ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

ルイージの双子の兄、マリオはパウダネス・コナーが陣取る15階に囚われていた。
三人はオバケとの激闘の末、四つの鍵を手に入れてついにパウダネス・コナーを追い詰める。
コナーは本性と素顔を露わにして、ルイージ、ミロ、ユミルに襲い掛かる。
果たして、三人はコナーを倒し、マリオを助ける事ができるのだろうか。


18章-2「Hellen Gravely」

 パウダネス・コナーとの決戦が始まる。

 コナーは地面に潜ると手を叩き、装置を作動させ、四色の四角いレーザーを照射する。

オーッホッホッホッホッ!

 コナーは手鏡を持ちながら高笑いする。

「と、とにかく、このレーザーを止めなきゃコナーには近づけないわよ!

 ルイージ、グーイージを下に入れて!」

「うん!」

 ルイージはグーイージを呼び出し、急いでマンホールの中に入る。

 無防備なルイージを、ミロとユミルは守っていた。

 ゆっくりと回転するレーザーに触れないように、またコナーの攻撃を受けないように、

 ミロとユミルは魔法の武器で応戦した。

 グーイージは金網をすり抜けながら、レーザーを照射する装置を止める。

 まずは緑、次に金網をすり抜けて黄色、

 パネルをオバキュームで回転させて橙色……というところで、

 コナーが高笑いしてレーザーを作動させる。

「はっ!」

 ルイージはすぐに自身に意識を戻し、回転するレーザーをバーストで避ける。

 ミロとユミルも、高く飛び上がって攻撃を避けた。

 レーザーを避け終わった後、ルイージはすぐに意識をグーイージに移し、

 キューバンショットで橙色の装置を作動させ、レーザーを止める。

 そうしている間に、コナーは手鏡を持って浮遊し、ルイージ目掛けて振り下ろそうとした。

「危ない!」

 その時、ミロは手鏡に光の矢を放ち、コナーの手鏡を落として攻撃を防いだ。

「よ、よくもあたしの手鏡を! 許さない!」

「それはこっちのセリフだ!」

 そう言って、ルイージはストロボでコナーを怯ませ彼女の醜い素顔を露わにする。

 直後にオバキュームでコナーを吸い込むが、

 彼女が逃げる速度は凄まじく、流石のルイージもかなり体力を使う。

「せいっ! でぇいっ! どりゃっ! うわぁっ!」

 ルイージは何度もスラムを繰り出すが、途中でレーザーに当たって中断される。

 オバキュームから解放されたコナーは、モニタールームがある部屋に戻り、

 化粧直しをすると手を叩き、指を鳴らしてレーザー装置を作動させた。

 モニタールームには、たくさんのコナーが映る。

アハハハハハ! そのまま消えな!

「消えるものか!」

 レーザーは速かったが三人は中心に立ってかわす。

 三つのレーザーはバーストではかわせないため、当たらないように慎重かつ大胆に動く。

 こうして全てのレーザーをかわした後、四色の四角いレーザーが再び照射される。

 そして、グーイージがいる部屋に警告音が鳴り、次の瞬間、左下から大量の水が放射された。

 だが、グーイージは安全地帯にいたため、水で溶けずに済んだ。

(レーザーの速度は遅いわ、だからギリギリでも大丈夫よ)

(うん)

 ルイージは意識をグーイージに移し、キューバンショットで紫の装置を止め、

 すぐに自身に意識を戻す。

 コナーと距離を取った後、グーイージに切り替え、金網をすり抜けて緑の装置を止めた。

「ふふふふ……」

「させませんよ!」

 コナーは無防備なルイージ目掛けて手鏡を振り下ろすが、

 ユミルが薬を投げてコナーを吹き飛ばす。

「おのれ……!」

「ボク達がルイージを守りますからね」

「……」

 ミロとユミルは真剣な表情で、無防備なルイージの前に立った。

 その後、グーイージは橙色と黄色の装置を止めてレーザーを全て止め、

 ルイージがコナーとまともに戦えるようにした。

「さて、化粧は忘れずに。……くたばれぇ!

 コナーは化粧を終えた後、ルイージに向かって手鏡を振り下ろす。

 三人がコナーの攻撃をかわすと、手鏡が地面に引っかかって抜けなくなっていた。

「ぐぬぬぬ……!」

「はっ!」

 ルイージはコナーをストロボで怯ませ、

 オバキュームで彼女を吸い込み、スラムで何度も叩きつける。

 復活したレーザーに当たる前に全ての力を使い、コナーに大ダメージを与える事に成功した。

 

「あんた達、絶対に許さないわよ!」

 コナーは化粧直しをして、レーザーを作動させる。

 そのレーザーを全てかわした後、ルイージはレーザーに当たらないように動き、

 ミロとユミルがルイージを守っていく。

 その間に下でグーイージが水で溶けたが、気を取り直してルイージはグーイージを呼び、

 下に入れて装置を止めに行かせた。

ハハハハハハハハ!!

 四つの装置のうち三つは止められたが、

 残り一つを止めようとしてグーイージは水に流されてしまった。

 ミロとユミルもコナーに応戦したが、魔力が尽きて攻撃ができなくなっていた。

「あたし達、もう、ダメ……」

「後は、ルイージ、あなたがお願いします……」

「ミロ……ユミル……」

「ふん、これで招かれざる客は戦闘不能、あんた一人になったわけね。

 もう頼れる仲間はいないわよ!」

 そう言ってコナーは手鏡をルイージに振り下ろす。

ぐあぁぁぁっ!

 ルイージは何もできず、一方的にコナーに押されていた。

「ほらほら、どうしたの? 助けて~、って言いなさいよ。まぁ、助けは誰も来ないんだけど!」

あぁぁぁぁぁぁっ!

 コナーはルイージが自身にしてきたように、何度も何度も手鏡でルイージを殴った。

 彼女の攻撃を受け続ける中で、ルイージは後ろ向きな気持ちになっていった。

 仲間を助けてオバケホテルを探索できたのは、ミロとユミルのおかげだったのかもしれない。

 だから、一人だけではパウダネス・コナーには勝てないかもしれない、と。

 

……ミロ……ユミル……兄さん……ピーチ姫……

 ルイージが意識を手放そうとした、その時。

 

「そうは、いかない、わよ!」

「!!? あんた達、何をしたの!?」

 なんと、ミロとユミルが最後の力を振り絞り、コナーに組み付いたではないか。

 実体を持たないコナーだが、ミロとユミルの手が光っているのを見るに、

 魔力を使って彼女を押さえつけたのだろう。

「ミロ、ユミル!」

「ボク達がコナーを押さえています……。早く……コナーを倒してください……!」

「うん……!」

 レーザーは三人に迫ってきており、後一発食らえば全員力尽きてしまう。

 二人がコナーを押さえている間に、ルイージはストロボでコナーを怯ませる。

 オバキュームで吸い込み、コナーの体力を徐々に減らしていく。

はぁぁぁぁっ! せやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 そして、ルイージは気合を込めて、コナーに連続でスラムをして、

 ついに彼女にとどめを刺す事ができた。

 その時、レーザーは三人の背まで迫ってきていて、かなりギリギリであった事が分かった。

 

「これで終わりだ! パウダネス・コナー!!」

「ま、ま、待ちなさいっ!」

 最後にコナーを吸い込もうとすると、彼女が「待て」のポーズをする。

 あの醜い素顔のまま吸い込まれるのは、彼女にとって屈辱なのだろう。

「もし吸い込むなら、美しい時にしてちょうだい!」

「そうか……君は最後まで、その素顔を気にしていたんだね。

 武士の情けだ、化粧を整えてから吸い込もう」

「……」

 コナーは素早く化粧直しを行い、普段の姿になるとようやく吸い込まれた。

 

「やった……。僕達は、コナーに、勝ったんだ……」

 ルイージは、ついにホテルオーナーのパウダネス・コナーを吸い込んだ。

 疲れからか、嬉しさからか、ルイージはへたりと座り込む。

「ふう……。安心したら……なんだか、眠くなってきたわ……」

「おやすみなさい……」

 ミロとユミルも、ふう、と息を吐き、横にぐったりと倒れた。

 三人の安らかな表情は、戦いの激しさを物語っていた。

 

 三人が意識を取り戻したのは、それから三時間後の事だった。

 

「ふぅ~っ」

 意識を取り戻したルイージは、う~んっと背伸びする。

 ミロとユミルもよっと立ち上がる。

「はあ……まったく、コナーを倒したらどっと疲れちゃったわ」

「ボクもです」

「でも、これで残った敵はあと一人……」

「キングテレサ」

「そうだよ」

 キングテレサとの戦いは、これで三度目になる。

 いよいよ、彼との決着をつける時が来たのだ。

 だが、その前に、三人にはやるべき事がある。

 そう――絵に閉じ込められたマリオを助ける事だ。

「兄さん、今、僕が助けるよ!」

 ルイージはマリオの絵画に向けてダークライトを照射する。

 すると、絵画の中からマリオが飛び出して、バタバタと足を動かしながら落ちる。

「うわわわっとととっと!」

 マリオはゆっくりと着地した後、服を整え直す。

 キングテレサはマリオを絵にする以外に一切何もしていないようだ。

 

「やったぜ! 俺は自由の身になった!」

「本当に、元に戻ったんだね、兄さん……!」

 ついに、兄弟は感動の再会を果たした。

 ミロとユミルは、温かい目で二人を見守っていた。

「ほらほら、兄さんもラボに戻ろう!」

 そう言って、ルイージはマリオをベースラボに戻すべく引っ張っていく。

 しかし、逆にマリオがルイージの肩を引っ張った。

 そういうところは、やはり兄の方が優れている。

「何言ってるんだよ、ルイージ。まだ助けてないのがあと一人いるだろ?」

「あっ!」

 ルイージは思い出す。

 五人の仲間のうち、助けたのはこれで四人。

 残っているのは――ピーチ姫だ。

「ほら、姫が待ってる。早く行こうぜ、ルイージ!」

「あ、待ってよ兄さん……!」

 マリオは華麗に走り出し、自身が封じられていた額縁があった場所に行く。

 とん、と押してみると、壁が僅かに動く。

「ここ、隠し通路みたいだぜ。うんせ、うんせ!」

 マリオは思いっきり壁を押すと、ぐるっと回転して隠し扉が見えてくる。

 そして、マリオがルイージに手を振ると、隠し扉を開けて先に進むのだった。

 

「この先にいよいよ、キングテレサが待ち受けているんだな……」

「ええ……」

 覚悟を決めてルイージがドアを開けようとすると、

 突然、VBでオヤ・マー博士が連絡してきた。

「オヤ・マー博士? どうしたの?」

『その扉の向こうからただならぬ気配を感じるぞい』

「知ってます……キングテレサでしょう」

『ルイージ君、それでもキミは仲間と共にその先へ進む覚悟があるのじゃな?』

 オヤ・マー博士の声は、非常に真剣だった。

 彼の言う通り、先に進むともうこちらには戻れなくなる、というのだろうか。

「な、何……?」

 さらに、ミロが持っている携帯通信機が鳴る。

 それを取ると、アデルの声が聞こえてくる。

『ミロ、ユミル。一度、元の世界に帰ってこい』

「ど、どうして?」

 その声は、どこか焦りが見えていた。

 ミロは、訳も分からずアデルに問いただす。

『最悪の未来を見てしまったんだ。今すぐに帰れ!』

「え……」

 一体、アデルは水晶玉を使ってどんな未来を見てしまったのだろうか。

「待って、ルイージ。あたし達、元の世界に帰るわ」

「だから、ここで待ってください」

「うん」

 ミロとユミルはルイージに連絡した後、時空の狭間に帰還した。

 

「オヤ・マー博士、ミロとユミルが一旦戻るので、ここで待っています」

『そうか。まあ、好きにするがよい。準備を万全に整えるのがよいじゃろう』

 

 一方、こちらは時空の狭間。

 ミロとユミルが帰ってくると、アデルが何やら慌てていた。

「アデル、最悪の未来って……」

「二人とも、これを見るんだ」

 アデルは神妙な面持ちで、ミロとユミルに水晶玉の映像を見せる。

 それは、地下1階にあるベースラボが、光に包まれて消えるものだった。

「ベースラボが消えた……?」

 こんな事ができるのは、ユミルには一人しか思い浮かばなかった。

 それを知ったユミルの顔が青くなっていく。

「オヤ・マー博士とキノピオが危険です。一度ベースラボに戻って、知らせましょう!

 アデル、時空転送をお願いします!」

「ああ、分かった。私の作戦を話してからね」

 まず、ミロとユミルがベースラボに戻り、

 オヤ・マー博士とキノピオを説得して時空の狭間に避難させる。

 その後にルイージ、ミロ、ユミルがキングテレサを倒した後、

 オヤ・マー博士とキノピオを元の世界に送り返す、というのがアデルの作戦だ。

 アデルは作戦をミロとユミルに話した後、

 魔法で二人を再びあの世界のベースラボに送り出した。

 

「よっと」

「こんな未来は阻止しましょう」

 ミロとユミルはベースラボに戻ってきた。

 アデルが見た最悪の未来を阻止するためである。

 そして、ユミルはベースラボにいるオヤ・マー博士とキノピオにこう言った。

「突然ですが、オヤ・マー博士とキノピオに頼みたい事があります」

「なんじゃ?」

「今すぐにベースラボから出ていってください」

「ここって安全なはずでしょう?」

 キノピオの問いかけに、ユミルは首を横に振る。

「ベースラボは絶対安全ではありません。

 キングテレサは膨大な魔力の持ち主ですから、物質を転送する事は簡単です。

 つまり、あなた達がラボに留まっていると、再びキングテレサに捕まってしまいます。

 キングテレサをここまで追い詰めたボク達にも責任がありますが、

 それ以上にあなた達の方が大事なんです。

 このままでは、あなた達は再び絵にされます。そして、永遠にこのままかもしれません。

 ボク達を信じて、一緒に絶対安全な場所に行きましょう!」

 ユミルは、オヤ・マー博士とキノピオ達に、ベースラボを出ていってもらうように説得した。

 別の世界から来たのだから、信じてもらえるはずがないと思っていた。

 しかし、ユミルの粘り強い説得により、オヤ・マー博士とキノピオはようやく頷いた。

「……冷暖房完備の移動式研究室から出るのは辛いが……

 キミがそう言うのであれば、仕方あるまい。

 ほれ、キノピオ君達もベースラボから出ていくのじゃ」

「「「はーい」」」

 オヤ・マー博士とキノピオはベースラボを出た後、アデルの力により時空の狭間に転送された。

 

「これでオヤ・マー博士とキノピオが襲われる事はなくなった。さあ、戻るわよ、ユミル」

「はい、ミロさん!」

 

「「ただいま!」」

「お帰り!」

 ミロとユミルは15階に戻り、ドアの前で待っていたルイージと合流した。

 一体何をしたのかルイージには分からなかったが、

 二人の表情を見るに、良い事をしたのだろう、と推測する。

「準備できましたよ、博士。僕、屋上に行きます!」

 ルイージはオヤ・マー博士に報告しようとしたが、何故か通信ができなかった。

「……博士? どうしましたか? ……ねえ、ミロ、ユミル、博士に何をしたの?」

「内緒!」

 オヤ・マー博士からの連絡は来なかった。

 こうなってしまえば、もう後には引けない。

 それでも、三人は覚悟を決めて、ピーチ姫を助け出す準備に入った。

 

「さあ、屋上に行くわよ!」

「グッドラック、ルイージ……」

 三人はいよいよ、屋上へ繋がるドアを開ける。

 ピーチ姫を救出し、皆でオバケホテルを脱出する事ができるだろうか。




次回は終章、キングテレサが待つ屋上に乗り込みます。
そして、ピーチ姫達は……。
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