ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
キングテレサを倒して、ついにルイージ達はオバケホテルを脱出します。
全てを絵にしようとしたキングテレサは、ルイージに三度目の敗北を喫した。
オバキュームの中から、ぽろりとキングテレサの魔力の源である紫の宝石が飛び出す。
ルイージがそれを持ち上げると、巨大な額縁が元の大きさに戻る。
「えいっ!」
ルイージは額縁を上手くキャッチし、ふぅ、と汗を拭う。
これで、みんなを助け出せる……と思いきや……。
「な、何……!?」
突然、ラストリゾートが激しく揺れ出した。
このホテルはキングテレサの魔力によって辛うじて原型を保っていたものの、
それが失われた事で崩壊しているのだ。
「そ、そんな……! 最後の最後で生き埋めだなんて……!」
ルイージの乗っていた足場が、次々に崩れ落ちていく。
グーイージに助けを求めようとしたが、彼(?)は手を振っているだけだ。
「ミロも、ユミルも、アデルも、こうなる未来は予知できなかったのか……!?
うわあああああああああ!!」
そして、ルイージとグーイージが乗っていた足場が完全に崩れ落ち、
二人は屋上から転落していった。
この高さでは、流石に助かる見込みは無い。
ルイージはせめてバラバラにならないよう、両腕をぐっと十字型にした。
「……ワン」
「……お前は……オバ犬……?」
しかし、ルイージが地面に激突する事はなかった。
何故なら、彼の尻をオバ犬が咥えていたからだ。
オバ犬は宙に浮いてルイージを地面に降ろし、彼に駆け寄って顔をぺろぺろと舐めた。
「ワンワン!」
「ああ……お前は、最後の最後まで、僕を守ってくれたんだな……。
本当に、本当にありがとう、オバ犬……」
「ワン、ワン、ワン、ワン」
ルイージはオバ犬に感謝の意を示し、安らかな笑みを浮かべてオバ犬を撫でた。
そして、遅れてグーイージが地面に激突し、バラバラになるがすぐに復活。
グーイージはルイージに手を振っていた。
「兄さん、ピーチ姫、ミロ、ユミル。もう、本当の本当に大丈夫だからね」
今度こそ本当に、全てが終わった。
ルイージは、崩れ落ちたホテルの残骸に皆が閉じ込められた絵画を置く。
そして、ダークライトを当てると、
ピーチ姫、マリオ、ミロ、ユミルの順番に絵画から出てきた。
「ルイージ、私達を助けてくれてありがとう」
「俺達……今度こそ、助かったんだな」
「最後の最後でドジっちゃったけど……ありがとう、ルイージ」
「やっぱり、あなたは最高の
「みんな!! どういたしまして!!」
ピーチ姫、マリオ、ミロ、ユミルは満面の笑みを浮かべている。
全ての異変を解決したルイージに、大いなる感謝を示しているのだ。
「そういえば、博士とキノピオはどこに行ったの?」
あの時、ミロとユミルが逃がした、オヤ・マー博士とキノピオはどこにいるのか。
ルイージが呟くと、背後から声が聞こえてくる。
「ただいま、じゃ!」
「「「ただいま!」」」
「博士、キノピオ! ……お帰りなさい!」
ルイージが振り向くと、時空の狭間から戻ってきた
オヤ・マー博士とキノピオが笑顔で手を振っていた。
オバ犬はオヤ・マー博士の顔を舐め、マリオはルイージの肩に手を置く。
「今回もまた、一本取られちまったな。
でも、お前が出した勇気のおかげで、また、こうやって再会できたんだしな」
「兄さん……」
「ルイージ、マリオにも引けを取らないほど、勇敢に戦ってくれてありがとう」
「やっぱり、双子だけあるわね」
「お疲れ様でした!」
「……本当に、本当に、ありがとう!!」
ピーチ姫、ミロ、ユミル、キノピオ達は笑顔でルイージに駆け寄る。
彼はまた、オバケの脅威から皆を救ったのだ。
「そういえば……」
ルイージは、キングテレサが落としていった不思議な輝きを放つ紫の宝石を見る。
彼がそれを拾うと、赤と黄のカプセルが揺れ、
中からたくさんのオバケが飛び出してきてルイージに飛びかかってくる。
「また、オバケが……!」
オバキュームがあるとはいえ、また襲われるのか。
ルイージは慌てて防御の姿勢を取るが、
次の瞬間、紫の宝石が消滅し、オバケ達は正気を取り戻した。
一体何をしていたのか、オバケ達には全く記憶がなかった。
オバケ達はホテルの残骸を見回し、落胆する。
「なんだかんだで、オバケ達はいい奴だったんだな」
結局、オバケ達は今回もキングテレサ(の宝石)に操られていただけの被害者だった。
ルイージは、ははは、と頭を掻いている。
オバケだからといって、全てが悪い奴ではない――という事が、また証明された。
「じゃ、そろそろさよならね」
「さよなら? そっか……ミロとユミルは、違う世界からやってきたんだね」
異世界人のミロとユミルとは、ここで別れなくてはならない。
別れは寂しいが、二人にもまた、それぞれの都合がある。
優しいルイージは、二人を引き留めなかった。
「ルイージ、あなたには四度目の異変が起きた時のために、これを渡すわ」
ミロがそう言って渡したのは、戦場の鉄則が書かれたメモだった。
「あなたには霊を倒す素質があります。だから、怖がらないでくださいね」
「これを見て、あたし達の事、思い出してね」
「うん……ありがとう……ミロ……ユミル……!」
ルイージは嬉しさのあまり、メモにポロポロと涙を零す。
「あ、こらこら! メモを濡らさないでよ! あーあー、文字が溶けていくー。
もう、知らないからね、ルイージ! とにかく、これでさよならよ!」
「さようなら、ルイージ!」
「また会おうね、ミロ、ユミル!」
「「また会う日まで!!」」
ルイージ、ミロ、ユミルは、互いに手を振り、別れを告げるのだった。
そして、ミロとユミルの姿はこの世界から消えた。
「……ミロ、ユミル……。君達は本当に、強くて、賢くて、頼りになった。
オバキューム無しでオバケと戦えた人を見たのは、初めてだった。
どんな時でも明るくて、僕を勇気付けてくれた。僕の希望の象徴……それが、あの二人だ。
ありがとう、ミロ、ユミル。僕は君達を、一生忘れない――」
「……さて、ルイージ君よ」
「博士?」
ヘルメットを被ったオヤ・マー博士は、ルイージとオバケ達にヘルメットを渡す。
「ラストリゾートは無くなってしまったが……
わしと一緒に、それに代わる新しいホテルを建て直さんかね?」
「……はい!」
「今度は俺達と一緒だぞ!」
「もう、怖い思いはさせないからね!」
「……うん!」
ルイージは満面の笑みを浮かべて、オバケや仲間と共に新しいホテルを建てるのだった。
――時空の狭間にて。
ミロ、ユミル、アデルは、水晶玉でキノコワールドの様子を見ていた。
みんなで協力して、新しいホテルを建てていた。
カプセルに閉じ込められたキングテレサは、不機嫌な表情をしていた。
同じくオバケネコと共に閉じ込められたコナーは、
憧れているキングテレサの隣にいるため、満更でもない表情をしていた。
そして、水晶玉はさらなる未来を映す。
キノコワールドでは、新しいホテルの開業記念となる除幕式が行われていた。
オヤ・マー博士がリボンを切る準備に入り、
マリオ、ルイージ、ピーチ姫、キノピオ達がわくわくしている。
立派に完成したホテルを見て、三人は満面の笑みを浮かべる。
そして、水晶玉には、オバケ、グーイージ、オヤ・マー博士と別れて
バスで去っていくマリオ一行の姿が見えていた。
『さようなら、そしてありがとう、オバケ、グーイージ、そしてオヤ・マー博士!』
オヤ・マー博士達の姿が小さくなるところで、水晶玉の映像は消えた……。
「大丈夫、大丈夫よ、ルイージ。またあいつが蘇っても、あなたにはオバキュームがあるわ」
「だから、それでオバケをスポスポスポスポスポスポスポスポ
スポスポスポスポスポスポスポスポ吸い取ってくださいね!」
ミロとユミルは、水晶玉に映ったルイージに手を振りながらそう言った。
しばらくすると、アデルが後ろから声をかけ、ミロとユミルは振り返った。
「任務完了だな。お疲れ様、ミロ、ユミル」
「はい、ありがとうございます」
アデルは任務を終えたミロとユミルを労う。
ミロとユミルは、一つの世界を救う事ができて、とても晴れやかな表情だった。
「これが、今回の任務の報酬だ」
そう言ってアデルが取り出したのは、漆黒の水晶玉だった。
「これは『宵闇の王』。自分の周囲を暗くし、太陽光を無効化するマジックアイテムだ。
吸血鬼の君なら使えるだろう」
「ふふっ、ありがとうございます」
ユミルは喜んで宵闇の王を受け取った。
吸血鬼である彼は、新月の夜にこそ力を発揮する。
また、ミロとユミルが行ったのはオバケホテルだ。
それに相応しい報酬、と言えるだろう。
「さあ、君達は次の任務まで休んでくれ」
「「はいっ!」」
こうして、一つの世界に平和が訪れた。
ミロとユミルは時空警察である。
今日も彼らは、世界の秩序を守るために戦うのだ。
こんなに遅くなったのは私の責任です。
だってパソコンが重くなったし、一度入力データが全部消えたんですもの。
ですが、きっちり完結させました。