L」と書かれてあった。

「ふ~、疲れちゃった」

「ワンワンワン」

 オバ犬は無邪気にルイージの周りを回りながら、ホテルの入り口へと走っていく。

 ルイージも、皆に後れながら、ホテルの入り口に辿り着いた。

「ここが、ホテルラストリゾートか……!」

 その建物は、ビルほどの大きさはある、黄金の外装が美しいホテルだった。

 外観は見る者を引き寄せ、まさしくリゾートホテルに相応しいものだ。

 

「ふう……やっと休めるよ」

 ルイージはドアを開けて、ラストリゾートの中に入った。

 自分の荷物を置くと、オバ犬が飛び出してくる。

 ホテルの中は、鳥の彫像やプレゼントがあり、たくさんのボーイやメイドが掃除している。

 頭上には丸い額縁に入ったマリオ、ルイージ、キノピオ、ピーチの写真が飾ってある。

 クラッカーが鳴り、八人を祝福する。

 まるで、八人がやってくるのを待っているかのように。

 

「姫、こんなに荷物を持つなんて大丈夫ですか?」

「いいのよ、いいのよ。私は王族だし」

 キノピオ達は、ピーチの荷物に苦労している。

 マリオ、ミロ、ユミルは「ははは」と笑っていた。

「お、このケーキは美味しそうだな」

「わぉーん!」

「うっ、食べられちまった」

 マリオは、ケーキを食べようとしたが、オバ犬に食べられてしまった。

 

「ものすごく大きなホテルね。それに、なかなかきらびやかなところじゃない?」

「うん、まさにリゾートホテルに相応しいよ」

「特別キャンペーンで招待されてここに泊まれるなんて、とっても運がいいわね! うふふ!」

「ま、まあ、ね……」

 あはは、とルイージは苦笑する。

 ミロとユミルは、くすくすと笑っていた。

 

「そろそろチェックインの時間かな」

「そうね。ユミル、準備してよね」

 ルイージ、ミロ、ユミルはそろそろ部屋に泊まろうかと、フロントがいるところに歩いた。

 フロントは青い肌をしていて、顔立ちもどこか外国っぽかった。

「これはお客様、ようこそホテルラストリゾートへ! チェックインしますか?」

「ええ」

 ルイージ達は、ラストリゾートに泊まるために、チェックインする事にした。

 すると、フロントは右手を掲げて、オーナーの女性を紹介する。

「お客様! ようこそ、ホテルラストリゾートへ!

 わたくしは、当ホテルのオーナーを務めておりますパウダネス・コナーと申しますわ。

 本日は、わたくしどもの招待をお受けいただき、皆様には本当に感謝しておりますわよ」

 サングラスをかけた青い髪の女性は、パウダネス・コナーと名乗った。

 コナーは浮くように階段を降り、ルイージ、ミロ、ユミルの前に姿を現す。

「さあさあ皆様、大変でしょう? お部屋の方へご案内いたしますわ。

 そうそう、お荷物はわたくしどもの方でお運びさせていただきますのでご心配なく……」

「……?」

 コナーは優しく皆を部屋に案内した。

 ミロは、コナーの「ある部分」に気が付いたが、今は特に何もないと気にしなかった。

 

「よし、俺達を部屋に案内してくれ」

「お願いしますわ」

 遅れて、マリオ、ピーチ、キノピオもやってくる。

 ホテルフロントは、マリオ達の荷物を運び、どこかに持っていった。

 コナーはフェイスパウダーを顔に当て、ルイージに顔を近づけてこう言った。

「うふふ……皆様はとても大切なお客様でございますからね。

 当ホテルといたしましても、VIPとして特別に扱わせていただきますわ」

「でもなんで、僕の事が気になるんだ?」

「あたしの事は無視かしら?」

「それは、秘密ですわ」

 どうやらルイージ達は、特別な存在であるらしい。

 一体、それはどういう意味なのだろうか。

「さあ、では参りましょう……」

「はい。は、は、はっくしゅん!」

 ルイージ達は訳も分からないまま、コナーにエレベーターに導かれるのだった。

 ……パフの粉で、ルイージはくしゃみをしたが。

 

 エレベーターの針が5階を指すと、チン、という音と共にエレベーターが止まった。

 ルイージ達は5階を見て回っている。

「マリオさん達のお部屋は、こちらにご用意しておりますわ。

 キノピオさん達のお部屋は、あちらになりますことよ」

 コナーは右手側の部屋をマリオ達の部屋、左手側の部屋をキノピオ達の部屋にした。

「このたびのご滞在が、最高の思い出になることを心よりお祈り申し上げますわ……うふふ……」

 マリオ、ルイージ、ピーチ、ミロ、ユミル、キノピオ、そしてオバ犬は、

 それぞれの部屋に向かっていった。

「それじゃあ、またね、兄さん」

「ああ、ルイージもゆっくり休めよ」

「ピーチ姫もごゆっくり」

「あたし達は同じ部屋~♪」

 

「ここが、僕の部屋か。本当に、綺麗だな」

 オバ犬が姿を消すと、ルイージは自分の部屋、503号室の中に入った。

 部屋の中には大きな箪笥と棚、たくさんの風船、上質なティーポットとカップ、

 たくさんのプレゼントが置いてあった。

 また、キッチンの傍ではオバ犬が待っていた。

 オバ犬はルイージを舌で舐め、ルイージはオバ犬を優しく撫でた。

うわぁぁぁっ!

 棚を開けてみると、中からばねがついた手が飛び出してきた。

 ルイージは驚いて、しりもちをつく。

「なかなかのサプライズだな。まさか、この箪笥の中には……わわわわわわわわっ!

 態勢を整え直したルイージが箪笥を調べると、中からスマイルマークが飛び出してきた。

 ある意味で、客をもてなしている……。

 部屋の中は綺麗で、手入れが行き届いている事が分かる。

 ここならば、ゆっくり休んでも問題はないだろう。

 

「そろそろ、休もうかな」

「ワンワン」

 ルイージは自分の荷物を開けて、懐中電灯とパンフレットを取り出す。

 懐中電灯をランプの傍に置き、オバ犬もルイージに駆け寄っていく。

 ルイージはパンフレットの埃を取り払った後、パンフレットを開き、眠った。

 そのあまりの眠りの速さに、オバ犬も驚いた。

 

 しかし、これから恐怖の夜が待ち受ける事になるとは、この時はまだ誰も、知らなかった。




マリオとルイージはスマブラの世界とよく似ている個体です。
厳密には、スマブラの世界とは違う双子なので、悪しからず。
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