倫也@ねんどろ〇どのまま壇上に上がる。会場からクスクスと笑い声が聞こえた。
「では代表として挨拶を・・・主演の英梨々、サブヒロインの4名、名前ありキャラ、名前なしキャラ、各種モブの皆さま。ならび撮影を裏方で支えてくださる関係者各位に、厚くお礼申し上げます。なによりもこんな作品を最後まで支えてくださった読者には感謝がたえません」
英梨々と詩羽がひそひそ話す。
「倫也が代表と主人公を兼任したのがよくなかったんじゃないかな」
「その通りね。まぁでも、この体制で走り抜けたことに意味あるんじゃないかしら?」
「完結したものを再構成したら、もう少しよくなる?」
「完成度の高さと面白さは違うわよ。素人演劇の醍醐味はそういう部分もあるわよね」
倫也が続ける。
「あまり長く話をしてても、言い訳ばかり並べそうなので、各ヒロインに一言二言お話をききましょうかね?英梨々お願い。あと姿を戻してくれる?」
英梨々が立ち上がる。
指をバチンッと弾いて、倫也の姿を戻す。
壇上にゆっくり上がる。
「皆様お疲れ様でした。いろいろありましたがなんとか終われてほっとしてます。どの辺が英梨々なのか?自分でもさっぱりなのですが・・・(会場から失笑)。それで思ったのが、物語を進行する役割が難しくしていて、もう少しシンプルな舞台で恵とシーソーゲームができたらよかったなと思います。ね?恵」
「そうだねー」
「英梨々を演じた『あたし』を別な形で登場する機会もありますと思いますので、その時はまた暖かく見守ってもらえればと思います。あと、あたしが勝つストーリーを期待してくれた方がいたら申し訳ないです。まぁなんだかんだ楽しかったわよ。じゃ次、詩羽」
拍手。そして詩羽が壇上でマイクを持つ。
「皆様お疲れ様です。読者の皆様もありがとうございました。作品対する批評を述べると止まらなくなりそうなので割愛させていただきます。(会場笑い)ハーメルンを舞台にぶっつけ本番で毎日連載を投稿することを目標にしてきましたが、各話をバラバラにしたのがどうも相性がよくなかったように思います。負け犬2での読者の挫折は最後まで観測され、それが回避できたらもう少し読者を最後までお付き合いいただけたのかな?っと。ですから、新作に関しては額物語のような形式がいいのかもしれません。じゃあ、次は氷堂さんお願いしようかしらね」
「あたしはいいよー」
「そうもいかないでしょ」
美智留が壇上にあがる。
「お疲れー。難しかった。それに尽きると思う。もっとサークルでハイキングするとか、釣りに行くとか、取材にいくとか、もっと気楽な『冴えカノ』のパロディーでいいんじゃないの?って、ずっと思っていました。ばんばん死んじゃうしさ。でも、さっきもらった新しいプロットみると・・・」
「それ、内緒のやつ」
「え?ああ、ごめん。まぁ大変だったけど楽しかったよ。出海ちゃん代わって」
「はーい」
出海が壇上へ元気よくかけていく。
「こんばんは!お疲れ様でした!全国の波島出海ファンに支えられてこの作品も完走できました。ありがとうございました。とはいえ、わたしのキャラは相当ひどくって・・・劇場版の少ないセリフのみがベースなので、もうちょい原作のセリフをとりいれようなどと思っていましたが・・・。その分、自由度も高くてよかったのかなと思います。『サブヒロインに対して加藤恵が強すぎる』という表現は一番できた気がします」
「出海ちゃん・・・それ、なんか違う」
「というわけで、最後は恵先輩お願いますね」
「わたしはいいよー」
出海が壇上からトントンと軽やかに降りて、マイクを恵に渡す。
「恵先輩がしめないと終われないじゃないですか?」
「じゃあ、一言だけね」
恵が壇上にあがる。拍手が起こる。
やがて会場が静寂に包まれて・・・
「ねぇ安芸くん?・・・これリハーサルだよね?」
会場がざわつく。
倫也の顔が凍てつく。
伊織は笑いをこらえる。
サブヒロイン達は声を押し殺して笑っている。
(つづく)