ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
ルイージ達は再び夢の中でテラータワーに挑戦し、見事10階にいるジャンボテレサを倒した。
しかし、ベースラボできいろキノピオが何故かキングテレサに襲われる夢を見てしまう。
ただの夢だと笑い飛ばすルイージだったが、ミロとユミルは不安を隠せなかった。
話は変わり、次の目的地は13階のジムフロア。
果たして、どんなオバケが待ち受けているのだろうか?
エレベーターの中で、三人は会話する。
「予知夢なんてあるわけないだろ?」
「でも、危険が迫った時、人はこれから起きる未来を見る事があるのよ。
ディアーナだって知ってるんだから」
「……ディアーナ?」
「あたしの同類よ。今はここにいないけどね」
要するに、予知夢は実在すると主張するミロ。
ルイージは「う~ん」と顎に手を当てる。
「でも、良くない未来が見えるのは、嫌だなぁ……」
「それなら変えちゃえばいいじゃない。
ま、世の中の人はそういう力を持たない奴が圧倒的に多いんだけどね」
「ボク達に感謝してくださいね」
「は、はぁ……」
人々を見下すミロとユミルに呆れるルイージ。
しばらく話していると、エレベーターの音が鳴る。
「あ、着いたわ! 行きましょう!」
「一体どんな場所なんだろう……」
「いよいよ13階ね……」
三人は13階・ジムフロアに辿り着いた。
エレベーターの扉には、握り拳を作った腕が描かれている。
どうやら、ここは身体を動かす場所のようだ。
流石にホテル探索も慣れてきたのか、ルイージはあまり怖がらなかった。
「この床、何か動きそうだね。行け、グーイージ」
「うん」
まず、床の上にグーイージと一緒に載り、オバキュームを使って黄色い宝石を入手。
次に電話を取ると、こんな声が聞こえてきた。
「トレーニングルームにぴったりの音楽を3チャンネルでお送りしています……」
「ふーん」
電話を聞いた後、三人は西のドアを開けてジムロビーに着いた。
ゴミ箱の中からは野球のボールや金品が出てきた。
中央にある10円玉のようなものをキューバンショットで引っ張ると、中から金品が出てきた。
左のドアは鍵がかかっており、プールの裏口もタオルが塞いで進めない。
「ん?」
ルイージ、ミロ、ユミルが窓を覗いてみると、
プールの中で水泳選手風の筋肉質なオバケ、マスカルポーロがボールを窓に投げていた。
「ひゃあっ!」
ルイージは飛んできたボールに驚いた。
「うわ、マッチョ……」
「ボクの苦手なタイプですね」
ミロとユミルはマスカルポーロを見て引いている。
よく見るとエレベーターボタンを肩に乗せていて、
マスカルポーロは肩だけでボタンを動かしている。
「Hey! 今日も調子がいいなあ! ……って、おい! 俺の練習を勝手に見るんじゃねえ!」
マスカルポーロは三人に気づき、いきなりボールを窓目掛けて投げつけた。
さらに、周囲にはオバケが現れる――戦闘開始だ。
「これで終わったね」
「あら、鍵が落ちてるわ」
三人がオバケを全滅させるとオバケが鍵を落とす。
これで、鍵がかかったドアを開ける事ができる。
三人は手に入れた鍵を使ってドアを開け、ロッカールームに入る。
だが、そこにもオバケはいて、三人に攻撃する。
オバケに勝利した後、三人はロッカールームを抜けてウエイトルームに入る。
そこには、筋トレをしているオバケ達がいた。
「アンスト……!」
強力な攻撃力を持つオバケ、アンスト。
何度も苦戦した事があったため、三人はいつも以上に気を引き締めた。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
「久しぶりにお守りを使いましたね」
「もう、
やはりアンストの攻撃は凄まじく、何とか撃退したがお守りが砕け散ってしまった。
ここからはお守り無しで行動しなければならない。
三人は西のドアを開けて、トレーニングルームに辿り着く。
そこには三つのランニングマシンとサイクリングマシンがあり、三人は片っ端から調べていく。
「うーん、ここじゃないな」
サイクリングマシンの中には、鍵はなかった。
幸い、ここにはオバケはいないので、じっくり探す事ができるが、とにかく時間がかかった。
「あった! 鍵!」
「ありがとう、ミロ!」
ミロは、ようやくランニングマシンの中から目的となる鍵を見つけた。
ルイージは彼女から鍵を受け取り、奥にあるドアの鍵を開けた。
「わあ!」
奥にあるドアを開けると、五枚の広がったマットと一枚の丸まったマットがあった。
左の棚にはタオルとスリッパ、加湿器がある。
「ここって……どんな部屋かしら?」
「どうやら、ヨガルームみたいだよ」
「ヨガ……(手が伸びたり火を噴いたりしそう)」
「どんな仕掛けがあるんだろう」
変な想像をしているミロを放っておいたルイージは、この部屋を調べようとした。
すると、右にあった鏡が、ひとりでに左に動いた。
「ひゃぁぁぁっ!?」
いきなり鏡が動き出し、自身を映し出したため、ルイージは少しだけ正気を失った。
よく見ると、鏡にはヨガのポーズが描かれたポスターが映っている。
それを見たユミルは、ぽん、と手を叩いた。
「あ、もしかして、マットとポスターを同じ形にするとか?
……あのー、ルイージ、聞いてますー?」
「はっ!」
ユミルに肩を叩かれたルイージは正気に戻った。
「とにかく、オバキュームを使ってマットをあのポスターと同じ形にするんです」
「わ、分かった」
ユミルに言われた通り、ルイージはオバキュームを使い、
左上と右下のマットを丸め、それ以外のマットを伸ばした。
すると、左側の壁が時計回りに回り、道が開けた。
「よっし! 戦場の鉄則、鏡は嘘をつかない!」
鏡はまさに真実を見通すもの。
それに助けられながら、三人は西に向かった。
屋根裏の奥には宝箱があり、踏むと崩れそうなひび割れた足場がある。
「あたしが取りに行くから、ルイージとユミルは待ってて」
「うん」
「分かりました」
ミロが足場を踏むと、予想通り、床が沈んだ。
ぼんやりしていると足場が崩れて落ちてしまう。
「急がなきゃ!」
ミロはその足の速さを生かし、急いで崩れる足場を渡り切った。
そして宝箱を開けると、中から鍵が出てきた。
「よし! 戻るわよ。……というか、ここ、狭いわね……」
鍵を取ったミロは、ルイージとユミルと合流するために歩いた。
足場が崩れているため、ミロは狭い足場を慎重に通らなければならない。
ここでオバケが襲ってきたら、ミロは落ちてしまうだろう。
幸い、道中でオバケが襲ってくる事はなく、無事にミロは二人と合流した。
「さ、鍵を開けましょ」
「そうだね」
そう言って、三人がカギを開けようとすると、ドアに光の柵が落ち、三人の行く手を塞いだ。
オバケの姿はこちらには見えないが、ルイージは鏡を見ながらオバケを探し、
強敵であるアンストも倒して、残りのオバケも難なく撃退した。
そして、鍵を開けてシャワールームに辿り着く。
シャワールームは、辺りが湯気だらけで見えない。
「うぅぅ、周りが見えないわ……」
しかも、いきなり光の柵が落ちてきて、
先程までシャワーを浴びていたオバケが三人に向かって突っ込んできた。
「きゃあぁっ!?」
「ど、どうすればいいんだ!」
「ルイージとミロさんは下手に動かないでください。ボクがシャワールームの湯気を消します!」
ユミルは蛇口がある方に走り出した。
「ふんぬぬぬ……!」
まず、左の蛇口を両手で捻り、シャワーを止める。
すぐに真ん中の蛇口がある場所に行って両手で蛇口を捻り、同じようにシャワーを止める。
「ひゃぁぁぁっ!」
そして、右のカーテンをめくると、オバケと鉢合わせし、オバケもまた驚いた。
ユミルは気を取り直した後、オバケを無詠唱魔法で怯ませ、
すぐに蛇口を捻ってシャワーを止めた。
「これでオバケがはっきり見えたな」
ルイージはストロボでオバケを怯ませ、オバキュームで吸い込んで叩きつけ、
周りのオバケ諸共ダメージを与えた。
弱っているオバケを再びストロボで怯ませ、二体同時にオバキュームで吸い込み、倒した。
「これで……!」
「いえ、まだ援軍が来ますよ!」
オバケを三体倒すと、もう一体のオバケが現れ、口笛を吹いて援軍となるオバケを呼んだ。
「囲まれた!?」
「でも、これで!」
ルイージはバーストで一旦、周囲にいるオバケを吹き飛ばす。
その後は、背後に気を付けつつストロボで広範囲のオバケを怯ませ
、同時に吸い込んで叩きつける荒業をする。
「とどめよ!!」
そして、残ったトリストは、ミロが魔法の矢で仕留めた。
不気味だった部屋は元に戻り、光の柵は消えた。
「これで、あいつのところに行けるのね? ……っていうか、あいつの名前は何なの?」
マスカルポーロの名前が分からないミロ。
それは、彼が名乗らなかったので当然だ。
ルイージは溜息をついて、ミロに名前を言った。
「あのオバケの名前はマスカルポーロだよ」
「ふむふむ、マスカルポーネね」
「だからマスカルポーロだって……」
なかなか名前を覚えられないミロに、ルイージは呆れるのだった。
「ここが、マスカル何とかのいる場所ね」
「もうそれでいいです」
改めて三人がドアを開け、プールに辿り着くと、いくつかのボールが水中に浮かんでいた。
最早、ルイージは突っ込みに疲れていた。
ルイージが歩くと、いきなりボールが飛んできた。
「うわぁぁぁぁっ!」
「危ないっ!」
ユミルは杖を使ってボールを受け流す。
ボールはユミルの杖にぶつかり、壁にぶつかり、水滴があちこちに飛び散る。
「なんなのよ! またボールを投げてきたわ!」
「しかも窓越しじゃありません! ここは、しゃがんで進みましょう!」
「う、う、うん!」
ルイージ、ミロ、ユミルはマスカルポーロが投げるボールに当たらないように匍匐前進で進み、
得点板の方からマスカルポーロを見る。
すると、マスカルポーロがやる気満々そうな目でこちらを見ていた。
「Hey!」
「うわぁ!」
また、マスカルポーロがボールを投げてきて、三人は得点板の後ろに隠れて回避した。
ボールは得点板に命中するが、あれに当たったらひとたまりもない。
マスカルポーロに攻撃を当てたいが、
彼は向こう側のプールにいて、ルイージのオバキュームが効かない。
ミロとユミルは意を決して、マスカルポーロの前に立った。
「マスカルポーロはプールにいる間は無敵です。まずは、プールの水位を下げましょう!」
「でも、どうすれば……あっ!」
グーイージがいるのをすっかり忘れたルイージ。
「そうです、グーイージです。
ルイージは得点板の後ろに隠れて、ボクとミロさんが奴を引きつけます」
「グーイージは水に弱いから、くれぐれも攻撃に当たらないように上手く操作するのよ!」
「……うん!」
ルイージは得点板の後ろでグーイージを呼び出す。
グーイージが金網をすり抜けるとマスカルポーロはプールに潜り、口に入れた水を吐き出した。
「とりゃっ!」
「Ouch!」
水がグーイージに当たる直前に、光の矢がマスカルポーロに当たり、
マスカルポーロの攻撃が中断される。
「上手く攻撃を当てなきゃ……」
ミロは魔法の弓に力を溜めながら、マスカルポーロの隙を伺う。
そして、マスカルポーロが姿を現した直後に光の矢を放ち、マスカルポーロを気絶させる。
マスカルポーロがプールに沈んでいる間、グーイージは急いで走り、柱の方で待つ。
「たあっ!」
「Ouch!」
再びマスカルポーロが姿を現し、攻撃しようとしたところにミロの光の矢が当たり、
マスカルポーロは再び気絶する。
グーイージは急いでハンドルの前に立ち、オバキュームを噴射してバルブを回した。
メーターが黄色を差すと、排水溝が動き出し、プールの水が排水溝に吸い込まれていく。
「なっ、なっ、ななっ! 何をするんだぁ! 俺は! もっと! 泳ぎたいんだぁ!」
マスカルポーロは流されるまいと必死で泳ぐ。
だが、吸引力は強く、筋肉質なマスカルポーロも容赦なく反時計回りに吸い込まれる。
そして、マスカルポーロは回転しながら排水溝に嵌ってしまった。
「し、しまったぁ! 抜けないぃぃぃぃ!」
「ご苦労さん、グーイージ、ミロ、ユミル。後は、僕に任せて!」
ルイージはグーイージをオバキュームにしまい、水が抜けたプールの中に入る。
マスカルポーロはゴーグルをかけているため、ストロボの光が効かない。
「とりゃ!」
「ぉぉぅ!」
そこで、ルイージはオバキュームで転がっているボールを吸い込み、
マスカルポーロを気絶させてゴーグルを吸い込む。
「ていっ! せいっ! やあーっ!」
マスカルポーロを目が露わになった後、ルイージはマスカルポーロをストロボで怯ませて、
下半身をオバキュームで引っこ抜いた後、マスカルポーロを三回叩きつけた。
「た、助けてくれぇい! 俺は、持久力が、ないんだぁ! No~~~~~~~~~~!!」
マスカルポーロは吸い込まれる直前、ルイージにマッスルポーズを見せつける。
そして、断末魔と共にオバキュームに吸い込まれ、14階のエレベーターボタンが飛び出した。
「筋肉質な割に案外、あっけなかったわね」
マスカルポーロはあっさりと撃破された。
筋肉を見せつける割に、最後は簡単に倒せた。
恐らくは吸い込まれる直前の彼の言う通り、マスカルポーロには持久力がないのだろう。
ルイージはマスカルポーロが落としたエレベーターボタンを拾う。
「でも、おかげでエレベーターボタンは順調に集まっているんだ。さ、帰ろうか、ミロ、ユミル」
「そうね。……」
ミロが一歩踏み出すと、突然、彼女は立ち止まる。
「ど、どうしたの、ミロ?」
「……何でもないわ」
「じゃあ、エレベーターボタンを嵌めようか」
「そうだね。……!」
「待ってください!」
ルイージがボタンを嵌めようとすると、ミロとユミルが何かに気付いた。
「えっ?」
ルイージが上を向くと、そこにはエレベーターボタンを咥えたオバケネコがいた。
オバケネコはエレベーターボタンを飲み込み、満足したように右前足を舐めている。
「オ、オバケネコ!?」
「また来たとはね……」
ミロは怒りの炎を揺らめかせている。
8階と7階を行き来した時の敗北感が、彼女に強い怒りを与えているのだ。
「ワン、ワン!」
「オバ犬! 君も手伝ってくれるの?」
「ワン!」
すると、オバ犬がルイージの傍にやってくる。
今度は一緒にオバケネコを追跡してくれるようだ。
三人と一匹ならば、今度こそ、オバケネコを捕獲する事ができるだろう。
「……絶対に逃がさないわよ、オバケネコ!」
「みんなでやれば、捕獲できるよ」
ルイージ、ミロ、ユミルは、すまし顔で去っていくオバケネコを見て、決意を固めるのだった。
マッチョな癖に実質全てのボスオバケの中で貧弱な体力でしたね。
最後の彼のセリフには、それが表れています。
次回はオバケネコとのリベンジマッチです。