ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
キングテレサに捕まった仲間を助けるため、ルイージ達はミュージアムフロアに向かった。
そこにあった絵に閉じ込められていたのは、あおキノピオと<あめ>のチカラだった。
ダークライトで助けようとするとティラノサウルスの化石が突如暴れ出す。
その化石に乗り移っていたのは、原始人風のオバケ・ホネスキー。
彼の攻撃力の高さに一度は発狂するものの、ミロの<ひかり>のチカラで乗り越え、
ホネスキーを倒してあおキノピオを救出し、新たなチカラを取り戻すのだった。
「疲れたぁ~~~~~」
「あぁ~~~、あたしもよぉ~~~」
「ボクもです~~~~」
ルイージは大きな敵を倒した反動からか、疲労でばったりと倒れた。
ミロとユミルも、同じく疲れて倒れた。
「おお、三人ともお疲れ様じゃ」
オヤ・マー博士は三人を労い、休ませた。
「「「Zzzzzzzzz……」」」
ぐっすり眠っている三人を見て、
オヤ・マー博士とあかキノピオ、あおキノピオは安心していた。
彼らなら、みんなを助け出す事ができるだろう、と。
――ルイージの夢の中。
彼は、マリオやピーチ、キノピオと共に、どこかの島でリゾートをしていた。
魚を釣ったり、虫を捕獲したり、クリボーやノコノコと追いかけっこをしたり……。
ルイージは笑いながら、リゾートを楽しんだ。
――だが、楽しかった風景は、一瞬にして恐ろしいものに変わる。
クリボーやノコノコはオバケになり、魚や虫は鴉や鼠になり、
さらにはたくさんのテレサまでも現れた。
マリオやピーチ、キノピオの姿も、ない。
すると、次々とオバケが襲い掛かってきた。
ルイージは慌てて背中を確認するが、オバキュームを背負っていなかった。
オバケに襲われてしまうのは、確実だった。
だが、今のルイージにはどうする事もできない。
ルイージはなすすべなくオバケの攻撃を受ける――
「うわぁぁぁぁっ!!」
ルイージが飛び起きるとそこはベースラボだった。
彼の顔を覗いていたのは、ミロとユミルだった。
ミロとユミルは先に起きていたようだ。
「ルイージ、随分うなされてたわよ。どうしたの?」
「……あ、ごめんね。迷惑かけちゃった?」
「唸り声が五月蠅い事を除けばね」
「そっか……本当にごめんね」
「まったく、悪夢を見ちゃうなんてだらしないわね」
ルイージの精神の弱さにふんっと後ろを向くミロ。
「でも、仕方ありませんよ。ボク達は色々と怪奇現象を味わいましたしね」
ラストリゾートで起きた怪奇現象は、数多い。
そのたびに、ルイージは恐怖で精神が削られた。
悪夢を見てしまうのも無理はないだろう。
「ルイージさん、ボクが何とかしますよ」
「ありがとう、ユミル……」
「えーっと……オヤ・マー博士、ちょっとこの装置を貸してください」
「構わんが、くれぐれも壊すなよ?」
「分かりました」
ユミルはオヤ・マー博士から実験装置を借り、ベースラボの中で錬成液を作成した。
慎重に扱わなければならないので、ユミルはその場から動かず、集中して装置を使った。
その結果、魔力を飛ばして攻撃する薬が6つ、魔力を放出する薬が1つ、
体力を回復する薬が8つできた。
「わぁ、こんなに薬ができてる!」
「この建物では気休め程度の効果ですがね……。でも、無いよりはマシですよ」
そう言ってユミルは完成した薬を鞄の中に入れた。
「さて、改めて戦場の鉄則を確認すると……」
ミロは、「戦場の鉄則」というメモを取り出した。
戦場の鉄則
・やられる前にやる
・戦うならば広いところで
・吸って吸って吸いまくる
・背後は一番の急所
・見えないところの罠注意
・痒いところにはグーイージ
・押してダメなら退いてみよ
・安全なところから狙いをつける
・謎を解いたら邪魔が入ると思え
・ピンチの時ほど落ち着け
・キングテレサの前では怖がるな
「と、こんな感じね」
「随分増えたねぇ……」
この戦場の鉄則はラストリゾートで役立つものだ。
ルイージは隅から隅まで、最後まで読む。
これさえ読めばラストリゾートも怖くない……とはミロの言葉だが、
それでもルイージにはやや不安だった。
「何言ってるのよ、ルイージ。あたし達がついているじゃない」
「でも、君達は招かれざる客だろ?」
「あなたの悪い未来を変えるために来たんです。そのためだったら手段、選びませんから」
「それでも、悪い事が起きたら、あたし達がちゃんと責任を取ってやるわ」
ミロとユミルは、アデルの予知能力を参考に、様々な異世界に赴いて悪い未来を変えている。
たとえ、他の誰かが傷ついてしまっても、二人は躊躇いなく未来を変える事ができる。
何故ならば、この二人は「エゴイスト」だからだ。
それでも悪人と呼ばれないのは、しっかりとした信念を持っているからである。
「なるほど……だから君達はやって来たのか。悪い未来が降りかかる僕を助けるために」
「そう言う事です」
「でも、未来を変えられるのはあと100回よ。もっとも、まだ一度も力は使ってないけどね」
時の歯車の使用回数が尽きれば、未来を変えるという任務は失敗してしまう。
だから、ミロとユミルは気楽にしながらも、緊張しながらこの任務に挑んでいるのだ。
「それじゃ、ミロ、ユミル。これからも僕を守ってくれないか?」
「あったりまえよ! 一度引き受けた事は、最後までやり遂げるのがあたしなのよ!」
「ボクも、あなたを最後までお守りいたします」
明るい口調で言うミロと、穏やかな口調で言うユミルに、ルイージはほっと一安心した。
この二人ならば、信用できる……少なくとも、オヤ・マー博士以上に……。
「ところで、オヤ・マー博士。パウダネス・コナーってオバケが使ってる化粧品って、何?」
「Polter & Ghost化粧品じゃったかのう。厚塗り用でオバケもよく使っているらしいぞい」
「ふーん……でも……」
コナーの化粧品が厚塗り用という事は、
もしかしたら素顔はとんでもなく醜いかも、とミロは推測した。
これは、とある異世界の夢魔を思い出したからではあるが。
「もう少し休んだら、次のフロアに行きましょう」
「そうだね」
探索にも休憩は必要なのです。
次回は私の中で「もう嫌だ」と思ったステージが出てきます。