Enger Freund   作:hirag

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11話

~2週間後~

 

 

「ふわぁ~」

 

本を読み終え伸びをする。数十分間同じ体勢だったせいか腰が痛い

 

そういえば今日は七夕祭りだったけ…

 

外を見てみると雨が降っている

 

折角の祭りなのに残念···

 

 

「はぁ~行きたかったなぁ~」

 

コツコツ…

 

足音が近づいてくる。誰だろう…

 

「立花さん…こんにちは…」

 

「えっと…」

 

黒髪ロングの胸が大きい人が入って来た。確かこの人は同じクラスの···し、し…

 

「白金燐子です…あのこれ…みんなから花束です」

 

「ありがとう…そんなところにいないでこっちにおいでよ」

 

「は、はい…失礼します」

 

うん。近くで見れば燐子ちゃんはスタイルいいなぁ~

 

「あ、あの…そんなに見ないで…ください…」

 

「ご、ごめんね。燐子ちゃん中々美人で見とれちゃった」

 

「そ、そんなこと…ないですよ///」

 

「最近紗夜は来てくれてないけど、元気にしている?」

 

「……」

 

燐子ちゃんは少し俯いてしまった…これは何かあったのかな?

 

「立花さんは…わたしがRoseliaの…キーボードを担当していることは知っていますか?」

 

「Roselia?えっと…紗夜がいるバンドがそんな名前だったような…」

 

「はい。そのRoseliaです…」

 

そっか…紗夜メンバー集まったんだ。

 

「それで何かあったの?もしかしてバンド内で問題が?」

 

「い、いえ…そういうわけでないです。ただ…何か思い詰めている…ような気がして…」

 

思い詰めている…か

 

頑張ってるからあまり口出ししたくなかったけど…私が動くしかないか

 

「燐子ちゃん。先生呼んでくれるかな?」

 

「は、はい…わかりました」

 

 

―数分後―

 

 

「ふぅ~1ヶ月ぶりの外だー!天気も晴れたし!」

 

先生とお話をして、今日の一日外出の許可を頂いた。折角の七夕祭りもあるからね

 

まぁ~あまり羽目を外さないように注意されたけどね

 

「先生は…少し心配そうにしていましが…良かったですね」

 

「うん。さて、祭りまでまだ時間あるし…何しようかな?」

 

「それなら少し…歩きませんか?」

 

「いいね!学校の事も色々聞きたいな」

 

「わたしが答えれる程度なら…」

 

「えっと…先ずは…」

 

_________________

 

~夕方~

 

燐子ちゃんから学校行事や最近の授業について色々教えてもらっていたら夕方になっていた

 

そして、そのまま商店街までやって来た

 

さてさて…日菜と紗夜には祭りに行くことも伝えてないし…見つかると色々小言を言われそうだから

 

「見つかる前に短冊だけ飾ったら直ぐに帰ろう。えっと…短冊は何処?」

 

人が多くてここが何処だか分からないし、どうしよう…

 

「白夜さ~ん」

 

この気の抜けた声は… 

 

声が聞こえた方を見てみるとモカちゃんが両手いっぱいに食べ物を持ちながらやって来た

 

「モカちゃん!久しぶりだね」

 

「お久しぶりですーもう退院したのですか~?」

 

「ううん。まだ手術もしてないよ。他のみんなは?」

 

「来てますよーでも、みんなとはぐれてしまって」

 

はぐれたわりにはそんなに焦ってないように見える

 

「白夜さんは一人ですか?」

 

「うん。短冊を飾ったら直ぐに戻ろうと思ってね。飾る笹はあっちかな?」

 

「そうですよ。あっちですよ~その前に少しいいですか?」

 

「うん?」

 

 

―数分後 射的屋台―

 

 

パンッ!

 

「また外したー」

 

「ひーちゃんあと一発だよ~」

 

直ぐに病院に戻るつもりだったのに、Afterglowの皆に捕まってしまうとは…

 

「もう少し上を狙ったらどうだ?」

 

「これくらい?当たれ!」

 

ひまりちゃんが撃ったコルクはぬいぐるみに当たったには当たったけど…下に落ちなかった

 

「あ~お嬢ちゃん残念だったな~はい。残念賞のラムネ」

 

「うぅ~悔しい…」

 

「私もう行ってもいいよね?」

 

「もう少しいいじゃないですか~」

 

「久しぶりの外出だし、もう少し楽しんだらいいと思いますよ」

 

「それもそうだけど…」

 

「白夜さん~!ミッシェルを取ってください!」

 

「え、私!?取れるかな~」

 

蘭ちゃんの言っていることも一理あるし、もう少しだけ楽しもうかな?

 

「じゃあ、おじさん。私もやる」

 

「はいよ!さっきの嬢ちゃんみたいに一つも落ちなかったら、駄菓子一つあげるから」

 

コルクを太い方から詰め込み腕をいっぱい伸ばす。

 

確か、頭の方を撃てばいいのかな?

 

 

集中···集中···

 

 

パンッ!

 

その瞬間、不思議なことが起こった。

 

打ち出したコルクがゆっくりと飛んでいくように見える

 

ううん···コルクだけじゃなく周りの時間が遅くなったような感じ…一秒一秒が数十秒に感じた

 

コルクはそのままミッシェルの右上に当たり倒れた

 

 

「――!?いまのは?」

 

「これって取れたことになるのかな?」

 

「店の人に聞いてみたら?」

 

「う、うん。おじさん倒れたよー」

 

「お!やるねぇ~嬢ちゃん。じゃあこれは嬢ちゃんのモノだな」

 

「良かった。取れたよひまりちゃん!」

 

「ありがとうございます。白夜さん!」

 

その後、駄菓子を狙って撃ってみたけど、さっきの現象は起こらなかった

 

_________________

 

 

射的屋台を後にした私は蘭ちゃん達と別れ、短冊に願い事を書いていた

 

「これで良しっと…願い事は二つあるけど大丈夫だよね?」

 

これを飾って…よし!さて、日菜に見つかる前に帰ろうっと…あ!月が出てる

 

折角だから、公園でゆっくりしてから帰ろう

 

 

―公園―

 

 

おじいちゃんの牧場だったら天の川が見えたかな?

 

この公園は…

 

「なつかしいなぁ」

 

私が初めて二人と出会った公園…よく一人でブランコをこいでいたっけ

 

それから三人で高さを競っていたなぁ~いつも日菜が高くてその次に紗夜…

 

私は高いのが怖くて全然こげなかった…

 

チュンチュンッ!

 

鳥が頭上を通ると同時に一枚の短冊が落ちて来た

 

「わっとと…えっと…『おねーちゃんと仲良く過ごせますように』これって…」

 

名前はまだ書かれてないけどこの短冊は…

 

「はぁ…はぁ…こっちに飛んでいったのは見えたのに…」

 

「はぁ…はぁ…だから、言ったじゃない…あら?」

 

鳥を追って来た二人は肩で息をしていた

 

「やぁ!二人共」

 

「ハクちゃん!」

 

「どうしてここに⁉」

 

「えっと…先生と話して、少しだけ外出の許可を貰ったの。ごめんね二人に黙ってて…」

 

「それならいいのだけど…」

 

「ハクちゃん。その短冊…」

 

「これ?さっき鳥が私の上に落としてきたよ」

 

「よかったー」

 

「二人とも座ったら?」

 

「そうね。久しぶりにかなり走ったわ」

 

「……」

「……」

「……」

 

二人共何も話さないから少し気まずい…

 

普段なら私が話始めてもいいけど、今回は敢えて何も話さない事にした。

 

今日は二人が距離を縮めるチャンスなんだから…

 

「「あの」」

 

「あっ…ごめん」

 

「いえ、いいのよ」

 

「おねーちゃんとこうやって話すの久しぶりだから緊張しちゃう」

 

「あなた普段から緊張しないでしょう?小さい頃から…」

 

そう言うと紗夜は何か思い詰めた顔をしていた

 

「おねーちゃん?」

 

「いえ、何でもないわ。この公園は…」

 

「あ!もしかしておねーちゃんも覚えてる!?ハクちゃんは?」

 

「もちろん、覚えてるよ。だって、ここは私達が初めて出会った場所」

 

あの時、私に一緒に遊ぼうって言ってくれたのは“紗夜”だったけ

 

「二人がいなかったら私はひとりぼっちだったかもね。いまは紗夜はRoselia。日菜はパスパレ…二人共忙しそうにしてるもんね」

 

「でも…ううん、なんでもない」

 

「どうしたの?」

 

「ううん!言葉にしたら、お願いごとって叶わなくなっちゃうから」

 

「そう…そろそろ行きましょう」

 

「えっ…もう行っちゃうの?」

 

「それ飾らないの?」

 

「うん!そうだったね」

 

「さて、私もそろそろ…病院に戻らないと」

 

「えぇ…気を付けて」

 

「え~ハクちゃんも?」

 

「先生が心配しちゃうからね。それにもうすぐ手術があるし」

 

「――!そう…なんだ…」

 

「でも、今日は久しぶりに三人で話が出来て楽しかったよ。ありがとう二人共」

 

ベンチから立ち上がり、その場を後にしようとすると――

 

「白夜!」

 

「うん?なに?紗夜」

 

「その…頑張って…また会いに行くわ」

 

「ありがとう。紗夜も頑張ってね」

 

「またねーハクちゃん!」

 

 

 

 

 

 

病室に戻って来ると空はくっきりと晴て星々が見える

 

「織姫様と彦星様は今年も無事に会えたかな?間にある天の川を渡って」

 

射的で感じたあれは何だったんだろう?

 

 

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