今一度、立ち上がれ   作:冬川冬樹

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お母さん…。僕も…、なれるかな…?




『ヒーロー』に…。


激闘の末

蛇腔病院であったヒーロー対敵連合軍の激闘から数日後…

世の中は混乱に陥っていた。

ヒーロー達と戦闘をしている中で連合軍のリーダーである死柄木弔の身体にオールフォーワンの意識が入り、敵連合軍は数人の幹部と7匹のハイエンド、そして数多の敵達と共に逃走。

その後すぐに敵達が収監されているタルタロスなどの拘置所を襲撃、万単位の敵が野に放たれた。

世は敵達によって壊れかけている。

ヒーロー達を信じられなくなった一般人達が武器を持ち、敵達と戦う。

…が、戦い方を知らない、経験を積んでいない市民では歯が立たず…

さらに悪化する一方だ。

ヒーロー側は、引退をする者、なんとか持ち直そうと頑張る者、怪我で入院をする者がいる。

しかし、あの戦いで亡くなったヒーローも少なくない…

《18禁ヒーロー》ミッドナイト、《シールドヒーロー》クラスト…

その他にもたくさんの犠牲が出た。

さらにヒーロー側に市民の怒りや不満が襲いかかる。

現No.1ヒーローのエンデヴァーは胸を貫かれ、病院にいる。その間も記者達が病院を取り囲み、エンデヴァーの言葉を待つ。

他のヒーローもそうだ。

ここで雄英高校の話をしよう。

雄英は蛇腔病院の戦いに市民が巻き込まれないように避難誘導をしていた。

しかし、敵側の災厄の巨人、ギガントマキアが目覚め、死柄木のもとへ走り出す。ギガントマキアの大きさは最大で高層ビルを軽く越す。

そんな巨人が街を通り過ぎたらどうだろう。

そこは更地になる。

話を戻そう。

そのギガントマキアを止める為に雄英の生徒達は力を合わせ、ギガントマキア及びその上にいる連合軍幹部達に『作戦』を仕掛ける。

…しかし、ギガントマキアが止まることは無かった。

止まることは無かった…、が。

作戦は成功した。作戦である【ギガントマキアの口に催眠薬を入れる】。それを攻撃をくらいながらも切島鋭児郎が成し遂げた。

生徒達は怪我を負う。しかし徐々に治ってきている。

だが、ただ一人、たった一人。目覚めていない者がいる。

雄英高校1年A組、「緑谷出久」だ。

彼は元No.1ヒーロー、『平和の象徴』オールマイトから聖火のように受け継がれてきた個性、『ワンフォーオール』を継承した者である。

彼はエンデヴァー達プロヒーローが戦っている死柄木の元に行き、死柄木と対峙。

彼は身を犠牲にしながらも死柄木を止め続け、そして死柄木達敵連合軍は去った。

しかし、自身の身体に治せない程の傷を負った。

医者からは後二、三回無茶をすれば右腕は機能しなくなると言われていた。

彼の右腕は、もう…

彼はあの戦いの後、ずっと意識が戻らない。

〜〜〜

緑谷出久の眠る病室にて…

マイト「緑谷少年…」

意識のない緑谷の隣にはオールマイトがいた。

オールマイトはずっと緑谷の手を握っている。

マイト(感じる…。先代の皆さんと君の気を…)

オールマイトは緑谷の手から彼の意識は今までワンフォーオールを受け継いできた先代達と共にある事を。

マイト(緑谷少年…。君は今、先代の皆さんと話をしているんだな。)




少年は使命を背負う。
しかし、それは少年が背負うにはあまりにも重すぎる…。
しかし少年は挫けない。
だって、ヒーローだから。

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