鬼 軍人 輜站   作:秋津守丸九

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鬼滅はパワハラ会議が一番好き。



パワハラ会議

-無限城-

 

「最後に何か言い残す事は?」

 

無惨様から発せられる重圧が増す。もう、3人も殺されたのだ……。下弦の鬼も解体されるとも言っていた……。欧州戦線で効率良く人を喰らっていたのに、何故こうなった。

 

「わ、私はまだお役に立てます。御猶予を、もう少しだけ御猶予を戴けるのならば必ず貴方様の、鬼舞辻様のお役に立つ事ができます。」

 

「具体的にどれほどの猶予を?お前はどのような役に立てる?今のお前の力でどれほどの事が出来る?」

 

胃に穴が空きそうな重圧の中、必死に説明をする。

 

「ぐ、具体的には欧州からの帰還を考慮しまして、4ヶ月いえ、3ヶ月ほど戴ければ柱の一人や二人は必ず。力に関しましては、欧州戦線にて二百数十余は喰らい、稀血も十数余おりましたので柱に対抗は可能であると愚考致す所存であります。加えまして、奴等とて人間、文明の利器には敵う事は無いと愚行致します。(わたくし)は欧州戦線から鹵獲した利器を用いまして、柱共を挽肉して見せたく存じ上げます。」

 

「たかが柱……一人や二人を殺した所で何だと言うのだ?鬼が人間に勝つのは当然の事だろう?私は貴様等に期待などしていないが私の望みは鬼殺隊の殲滅だ。それが貴様に出来るのか?」

 

必死の説明も無惨様の前では全て一蹴される。だが、殺されたくは無い、こんな所で死にたくは無い。

 

「……私に猶予さえ戴ければ……必ず。……陸軍の宛を使いまして鬼殺隊の本拠地を見つけます。鬼殺隊の規模からしまして、軍部や警察、政府の上層部に繋がりがある事は確定的。本拠地を見つけましたら、無惨様に真っ先に知らせた上で襲撃に当たりたいと存じます。」

 

出来る事はやった……。後は運だ。生きられる様に祈り、血が出るまで床に頭を擦り付けるだけだ。服や帽子がどうなろうとも知った事じゃない。そもそも、今までので全部血塗れなのだから。

 

「そうか、なら」

 

駄目だ。このままじゃ駄目だ。感触が悪すぎる。どうせ、言っても意味無いからと言って無かったが……言わないよりはマシだ。

 

「私は欧州にて青い彼岸花と思しき物を発見致しました!!」

 

無惨様の動きが止まった。重圧は更に増した様だが、まだ殺されていない分まだマシだ。ここから、どうにかして私が殺されない様に誘導しなくては……。

 

「ふむ、青い彼岸花を見つけたのか……。なぜ、それをすぐに話さなかった?しかも、話し出した時は私が喋り出した時だ。それに見合う価値は有るのだろうな?」

 

過呼吸になりそうな重圧に耐えながら、無惨様からの質問に答える。

 

「正確に言えば、学術分類上の青い彼岸花で有りますので……お探しの物では無いと判断し、今まで言っておりませんでした。」

 

「ほぅ、私がどう判断するのかをお前が推察し、勝手に判断したのか?お前は私の考えなど分かる訳が無いのに?」 

 

……ヤバい。ヤバい。ヤバい。地雷を踏んでしまった。

 

「そ、その、あ、青い彼岸花ですが一応保持しております。」

 

無惨様の威圧感が更に強まる。最早、吐きそうだ。

 

「そうか、ならば直ぐさま其処に置け。」

 

「けっ、血鬼術使用の許可を戴けますでしょうか?」

 

「何故だ?」

 

「血鬼術を用いまして、仕舞ってありますので……。」

 

どうだ……?

 

「許可を出そう。置け。」

 

「有難う御座います鬼舞辻様。私が欧州で見つけた花は二株有りまして、リコリス・スプレンゲリーとアガパンサスと申します。この二つは何方もヒガンバナ科に属する青い花で御座いまして、研究に御役立てて戴ければ!!」

 

「ふむ、そうか。」

 

「更に加えて、これからは国内外にあります(わたくし)の伝手を使い、青い彼岸花をより一層探す事を此処に深く誓わせて戴きます。ですから、是非!!是非!!御慈悲を!!御慈悲を御頂戴したく!!」

 

無惨様の命令通りヒガンバナ科の花を置き、再度頭を擦り付ける様な土下座をする。 

 

「なぜ、私が貴様などに慈悲を与えなければならない?言ってみろ。」

 

こう、聞かれていると言う事はまだチャンスはあると言う事……。例え、万に一でもチャンスはチャンスだ。

 

「わ、私が、軍部に所属する事で軍部とそれに附随する研究機関との伝手を保有しており、それを使って青い彼岸花を捜索を行っているからです。私が死ねば、彼岸花の捜索が終わってしまう可能性が高い他、鬼殺隊との戦いに於いて政府の介入を招くと愚考致します。」

 

……大丈夫だ。問題ない。このまま乗り切れる……。ここさえ、乗り切れば強くなる事が可能になる……。大丈夫だ……。

 

「そうか、ならば一月半以内に柱を殺して来い。お前の処遇はその時に決める。」

 

「はっ!!了解致しました!!」

 

べベンッ!!

 

此処に来た時に聞いた音が聞こえたかと思うと、私は下へ落下して行った。 

 

 

 

 

______________________ 

 

 

 

 

 

「何とか助かった……。粛清を免れた。はぁ……はぁ……。やった!やったぞ!!私は生き延びた!!生き延びたんだ!!」

 

こうして私、"下弦の弐 輜站(したん)"は生き延びた。これから、もっと酷い事が起こるという事も知らず、鬼殺隊の柱という物がどれ程強いのかも知らず、その時は無惨様に殺されなかった事に心底喜んでいたのである。

 

「所で、ここは何処だ?」

 

周囲を見渡せば此処は三宅坂の一帯(陸軍参謀本部)の様だった。 

 

「あの御方も随分、気前が良いな……。こんな格好でこんな所に送ってくれるなんて。」

 

聞こえてはいないだろう無惨への皮肉を言いながらも、私は"部長になんて言おう。"などと言う平穏無事な事を考え始めていた。

 

 

 

無惨様に呼び出されるまで残り、45日。




多分続かない。
評価値が高くなってたら考える。

【輜站】
戊辰戦争時に新政府軍の輜重兵として参加。運搬中に戦闘に巻き込まれ逃走。駆けずり回っていた所、無惨に遭遇し血に入れられた。その後、鬼となって新政府軍、旧幕府軍、民間人関係なく食い殺す。沢山人を喰らった事により、以降は人間らしくなって西南戦争、甲午農民戦争、日清戦争、日露戦争、青島攻略戦などの様々な戦いに参加しては敵兵を喰い殺し、武器を奪い、力を溜めた。
戊辰戦争終了時に兵力を求める新政府軍へ実演を交えながら、自らを売り込む事に成功。以後、平時は政治犯や死刑囚などを食べたり、青い彼岸花を探してもらう代わりに"鬼"のサンプル提供や、厄介な人物のテロに偽装した殺害などをしている。基本的に政府の管理下にある為、柱とはあまり関わりがない。

血鬼術は"運搬"。身体の何処からでも自らが収納している物品を取り出せ、何処からでも収納できる。が、収納する為には自身の血を物品に付けなければならず、面積がどうやっても身体より大きい物は運搬できない。但し質量保存則は適用されず、収納中は時間も過ぎない。
因みに、食い掛けや食べて無い分などの人肉も収納できる為、食らっている人数はとても多い。どれ程かと言えば、機動第一大隊が投入されると何時も敵兵の死体が想定の5割程しか集まらないという位である。
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