ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

12階・ビーチレストランフロアには大きな船の模型があって進めなかった。
さらに、オバキュームのパーツを取りに行ったあかキノピオも行方不明になる。
ルイージ、ミロ、ユミルは戦場の鉄則を守って無事にあかキノピオをオバケから守り切り、
オバキュームのパーツも取り戻す。
そして、ルイージはパワーアップしたオバキュームを装備し、
ミロとユミルと共に今度こそ12階を攻略しに行った。


14章「Pirate Land」

「じゃ、12階に戻りましょう」

「そうだね」

 ルイージ、ミロ、ユミルの三人は、エレベーターで12階まで行った。

「しっかし! 最初に足止めを食らうとはね」

「キノピオが無茶をするのもあるけど、一番の問題はオヤ・マー博士なんだよ」

 確かにオヤ・マー博士はルイージにとって兄に次いで頼りになる人物だ。

 しかし、性格に難があり、そのせいでルイージは苦労している。

「今度からキノピオ達はあたしが見守るわ」

「といってもボクとミロさんは戦いが終わったら帰りますし、そう長くはいられませんよ」

「そうだったね」

「でも、こんなに大きな船があるって事は、このフロアって海と関係があるの?」

「多分ね。今まで行ってきた場所もそうだったし。でも、ホテルの中に海なんて……」

「森とか砂漠とかにも行ってきたでしょ?」

「あ、あはははは……;」

 

 会話が終わり、エレベーターは12階に着いた。

 三人は改めて、問題の障害物がある場所に行く。

「ここか……うわっ、眩しっ!」

 ルイージは西側に特別なコンセントを見つける。

 もしかしたら、ここに繋げばハイパーバキュームが発動するのではないか、と。

 案の定オバキュームは自動で繋がり、強化される。

「よし、今なら……!」

 ルイージはパワーアップしたオバキュームを使い、船の模型目掛けて吸い込んだ。

 すると、今まで動かなかった船の模型が、どんどんオバキュームの中に吸い込まれていく。

 ばきっ、ぎりっ、めしっ、と音が鳴り、上にある絵画もどんどん落ちていく。

 やがて、船の模型は全て吸い込まれた。

「やったあ! って、やり過ぎよルイージ!」

「あ、ご、ごめん……」

 入口の惨状を見たミロがルイージに突っ込むのも、無理はなかったようだ……。

 

 何はともあれ、無事に障害物を取り除く事に成功。

 三人はドアを開けて、ケイブカフェに辿り着いた。

 そこは屋内でありながら、まるで洞窟のような場所であり、穴からは滝が落ちている。

 奥の岩は髑髏型になっており、不気味だ。

「うぅ、なんだか嫌な感じ……」

「しーっ、静かにしてください」

 まず、左奥にある不自然な箱にダークライトを当てると、髑髏が描かれた旗が出てきた。

 ルイージがそれをオバキュームで引っ張ると、中から白い宝石が出てきた。

 その後、橋を渡って奥にある宝箱を開けようとすると、オバケになって襲い掛かってきた。

 ルイージはグーイージを囮にした後、ダークライトを当てて宝箱を元に戻した。

 三人が奥に進むと、髑髏型の岩が動き出した。

「わわわわわっ!」

 ルイージはその光景を見て若干の不快感を覚える。

「あたし達を出迎えているのかしら」

「そうみたいですねぇ」

 ミロとユミルは慣れているのか、冷静だった。

 

 三人が丸いドアを開けると、そこはビーチエリアだった。

「見て! あれ、船よ!」

 船着き場の奥にある海には、大きな船が浮かんでいる。

 この中にお宝が眠っているだろうと感じたミロは、目をキラキラと光らせていた。

 対し、ユミルは冷静だった。

「お宝といっても、罠はあるんですよね」

「えぇ~……。でも、お宝が眠ってるなら見つけましょうよ! ね、お願い!」

「はいはい」

 ルイージはオバキュームで紐を引っ張り、船を呼ぶための鐘を鳴らした。

 すると、向こう側が霧に包まれ、ゆっくりと大きな船がやってくる。

 先端には髑髏と剣を持ったオバケの飾りがついており、

 船には髑髏が描かれた旗があり、外観はボロボロだった。

 ルイージはその幽霊海賊船を、オバキュームのストロボで照らした。

「おお~! 来た来た来たぁ~!」

「あ、あ、あわわわわわ……」

「これが船ですか……」

 明るく手を振るミロと、不安になるルイージ、冷静に見ているユミル。

 バシャン、と三人に水がかかる。

「ひゃんっ!」

「何するんですか!」

 船の板が動き出し、ばたん、と倒れる。

「ひっ!」

 ルイージはその大きな音に驚いた。

「さあ、幽霊海賊船に乗り込むわよ!」

「おー!」

「おー」

 三人は、早速幽霊海賊船に乗り込んだ。

 船の上には、木の箱のテーブルと椅子があり、さらにテーブルの上には蝋燭が置いてある。

 辺りには誰もいないように見えるが……。

 

「あれは……!」

 ルイージは、船の上に、きいろキノピオを封印した額縁を発見した。

 また、額縁の中には炎が描かれた玉がある。

「あたしのチカラ……!」

 そう、ここにはミロが失った3つ目のチカラが眠っているのだ。

「困ったな……どうすれば上に行けるんだろう……」

 しかし、現時点で上に行く事はできない。

 ルイージは困った顔で頭を掻く。

 すると、海の向こうから鮫がゆっくり泳いできた。

 だがその鮫は、身体が透けていた。

 ルイージとミロは、戦いに備えて構えている。

「ユミル、後ろ!」

わわぁっ!?

 ルイージの言葉を聞いたユミルが振り向くと、右腕に鉤の義手、

 左目に眼帯をつけた鮫の姿をしたオバケ、フック船長ならぬキャプテンフッカが現れた。

 彼の左目には13階のエレベーターボタンがある。

ヒャーッハッハッハ! 久々の獲物だー!」

 キャプテンフッカは高笑いすると、船の奥底に消えていった。

 すると、板がオバケになって襲い掛かってきた。

 さらに、四体のオバケが爆弾を投げつけてくる。

いきなりボス戦とか展開速すぎですけどー!

 唐突にも、キャプテンフッカとの戦いが始まった。

 

 四体のナロストが、爆弾入りの樽を投げつける。

「わわっと!」

 ルイージは樽をかわすが、船に潜ったキャプテンフッカが襲ってくる。

「危ない!」

 ユミルは周囲に魔力を放って、樽を吹っ飛ばす。

 すると、樽がキャプテンフッカの口に入り、爆発して口から煙が出てきた。

「ぐほぉっ!」

「まだ応えていないようです。繰り返し、爆弾を口の中に入れてください!」

「分かった!」

 ルイージはキャプテンフッカをおびき寄せつつ、オバキュームで爆弾入りの樽を吸い付け、

 キャプテンフッカの口の中に入れる。

 すると、ルイージの背後に樽が投げ込まれた。

「せいっ!」

 ミロは魔法の矢で樽を撃ち、樽は空中で爆発した。

「ルイージの背中はあたしとユミルが守るわ!」

「ありがとう!」

「ぬうう……」

 キャプテンフッカは怒りながら、ゆっくりとルイージを追いかける。

 もし食べられたら、ひとたまりもないだろう。

 幸い、キャプテンフッカの動きは遅いので、見てからかわす戦法が有効だった。

 ルイージはオバキュームでナロストが投げた爆弾入りの樽を吸い付け、

 キャプテンフッカが口を開くのを待つ。

 だが、待っているうちに、樽が赤く点滅し、もう少しで爆発しそうだった。

 このままルイージも爆発に飲み込まれるかと思ったその時、

 キャプテンフッカが口を開けて迫ってきた。

「今だ!」

うおっ!! うおおおおおおおお!!

 ルイージは爆発寸前の樽を上手くキャプテンフッカの口の中に入れ、爆発させる。

 すると、船の中から勢いよくキャプテンフッカが飛び出してきた。

「げほっ、ごほっ、ごほっ、げほっ……。よ、よくもこの、オレさまを追い詰めたな。

 お前達をこの腕でバラバラにしてやる!」

 そう言って、キャプテンフッカは鋭い義手を三人に振りかざした。

 三人は攻撃をかわし、ルイージはストロボをキャプテンフッカに当てるが、

 眼帯が邪魔をしていて効かない。

「また、ストロボを守っているわね……どうする?」

「どうするも何も、隙を伺うしかないよ」

 三人はキャプテンフッカの攻撃をかわしながら、キャプテンフッカの隙を伺う。

 すると、キャプテンフッカは高く飛び上がり、勢いよく義手を地面に振り下ろした。

きゃぁぁっ!

 義手はミロの横ギリギリに刺さった。

 あと少し遅かったら、串刺しになっていただろう。

「……!」

 見ると、キャプテンフッカの義手が、船の板に刺さり、動けなくなっている。

 ストロボを使うなら、今がチャンスだ。

 ルイージはストロボでキャプテンフッカを怯ませ、急いでキャプテンフッカを吸い込む。

「せい! とおっ! でやっ!」

ぎゃぁぁっ! うおぉぉぉ! のぉぉぉぉ!

 キャプテンフッカは重かったが、ルイージは諦めずに彼を吸い込む。

 そして、パワーが溜まった後、何度もキャプテンフッカを叩きつけた。

 

 二回目はこれを繰り返したので省略し、キャプテンフッカの体力は残り僅かになった。

 すると、キャプテンフッカは咆哮し、たくさんの鋭い歯を三人に見せた。

「もう許さないぞ! 食い殺してやる!」

うわわわわぁっ!

 キャプテンフッカは船の壁に入り込んだ。

 ルイージ、ミロ、ユミルはキャプテンフッカが入り込んだ壁を見る。

 すると、壁の両端の板が目のように変形し、

 下半分が鮫の口のように変形し、右目が光って咆哮した。

「……っ!」

「この船ごと、ボク達を食べるつもりですか……!」

 ミロとユミルは軽い不快感を覚えながらも、何とか理性で発狂を耐える。

 しかし、ルイージは……固まっていた。

「一体どうしたの、ルイージ?」

「……駄目です!」

 ミロがルイージに声をかけようとすると、慌ててユミルがミロを制止する。

 何が起こったのかとミロが気になるが……。

 

うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 全部、全部、全部吸い込んでやるーーーー!!

 ルイージは理性を失い、ここのあらゆるものをオバキュームで吸い込もうとした。

 船がキャプテンフッカの咆哮で大きく揺れても、

 ルイージはお構いなしにオバキュームを使おうとする。

ピンチの時ほど落ち着け! 戦場の鉄則!

 ユミルは大声でルイージに叫ぶが、今のルイージには聞こえなかった。

「船が斜めになってますよ!

 ミロさんとボクは空を飛べますけど、重さで落ちてしまう可能性もあるんです!

 それでも吸い込みたいんですか!?」

「……!!」

 ユミルの説得で、ルイージは理性を取り戻した。

 見ると、船はかなり傾いていて、放っておけばキャプテンフッカに食べられてしまう。

 ルイージはすぐにキューバンショットを使い、船の的にくっつけて吸い込んだ。

 ミロとユミルは空を飛んで、キャプテンフッカの攻撃をかわした。

「……」

 キューバンショットだけでは正直言って不安だ。

 しかし、ルイージは勇気を振り絞り、オバキュームを握る手を強める。

 数分後、船は横向きに戻り、四体のナロストが爆弾入りの樽を投げる。

 ルイージはオバキュームで樽を吸い込み、キャプテンフッカの口の中に入れ、爆発させる。

 これを三回繰り返すと、再び船が大きく揺れた。

「うぅぅぅ、船酔いする~!」

「頑張ってくださいぃ~!」

 ルイージ、ミロ、ユミルは酔わないように耐える。

 しばらくすると船は再び傾き、的が描かれた板も左右に動いていく。

 ルイージはキューバンショットで的を狙い、吸い付けた後、オバキュームで吸い込む。

 船の傾きに耐え切った後、再び爆弾をキャプテンフッカの口の中に三回入れ、

 今度こそキャプテンフッカの本体を引き摺り出した。

 

「ごほっ、ごほっ、ごほっ!」

 キャプテンフッカの身体は火に包まれている。

 どこか苦しそうな様子だったが、キャプテンフッカはルイージを仕留めるべく、

 先回りして中に潜り込み、ルイージを丸呑みした。

「しまった!」

「危ない、ルイージ!」

 振り回されるルイージに当てないように、

 ユミルは魔法を上手く操作してルイージをキャプテンフッカから解放した。

「おのれ……」

 キャプテンフッカはゆっくりと三人を追跡し、勢いよく鉤の義手を船に向かって振り下ろす。

 三人は距離を取って攻撃をかわす。

「今だ!」

 鉤の義手が船に刺さって抜けなくなった隙にルイージが

 ストロボでキャプテンフッカを怯ませ、オバキュームで彼を吸い込む。

ぬおおおおおおおお!!

おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

 ルイージは、暴れ回るキャプテンフッカを魚を釣るように全力で引っ張った。

「たぁっ! やぁっ!」

 キャプテンフッカをスラムで叩きつけると、中から魚の骨が次々と出てくる。

 さらに、体力を減らしていくと、魚も出てきた。

とどめだ!!

ぐおおおおおおおおおおおお!!

 そして、とどめの一撃が炸裂し、キャプテンフッカを戦闘不能にした。

「うおぉぉぉぉぉ! オレさまはまだ諦めぬ!

 お前達をもう一度バラバラに……うああああああああ!!

 キャプテンフッカは鉤の義手で抵抗するが、最早抵抗するだけの力は残っていない。

 尾びれ、そして頭から完全に吸い込まれ、

 オバキュームの中からエレベーターボタンが飛び出した。

 

「や、やったぁ……」

 ルイージは、鮫海賊のオバケから13階のエレベーターボタンを取り戻した。

 相当疲れているようで、ルイージの顔からは生気が少し消えている。

 ミロとユミルも「お疲れ様」といった表情だった。

「あ、オバ犬!」

 ルイージが上を見上げると、オバ犬がいる。

 オバ犬はコロコロと梯子を転がし、元に戻した。

「ありがとう、オバ犬……」

「アォーン!」

 

 ルイージ、ミロ、ユミルの三人は、オバ犬が元に戻した梯子を登った。

「ようやくキノピオを助けられるね」

「でも、その前に、この辺のお宝を探してからよ。やっぱり海賊船といったらお宝でしょ?」

 ルイージはオバキュームで船にあった金品を粗方回収し終えた後、

 キノピオの絵画にダークライトを当てる。

 すると、絵画の中からきいろキノピオと、ミロが失ったチカラの玉が出てきた。

「わっ、わっ、わっ!」

「あたしの新しいチカラ……! これが、この島最高のお宝ってわけね!」

 ミロが赤い玉を手に入れると、彼女の中に熱い感情が湧き出した。

 矢に宿る<ほのお>は、オバケのみを燃やすチカラとなった。

 キノピオは頭から落ちていき、くるっと回転した後、ルイージに抱っこされて助かった。

「ルイージさん、本当にありがとうございました」

「大丈夫、キノピオ達はもうみんな助けたよ」

「いやあ、もう、大変だったんですよ。

 いきなり額縁の中に押し込まれて、そこから先はずーっと暗い場所でした。

 本当にありがとうございました、ルイージさん!!」

 助けられたきいろキノピオは、ルイージに誠心誠意のお礼を言う。

 彼も「どういたしまして」と笑顔で返した。

 

『よくやった、ルイージ君! またまたキノピオ君を助け出せたのう!

 ミロ君も、チカラを取り戻せたじゃろう?』

「はい、ミロはかなり喜んでいたそうです」

『さあ、例によってキノピオ君はベースラボで待機しておるのがよいじゃろう。

 ほれ、ルイージ君よ、エレベーターまで案内してあげるのじゃ!』

「分かりました」

 

 もう、この辺にオバケの気配はない。

 ルイージ、ミロ、ユミルの三人は、

 安全にきいろキノピオをエレベーターまで送り出すのだった。

「ありがとうございました、ルイージさん、ミロさん、ユミルさん!」

「元気でね~」

 ルイージ、ミロ、ユミル、きいろキノピオは互いに手を振り、別れの挨拶をするのだった。

 ――が、“彼女”が見逃さないはずがない。

 

「……ルイージに招かれざる客め。よくも全てのキノピオを……」

 仲間を三人も救出された事で、パウダネス・コナーの機嫌は、ますます悪くなっていった。

 招かれざる客を排除し、ルイージを絵にする計画がもう少しで破れてしまうではないか。

「……おい、ルイージの絵はまだなのかよ」

 コナーの苛立ちが隠せない中、彼女の背後から忍び寄るのは、キングテレサ。

「!?」

 コナーは椅子を回して、キングテレサがいる方を振り返る。

 そして慌てて化粧品を顔に塗りたくり、椅子から降りてキングテレサに向き直った。

「こ、これはこれはキングテレサ様! いえ、ちょっとした手違いがございまして……。

 で、でも、問題ございませんわ!

 二人の招かれざる客を排除した後、ルイージは間もなく捕まえてみせますので、

 今しばらくのお時間を……」

「……それは、本当か?」

「え、ええ、本当ですわ」

「まったく、俺様を失望させるなよ」

 コナーは先程の苛立ちが嘘のように、へこへことキングテレサに媚びる。

 だが、今のキングテレサはかなり不機嫌だった。

「さて、と……とりあえずこいつは、持って行かなくちゃな」

 キングテレサはマリオとピーチ姫が封印された額縁を魔法で宙に浮かせた後、

 一枚の額縁を持ち去っていった。

「あ、待ってください! キングテレサ様!」

 キングテレサに見捨てられたコナーは落胆した。

 同時に、彼女の中に強烈な怒りの感情が湧き出る。

「……絶対に諦めるものか。あの招かれざる客は、必ず排除する……!」

 

 これでキノピオは全員見つかり、残すはピーチ姫とルイージの兄、マリオのみ。

 一体、二人はどこに捕まっているのか……今は、エレベーターボタンを取り付けるのが先だ。

 三人はエレベーターに戻ってエレベーターボタンを取り付けた後、

 ベースラボに戻って休息するのだった。




キャプテンフッカはボスオバケで一番かっこよかったです。
次回はテラータワー探索の外伝ですが……。
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