ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼 作:アヤ・ノア
何とかキングテレサから逃げ切ったルイージは、
ミロとユミルと共に、捕まった仲間を助けるためオバケホテルを探索する事に。
ルイージは駐車場に止めてあった車の中からオバケ退治の必需品「オバキューム」を手に入れる。
オバケと遭遇したルイージはオバキュームで危機を切り抜け、
オバキュームを開発したオヤ・マー博士を探す事になった。
最初のオバケとの戦闘を終えた後、三人は一階を探索していた。
かぼちゃのオブジェを写真に狙い撃ちし、お金を出して回収する。
全て回収し終えた後、ルイージ達は階段を上がり、二階に辿り着く。
そこには、一際大きなドアがあった。
「このドア、開かないね」
ルイージが調べてみるが、ドアには鍵がかかっていた。
「一体どうしよう……」
「ワン、ワン!」
「オバ犬?」
ルイージはオバ犬のところに向かっていく。
場所は、ホテルフロントがいた受付だ。
オバ犬は「ここを吹き飛ばして」と言うように動いている。
「バーストだね。よし!」
ルイージが勢いよくオバキュームを噴射すると、中から金の鍵が飛び出してきた。
恐らく、これがドアを開けるものだろう。
「ありがとね、オバ犬」
「ワン!」
ルイージが鍵を取ると、オバ犬は姿を消した。
「……よし。いくよ」
「ええ……」
ルイージは、ゆっくりと金の鍵を大きなドアの鍵穴にねじ込む。
すると、金の鍵は吸い込まれるように鍵穴の中に入っていった。
そして、三人はドアを開けて、部屋の中に入った。
「ここは……」
ルイージは慎重に部屋の中を進む。
ミロとユミルは彼の上から顔を出し、きょろきょろと辺りを見渡す。
「あっ、ミロさん、ルイージ、あれ!」
「……ん?」
ユミルは、部屋の中で何かを発見した。
ミロとルイージも、彼が指差した方を見る。
そこにはオバ犬がいて、さらに――
「オヤ・マー博士!!」
絵の中に閉じ込められた、オヤ・マー博士がいた。
嫌な予感はしていたが、まさか彼までこうなってしまうとは……ミロは身震いした。
「嘘でしょ……博士が絵になるなんて……!」
いつも頼りになるオヤ・マー博士が、こんな姿になってしまった。
今でもルイージは信じられないような様子だった。
一方で、ユミルは動じずに何故彼が絵画になったのかを推理していた。
「恐らく、メガネジジイとは彼の事でしょう。以前のルイージの冒険で、
キングテレサはオヤ・マー博士の研究所に閉じ込められていたと証言していました。
しかし、コナーが彼を解放し、
ルイージを絶望させるためにオヤ・マー博士を額縁の中に収めた。……ボクはそう推理します」
「ユミル、君の推理はいいから早くオヤ・マー博士を助けてよ!」
ルイージは慌てながらユミルに話しかけた。
オヤ・マー博士はルイージにとってとても頼りになる存在だ。
これ以上、絶望するわけにはいかない。
だが、どうすれば額縁からオヤ・マー博士を解放できるのだろうか……。
「ちょっと落ち着いてください、ルイージ。ほら、オバ犬があっちにいますよ」
「あ、ホントだ……」
ルイージ、ミロ、ユミルは、オバ犬が見ている赤いドアを開けた。
「とにかく、調べられるものは調べよう」
ルイージは、廊下にあるものを片っ端から調べた。
中からはコインや紙幣が出てくるが、
オヤ・マー博士を救出できそうなものは何一つ見当たらない。
「次はここのドアを開けましょ……と言いたいところだけど、鍵がかかってるわね」
「じゃあ、後回しだね」
三人は緑のドアを後にして、そこから東にあるドアを開けてメイク室の中に入った。
メイク室の中には、仮面や制服、帽子などがたくさんある。
「もしかしたらこれ、変装道具かもよ!」
いつもは突っ走りがちなミロだったが、この時は勘が働いてこれらの正体を見破った。
……が、すなわち、従業員の正体は……。
「あたし達をどうもてなしたかったのかしら。ま、そんな事はどうでもいいわ。
この部屋に怪しいところはない?」
「特に見当たりませんね」
「僕も」
ルイージとミロは、この部屋を探索しているが、怪しいところは見当たらなかった。
すると、ガシャーン! という音が聞こえてきた。
「ど、どうしたの!?」
「……ちょっと壊しちゃったみたい」
ミロは、探索の途中で手が滑って香水を落としてしまった。
そこから香水の匂いが飛び散っていく。
「ゲホッ、ゴホッ。きつい匂いだわ……」
「休んで、ミロ」
ミロは香水の匂いを吸った影響で、息が少し苦しくなった。
ルイージは、すぐにミロを部屋の中で休ませた。
そして、ユミルと共に部屋を探索していると、鏡にスイッチが映っているのに気づいた。
「ルイージ! スイッチがこっちにありますよ! こっちに向かって光を放ってください!」
「よ~し……」
ルイージがスイッチ目掛けてストロボの光を放つ。
すると、電気が通って扉が開き、中から金の鍵が飛び出してきた。
「ふう、すっかり良くなったわ」
ミロもようやく元気を取り戻したようで、ルイージとユミルに合流する。
「さあ、鍵を開けに行きましょう!」
「うん」
ルイージ達が部屋を出ると、先程まではなかったルイージの絵が辺りにたくさんあった。
一番右にかかっているルイージの絵の近くには、二体のオバケが宙に浮いている。
「これ、全部君がやったの?」
オバケ達は知らんぷりしている。
すると、オバケ達は三人の周りを取り囲み、光の柵が再び落ちてきた。
「ちょっと待って! また戦うの!?」
「そうみたいですね……」
「こんな狭い場所ではあたし達は戦えないわ。ルイージ、あなた一人でやりなさい!」
「ええーーーーー!?」
ルイージは、ミロに強引に一人でオバケ二体と戦う羽目になるのだった。
「……はあ、はあ、はあ。いきなり二体で襲い掛かるなんて……」
「確かに卑怯よね」
何とか、ルイージはダメージを受けずに二体のオバケを退ける事に成功した。
オバケが狡猾なのはルイージも知っていたが、まだ、この世界では克服できないでいた。
「でも、卑怯だからこそ、オバケ達は手強いのよ。
こっちも手段を問わないで、オバケに立ち向かいなさい」
「……う、うん……」
ルイージは改めて、メイク室で手に入れた金の鍵を使い、倉庫室のドアを開けた。
この部屋の中には、たくさんの絵画があった。
以前に見たコインの絵画と全く同じ絵画があり、
やはりキングテレサの魔力で封じられている事が分かる。
「こうしてみるとさぁ、やっぱり、キングテレサって絵が好きなのねぇ」
「そうですね」
ミロとユミルはじっくりと絵画を見ている。
生物や無生物を絵に封印する能力もあり、
キングテレサは絵が好きなんだな、とミロとユミルは感じた。
「ここに光を当てればいいんだね?」
「ワンワン」
ルイージがスイッチをストロボで照らすと、中から雑誌と黒いストロボが出てきた。
その黒いストロボをオバキュームに装備し、コインの絵画目掛けて照らすと、
額縁から大量の金品が出てきた。
ルイージはそれらを全て回収し、絵画を見ていたミロとユミルと合流した。
「おかえり、ルイージ! 何か見つかった?」
「うん、これだよ」
そう言って、ルイージはオバキュームから虹色の光を放出した。
それを浴びたミロの服の肩が透けてしまう。
「何するのよ、エッチ!」
「うわぁっ!」
ミロは思わずルイージをビンタしてしまう。
ルイージは首を横に振った後、ミロにこう言った。
「ち、違うってば。これは『ダークライト』だよ」
「ダークライト?」
「オバケの呪いを解く事ができる光だよ。
僕がコインの絵画に当てたら、中からたくさん金品が出てきたんだ」
ルイージが収穫物をミロとユミルに説明する。
このダークライトを使えば、オバケがかけた呪いも解除する事ができるのだ。
「な~るほどね。という事は、これを使えば絵に閉じ込められた彼も……?」
「助かるかもしれませんね! 行きましょう!」
ルイージ、ミロ、ユミルの三人は、赤いドアを開けて、オヤ・マー博士がいた場所に着く。
オバ犬はオヤ・マー博士の絵画を見て鳴いている。
「この絵画、ずっと飾っておきたいわね」
「そうじゃないだろ、ミロ……。ほら、ダークライトで照らすからどいて」
「はいはい」
ミロがどいたのを確認したルイージは、オヤ・マー博士の絵画にダークライトを当てる。
すると、絵画の中からオヤ・マー博士が飛び出し、前のめりに倒れた。
「いたっ!」
「オヤ・マー博士、大丈夫?」
ルイージ、ミロ、ユミルはすぐにオヤ・マー博士に駆け寄る。
「おお! 誰かと思えば、ルイージ君と……そこにいる二人は誰だ?」
「あ、あたしはミロです」
「ボクはミロさんの下僕、ユミル・ハーシェルです」
ミロとユミルはオヤ・マー博士に自己紹介をした。
「なるほど、ミロにユミルじゃな。はて……どうして、こんなところにキミ達がいるのじゃ?」
「実はかくか……」
ルイージはこれまでの事情をオヤ・マー博士に話そうとしたが、
彼はルイージの話を聞かずに話し続ける。
「いや、そんな事は今はどうでもよいわい。とにかく、こいつは大助かりじゃ!
さあ、ルイージ君、ミロ君、ユミル君、すぐにわしをここから連れ出すのじゃ!」
「また捕まったら困るしね」
「このホテルは凶暴なオバケだらけなんじゃよ! とっとと逃げるぞい!」
「逃げると言ったって……今はホテルを脱出できないんだよ?
しかも、兄さん達は絵にされてるし……」
ルイージは困りながらも、ようやく事情をオヤ・マー博士に話した。
すると、オヤ・マー博士はふむと顎に手を当てた。
「何? キミ達の仲間達がみんな捕まってしまっただと!?
だから、自分だけ逃げるわけにはいかないと。そういう事かね?」
「うん」
「本当はルイージも捕まるところだったんだけど、あたし達が助けたのよ」
「まったく、世話の焼ける奴じゃのう……。ルイージ君のそういうところは変わっておらんのう」
ルイージにとって双子の兄マリオは大切な存在だ。
彼を見捨てて逃げる事は、ルイージにはできない。
オヤ・マー博士は顔を上げると、胸に手を当ててこう言った。
「仕方がない、気乗りはせんがこのオヤ・マー博士に考えがある。
ルイージ君、ミロ君、ユミル君、
ひとまずわしを車のあるところまで連れて行ってくれんかね?」
「車? ああ、オバキュームが入っていたあの車ね」
「そうじゃ。
ほれ、ルイージ君が背負っておるその新型オバキューム、
わしの車から持ち出したんじゃろう?」
「はい」
オヤ・マー博士は、絵に閉じ込められる前からこの事を知っていたようだ。
つまり、彼がこのホテルに来たのは、自分達よりも前という事になる。
「あそこじゃよ、地下の駐車場じゃ。ほれ、とっとと行くとするぞい!」
「わ、分かったよ……」
ルイージ達は、オヤ・マー博士の我儘に振り回されながらも、
彼を駐車場に連れていく事にした。
次回が最初のボス戦です。
初プレイではノーダメージで突破しました。
ま、これくらいは、ね?