ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

オバケネコに再びエレベーターボタンを盗まれ、三人はオバケネコを追いかける事になった。
今まで何度も逃げたオバケネコに対し、ルイージはオバ犬を引き連れて再戦に挑む。
ジムフロア、ビーチレストランフロア、マジックフロアと、三つのフロアを行き来する三人。
そして、三人はマジックフロアでエレベーターボタンを盗んだオバケネコを発見する。
激闘の末、ついに三人はオバケネコを吸い込み、14階のボタンを取り返したのだった。


17章-1「Disco Fever」

「これで、よし、と」

 ミロはルイージの首にお守りをかけた後、エレベーターの中に入った。

 14階のボタンを取り返し、いよいよ残すエレベーターボタンは一つ。

 つまり、最上階……この異変の黒幕であるパウダネス・コナーがいる場所、という事になる。

 エレベーターでディスコフロアに行く中、三人の表情はどこか暗かった。

 ちなみに、ミロはというと、オバケネコを捕まえたため機嫌が戻っている。

「ねえ……ミロ、ユミル、みんなを助けたら、君達はどうするの?」

「さあ? 何が起こるか分からないから、あまり先の事は考えないわ」

「でも、万が一の事も考えておきましょうね。これ、戦場の鉄則ですよ」

「……戦場の鉄則、か」

 ルイージはホテルを探索しているうちに、ここがまさしく「戦場」だと思い知る。

 たくさんのオバケはもちろん、罠があったり、所謂“初見殺し”があったり……。

 しかし、この戦場での激闘も、もうすぐ終わる。

 もう二度と、怖い思いをしなくなる。

「でも、ここまであいつらを追い詰めたんだから、あいつらは本気であたし達を排除しに来てる」

「排除?」

「言ったでしょう。ボク達は招かれざる客だって」

「そんな……」

 マリオ一行が絵になる未来を変えるために、ミロとユミルはやってきた。

 しかし、この二人は招かれざる客だ。

 オバケ達は本気で、二人を排除しにきている。

 それでも、何とか二人はここまで排除されずにやってきたが、

 それもここまでかもしれないという事に対しルイージは不安になる。

「僕に訪れる未来は……絶望なのかな……」

「いいえ、絶対にあなたを絵にはさせない。

 この世界の未来を守るためにも、あたし達は最後まで一緒にいるわ」

「だから、ボク達を信じてくださいね、ルイージ!」

「うん……ありがとう!」

 勇気あるミロとユミルに、ルイージも釣られて勇気づけられた。

 やがて、エレベーターは音と共に14階に着く。

 エレベーターの扉には、レコードが描かれていた。

 部屋にはたくさんのネオンサインがあり、ダイナー風でちょっとレトロ感がある、

 オバケホテルらしからぬ明るさだった。

 

 三人が部屋に足を踏み入れると、突然、足元の床が光って音が鳴った。

「わぁ! 賑やかね」

「……」

 今まで物静かな場所が多かったのに、こんな賑やかな場所に着くとは。

 ルイージは逆に、それで恐怖を感じた。

 

 まず、三人は西に行き、グーイージがオバキュームでレコードを回すと、左側の壁が出っ張る。

 オバキュームで何度もバーストしてコインを出すと中から紫色の宝石が出てきた。

 宝石を手に入れた三人は東に行く。

 壁には赤いフードのジャンパーを着た四人組の落書きがされてあり、

 さらに進むと右矢印の落書きを見た。

 床にはたくさんの紙が落ちている。

「一体何があるんだろう……うわぁ!」

 さらに東に進もうとすると、突然、光の柵が落ちてきた。

 ルイージの背後に、アンストが現れたのだ。

 

「先手必勝!」

 ルイージはストロボでアンストを怯ませ、その隙にミロがアンストの目に矢を射る。

 アンストはミロに体当たりしてダメージを与える。

「いたたっ」

 このオバケ、本気で二人を排除しに来ているようだ。

 ユミルは回避に専念しているが、気を付けた方が良さそうだ。

 ルイージはストロボでアンストを怯ませた後、オバキュームで吸い付けて連続で叩きつける。

 だが、あと少し足りず、アンストはオバキュームから逃れる。

「これでとどめです!」

 ミロの矢はギリギリで届かなかったが、ユミルのフィンの一撃が炸裂してアンストを撃退した。

「やりました!」

 喜ぶユミルだが、光の柵がまだ消えていない。

「まだオバケがいるの?」

「います」

「いるよ」

 オバケに気づいていないのは、ミロだけだった。

 ルイージがダークライトを当てると、うっすらとオバケが実体化した。

「そこか!」

 ストロボを照らすと出てきたのはトリストだった。

 トリストはルイージのオバキュームをかわし、ユミルに組み付いて攻撃する。

「うぐぅっ」

「ユミル! 今、助けるよ! それ!」

 ルイージはトリストにストロボを当て、ユミルをトリストから解放する。

 実体化するようになったためミロの矢が命中しルイージはオバキュームでトリストを吸い込む。

 その後、トリストを引っ張ってパワーを溜め、スラムによってトリストを倒すと、

 ようやく光の柵は消えた。

 

 右側にある棚を、バーストで吹っ飛ばす。

 中には模様が描かれたTシャツや、アンストのキーホルダーなどがある。

 ここは売店だろう。

 西にかけてあったジャンパーを全て吸い込むと棚が現れ、中から金品と緑の宝石が出てきた。

 壁の絵にキューバンショットを当てると、大量の蜘蛛が湧き出てくる。

 ルイージは怯まずにライトを当て、蜘蛛達を金品に変えて吸い込んだ。

 

 さらに東に進み、通路を塞いでいる蓋にキューバンショットを当てると、

 いきなりゴミ箱がオバケになって襲ってきた。

 ルイージは落ち着いて、ゴミ箱の呪いを解き、ゴミ箱の中から金品を取り出した。

 その後、グーイージを呼び出して通路を通ってもらい、たくさんの金品を手に入れた。

「じゃ、ここら辺のものは回収し終えたし、階段を上がりましょう」

「そうだね」

 三人は2つの階段を上がり、レコードが描かれたドアの前に着く。

 ドアの中では、何か五月蠅い音が鳴っていた。

 

 三人がドアを開けると、そこはたくさんの光る床とスピーカー、ミラーボール、

 スポットライトがあった。

 オバケホテルらしからぬ、一番光るフロアだった。

「見て、あれ!」

 ミロが目を凝らしてよく見ると、中央に15階のエレベーターボタンを発見。

 しかし同時に、ミロは誰かに見られているような感じもした。

 しばらくすると、段差が上がった後、三人の目の前に光る階段が現れる。

「案外あっさり見つかったね」

 ルイージは15階のエレベーターボタンを拾う。

 だが、スタジオに立っているミロとユミルは堅い表情を崩さない。

「どうしたの、二人とも……って、うわあ!」

 突然、スピーカーから強力な音波が放たれ、三人は吹っ飛ばされてしまった。

 ルイージは思わずエレベーターボタンを落としてしまう。

 

「電子の サウンド あるけれど♪ アタシは 断然 アナログ派♪」

 音波と共にコントローラーの下から現れたのは、DJに扮した女性のオバケ、アフロディージェ。

 彼女は陽気に歌いながらレコードを動かしている。

「ビリビリ 痺れる スクラッチノイズ♪ レコード じゃないと 出せないよ♪

 おおっと そこに あるのはボタン♪ ほらっ さっさか 持っていき♪」

 アフロディージェの歌に合わせて、エレベーターボタンがひとりでに動く。

 いや、ストリートダンサーに扮したオバケが持っていったのだ。

 ダンスフロアで八人のオバケが華麗に踊る。

 中央にいるオバケは、エレベーターボタンを頭に乗せるとフードを被り、

 他のオバケ達と共に踊った後、姿を消した。

 

「ちょっとルイージ、何やってるんですか」

 光の柵が落ちて三人の行く手を塞ぎ、八人のオバケは踊り始める。

 ルイージはグーイージを呼び出し、安全な場所で待機する。

「ちょっと踊りが違うのがいますね……」

 ユミルは八人の踊りを見ている。

 みんなノリノリで踊っていたが、一人だけ踊りがずれているオバケがいた。

 グーイージはそのオバケを吹っ飛ばし、その隙にライトを当てて吸い込み、

 エレベーターボタンを取り返した。

「Ha!」

 しかし、そのエレベーターボタンはアフロディージェの手に渡る。

 彼女を倒さなければ、取り返せないようだ。

「ボタンと 牡丹が 咲き乱れ♪ 王者の風格 見せつける♪」

 アフロディージェはレコードを動かしながら歌う。

 「牡丹」という花を知っているかどうかは不明だ。

 しばらくすると、アフロディージェはずれたアフロヘアーを動かす。

 ユミルが彼女の様子を見ようとすると、アフロディージェは彼に気づく。

「おやおや どうした 可愛い坊や♪ そんなに アタシが 気になるの?

 だったら ここで 痛い目に♪ 遭って もらわなきゃ いけないよ♪」

「いたっ!」

 アフロディージェはユミルにデコピンした後、コントローラーを出て、

 二枚のレコードを円月輪のように持ち、三人に襲い掛かってきた。




アフロディージェの歌は、公式パンフレットを参考にしながら書きました。
ラップはちょっと苦手なんですよ……。

次回はコナーを除いた、最後のボスオバケとの戦いです。
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