ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
ミュージアムフロアであおキノピオを救出し、ミロも<あめ>のチカラを取り戻す。
しかし、その代償は大きく、三人は疲れてしまう。
オヤ・マー博士は再び、三人をベースラボで休ませる事を提案。
三人はベースラボで休息を取った後、ユミルが魔法で薬を作って準備し、
メンテナンスフロアに赴くのだった。
エレベーターの中で、三人は他愛ない会話をする。
「次はどんなフロアに行くんでしょうか」
「楽しみね!」
「二人とも、楽しそうだなぁ。
でも、君達のおかげで、このオバケホテルも楽に探索できるようになったよ」
「そうでしょ、ルイージ。やっぱり、あたし達がついていなくちゃね!」
しばらく話していた三人だったが、急にユミルが真剣な表情になる。
「……」
「どうしたの、ユミル?」
ルイージがユミルに声をかけると、ユミルは首を横に振り、元の笑顔に戻った。
「いえ、何でもありません。ただの気のせいだと思います」
ユミルは何か嫌な予感を感じていた。
ただの気のせいだと思ったルイージとユミルだったが、後に……。
「「とうちゃーく!」」
「到着、だね」
三人が次に着いたフロアは、地下2階のメンテナンスフロアだった。
ここは今までの階とは異なり、縦向きにエレベーターの扉が開く。
扉には黄色と黒の縞模様があり、危険なものもあるという事が伺える。
ルイージ、ミロ、ユミルは慎重に扉の向こうへと歩いていった。
「ここから危険度は高くなると思います。皆さん、気を付けて進んでください」
「うん」
メンテナンスフロアには、工具が入った箱がたくさんある。
上からは鎖が下りており、このフロアの危険度が高い事が分かる。
ルイージは梯子をダークライトで出した後、金品を手に入れて先に進んだ。
(慎重に、慎重に……)
ルイージはゆっくり、ゆっくりと、怯えながらも前に向かって歩く。
すると、帽子を被り、オーバーオールを着た整備士のオバケが眠っていた。
「あのオバケの名前、分かる?」
「モップラー、っていうよ」
ルイージとミロは、オバケに気づかれないように小声で話す。
配管工であるルイージにとって、モップラーの服装は見覚えがあるものだった。
近付いたら、間違いなく襲われるだろう。
ルイージは慎重に後ずさりするが、アヒルのおもちゃを踏んでしまう。
「し、しまった……!」
「ム?」
その音に気付いたモップラーが帽子を上げる。
モップラーはゴミを拭いた後、宙に浮いてハンドルを反時計回りに回し、ルイージの顔に水を当ててしまう。
「ハーッハッハッハ!」
「は、早く水を止めるわよ!」
「うん!」
ルイージはオバキュームを使い急いで水を止める。
しかし先に行くためのドアには鍵がかかっていた。
「裏側に回り込めればいいんだけど……」
「あれ?」
ユミルは配管の近くにある白い部分を目星する。
それは、オバキュームで吸い込める布だった。
ルイージが布を吸い込むと、隠れていた配管が見えた。
すぐにグーイージを出して中に入れると、グーイージは鍵を取る事に成功。
施錠されたドアを開けて、三人は先に進んだ。
「!!」
「オ、オバケ……!」
バルブ室に入ると、工具が宙に浮いていた。
さらに、光の柵が落ちて三人の行く手を阻む。
間違いなく、オバケがやった事だ。
「やられる前にやってください! 戦場の鉄則!」
「ああ、そのつもりだよ!」
ルイージはオバキュームを構え、上手くオバケ達を誘導していく。
オバケ達が集まったところでルイージはストロボを使い、オバケを怯ませて吸い込む。
ミロは力を溜めた後、オバケの群れに矢を放った。
「そんな攻撃、当たらないわよ!」
「ひゃぁっ!」
ミロはオバケの攻撃をかわして反撃するが、ルイージは上手く対応できなかった。
「これを!」
ユミルは薬を投げ、ルイージの体力を回復した。
ルイージはオバキュームを構え直し、オバケの群れにストロボを放って怯ませ、
オバキュームで吸い込んで叩きつける。
「喰らえ!」
ユミルはオバケに向かって、薬を投げつける。
その威力は大したものではなかったが、隙を作る事ができ、
ミロが魔法の矢を放ってとどめを刺した。
ルイージがオバキュームでオバケを吸い込み、ユミルが接近して杖攻撃を叩き込む。
「とどめよ!」
そして、ミロが放った魔法の矢がオバケの群れを貫き、全てのオバケは倒された。
「ふぅ……」
「終わりましたね」
オバケとの戦いは、無事に終わった。
「それじゃ、気を取り直して」
ルイージは下の配管にグーイージを入れた後、上でオバキュームを使い水を止めていく。
上手くグーイージを進め、グーイージにスイッチを照らしてもらい鍵のかかったドアを開けた。
次に三人が着いたのは、貯水室。
水に落ちてはいけないので、グーイージを呼び出して装置を回してもらう。
「あれは……モップラー!」
ルイージが上に進むと、モップラーがレバーを上げていた。
すると、見る見るうちに下の水位が上昇していく。
「ハーハハハハハ!」
「うわぁ~!」
ルイージはモップラーに驚かされ、水の中に落ちてしまった。
「しまったぁ~! ボクもグーイージも水に弱いんだぁ~!」
「あたし達は帰るからね~!」
ミロとユミルは急いで緊急避難装置を使い、ベースラボに戻っていった。
「あ、待ってよミロ、ユミル~! うわぁぁぁぁぁぁ~!!」
「ワン、ワン、ワン!」
何とか助かる手段がないかとルイージが考えていると、オバ犬がやってきた。
「あ、オバ犬! ミロとユミルが逃げちゃったんだ。ここからどうすれば脱出できるの?」
「ワンワンワン!」
オバ犬はルイージの手を強引に引っ張り、水浸しの場所から脱出した。
「ありがとう、オバ犬。でも……」
「クゥン?」
ルイージは助けてくれたオバ犬に感謝する。
しかし、下は水浸しになってしまい、ミロとユミルもベースラボに逃げ帰った。
グーイージも、水がある場所では出せない。
つまり、今はルイージとオバ犬しか、頼れる仲間はいないのだ。
『ルイージ君、えらい目に遭ったのう』
「はい……ミロとユミルも、水が溢れ出した途端に逃げてしまったみたいです」
その時、オヤ・マー博士がVBで連絡してきた。
ルイージは、これまでの事情をオヤ・マー博士に話した。
ちなみにオバキュームは防水加工が施されているので、壊れる事はない。
『奴があのスイッチで排水を制御したせいで道が遮られてしまったわい。
じゃが、このまま水路を辿っていけばスイッチの場所に辿り着けるんじゃないかのう?
ルイージ君、排水を元に戻してやって、奴を追いかけるとするぞい!
それと、時の歯車はミロ君達がベースラボにいてもしっかり作動するぞ』
「ええぇ……」
ルイージは排水を元に戻すため、東のドアを開け、A通路に行った。
A水路には、黄色いアヒルボートがあった。
ルイージはオバキュームで吸ったり噴いたりしてアヒルボートを動かし、
配管にグーイージを入れて紐を引っ張ってもらった。
途中で機雷を見つけたためすぐに引き返し、急いでグーイージを使って先に進んだ。
「うわあ……」
しかし、先には棘があり、あれにボートが当たれば割れて溺れてしまう。
ルイージはグーイージと自身の意識を急いで切り替えながら、
紐がある場所にグーイージを動かす。
そうして無事に先まで進んでもらい、その後も先に進もうとするが、
鮫に扮したオバケが邪魔をしている。
何とかそれらを避け、機雷もギリギリで避けてルイージとグーイージはアヒルボートを降りた。
「……ここなら、浅いから平気かな……でも……」
ルイージはちゃぽん、ちゃぽんと浅い水を渡る。
上には、排水を管理するスイッチがあり、このまま進めば辿り着けるだろう。
しかし、ルイージはミロから戦場の鉄則――すなわち、油断大敵を教わっていたため、
罠があるだろうと警戒する。
すると、横から何かが動き、水面が揺れる。
案の定、トリストとミニアンストがルイージに迫っていた。
「ふう……」
ルイージは何とか、トリストとミニアンストの群れを撃退した。
だが、仲間がいないため、ルイージは苦戦した。
「やっぱり、ミロとユミルは、大切なんだなぁ……」
気を取り直して、ルイージとグーイージは、オバキュームでスイッチを動かしながら、
何とか排水を管理するスイッチの前に辿り着く。
グーイージがキューバンショットでスイッチを引っ張ると、ようやく、排水は元に戻った。
「ご苦労様、グーイージ」
『よし! これで元通りになったぞい!
さあ、来た道を戻って整備士のオバケを追いかけるぞい!
ああ、ついでにミロ君とユミル君は既に帰って来てるぞ』
「ふう……」
ようやく、こんな難しい操作からはおさらばだ。
しかし、ルイージとグーイージを邪魔するように三体のオバケが邪魔をしている。
ストロボを塞ぐ鮫の飾りを吸い取った後、オバキュームで吸い込んで全員倒した。
「うわ、汚いなぁ」
下水道の中には、たくさんのゴミが入っていた。
それらをオバキュームで吸い取った後、ルイージはモップラーがいる西に向かって歩いた。
そして、貯水場に戻ると、ミロとユミルが戻ってきていた。
「ただいま」
「あ、お帰りなさい。どうだった?」
ルイージは二人にボート操作の感想を言った。
すると、ルイージはげんなりした表情で「大変だったよ」と二人に言った。
時が巻き戻ってはいないため、二人は「よかった」と一安心した。
「さあ、モップラーを倒しに行きましょう!」
「うん!」
ルイージとミロ&ユミルが分断される確率は結構高いかも?
次回はモップラー戦ですが……。