ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
ルイージ達は14階でアフロディージェを撃退し、ついにエレベーターボタンを全て取り戻した。
同時に、ミロが失ったチカラも全て戻ってくる。
だが、絵に閉じ込められた仲間がいないのに、何故チカラが戻って来たのか。
その答えを知るために、三人は一度ベースラボに戻るのであった。
アフロディージェを倒したルイージ達は、ベースラボに戻ってきた。
「オヤ・マー博士~」
「なんじゃ? ミロ君。元気がないのう」
ミロはどこか元気がなかった。
アフロディージェを倒したためにかなり疲れたが、ある疑問を解決できていないからだ。
「ねえ、どうしてあたしのチカラが戻って来たの? マリオもピーチもいないのに……」
「わしにはさっぱり分からんのう」
オヤ・マー博士に聞いたが、有力な答えを得る事はできなかった。
ミロは、はぁ、と溜息をついて落胆する。
ふと、ミロが机を見てみると、見覚えのない小さなテレビが置いてあった。
「あら? 何かしら」
「ちょっとミロ、不用意に触っちゃダ……」
ミロがそのテレビに触れると、突然、アデルの顔が映った。
「アデル!?」
『ああ、そっちは元気かい?』
「ええ、元気よ」
「でも、どうしてディスコフロアであたしのチカラが見つかったの?
本当なら、マリオかピーチ姫を助けた時に出てくるはず……」
ミロは、アデルに思っていた事を言う。
何故、ディスコフロアで全てのチカラを取り戻せたのかと。
すると、テレビに映っていたアデルは、微笑みながらこう言った。
『君達を送り出す時に、この世界と一時的に座標が繋がったんだ。
だから、この世界にあるミロのチカラを私が調べて、ディスコフロアに送ったんだ』
「なーるほどね」
『それで、調子はどうなんだい?』
「全てのエレベーターボタンを取り戻したわよ! もうすぐ元の世界に帰れるわ!
あたし、頑張るんだからね!」
ミロは笑顔で、アデルに状況を報告した。
全てのチカラを取り戻した以上、ミロも本来の戦闘能力が戻っているはずだ。
『ユミルもミロを支えるんだぞ。君がいれば、ミロは落ち着くんだからな』
「はい!」
『それじゃ、通信を切るぞ』
アデルがそう言うと、テレビに映った彼女の顔は消えた。
「ミロ、さっきは誰と喋ってたんだい?」
ふと、ルイージが首を傾げながらミロに言った。
「えっと……」
「彼女は、異世界の存在ですしね」
ルイージはミロの住む世界とは異なる世界の人間なので、アデルが見えないのだ。
「あたしとユミルの上司が、この世界に干渉しに来たの。
直接手出しはできないけれど、あたし達とは繋がってるんだから、
こっちも連絡手段を作らなきゃ。頼むわよ、ユミル」
「はーい。ちょっと机を貸してください」
「ああ」
ユミルは、いつでもアデルに連絡できるように、机に座って携帯通信機を作成する。
アデルを認識できるのはミロとユミルだけだが、それでも通信手段というのは貴重なのだ。
「えーっと……通信装置の作成には、錆びたパーツと鉄鉱石と……あれ、金鉱石も使うんですか?
もう、嫌だなぁ……」
それなりに器用なユミルでも、携帯通信機の作成には相当な手間がかかるようだ。
苦労しながら携帯通信機を作るユミルを、ルイージとミロは見守っていく。
そして10分後、携帯通信機が完成した。
「できました!」
「凄いね~! って、その形……何?」
ルイージはユミルが持っている携帯通信機の形に突っ込みを入れた。
何故なら、それは……オバケの形をしていたからである。
「え? この形じゃ、いけないんですか?」
「だ、だって、それ、オバケ型だよ?」
「見た目より中身が勝負ですから」
ユミル曰く、ちゃんと機能していれば、形はどうでもいいらしい。
ルイージは溜息をついて、携帯通信機の機能テストをしようとした。
「おっと、携帯通信機を使えるのはミロさんとボクだけですよ。
ルイージが使っても意味はありません」
そう言って、ユミルは携帯通信機を使った。
ボタンを押すと、ポップな雰囲気の着信音が鳴る。
『あー……繋がったかい?』
「はい、繋がりました」
『試しに歌ってみるから、通じるか確認してよ』
「はい」
『大波 小波 さざ波 Ke・Ke・Ke 流れ着いたのは何?
浜辺で見つけた贈り物、それは扉を開ける鍵かもね。扉の向こうは楽しい風ばかりじゃない。
だけども、幸せのスウィーツ、それさえあれば何とかなるもんだよ。
大波 小波 さざ波 Ke・Ke・Ke 流れ着いたのは何?
浜辺で見つけた贈り物、君が呼んだものかもしれないね』
アデルの歌が聞こえてくるが、通信機を通してなので、ルイージ達には聞こえなかった。
しかし、ユミルには聞こえているようで、ユミルはうん、うん、と頷きながら聞く。
「どうだった?」
「はい、ばっちり成功です! ありがとうございました、アデル!」
そう言って、ユミルは通信を切った。
どうやら、携帯通信機の作成に成功したらしい。
「……さてと、携帯通信機も持ったところで、
もうそろそろオバケホテルでの冒険も終わりの時が来たわね」
「そうだね。兄さん、ピーチ姫……ずっと、あんなところにいるなんて、
気分が悪くなっちゃうよね。でも、大丈夫。僕が助けるから」
「もちろん、生きて帰る事も、忘れないでよね」
いよいよ、残す階は15階と屋上のみ。
ルイージ、ミロ、ユミルはマリオとピーチを助け、オバケホテルから脱出できるだろうか。
次回はいよいよ最上階に向かいます。