恵が猫耳衣装になる。しっぽも動く。
「あの・・・英梨々?」
「可愛いじゃない?」
「可愛いかもしれないけど、さっきまでのことがあって、心の整理がつかないのだけど?」
「まぁいいじゃない」
「よくないよ!」
坂の上に人影。
「おわったか~」
「恵せんぱーい。澤村せんぱーい」
出海が手を振る。その頭や肩に小さなものがくっついている。
「何これ・・・倫也くん・・・どういうこと?」
出海の頭から倫也がぴょーんと飛び降りる。着地に失敗してクルクル回って恵にぶつかる。
「見たままよ恵。これがバカ倫也のオチなのよ・・・」
「まさか・・・」
「小人シナリオ・・・を選んだのは恵だったわよね?」
「そうだけど・・・」
倫也が起き上がる。
「どうだ、これが俺の能力『大団円・オールハッピー』だ!」
「どうだっていわれてもねぇ・・・」
「この死んだら、ねんどろ〇どで蘇る。それこそが安芸倫也のカラーだと思うんだ」
「あーそう・・・」
「ここ、重要だぞ?」
「はいはい」
恵がねんどろ〇ど倫也をデコピンする。倫也がころころ転がっていく。
美智留が起き上がる。もちろん美智留も死んだので、ねんどろ〇どになっている。
「うーん・・・ってなんじゃこりゃ??」
「トモ、あんたの仕業?」
「ああ」
「なるほどねぇ・・・」
「感心されても照れるんだが・・・」
美智留が自分の体を動かしている。こちらは運動神経がいいようで、小さいのにちょこまかと動き、軽快に跳ね回る。
「ちょっといいかな、みんな」
伊織@ねんどろ〇どが話す。
「一応、終わりのイベントだけはすませたい。こんな状態だけど・・・」
「あっ、どうぞ」
「これで加藤恵の「呪い」は晴れたことになる、しかし、メインヒロインになりたい人たちは大勢いる。わかるよね、加藤さん?」
「うん・・・」
「確かにイベントのたびにアクシデントが起こる。でも勝つのは必ずメインヒロインだ。だからね・・・呪いの側面もあるけれど、やっぱりメリットもある、そうだよね?加藤さん?」
「うん・・・」
「なので、君のその「呪い」を次に渡して欲しい」
「どうやって」
「加藤さんのメインヒロインを象徴するようなアイテムを渡してくれるかい?」
「あの・・・ぜんぶ溶かされちゃったんですけど・・・この猫耳じゃ、だめだよね?」
「・・・」
英梨々が指をバチンッと弾く
「この白い帽子でいいでしょ?伊織」
「ありがとう加藤さん、こういうのは形式的なものだから構わないよ」
伊織はトコトコと走って喫茶店にウエイトレスを呼びに行く。
ウエイトレスの肩に乗って戻ってくる。
「・・・」
「澤村さん、その帽子を・・・んー、店長バッジに変えてくれるかい?」
「だったら最初から店長バッジでいいじゃない・・・」
「こういうのは儀式が大事なんだって・・・」
英梨々が指を弾いて、店長バッジを作成する。
「ありがとう。では、これを加藤さんから、ウエイトレスさんに渡してくれるかい?」
恵はバッジを受け取ると、ウエイトレスさんに渡す。
怪しい音とともに、恵の体からピンクの煙がでて、それがウエイトレスに移った。
「よし、これでOKだ」
「ほんとに、呪いってあったんだ??」
「本来は祝福のたぐいだよ」
「そうかぁ・・・」
「よい結論が保証される代わりに、『転』が必ず起こる。それがメインヒロインだ」
「そうだねぇ・・・」
「今、普通に倫也君と過ごしたい加藤さんには確かに邪魔なものだよね」
「うん」
ウエイトレスが申し訳なさそうに手をあげる。
「あのー、わたしはどうなるんでしょうか?」
朱音が解説する。
「ああ、それなら、新しい店の店長やってもらう。そして、お前は別のところでワーキング系のメインヒロインをやる。そういうことだ。それと・・・お前、クラスメートAはビラ配りからだが、名前持ちキャラだ」
「はい!」
朱音が指を鳴らす。
朱音と町田苑子とクラスメートAが元の姿に戻った。
「じゃあな。あとはお前らだけで大丈夫だろ?」
「いろいろありがとうございました!」
みんなが頭をさげる。
「町田さんもありがとうございました」
恵が改めて頭を下げる。
「元気でやりなさいよ」
朱音が指を弾くと、朱音、苑子、クラスメートA、ウレイトレスの4人が消えた。
(つづく)