「おはようございます。今日は待ちに待ったクラス対抗戦ですよ!」
遂にこの日が来てしまった。この日まで俺は毎日必死だった。IS関連の知識は頑張ったとはいえ基礎止まり。ついていくのがやっとだった。幸いクラスの皆は優しく、分からないところを教えてくれたりしてくれたお陰でなんとかなった。ただとても腹立たしい出来事が一つ。ルームメイトの一夏がやたらと絡んでくるのだ。勉強があるといってもお構い無し。風の噂ではこいつ参考書を読まずに捨てたとかなんとか。人のことは言えんが大丈夫なのか?こうして勉強している俺ですらギリギリだと言うのに。因みに1組の代表はこいつ、一夏だ。何でも英国代表と一悶着あったらしいが何だかんだで代表になったそうな。
「言ってなかったけど対抗戦で優勝したクラスには食堂のデザート無料パス1学期分が贈呈されるから頑張ってねー」
先生のその発言の瞬間教室がざわめいた。見回すとクラス全員が俺を見ている。
「「「有澤君!私たちのためになんとしても優勝を!」」」
やっぱり女子高生は甘いものが好きなんだな。ここでいいところ見せれれば俺も少しはモテるかもしれん!頑張るぞー!
★★★
そして対抗戦なんだが1組VS2組、3組VS4組となった。1組VS2組に関しては経験の差なのか2組が勝った。何でも中国の代表候補生らしい。平等を期すため俺は戦うそのときまで相手の機体を見ることは出来ない。さて俺の出番だ。行くか。そういえば実際に動かすのは初めてだな。シミュレーター通りにいくといいが、、、システム起動!
『おはようございます。メインシステム、パイロットデータの認証を開始します、、、
メインシステム。通常モードを起動しました。これより作戦行動を開始します』
補助用のAIだが起動時に分かりやすいように音声が流れる。気持ちを切り替えるという面でも有効だし何よりカッコいい。
「よし異常は無さそうだ。KAZAWA 出るぞ!」
ピーピーピー!
「!?」
「すいません、有澤君。重量過多でカタパルトが動かないので自力で出てください」
なんとも締まらない出撃となった。
★★★
結果は圧勝だった。唯一専用機持ちがいない3組は量産機のラファールで来た。開口一番俺に向かって
「何なのその機体wダッサw専用機持ちって言うからどんなのかと思ったら。所詮男ってのはこんなものねwしかも無様にピットから落ちて地面を進むだなんて。良い的よw」
ブチッ 堪忍袋の尾が切れた。沸点が低い?自分の自慢の機体をバカにされたら誰だってこうなる。ぶちギレた俺は挨拶代わりに右手のWADOUを一発撃ち込んだ。こいつは有澤謹製のグレネードランチャーで火力は折り紙つきである。俺はまあ量産機とはいえ3発はかかるかなと思っていた。俺は自分の会社を甘く見ていた。
ボグァァァァァァン!!!!
[ラファール・リヴァイブ、シールドエネルギーエンプティ。勝者、有澤隆彦]
「は?」
想像を絶する爆炎に相手が包まれたかと思えば試合終了のアナウンス。大事なのは爆煙ではなく爆炎ということ。
「え?一撃………?」
爆炎が収まればそこには縮こまって震える女の子が一人。うっすら膜に覆われている辺り安全装置は働いたようだ。
「えーと………大丈夫?」
「あつい………いたい………みみがおかしい?きーんって、なにもきこえない………」ガタガタガタ
「なんか……ごめんなさい」
どうやらトラウマを植え付けてしまったらしい。今後この生徒は相手がグレネードを構えると体が震える症状に悩まされることとなる。なおこの一撃で葬り去った大火力だがギリギリで避けようとして近接信管が作動したものであり、直撃ではないことをここに記す。
★★★
「さあ決勝戦はどちらも専用機を操る者同士。2組と4組だぁ!」
ワァァァァ
盛り上がる会場。
「2組代表。凰鈴音!中国の代表候補生だー!機体の名前は某有名漫画とは一切関わりはありません!」
「対する4組代表は今一番注目されている二人目の男性操縦者。有澤隆彦だー!初戦は圧倒的火力で圧勝でしたが決勝戦はどうなるのか!?では入場してください!」
よし行くか。今度はまずは相手の攻撃を受けてみよう。この機体最大の特徴である耐久性をまだ実感出来ていないからな。では、、、システム起動!
★★★
『おはようございます。メインシステム、パイロットデータの認証を開始します、、、
メインシステム。通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します』
帰還を歓迎しますといってもほんの数分前の話だが、設定上二回目以降はこうなるからしょうがない。とても小柄な相手に驚くが慢心はしない隆彦。何せシミュレーターではフルボッコだったからである。相手が悪かったと言えばそれまでだが
「あなたが噂の二人目ね。初戦は圧勝だとか言ってるけどあたしはそう簡単には負けないからね!」
この凰という少女は初戦で慢心して挑んだ一夏に思いのほか苦戦したため相手が男でも容赦はしないと決めていたのだ。
「しかし見慣れない機体ね。企業連のオリジナルってことかしら。全身装甲だなんて初めて見たわ。それにその脚部パーツは戦車?見た感じ低機動、高火力ってところ?」
「ああ。その通りだ。初戦はあっさり終わってしまったからな。楽しませてくれよ!」
互いに挑発しあって
ビー!
戦いの幕開けを告げるブザーが鳴った。
★★★
ズゴン!
「!?」
隆彦が開始直後に感じたのは僅かな衝撃。見ればほんの少しだけSEが減っている。
「うっそ!?衝撃砲が効いてない!?想像以上ね」
驚く鳳。無理もない、一応この衝撃砲は秘密兵器であり当初の予定ではこれだけで削りきる予定だったからだ。一方の隆彦は
「何かの攻撃?効いてないし無視でいいや」
衝撃砲はいわば空気砲であり弾も砲身も見えない。どうしようかと考えたとき、遠距離が効かないと判断した鳳が巨大なブレードで切り掛かってきた。シミュレーションでさんざんみじん切りにされた記憶が強い隆彦は対抗すべくブレードを呼び出そうとする。近接で射撃武器は不利だ。
「さて、武器一覧はってうぎゃ!?」
一般的な初心者は声で呼び出す。しかし豊富なバススロットで武器庫とさえ呼ばれるラファール・リヴァイブのさらに数倍のバススロットに武装をてんこ盛りなので全てを把握しきれない。何せタンク脚にしたことで生まれた圧倒的バススロットに各企業が彼らの持っている武装全てをぶちこんだのだ。なお弾薬含めて割と余裕で収まっている。そこでディスプレイからタッチで選ぶ形式にしたのだが………
「多すぎ!?」
そう、ディスプレイによる補助が必要なレベルで多すぎる武装。お目当てを選ぶのでも一苦労。しかも会社によって表記が異なり、名前もアルファベットと数字の組み合わせなため何が何だか分からない。救いは名前の横に大雑把にブレードだとかライフルだとか書いてあること。名前は編集できそうなので後で分かりやすいように変えようと誓う隆彦。ついでに無断で聞いてない武装もぶちこんだ企業の連中は後で〆ると心に誓う。
「ええと………射突型ブレード!?ブレードなのか!?じゃあこれ!」
慌ててタップ、と同時にWADOUが消え、そしてその腕に装備されていたのは…………
「なんじゃこりゃあああああ!?」
鉄塊、皆も一度は見たことがあるブルドーザーの先っちょ部分。
「何で解体専用工具が入ってるんだよ!こいつ高層ビルとかを大雑把に潰すやつじゃん!」
GAが伊達と酔狂でぶちこんだネタ武器というやつであった。因みに不要になった大型建築をぶち壊して更地にするのにはうってつけである。
「ええい!ままよ!」
やけくそでドーザーを突き出す。が
「当たるわけないでしょ!」
鈍重なタンクから繰り出される非常にリーチの短い攻撃。当たるはずもなく
「お返しよ!」
叩きつけられた巨大なブレード。しかし
ガキン!ビリビリ
「かった!?てか手が痺れる!?まさかこれ中身は電子機器じゃなくて装甲板!?」
下半身のタンク部分はまさに巨大な鉄の塊。そんなものに全力でブレードを叩きつければそうなる。
「まじ!?あっ、レーザーブレードじゃないのか。なら安心だな」
そう、シミュレーションでみじん切りにされたのは刃が輝くレーザーブレード。実弾防御がトチ狂っているKAZAWAに物理的なブレードは効かない。まあこれがかの零落白夜であったなら話は別だっただろう。
「お返しだ!」
役立たずのドーザーブレードを投げ飛ばし、呼び出したのは安心と信頼のSAKUNAMI。やはり実家ということもあってか有澤武器の使用率は高い。またさっき使ったWADOUよりも発射速度が早く、使い勝手が良い。グレネード故の至近距離での巻き込まれもKAZAWAなら問題なし。更に腕が痺れた鳳は思わず距離を取ってしまっている。
「さあて、仕切り直しだ」
そう言って隆彦はSAKUNAMIの照準を合わせた。
色々変更点が多くて最早新作な気が………