物語が終わり、関係者がうちあげ用のパーティー会場へぞろぞろ向かう。
恵と英梨々が控室会場へ向かう途中で会う。
「お疲れ、英梨々」
「お疲れ、恵。やっと終わったわね」
「うん。ねぇねぇ英梨々、なんかわたしの肌がつるつるなんだけど、何かした?」
「ああそれね、あのスライムは恵用に高級化粧水ベースなのよ」
「へぇ・・・お礼いうところ・・・なのかな?」
「どっちでもいいわよ」
「ありがとね、英梨々」
「いいのよ、あたしはシャワー浴びてから会場いくから、先いってて」
「ちょっとまって、衣装変えてくれる?」
「ちっ」
英梨々が不服そうに指を弾く。恵が白いパーティー用のシンプルなドレスになる。
「ありがと・・・」
※※※
パーティー会場。前列の円卓にすでに詩羽が座っている。
「お疲れ様でした。霞ヶ丘先輩」
「お疲れ様ね、加藤さん」
「ほんと、いろいろとご迷惑をおかけしました」
「妙にしおらしいけどどうしたのかしら?」
「いえ。N02に裏方にまわってもらわないと物語が成り立たないなんて・・・」
「いいのよ、そんなことは。それにあなたのせいじゃないでしょう?」
「ありがとうございました。で、なんで霞ヶ丘詩羽@ねんどろいどver着物(発売中)のままなんですか・・・?」
「澤村さんが戻してくれないからよ・・・」
二人が笑う。
「まぁまぁ加藤ちゃん、堅いこと抜きにして座りなよ」
「うん。ありがとう」
美智留がうながして、恵が座る。
「氷堂さんもいろいろとありがとうね」
「いいえ、ほんと何もできなくって申し訳ない」
「ほんとだよねー」
「・・・」
「まさか、最終話でいっさい音楽ならないなんてね。さんざん『絶望の歌』とかいって、恐怖の音楽を鳴らしていたのにねー?」
「ごめん・・・加藤ちゃん・・・役が複雑で・・・」
「うんうん。しょうがないしょうがない」
「顔が怖いよ~?」
恵が自分の顔をぺしぺし叩いてから、笑顔に戻す。
英梨々と出海が戻ってくる。
「お疲れー」
「お疲れ様です!」
英梨々はさっぱりしたあと、シンプルなドレスに着替えた。
出海はねんどろ〇どのままだ。
「出海ちゃん・・・戻そうか?」
英梨々が指をパチリと鳴らす。出海が元の人型に戻る。
「ちょっと澤村さん、私も戻しなさいよ」
「そのままのほうが可愛くて、宣伝になっていいんじゃないの?」
「・・・(ため息)。戻してちょうだい」
英梨々が舌打ちして、指を鳴らす。詩羽も戻る。
5人でわいわいとしゃべりだす。
出海からも衣装チェンジと音楽が忘れられたのを指摘された。
「でもね、出海ちゃんだって、プロット通り進行してないよ?」
「えっ、どの部分です??」
「ほら、このトイレに隠れているところ・・・」
「・・・トイレに隠れて見つかったら逃げ出すんですよね?」
「そうだけど、呼びかけられてすぐにでてくるっておかしくない?」
「そうですか?」
「ここはさ、ドアがノックされて・・・コンコン、コンコン・・・って」
「ふむふむ」
「それで声を押し殺して、開かないようにドアを抑えるわけ、それで、音がやんで・・・ほっとしたところでわたしが・・・」
恵が目の前から消えて、出海の背後から首を触る。
「ひっー!!」
出海が走って、会場から逃げ出す。
「リテイク」
出海が黙って着席する。
※※※
倫也のねんどろ〇どがみんなのところに駆け寄ってくる。
「英梨々、元に戻してくれよ・・・」
「いやよ」
「もうパーティーが始まるんだよ」
「知らないわよ、あんたが自分のオチでそれを選んだんでしょ?」
「戻し方まで考えてなかったんだよ・・・」
「とにかくあたしは嫌よ」
「・・・出海ちゃん、なんとかできない?」
「・・・あたしは先輩方を差し置いて、余計なことはしたくありません」
「恵は・・・?」
「わたしにそんな能力ないしー、英梨々を選んだ安芸くんにそんなことする義理もないしー」
「お前、怒ってるの・・・?」
「んー、こんだけ大勢をまとめている倫也くんをみんなの前で怒るわけにもいかないけどさぁ・・・ちょっと、裏いこうか?」
「その言い方は怖いのでやめてもらえませんか加藤さん・・・」
伊織が舞台から声をかける
「時間だよ、倫也君」
(つづく)