ルイージマンション ~ オバケホテルと吸血鬼   作:アヤ・ノア

5 / 46
~前回までのあらすじ~

何とかキングテレサから逃げ切ったルイージは、
ミロとユミルと共に、捕まった仲間を助けるためオバケホテルを探索する事に。
ルイージは駐車場に止めてあった車の中からオバケ退治の必需品「オバキューム」を手に入れる。
オバケと遭遇したルイージはオバキュームで危機を切り抜け、
オバキュームを開発したオヤ・マー博士を探す事になった。


1章-2「Elvin Gadd」

 最初のオバケとの戦闘を終えた後、三人は一階を探索していた。

 かぼちゃのオブジェを写真に狙い撃ちし、お金を出して回収する。

 全て回収し終えた後、ルイージ達は階段を上がり、二階に辿り着く。

 そこには、一際大きなドアがあった。

「このドア、開かないね」

 ルイージが調べてみるが、ドアには鍵がかかっていた。

「一体どうしよう……」

「ワン、ワン!」

「オバ犬?」

 ルイージはオバ犬のところに向かっていく。

 場所は、ホテルフロントがいた受付だ。

 オバ犬は「ここを吹き飛ばして」と言うように動いている。

「バーストだね。よし!」

 ルイージが勢いよくオバキュームを噴射すると、中から金の鍵が飛び出してきた。

 恐らく、これがドアを開けるものだろう。

「ありがとね、オバ犬」

「ワン!」

 ルイージが鍵を取ると、オバ犬は姿を消した。

 

「……よし。いくよ」

「ええ……」

 ルイージは、ゆっくりと金の鍵を大きなドアの鍵穴にねじ込む。

 すると、金の鍵は吸い込まれるように鍵穴の中に入っていった。

 そして、三人はドアを開けて、部屋の中に入った。

 

「ここは……」

 ルイージは慎重に部屋の中を進む。

 ミロとユミルは彼の上から顔を出し、きょろきょろと辺りを見渡す。

「あっ、ミロさん、ルイージ、あれ!」

「……ん?」

 ユミルは、部屋の中で何かを発見した。

 ミロとルイージも、彼が指差した方を見る。

 そこにはオバ犬がいて、さらに――

 

オヤ・マー博士!!

 絵の中に閉じ込められた、オヤ・マー博士がいた。

 嫌な予感はしていたが、まさか彼までこうなってしまうとは……ミロは身震いした。

「嘘でしょ……博士が絵になるなんて……!」

 いつも頼りになるオヤ・マー博士が、こんな姿になってしまった。

 今でもルイージは信じられないような様子だった。

 一方で、ユミルは動じずに何故彼が絵画になったのかを推理していた。

「恐らく、メガネジジイとは彼の事でしょう。以前のルイージの冒険で、

 キングテレサはオヤ・マー博士の研究所に閉じ込められていたと証言していました。

 しかし、コナーが彼を解放し、

 ルイージを絶望させるためにオヤ・マー博士を額縁の中に収めた。……ボクはそう推理します」

「ユミル、君の推理はいいから早くオヤ・マー博士を助けてよ!」

 ルイージは慌てながらユミルに話しかけた。

 オヤ・マー博士はルイージにとってとても頼りになる存在だ。

 これ以上、絶望するわけにはいかない。

 だが、どうすれば額縁からオヤ・マー博士を解放できるのだろうか……。

「ちょっと落ち着いてください、ルイージ。ほら、オバ犬があっちにいますよ」

「あ、ホントだ……」

 ルイージ、ミロ、ユミルは、オバ犬が見ている赤いドアを開けた。

「とにかく、調べられるものは調べよう」

 ルイージは、廊下にあるものを片っ端から調べた。

 中からはコインや紙幣が出てくるが、

 オヤ・マー博士を救出できそうなものは何一つ見当たらない。

「次はここのドアを開けましょ……と言いたいところだけど、鍵がかかってるわね」

「じゃあ、後回しだね」

 三人は緑のドアを後にして、そこから東にあるドアを開けてメイク室の中に入った。

 メイク室の中には、仮面や制服、帽子などがたくさんある。

「もしかしたらこれ、変装道具かもよ!」

 いつもは突っ走りがちなミロだったが、この時は勘が働いてこれらの正体を見破った。

 ……が、すなわち、従業員の正体は……。

「あたし達をどうもてなしたかったのかしら。ま、そんな事はどうでもいいわ。

 この部屋に怪しいところはない?」

「特に見当たりませんね」

「僕も」

 ルイージとミロは、この部屋を探索しているが、怪しいところは見当たらなかった。

 すると、ガシャーン! という音が聞こえてきた。

「ど、どうしたの!?」

「……ちょっと壊しちゃったみたい」

 ミロは、探索の途中で手が滑って香水を落としてしまった。

 そこから香水の匂いが飛び散っていく。

「ゲホッ、ゴホッ。きつい匂いだわ……」

「休んで、ミロ」

 ミロは香水の匂いを吸った影響で、息が少し苦しくなった。

 ルイージは、すぐにミロを部屋の中で休ませた。

 そして、ユミルと共に部屋を探索していると、鏡にスイッチが映っているのに気づいた。

「ルイージ! スイッチがこっちにありますよ! こっちに向かって光を放ってください!」

「よ~し……」

 ルイージがスイッチ目掛けてストロボの光を放つ。

 すると、電気が通って扉が開き、中から金の鍵が飛び出してきた。

 

「ふう、すっかり良くなったわ」

 ミロもようやく元気を取り戻したようで、ルイージとユミルに合流する。

「さあ、鍵を開けに行きましょう!」

「うん」

 

 ルイージ達が部屋を出ると、先程まではなかったルイージの絵が辺りにたくさんあった。

 一番右にかかっているルイージの絵の近くには、二体のオバケが宙に浮いている。

「これ、全部君がやったの?」

 オバケ達は知らんぷりしている。

 すると、オバケ達は三人の周りを取り囲み、光の柵が再び落ちてきた。

「ちょっと待って! また戦うの!?」

「そうみたいですね……」

「こんな狭い場所ではあたし達は戦えないわ。ルイージ、あなた一人でやりなさい!」

ええーーーーー!?

 ルイージは、ミロに強引に一人でオバケ二体と戦う羽目になるのだった。

 

「……はあ、はあ、はあ。いきなり二体で襲い掛かるなんて……」

「確かに卑怯よね」

 何とか、ルイージはダメージを受けずに二体のオバケを退ける事に成功した。

 オバケが狡猾なのはルイージも知っていたが、まだ、この世界では克服できないでいた。

「でも、卑怯だからこそ、オバケ達は手強いのよ。

 こっちも手段を問わないで、オバケに立ち向かいなさい」

「……う、うん……」

 

 ルイージは改めて、メイク室で手に入れた金の鍵を使い、倉庫室のドアを開けた。

 この部屋の中には、たくさんの絵画があった。

 以前に見たコインの絵画と全く同じ絵画があり、

 やはりキングテレサの魔力で封じられている事が分かる。

「こうしてみるとさぁ、やっぱり、キングテレサって絵が好きなのねぇ」

「そうですね」

 ミロとユミルはじっくりと絵画を見ている。

 生物や無生物を絵に封印する能力もあり、

 キングテレサは絵が好きなんだな、とミロとユミルは感じた。

 

「ここに光を当てればいいんだね?」

「ワンワン」

 ルイージがスイッチをストロボで照らすと、中から雑誌と黒いストロボが出てきた。

 その黒いストロボをオバキュームに装備し、コインの絵画目掛けて照らすと、

 額縁から大量の金品が出てきた。

 ルイージはそれらを全て回収し、絵画を見ていたミロとユミルと合流した。

「おかえり、ルイージ! 何か見つかった?」

「うん、これだよ」

 そう言って、ルイージはオバキュームから虹色の光を放出した。

 それを浴びたミロの服の肩が透けてしまう。

「何するのよ、エッチ!」

「うわぁっ!」

 ミロは思わずルイージをビンタしてしまう。

 ルイージは首を横に振った後、ミロにこう言った。

「ち、違うってば。これは『ダークライト』だよ」

「ダークライト?」

「オバケの呪いを解く事ができる光だよ。

 僕がコインの絵画に当てたら、中からたくさん金品が出てきたんだ」

 ルイージが収穫物をミロとユミルに説明する。

 このダークライトを使えば、オバケがかけた呪いも解除する事ができるのだ。

「な~るほどね。という事は、これを使えば絵に閉じ込められた彼も……?」

「助かるかもしれませんね! 行きましょう!」

 

 ルイージ、ミロ、ユミルの三人は、赤いドアを開けて、オヤ・マー博士がいた場所に着く。

 オバ犬はオヤ・マー博士の絵画を見て鳴いている。

「この絵画、ずっと飾っておきたいわね」

「そうじゃないだろ、ミロ……。ほら、ダークライトで照らすからどいて」

「はいはい」

 ミロがどいたのを確認したルイージは、オヤ・マー博士の絵画にダークライトを当てる。

 すると、絵画の中からオヤ・マー博士が飛び出し、前のめりに倒れた。

「いたっ!」

「オヤ・マー博士、大丈夫?」

 ルイージ、ミロ、ユミルはすぐにオヤ・マー博士に駆け寄る。

「おお! 誰かと思えば、ルイージ君と……そこにいる二人は誰だ?」

「あ、あたしはミロです」

「ボクはミロさんの下僕、ユミル・ハーシェルです」

 ミロとユミルはオヤ・マー博士に自己紹介をした。

「なるほど、ミロにユミルじゃな。はて……どうして、こんなところにキミ達がいるのじゃ?」

「実はかくか……」

 ルイージはこれまでの事情をオヤ・マー博士に話そうとしたが、

 彼はルイージの話を聞かずに話し続ける。

「いや、そんな事は今はどうでもよいわい。とにかく、こいつは大助かりじゃ!

 さあ、ルイージ君、ミロ君、ユミル君、すぐにわしをここから連れ出すのじゃ!」

「また捕まったら困るしね」

「このホテルは凶暴なオバケだらけなんじゃよ! とっとと逃げるぞい!」

「逃げると言ったって……今はホテルを脱出できないんだよ?

 しかも、兄さん達は絵にされてるし……」

 ルイージは困りながらも、ようやく事情をオヤ・マー博士に話した。

 すると、オヤ・マー博士はふむと顎に手を当てた。

「何? キミ達の仲間達がみんな捕まってしまっただと!?

 だから、自分だけ逃げるわけにはいかないと。そういう事かね?」

「うん」

「本当はルイージも捕まるところだったんだけど、あたし達が助けたのよ」

「まったく、世話の焼ける奴じゃのう……。ルイージ君のそういうところは変わっておらんのう」

 ルイージにとって双子の兄マリオは大切な存在だ。

 彼を見捨てて逃げる事は、ルイージにはできない。

 オヤ・マー博士は顔を上げると、胸に手を当ててこう言った。

「仕方がない、気乗りはせんがこのオヤ・マー博士に考えがある。

 ルイージ君、ミロ君、ユミル君、

 ひとまずわしを車のあるところまで連れて行ってくれんかね?」

「車? ああ、オバキュームが入っていたあの車ね」

「そうじゃ。

 ほれ、ルイージ君が背負っておるその新型オバキューム、

 わしの車から持ち出したんじゃろう?」

「はい」

 オヤ・マー博士は、絵に閉じ込められる前からこの事を知っていたようだ。

 つまり、彼がこのホテルに来たのは、自分達よりも前という事になる。

「あそこじゃよ、地下の駐車場じゃ。ほれ、とっとと行くとするぞい!」

「わ、分かったよ……」

 ルイージ達は、オヤ・マー博士の我儘に振り回されながらも、

 彼を駐車場に連れていく事にした。




次回が最初のボス戦です。
初プレイではノーダメージで突破しました。
ま、これくらいは、ね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。