ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
地下2階のメンテナンスフロアで、
整備士のオバケ・モップラーに遭遇したルイージ、ミロ、ユミル。
オバケに襲われながらもなんとか突破していくが、
モップラーが水位をいじって三人は分断されてしまう。
ルイージは慣れないアヒルボートの操作に苦戦しながらも、ミロとユミルと再会し、
モップラーを倒しに向かうのだった。
「じゃ、行きましょうか」
「そうだね。……うんせ、うんせ!」
ルイージは鍵をオバキュームで開けた後、重いハンドルを引っ張って扉を開けた。
「ぁぁぁぁ……」
ルイージは震えながら、モップラーがいる場所に入る。
ミロとユミルは戦闘に備えて、身構えている。
上にはモップラーがいて、アヒルボートを膨らませている。
「あっ……!」
ルイージは心の余裕がなかったのか、またアヒルのおもちゃを踏んでしまう。
「キ、キタカ! エエイ、コウナッタラ、キサマラモロトモミズニシズメテヤル!」
「……!!」
ミロは、水位が上昇する前にユミルを連れて急いで避難した。
また、ルイージ一人になってしまった。
「あ、待ってよミロ~!」
「……なんだか不安だわ……」
ミロは不安な表情になりながら、時の歯車を構えている。
そろそろこれを使うべきなのか、と。
ミロの不安は的中し、ルイージはアヒルボートの操作に苦戦していた。
機雷やハリセンに当たったりしてルイージの体力は減っていく。
ギリギリかわした、と思ったら命中したり、
ボートを持っている最中はオバキュームが使えなかったりと、相当ルイージは苦労していた。
モップラーは機雷を投げたり、ハリセンで攻撃したりで、ルイージを追い詰めていく。
ミロとユミルの表情に焦りが見えてきた。
そして数分後。
――戦いは、ルイージの敗北で終わった。
「……ごめんなさい、ルイージ……」
そして、ミロは水中に沈んでいくルイージに時の歯車を近付ける。
ミロは時の歯車を通じて、暗く狭い部屋でルイージがオバケ達に脅かされ、
額縁が目の前に迫る映像が見えた。
「……いよいよこれを使う時が来たわね……」
「そう、ですね……」
ミロは頷くと、服の右の袖をめくり、時の歯車を見せる。
そして、時の歯車を反時計回りに回し、ユミルと共に姿を消した。
「あーあ、使っちゃったわ」
「切り札は最後の最後まで使わないから切り札です。よく、最後まで温存できましたね」
すとん、と二人は過去の時間に戻る。
時の歯車に書かれてある数字が、「100」から「99」に変わる。
ルイージは覚えていないだろうが、
ミロとユミルは「そのために」時を渡る魔導具を持ってきたのだ。
「何が起こったんだい?」
「あんたの未来を変えたいの。だから戻ったの。今、連絡するから待ってて!」
「? ? ?」
ミロは時の歯車を渡して、自分達をここに送り出したアデルに連絡した。
ルイージは、頭に?マークを浮かべていた。
それもそのはず、時間を戻した場合、これまでの記憶が無かった事になってしまうのだ。
ミロは通信機器を取り出し、アデルに連絡をした。
―やあ、どうしたんだい?
「あたし、地下2階のメンテナンスフロアで初めて時を戻しちゃった。
ルイージが上手くアヒルボートを操作できなくて……」
―アヒルボート?
「オバキュームで動かすんだけど、これがまた難しいのよ。一体どうすればいいのかしら?」
―ちょっと待ってくれ。攻略法を今、探している。
「手短に!」
数分後、アデルは攻略法をミロに教えた。
「うん、分かったわ。ごにょごにょごにょ……」
ミロはそれを、手短にルイージに伝えた。
「グーイージと二人がかりで攻めるの。隙を突いたら相手のボートを割って。
後はグーイージが何とかしてくれるわ」
「よし、分かった!」
ルイージはミロの言葉を聞いて頷いた。
「さあ! リベンジマッチよ!」
「……リベンジマッチ……?」
目の前のルイージは、ミロとユミルが時を巻き戻した事を忘れていた。
そのため、リベンジマッチの意味が分からなかったが、
とにかくモップラーを倒すんだな、と意気込んだ。
「よし、いくぞっ!」
「頑張ってね~!」
ルイージはミロとユミルが応援している中、モップラーとの『再戦』に臨んだ。
「このアヒルボート、動かしづらいな……」
水上での戦いに、ルイージは苦戦した。
ミロとユミルは、プールの外から固唾を呑んで見守っている。
一度は時を巻き戻してしまった、だから今度こそ勝たなければならない。
「わっと!」
機雷にぶつかりそうなところで、ルイージはオバキュームの操作を止める。
アヒルボートは割れずに済み、改めてルイージはアヒルボートを動かす。
が、相手は容赦なく、ルイージに攻撃した。
「ひゃっ!」
ルイージは機雷とモップラーの攻撃をかわし、モップラーの隙を伺う。
すると、モップラーはハリセンを構え、アヒルボートごと回転しながら滅茶苦茶に振り回した。
「わわっととと!」
ルイージは攻撃を何とかかわすと、モップラーは疲れて目を回す。
「それ!」
その隙を突いて、ルイージはモップラーのアヒルボートを吸い付け機雷がある方向にぶつけた。
すると、モップラーのアヒルボートに穴が開き、
まるで空気が抜けた風船のように飛んでいき、モップラーは地面に墜落した。
ルイージはグーイージに意識を切り替えてモップラーをストロボで怯ませ、
オバキュームで吸い込んで叩きつける。
「オノレ、ヨクモヤッタナ!」
ある程度モップラーにダメージを与えると、モップラーはもう一度アヒルボートを膨らませ、
水上で機雷を投げてルイージの動きを制限した。
「機雷は衝撃を受けると動きます、だからなる早で避けてください!」
「うん!」
ルイージはユミルの助言を受けモップラーと戦う。
機雷やハリセンの猛攻でルイージの体力は削られ、グーイージも鼠の攻撃を受け続ける。
「トドメダ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
そして、モップラーのハリセン攻撃を食らったルイージは力尽き、黄金のホネが砕け散る。
「もう! 何やってるんですか! 利用できるものは利用する! 戦場の鉄則!」
「……え? 利用できるもの、って……あぁぁぁ!」
ルイージはユミルのアドバイスで閃いた。
モップラーが投げてきた機雷を、逆にモップラーにぶつければいいのだと。
「そうと分かれば!」
水上に浮いている機雷を、ルイージはオバキュームで吸い込み、モップラーにぶつけた。
「フン、ソレガドウシタ? サア、ユ……ウオォォォッ!」
モップラーがルイージを攻撃しようとすると、機雷が爆発して逆に気絶した。
その隙にルイージはアヒルボートをオバキュームで吸い付け、機雷にぶつけて破裂させる。
すぐ意識をグーイージに切り替えてモップラーをストロボで怯ませ、
大急ぎでオバキュームで吸い込んだ。
何度も何度もグーイージはモップラーを叩きつけ、モップラーの体力を減らしていく。
「……!!」
「ウアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
モップラーはオバキュームにしがみつき抵抗するが彼に抵抗できるだけの体力は残っておらず、
あっさりとオバキュームの中に吸い込まれた。
ルイージは黄金のホネを失いながらも、何とかモップラーにリベンジしたのだ。
グーイージがモップラーを吸い込み切ると、中からアヒルのおもちゃが5つ出てきて、
エレベーターボタンも飛び出してきた。
「……もう、アヒルボートは懲り懲りだよ……」
「でも、何とか倒せたわね」
アヒルボートから降りたルイージは、ミロとユミルに勝利の報告をした。
操作がかなり難しかったので、ルイージの表情はげんなりしていた。
「そして、やっぱりグーイージが役に立ったよ。
意識を切り替える必要があるけれど、いい役割分担になった」
「痒いところにはグーイージ! 戦場の鉄則!」
ミロはどうだ! と、したり顔をする。
彼女自身は戦っていないため、ルイージは「ははは……」と苦笑いした。
「それじゃあ、行くよ」
「ええ」
ルイージはキューバンショットで水位を下げた後、慎重に梯子を下がっていく。
ミロとユミルも彼についていくと、下には10階のエレベーターボタンが落ちていた。
「エレベーターボタン、ゲットよ!」
「やったね!」
ルイージはモップラーが持っていたエレベーターボタンを手に入れた。
モップラーにはかなり苦戦したため、ルイージ達の喜びはとても大きかった。
「次のフロアに行きましょう」
「僕達、疲れちゃったしね……」
こうして、三人はメンテナンスフロアを後にして、次のフロアに向かうのであった。
昨日は投稿できなくて申し訳ありませんでした。
次回は11章、デザートフロア編となります。