ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

モップラーに苦戦しながらも無事勝利した三人は、10階のデザートフロアに辿り着く。
だだっ広い部屋とたくさんの罠により、三人は慎重に探索せざるを得なくなった。
しかも、そこにいたオバケ・サーペンティスにより、
ルイージ、ミロ、ユミルは分断されてしまう。
またもや一人になったルイージは、罠だらけのピラミッドから脱出できるだろうか。


11章-2「Sand Witch」

 こんな罠だらけのピラミッドなんか、嫌だ。

 そう思った僕は、まず、大秤の間に入った。

 その部屋にはたくさんの彫像とコインがあり、

 左右からは砂がどんどん落ちてきていて、まるで砂時計のようだった。

 僕がオバキュームでコインを吸い込んだ後、扇状の壁を確認してみると、

 八体の動物の絵が描かれていて、下には目盛りらしきものがある……。

 これは、何かを量るものだろうか。

 何かを置くらしい台座の上には、四方に動かせない蛇の彫像があり、

 オバキュームで動かせる置物がいくつか置いてある。

 これを乗せて、重さを量るのだろうか。

 中央を確認してみると、鰐の絵が描かれていて、下にはストロボが反応するスイッチがある。

 僕の体重はあの置物と同じくらいだから、置物一つ、僕、置物より軽いもので正解のはずだ。

 置物より軽いものと言えば……壺なのだろうか。

 

「これで正解かな?」

 台座に置物と壺を一つ置き、グーイージを乗せ、中央のスイッチをストロボで反応させる。

 すると、目盛りはひとりでに動き、鰐の絵が描かれた場所で止まり、「○」の絵に変わった。

「よし……!」

 ガッツポーズをする僕だったが、何故か嫌な予感がした。

 すると、ドアの上からサーペンティスの顔が掘られた石板が落ちてきた。

 しまった、閉じ込められた。

 それと同時に、棘がついた天井が、ゆっくりと降下してくる。

 急いで仕掛けを解かないと、潰されてしまう。

 次はいくつ置いたらいいんだっけな……あ、猫の絵だからこれくらいの重さでいいかな?

 僕が置物と壺を一つ置いてストロボを反応させ、目盛りが猫の絵が描かれた場所で止まり、

 猫の絵が「○」の絵に裏返る。

 最後は一番重い、象と同じ重さを乗せる。

 これは置物を四つ置くだけでいいんだな……あ、まずい、天井が半分まで落ちてきている!

 僕は急いで置物を台座に四つ置き、ストロボでスイッチを反応させた。

 目盛りはゆっくりと動き、象の絵で止まった。

 そして、棘がついた天井は上昇し、全ての絵が「○」の絵に裏返るとすぐに元に戻り、

 スイッチは引っ込んで女性の彫像が現れた。

 やった、僕はこの部屋にある全ての仕掛けを解いたんだ……!

 僕が彫像の左腕を下げると、閉ざされていたドアは開いた。

 そして、部屋を出ようとすると、いきなりオバケ達が襲い掛かってきた。

 でも、戦場の鉄則を思い出して、あまり苦戦せずに倒す事ができた。

 

「謎を解いたら邪魔が入ると思え。やっぱり、戦場の鉄則って大事なんだな……」

 

 僕は、一つ目の部屋を突破した事で、

 ひとまず安心した……と思ったらまたミイラオバケが襲ってきた!

 光の柵が落ちてきたため、避けられない戦闘だ。

 テレサ型の岩も転がってくるし、ひやひやしながら戦っている。

 それに、オバキュームを背負ってるから足が遅い。

 だから、相手の動きを予測しながら戦おう。

 

「もう、オバケは来ないかな……」

 ふぅ、と汗を拭いながら、僕はゆっくりと休む。

 こうしている間にオバケが襲ってくるかもしれないから、オバキュームはそのままだ。

「ミロ、ユミル……無事かなぁ……」

 僕が心配しているのは、ミロとユミルだ。

 サーペンティスの罠にかかって、僕はピラミッドに落とされてしまい、

 ミロとユミルとはぐれてしまった。

 早く合流しないと、二人が危ない……!

 

「えーと、次は……」

 次に僕が入ったのは、操砂の間。

 ここには砂がたくさんあって、部屋の中からも流れ出ている。

 部屋には、スイッチがついた彫像がある。

 僕は砂をオバキュームで動かし、右のスイッチに行こうとするが、

 ここで僕は戦場の鉄則を思い出す。

 謎を解いたら邪魔が入ると思え――僕は、彫像がある場所に砂を動かした。

 また、部屋の中には蛇がいたため、そいつらもオバキュームで全て吸い込んだ。

「これで、どうかな? ……うわっ!」

 僕がスイッチがある場所に行こうとすると、彫像が下がり、ドアもまた閉ざされ、

 右下、中央、左上からレーザーを出す像が現れた。

 あのレーザーは天井を支えている鎖を狙っている。

 全ての鎖が切れたら、天井に潰されてしまう――急いで像を止めなければ。

 僕は急いで砂を登り、まず、自分に近い中央の像をバーストで止め、

 像があった足場がゆっくりと降下する。

 そうしている間にも、鎖はどんどん黄色くなり、鎖は崩れて落ちていく。

 次に、左上の像をバーストで止めると、光の柵が落ちてきて、オバケが襲ってくる。

 こいつと戦うするのはまだ早いのに、どうして僕の邪魔をするんだ。

 僕はオバケと鎖の両方に気を付けながら、

 最後の、右下の像をバーストで止め、鎖が切れて天井が落ちるのを防いだ。

 そして、見えないオバケが辿った軌跡を辿りながら撃退すると、右上のスイッチが復活した。

 

「はぁ……はぁ、結構焦ったよ……」

 息を切らしながらも、僕は何とかスイッチを倒す。

 すると、彫像の目が光り、閉ざされた扉も開いた。

 僕がゆっくりとドアを開けて中央に戻ると、棺がいくつか開き、

 ミイラオバケとオバケの群れが襲ってきた。

 長い包帯を引っ張ってオバケを取り出し、

 オバケを吸い込んで後ろにいるミイラオバケに叩きつける。

 ミイラオバケは倒れ、中からオバケが出てきて、

 そいつも僕がオバキュームで吸い込んで倒した。

 意外とミイラオバケの数は多く、時間はかかったが全員倒す事ができた。

「うわっ!」

 しかし、先に進もうとすると、左側のテレサ型の岩が転がった。

うわぁぁぁぁぁぁぁ!

 僕は急いでテレサ型の岩をかわし、宝玉の間に入った。

 

「ここが、宝玉の間か。ん? あれは?」

 砂と壺がたくさんあったが、そんなものは僕の目には入らなかった。

 中央には、何かを嵌めそうな穴がある。

 僕が部屋を調べてみると、丸くて白い、緑の宝石が入った球を見つけた。

 もしかして、これを穴に嵌めるのか?

 それをオバキュームで吸い込んで穴に嵌めると、ゆっくりとドアが開いた。

「一体何が待ってるんだろう……」

 大きな部屋の中に入ると、急に僕の後ろのドアが閉まった。

 そして、あちこちに開いてある穴から、毒ガスがたくさん出てきた。

「ごほっ、ごほっ……」

 毒ガスが蔓延する部屋に長居すると、力尽きる。

 さっきの部屋より即効性は無いが、やる事は変わらず、仕掛けを解くだけだ。

 僕は砂をオバキュームで吸い込み、埋まっている宝玉を取り出して正しい穴に入れる。

 四角、逆三角、丸、菱型、丸……そして、最後の三角は壺の中にあった。

 そして、宝玉を全て正しい穴に入れると、毒ガスは治まり、

 大きな扉が左右に開き、目の前にスイッチが見えてきた。

 

「……死ぬかと、思った……」

 僕は顔が青ざめながらも、スイッチを押し、宝玉の間を出ていった。

 

「これで、もう大丈夫かな?」

 大広間に戻ると、穴は完全に塞がれていて、砂がどんどん積もっていく。

 もしかして、これを登って地上に戻るのか?

 僕は砂が地上に繋がるまで待とうとしたが、突然、全てのドアに光の柵が落ちた。

 もしかして、オバケが襲い掛かってくるのか!?

 四体のオバケの群れを吸い込んで倒した後、次から次へとオバケが襲ってくる。

 アンストは厄介な相手なので、背後に回り込み、グーイージと一緒に倒した。

 よく見るとこのオバケ、尻尾が二つあるんだな。

 トリストは、背後に気を付けながら、慎重かつ大胆な動きで倒した。

 

「なんて数だ……!」

 オバケは次々と僕に襲い掛かってくる。

 まるで、地上に脱出しようとする僕を、ピラミッドに留めさせるために。

 

「ふう、ふう、ふう……」

 やがて、全てのオバケは倒れ、光の柵は消えた。

 これで、地上に脱出する事ができる。

 しばらくすると、砂で脱出口に繋がる道ができた。

「これで僕は、あのピラミッドからはおさらばだ!」

 そう言って、僕は蛇のドアを開けた。

 

ひゃぁぁぁっ!

 ドアを開けると、そこには蜘蛛が待ち構えていた。

 僕は全ての蜘蛛をストロボでお金に換え回収した。

 一瞬、中央のパネルが動いたが、気のせいか、と思って無視した。

「……!?」

 階段を登ろうとすると、突然、最後尾の壁が迫ってきた。

 最後の最後で、こんな罠があったなんて!

 次々と迫ってくる壁を、僕は鈍足ながらも避けて、階段をどんどん登っていく。

 やがて階段を登り切ると、もう、後戻りはできなくなっていた。

「……あれは、蜘蛛の巣?」

 ジョーノーズ監督がいた部屋にあったものと、全く同じ蜘蛛の巣が道を塞いでいた。

 こういうのは、松明に火をつけてから燃やすんだ。

 僕は近くにあった松明をオバキュームで吸い込み、

 それを燭台の火につけて、蜘蛛の巣を燃やした。

 蜘蛛の巣が燃えると、僕が描かれた壁画がある。

 僕がその壁画を調べてから手で触れると、壁画が光って回転した。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~!

 回転に巻き込まれた僕が着いた場所、そこは――

 

 ~視点を元に戻します~

 

「はぁっ、はぁっ、何なんだよ、あのピラミッドは」

「ルイージ!」

「無事でしたか!?」

 ミロとユミルがいた、あの祭壇だった。

 ルイージは、(ようや)くあのピラミッドを脱出したのだ。

「ミロ! ユミル!」

 ルイージは涙を流しながら、ミロとユミルとの再会に喜んだ。

「無事でしたか、じゃないよ! あのピラミッド、凄く大変だったんだよ!!」

 珍しく、感情的になって二人に話すルイージ。

 それほどまでに、あのピラミッドは非常に危険な場所だったようだ。

 もたもたすれば即死、慌てても即死と、ルイージの命を脅かす場所だった。

 そんな場所から脱出できたルイージの声には、喜びと安心感が混ざっていた。

「はいはい、喜ぶのはいいですが、まだ何か残っていますよ」

「……サーペンティス。このフロアの主よ」

 その言葉を聞いて、ルイージはごくりと唾を呑む。

 サーペンティスは自分を罠に嵌めた張本人、そのオバケと戦うのは不安が残る。

 それでも、彼女を倒さなければ、エレベーターボタンは手に入らない。

 

「大丈夫かなぁ……」

「あたし達がついてるから大丈夫よ」

 ルイージは不安になりながら、ミロ、ユミルと共に祭壇を出る。

 すると、ルイージ達の背後からサーペンティスが忍び寄る。

 ユミルは彼女の存在に気付き、鋭い目でサーペンティスを見つめた。

「許しませんよ、サーペンティス……!」

「よくぞ気付いた。さては、そちは魔の力を使う者じゃな?」

「魔の力……ボクは魔導師ですが」

「ほほほ、そちは大変勘の鋭い坊やじゃ。さて、そちらもそろそろ気付くがよかろう」

 そう言って、サーペンティスはルイージの肩に砂を吹きかけた。

「わっ、な、何!?」

「ルイージ! 後ろ!」

うわぁぁぁぁぁぁぁ!?

 ルイージとミロが振り向くと、そこにはサーペンティスがいた。

 彼女の姿を見たルイージは、驚いて転倒した。

 サーペンティスは宙に浮くと舞を舞い、

 回転しながら砂を纏い、自身そっくりの顔型の装甲を纏った。

「この砂漠から逃しはせん! それでも楯突くというのであれば、わらわ自らが相手になろう!」

「気を付けて! 彼女、強そうよ!」

「油断禁物だね」

 サーペンティスとの戦いが、始まった。

 

「あの砂を吸い込めばいいのか?」

 ルイージはオバキュームでサーペンティスを覆っている砂を吸い込む。

 だが、サーペンティスは怯む気配はなく、ゆっくりと三人を追いかける。

「きゃっ!」

 ミロは砂の中から出てきたサーペンティスをかわし距離を取って魔法の矢を射るが、

 サーペンティスの装甲は剥がれない。

「ゆくぞ!」

 サーペンティスの砂の装甲が変化し、鋭く目を光らせた四体の蛇になる。

 ルイージはグーイージを呼び出して囮にし、隙ができるまでサーペンティスから逃げた。

 砂の蛇がグーイージを襲うが、グーイージには当たらず、さらに砂の蛇が衝撃で気絶した。

「それ!」

「ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ!」

 その隙にミロとユミルは砂の蛇に魔法の矢を放ち、砂の蛇を砂に戻して消滅させた。

「ぬぅぅ、やるな。じゃが、砂漠はわらわの独擅場。そちの攻撃など、恐るるに足らず!」

わぁぁっ!

 サーペンティスは砂の中に潜ると、正確にルイージを追跡していった。

 ルイージは何とかサーペンティスの攻撃をかわす。

 砂の中から姿を現したサーペンティスは、一度砂の装甲を解除し、

 砂を蛇に変化させて操り、光の槍を放った。

「させません!」

 ユミルは隠し持っていた薬を投げつけ、砂の蛇が放った光の槍を破壊する。

「今です!」

「食らえ、サーペンティス!」

「なっ!?」

 ルイージはサーペンティスに光を浴びせ怯ませる。

 その隙にサーペンティスをオバキュームで吸い込み彼女を引っ張ってパワーを溜め、

 連続でサーペンティスを叩きつけた。

 サーペンティスがオバキュームから解放されると彼女は再び砂の中に潜り、

 顔型の砂の装甲を身に纏った。

「よし、あたしとユミルが装甲を剥がすわ。

 ルイージはとにかく逃げて! グーイージの代わりにあたし達が戦うわ!」

「あ、ああ」

 ルイージはすぐにグーイージを戻し、ミロとユミルにサーペンティスを引きつけさせる。

 サーペンティスは砂を拳に変化させ、ルイージに突っ込ませようとするが、

 ミロの魔法の矢とユミルの薬に阻まれる。

 ミロとユミルは遠距離から攻撃し、サーペンティスの砂の装甲を削り取っていく。

(砂の動きを見れば、サーペンティスがどこにいるか分かるはずよ)

(そうですね)

「ルイージ、かわして!」

「わわわわっ!」

 サーペンティスが潜っていても砂は誤魔化せない。

 ミロとユミルは冷静に、サーペンティスがどこにいるかを読みつつ、

 ルイージに指示を出して回避させる。

 すると、サーペンティスが高く飛び上がり、広範囲に衝撃波を放つが、

 ルイージ、ミロ、ユミルは飛び上がってかわす。

「あなたの装甲は」

「打ち破ったわ!」

「何をする!」

 そして、ミロとユミルの一撃で、サーペンティスの装甲は剥がれた。

 彼女は砂を蛇に変えて光の槍を飛ばすも、

 ルイージはミロとユミルの的確な指示で攻撃をかわす事に成功した。

「今よ、ルイージ!」

「食らえ!」

 そして、ルイージはサーペンティスの隙を突き、

 サーペンティスをストロボで怯ませ、オバキュームで彼女を吸い込んだ。

「これで……とどめだ!!」

アアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 サーペンティスが抵抗する力を失うと、

 眠るように水平になり、オバキュームの中に吸い込まれた。

 そして、オバキュームの中から、11階のエレベーターボタンが飛び出した。

 

「これでようやく……砂漠とはおさらばだな」

 ルイージがしげしげと11階のエレベーターボタンを見つめる。

 そう、ルイージ達は、このデザートフロアの攻略に成功したのだ。

「さあ、ベースラボに戻るわよ!」

「帰ってゆっくり休みましょう!」




砂は自然の一種なので、サーペンティスは魔女だと思います。
これは、タイトルをこのようにした理由の一つです。
次回はテレサを探す外伝です。
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