準備会場。倫也を中心に主要メンバーとモブが集まっている。
「みんなわかっていると思うが、この負け犬シリーズもこれで最終話だ。本編を見てわかる通り『負け犬5』で恵ルートを終わらせている。『負け犬6』はプロットが変更に変更を重ねて現在迷走中。ファンタジー要素の強いこの『負け犬7』は『負け犬5』のあとが分かりやすいと判断し、こちらから完結させていく」
「それだと読者は混乱しないかしら?」
「基本的には各話で完結している断続的な物語だから、順番の前後はおおむね問題ないはずだ・・・。また『負け犬7』は原案が短編向きなので問題ないと思う」
倫也が一息いれてから、また話を続ける。
「この『負け犬7』は英梨々ルートの最終章であり、その結末は英梨々の判断にゆだねられている。ただし、それは@メインヒロイン型を倒した場合にだけだ」
「わかった。どんなオチでも構わないのね?」
英梨々は落ち着いた様子だ。
「もちろんだ、これでもけっこう長い間連載していきているから、英梨々も成長していると思う。なので、自分で描くエピローグを期待する」
倫也がプロジェクターで映す。そこには相関図が映し出された。
「まず、我々の世界を『表世界』とする。表世界の時間軸は特にこだわらないが、あの春休みの二年後・・・卒業後の春休みでいいと思う。こちら側を主に恵主導で牽引していく。一方、過去のはじまりの場所の坂の上は、『裏世界』とする。こちらを英梨々に担当してもらう」
「OK」
画面が代わり、英梨々の衣装が映し出される。
「まず、主役の英梨々だが、基本的に迷彩服でいく。シチュエーションによって随時着替えてくれればいい。目標は@メインヒロイン型の撃破だが、武器を使用する場合、シンプルな名称にし、具体的な武器名はださない。また、効果音もドカーン、ボカーン、ちゅどーんなど、コミカルを心掛けて、あまりシリアスにしないこと。それから、SFの武器の際は適当な設定、効果、狙いなどをセリフにまぜないとわからないから注意だ。ナレーションの解説を期待しない」
「・・・(ため息)」
「何か質問は?」
「まぁ適当にやるわよ」
画面が代わり詩羽の衣装がうつる。
「おおっ」とみんなから驚きの声があがった。
「詩羽先輩は本作品では裏方に回ってもらい、最終話もグランドフィナーレ以外は出番がない。申し訳ない」
「いいのよ、自分で選んだことだし・・・こうして無事に英梨々ルートになったのだから」
「なので劇中の衣装はなく、最後は着物での登場で華をそえてもらおうと思う」
「制服でもいいのだけど、お正月衣装の出番もなかったし、最後ぐらいは着飾らせてもらうわ」
倫也がうなずく。
続いて美智留が映し出される。
「美智留は『ICY TAIL』のメカニカル型衣装になる。行動が多いので進行表はよく確認してもらいたい。基本的に英梨々に従ってもらえればいいし、助けてあげてくれ」
「わかった。澤村ちゃんを助ければいいのね?」
「うん。あとは自由にやってくれて大丈夫だから、思いっきりな」
「OK、音楽はどうするの?」
「その時その時変えてくれてかまわない、好きにやってくれていいよ。そういう物語なわけだし」
「了解」
美智留が屈伸している。やる気はあるようだ。
続いて、出海の衣装が映し出される
「かわいい・・・」と声が聞こえる。
「出海ちゃんの衣装は本人デザインによるもので、メルヘン基調の魔法少女になる」
「はい。赤を基調に大きなハット、やたらフリルの着いたお決まりのものですね。杖もあります。飛ぶときはこの日傘を使います」
「OK,あまり無理をしないように。役割も重要だし、全体を管理フォローする必要もあって大変だろうけどがんばって」
「はい、諸先輩方にご指導いただき、精いっぱいがんばります!」
続いて、恵の衣装が映し出される
会場がざわざわする。
みんなが加藤恵を探すと、会場の隅で体育座りをして、ぶすぅーと膨れ顔でそっぽを向いていた。
「こちらも出海ちゃんデザインによるもので、『ダークヒロイン型』の加藤恵になります。説明は出海ちゃんから」
「はい!まずはメインヒロイン衣装を黒基調にしました。帽子も黒です。それにカラスをイメージした大きな黒い翼ですね。眼帯つけてそれっぽくしてます。眼帯をはずすと特殊効果で目が赤色に発光します」
「ありがとう、苦労した点は?」
「蝙蝠型にして悪魔風だと、飛ぶときにパタパタ飛んで可愛くなってしまうんですね、そこをバサッーと広げるようにしたところですかね。あそこでむくれてますが、内心やる気で喜んでくれたんですよ」
会場から笑いが起きる。
「やめてよ・・・出海ちゃん・・・」
恵が小声で言う。
倫也が話を続ける。
「では、主要メンバーは各自配置について準備してください。続いて、名前ありキャラとモブの行動説明に入ります・・・」
主要メンバーが部屋からぞろぞろと出ていく。
「よく加藤さんが引き受けたわね、こんな役柄」
「トモが土下座してもダメで、もめたらしいけどねぇ」
「あたしからもお願いしたのよ。せっかくの最後なんだし、一緒にやりたいじゃない」
「なんだかんだやるのが恵先輩ですからね!」
「あのー、人のいる前で人の噂、やめてくれないかなー?」
5人が笑っている。
「そうだ恵、その羽を広げてみてくれる?」
バサァーと翼を広げる。英梨々が指をバチンッと弾く。
黒い羽が舞い散る。
「エフェクトつけてみたけど、どうかな?他にある?」
「ありがとう英梨々・・・うーん、この右手が剣に変形するんだけど」
シャキーンと剣になる。
「こういう硬質な金属の輝きじゃなくって、こう紫のオーラみたいのが湧き出すようなエフェクトがいいかな」
英梨々が指を弾く。
「どうかな?」
恵の手が禍々しい剣になる。
「いい感じだね」
「よし。じゃあ、悔いのないようにね」
「うん」
(それでは本編スタート)
感想。評価等あればよろしくです。