ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
モップラーに苦戦しながらも無事勝利した三人は、10階のデザートフロアに辿り着く。
だだっ広い部屋とたくさんの罠により、三人は慎重に探索せざるを得なくなった。
しかも、そこにいたオバケ・サーペンティスにより、
ルイージ、ミロ、ユミルは分断されてしまう。
またもや一人になったルイージは、罠だらけのピラミッドから脱出できるだろうか。
こんな罠だらけのピラミッドなんか、嫌だ。
そう思った僕は、まず、大秤の間に入った。
その部屋にはたくさんの彫像とコインがあり、
左右からは砂がどんどん落ちてきていて、まるで砂時計のようだった。
僕がオバキュームでコインを吸い込んだ後、扇状の壁を確認してみると、
八体の動物の絵が描かれていて、下には目盛りらしきものがある……。
これは、何かを量るものだろうか。
何かを置くらしい台座の上には、四方に動かせない蛇の彫像があり、
オバキュームで動かせる置物がいくつか置いてある。
これを乗せて、重さを量るのだろうか。
中央を確認してみると、鰐の絵が描かれていて、下にはストロボが反応するスイッチがある。
僕の体重はあの置物と同じくらいだから、置物一つ、僕、置物より軽いもので正解のはずだ。
置物より軽いものと言えば……壺なのだろうか。
「これで正解かな?」
台座に置物と壺を一つ置き、グーイージを乗せ、中央のスイッチをストロボで反応させる。
すると、目盛りはひとりでに動き、鰐の絵が描かれた場所で止まり、「○」の絵に変わった。
「よし……!」
ガッツポーズをする僕だったが、何故か嫌な予感がした。
すると、ドアの上からサーペンティスの顔が掘られた石板が落ちてきた。
しまった、閉じ込められた。
それと同時に、棘がついた天井が、ゆっくりと降下してくる。
急いで仕掛けを解かないと、潰されてしまう。
次はいくつ置いたらいいんだっけな……あ、猫の絵だからこれくらいの重さでいいかな?
僕が置物と壺を一つ置いてストロボを反応させ、目盛りが猫の絵が描かれた場所で止まり、
猫の絵が「○」の絵に裏返る。
最後は一番重い、象と同じ重さを乗せる。
これは置物を四つ置くだけでいいんだな……あ、まずい、天井が半分まで落ちてきている!
僕は急いで置物を台座に四つ置き、ストロボでスイッチを反応させた。
目盛りはゆっくりと動き、象の絵で止まった。
そして、棘がついた天井は上昇し、全ての絵が「○」の絵に裏返るとすぐに元に戻り、
スイッチは引っ込んで女性の彫像が現れた。
やった、僕はこの部屋にある全ての仕掛けを解いたんだ……!
僕が彫像の左腕を下げると、閉ざされていたドアは開いた。
そして、部屋を出ようとすると、いきなりオバケ達が襲い掛かってきた。
でも、戦場の鉄則を思い出して、あまり苦戦せずに倒す事ができた。
「謎を解いたら邪魔が入ると思え。やっぱり、戦場の鉄則って大事なんだな……」
僕は、一つ目の部屋を突破した事で、
ひとまず安心した……と思ったらまたミイラオバケが襲ってきた!
光の柵が落ちてきたため、避けられない戦闘だ。
テレサ型の岩も転がってくるし、ひやひやしながら戦っている。
それに、オバキュームを背負ってるから足が遅い。
だから、相手の動きを予測しながら戦おう。
「もう、オバケは来ないかな……」
ふぅ、と汗を拭いながら、僕はゆっくりと休む。
こうしている間にオバケが襲ってくるかもしれないから、オバキュームはそのままだ。
「ミロ、ユミル……無事かなぁ……」
僕が心配しているのは、ミロとユミルだ。
サーペンティスの罠にかかって、僕はピラミッドに落とされてしまい、
ミロとユミルとはぐれてしまった。
早く合流しないと、二人が危ない……!
「えーと、次は……」
次に僕が入ったのは、操砂の間。
ここには砂がたくさんあって、部屋の中からも流れ出ている。
部屋には、スイッチがついた彫像がある。
僕は砂をオバキュームで動かし、右のスイッチに行こうとするが、
ここで僕は戦場の鉄則を思い出す。
謎を解いたら邪魔が入ると思え――僕は、彫像がある場所に砂を動かした。
また、部屋の中には蛇がいたため、そいつらもオバキュームで全て吸い込んだ。
「これで、どうかな? ……うわっ!」
僕がスイッチがある場所に行こうとすると、彫像が下がり、ドアもまた閉ざされ、
右下、中央、左上からレーザーを出す像が現れた。
あのレーザーは天井を支えている鎖を狙っている。
全ての鎖が切れたら、天井に潰されてしまう――急いで像を止めなければ。
僕は急いで砂を登り、まず、自分に近い中央の像をバーストで止め、
像があった足場がゆっくりと降下する。
そうしている間にも、鎖はどんどん黄色くなり、鎖は崩れて落ちていく。
次に、左上の像をバーストで止めると、光の柵が落ちてきて、オバケが襲ってくる。
こいつと戦うするのはまだ早いのに、どうして僕の邪魔をするんだ。
僕はオバケと鎖の両方に気を付けながら、
最後の、右下の像をバーストで止め、鎖が切れて天井が落ちるのを防いだ。
そして、見えないオバケが辿った軌跡を辿りながら撃退すると、右上のスイッチが復活した。
「はぁ……はぁ、結構焦ったよ……」
息を切らしながらも、僕は何とかスイッチを倒す。
すると、彫像の目が光り、閉ざされた扉も開いた。
僕がゆっくりとドアを開けて中央に戻ると、棺がいくつか開き、
ミイラオバケとオバケの群れが襲ってきた。
長い包帯を引っ張ってオバケを取り出し、
オバケを吸い込んで後ろにいるミイラオバケに叩きつける。
ミイラオバケは倒れ、中からオバケが出てきて、
そいつも僕がオバキュームで吸い込んで倒した。
意外とミイラオバケの数は多く、時間はかかったが全員倒す事ができた。
「うわっ!」
しかし、先に進もうとすると、左側のテレサ型の岩が転がった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
僕は急いでテレサ型の岩をかわし、宝玉の間に入った。
「ここが、宝玉の間か。ん? あれは?」
砂と壺がたくさんあったが、そんなものは僕の目には入らなかった。
中央には、何かを嵌めそうな穴がある。
僕が部屋を調べてみると、丸くて白い、緑の宝石が入った球を見つけた。
もしかして、これを穴に嵌めるのか?
それをオバキュームで吸い込んで穴に嵌めると、ゆっくりとドアが開いた。
「一体何が待ってるんだろう……」
大きな部屋の中に入ると、急に僕の後ろのドアが閉まった。
そして、あちこちに開いてある穴から、毒ガスがたくさん出てきた。
「ごほっ、ごほっ……」
毒ガスが蔓延する部屋に長居すると、力尽きる。
さっきの部屋より即効性は無いが、やる事は変わらず、仕掛けを解くだけだ。
僕は砂をオバキュームで吸い込み、埋まっている宝玉を取り出して正しい穴に入れる。
四角、逆三角、丸、菱型、丸……そして、最後の三角は壺の中にあった。
そして、宝玉を全て正しい穴に入れると、毒ガスは治まり、
大きな扉が左右に開き、目の前にスイッチが見えてきた。
「……死ぬかと、思った……」
僕は顔が青ざめながらも、スイッチを押し、宝玉の間を出ていった。
「これで、もう大丈夫かな?」
大広間に戻ると、穴は完全に塞がれていて、砂がどんどん積もっていく。
もしかして、これを登って地上に戻るのか?
僕は砂が地上に繋がるまで待とうとしたが、突然、全てのドアに光の柵が落ちた。
もしかして、オバケが襲い掛かってくるのか!?
四体のオバケの群れを吸い込んで倒した後、次から次へとオバケが襲ってくる。
アンストは厄介な相手なので、背後に回り込み、グーイージと一緒に倒した。
よく見るとこのオバケ、尻尾が二つあるんだな。
トリストは、背後に気を付けながら、慎重かつ大胆な動きで倒した。
「なんて数だ……!」
オバケは次々と僕に襲い掛かってくる。
まるで、地上に脱出しようとする僕を、ピラミッドに留めさせるために。
「ふう、ふう、ふう……」
やがて、全てのオバケは倒れ、光の柵は消えた。
これで、地上に脱出する事ができる。
しばらくすると、砂で脱出口に繋がる道ができた。
「これで僕は、あのピラミッドからはおさらばだ!」
そう言って、僕は蛇のドアを開けた。
「ひゃぁぁぁっ!」
ドアを開けると、そこには蜘蛛が待ち構えていた。
僕は全ての蜘蛛をストロボでお金に換え回収した。
一瞬、中央のパネルが動いたが、気のせいか、と思って無視した。
「……!?」
階段を登ろうとすると、突然、最後尾の壁が迫ってきた。
最後の最後で、こんな罠があったなんて!
次々と迫ってくる壁を、僕は鈍足ながらも避けて、階段をどんどん登っていく。
やがて階段を登り切ると、もう、後戻りはできなくなっていた。
「……あれは、蜘蛛の巣?」
ジョーノーズ監督がいた部屋にあったものと、全く同じ蜘蛛の巣が道を塞いでいた。
こういうのは、松明に火をつけてから燃やすんだ。
僕は近くにあった松明をオバキュームで吸い込み、
それを燭台の火につけて、蜘蛛の巣を燃やした。
蜘蛛の巣が燃えると、僕が描かれた壁画がある。
僕がその壁画を調べてから手で触れると、壁画が光って回転した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!」
回転に巻き込まれた僕が着いた場所、そこは――
~視点を元に戻します~
「はぁっ、はぁっ、何なんだよ、あのピラミッドは」
「ルイージ!」
「無事でしたか!?」
ミロとユミルがいた、あの祭壇だった。
ルイージは、
「ミロ! ユミル!」
ルイージは涙を流しながら、ミロとユミルとの再会に喜んだ。
「無事でしたか、じゃないよ! あのピラミッド、凄く大変だったんだよ!!」
珍しく、感情的になって二人に話すルイージ。
それほどまでに、あのピラミッドは非常に危険な場所だったようだ。
もたもたすれば即死、慌てても即死と、ルイージの命を脅かす場所だった。
そんな場所から脱出できたルイージの声には、喜びと安心感が混ざっていた。
「はいはい、喜ぶのはいいですが、まだ何か残っていますよ」
「……サーペンティス。このフロアの主よ」
その言葉を聞いて、ルイージはごくりと唾を呑む。
サーペンティスは自分を罠に嵌めた張本人、そのオバケと戦うのは不安が残る。
それでも、彼女を倒さなければ、エレベーターボタンは手に入らない。
「大丈夫かなぁ……」
「あたし達がついてるから大丈夫よ」
ルイージは不安になりながら、ミロ、ユミルと共に祭壇を出る。
すると、ルイージ達の背後からサーペンティスが忍び寄る。
ユミルは彼女の存在に気付き、鋭い目でサーペンティスを見つめた。
「許しませんよ、サーペンティス……!」
「よくぞ気付いた。さては、そちは魔の力を使う者じゃな?」
「魔の力……ボクは魔導師ですが」
「ほほほ、そちは大変勘の鋭い坊やじゃ。さて、そちらもそろそろ気付くがよかろう」
そう言って、サーペンティスはルイージの肩に砂を吹きかけた。
「わっ、な、何!?」
「ルイージ! 後ろ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ルイージとミロが振り向くと、そこにはサーペンティスがいた。
彼女の姿を見たルイージは、驚いて転倒した。
サーペンティスは宙に浮くと舞を舞い、
回転しながら砂を纏い、自身そっくりの顔型の装甲を纏った。
「この砂漠から逃しはせん! それでも楯突くというのであれば、わらわ自らが相手になろう!」
「気を付けて! 彼女、強そうよ!」
「油断禁物だね」
サーペンティスとの戦いが、始まった。
「あの砂を吸い込めばいいのか?」
ルイージはオバキュームでサーペンティスを覆っている砂を吸い込む。
だが、サーペンティスは怯む気配はなく、ゆっくりと三人を追いかける。
「きゃっ!」
ミロは砂の中から出てきたサーペンティスをかわし距離を取って魔法の矢を射るが、
サーペンティスの装甲は剥がれない。
「ゆくぞ!」
サーペンティスの砂の装甲が変化し、鋭く目を光らせた四体の蛇になる。
ルイージはグーイージを呼び出して囮にし、隙ができるまでサーペンティスから逃げた。
砂の蛇がグーイージを襲うが、グーイージには当たらず、さらに砂の蛇が衝撃で気絶した。
「それ!」
「ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ!」
その隙にミロとユミルは砂の蛇に魔法の矢を放ち、砂の蛇を砂に戻して消滅させた。
「ぬぅぅ、やるな。じゃが、砂漠はわらわの独擅場。そちの攻撃など、恐るるに足らず!」
「わぁぁっ!」
サーペンティスは砂の中に潜ると、正確にルイージを追跡していった。
ルイージは何とかサーペンティスの攻撃をかわす。
砂の中から姿を現したサーペンティスは、一度砂の装甲を解除し、
砂を蛇に変化させて操り、光の槍を放った。
「させません!」
ユミルは隠し持っていた薬を投げつけ、砂の蛇が放った光の槍を破壊する。
「今です!」
「食らえ、サーペンティス!」
「なっ!?」
ルイージはサーペンティスに光を浴びせ怯ませる。
その隙にサーペンティスをオバキュームで吸い込み彼女を引っ張ってパワーを溜め、
連続でサーペンティスを叩きつけた。
サーペンティスがオバキュームから解放されると彼女は再び砂の中に潜り、
顔型の砂の装甲を身に纏った。
「よし、あたしとユミルが装甲を剥がすわ。
ルイージはとにかく逃げて! グーイージの代わりにあたし達が戦うわ!」
「あ、ああ」
ルイージはすぐにグーイージを戻し、ミロとユミルにサーペンティスを引きつけさせる。
サーペンティスは砂を拳に変化させ、ルイージに突っ込ませようとするが、
ミロの魔法の矢とユミルの薬に阻まれる。
ミロとユミルは遠距離から攻撃し、サーペンティスの砂の装甲を削り取っていく。
(砂の動きを見れば、サーペンティスがどこにいるか分かるはずよ)
(そうですね)
「ルイージ、かわして!」
「わわわわっ!」
サーペンティスが潜っていても砂は誤魔化せない。
ミロとユミルは冷静に、サーペンティスがどこにいるかを読みつつ、
ルイージに指示を出して回避させる。
すると、サーペンティスが高く飛び上がり、広範囲に衝撃波を放つが、
ルイージ、ミロ、ユミルは飛び上がってかわす。
「あなたの装甲は」
「打ち破ったわ!」
「何をする!」
そして、ミロとユミルの一撃で、サーペンティスの装甲は剥がれた。
彼女は砂を蛇に変えて光の槍を飛ばすも、
ルイージはミロとユミルの的確な指示で攻撃をかわす事に成功した。
「今よ、ルイージ!」
「食らえ!」
そして、ルイージはサーペンティスの隙を突き、
サーペンティスをストロボで怯ませ、オバキュームで彼女を吸い込んだ。
「これで……とどめだ!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
サーペンティスが抵抗する力を失うと、
眠るように水平になり、オバキュームの中に吸い込まれた。
そして、オバキュームの中から、11階のエレベーターボタンが飛び出した。
「これでようやく……砂漠とはおさらばだな」
ルイージがしげしげと11階のエレベーターボタンを見つめる。
そう、ルイージ達は、このデザートフロアの攻略に成功したのだ。
「さあ、ベースラボに戻るわよ!」
「帰ってゆっくり休みましょう!」
砂は自然の一種なので、サーペンティスは魔女だと思います。
これは、タイトルをこのようにした理由の一つです。
次回はテレサを探す外伝です。