仮面ライダー電王 incompletesong 作:火野ミライ
夜空に浮かび上がる光………
ソレは星の光でなく、命の輝き。
「‥…………………」
その輝きを見上げる少女、めい。その顔に浮かぶのは、怯え…
しばらく見つめた後、焦りの顔を浮かべためいは正面を向き走り始める。
ーお前達の望みを言え、どんな望みでも叶えてやろう。お前達が払う代償はたった一つ…ー
私達の中から出てきた砂の塊が声を発する。
「あのとりえもない
気が付いたら、私達は悪魔と契約していた。
黒い煙が部屋の空気を埋め尽くす。輝きが家具を燃やす。私達は煙を吸わないように身をかがめ、外に向かって進む。あと少しで、外だ!
「響!」
「え?」
お父さんの声が聞こえと思ったら、痛みが襲う。足元を見るとアスファルトの上だった。恐る恐る後ろを振り向くと、家の唯一の出入り口である玄関は無く、燃え上がる火が映る。
「こいつ、家族すら見殺しにした!」
最近は聞かなくなった声が聞こえ恐る恐る声の方へと振り向く。そこにはやはり、ライブ事件の後から私をいじめてた中心人物の一人。
「やっぱ、人殺しじゃん。」
「と言うか、何で死んでないのよ!!」
他の中心人物もおり、5人全員が私を嘲笑う…… あぁ、きっとこいつらが家に放火したんだ。私の家族を殺したんだ。…………………………………………………………ドッチガヒトゴロシダヨ。許さない!許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ
「‥…………………コロス」
「ッヒ!」
憎悪のこもった一言を呟き、立ち上がる響。その表情を見た少女達が、1歩後ろに下がる。その足元には場違いに砂がつみ上がっていた。そんな些細な異常を気にも留めずに響が1歩踏み出した瞬間、響は横から現れた影に抱きかかえれれる形で地面に転がりこむ。
「ッチ!タイミングが悪かったか…」
響きが先程まで立っていた場所を飛び越え少女達の前に降り立つ影。その影はコウモリをイメージさせる青い人型だった。それに続かの様に周囲の建物や屋上から、4体のモグラを想起する影が現れる。
「キャーーーーー!」
少女の一人が指をさし、顔を青くしながら悲鳴を上げた。他の子達が疑問に思い指先を追うと、そこには響を庇い赤い液体を流すめいの姿があった。地面や響の頬にはめいの飛び散った液体が広がる。
日の明かりを頼りに目を凝らすとめいの制服には切り裂かれたような切口があった。未だ傷口から液体が流れるのを気にせずめいは響について自身の液体を親指で優しく拭うと、ゆっくりと立ち上がり異形の怪物たちを睨みつける。
「特異点、やっと見つけたぜ!」
コウモリの怪物が言葉を発するがめいは一度燃え上がる家を見つめ、改めて視線を怪物に向ける。前髪の隙間から覗くその瞳には、普段の何があっても起こる事が無い彼女から考えられない怒りが込められていた。
「め、めい?」
普段と違うめいの後ろ姿に疑惑の声をこぼす響。その声を聞きながらベルトのような物を取り出しそのまま腰に装着。そして横にある赤いスイッチを押した。すると駅に流れるような軽快な音楽が周囲に響き渡る。
「___」
声こそ出てないが口を動かし、黒いパスをベルト中央に読み込ませる。
《 ソードフォーム 》
黒色を中心としたのスーツがめいを包む。胸部を赤、背面に金のアーマー装着され、頭部には割れた桃のような仮面が追加される。
「俺…」
先程まで包帯をあちこちに巻いた少女の姿はそこには無い。めいだった影は想像もつかない荒々しい男性の声を発し、自身を親湯で指す。
「参上!」
足を開き、右腕を後ろへ、左腕は正面に伸ばす大胆なポーズを堂々と取る。
その直後、ベルト左右にある4つのパーツを組み合わせ赤い刃が伸びる剣へ変形。
「お前は!‥…正気か?そいつは特異点なんだぞ。」
「っへ、知るか!そもそも俺は、
「バカか?」「ばかだ!」
「言っとくが俺は、最初っからクライマックスだぜ!」
会話を終わらせめいだった影が走り出しコウモリに一気に接近、手に持つ獲物で叩き切る。突然の一撃で吹き飛ぶコウモリをフォローする為、モグラズが爪や光弾で攻撃を仕掛けていくが手慣れた動きで容易く弾いていく。その勢いのままに叩くように、されど刃先がぶれないように精密にコントロールさせた刃が火花を散らせながら次々と切り裂く。モグラAが腕の爪で攻撃してくるがモグラBを盾にする事で防ぎ、モグラBごと蹴りを入れ吹き飛ばした。
まるで不良のような戦い方をするめいだった何か。
再びパスをベルトにスキャン、響の方へ投げ捨て持ち手を両手で握りしめ剣先にエネルギーを溜める。
《 フルチャージ! 》
「必殺、俺の必殺技……パート2!」
剣先を飛ばし残った持ち手を振るう。その動きに合わせるように剣先が動き怪物たちを斬る。左か右へ、右から左へ、最後に上から下へ。怪物どもが爆発するのと共に剣先が戻る。そして武器を肩に担ぐと満足そうに声をだす。
「へへ、決まったぜ。」
直後、アーマーの色が抜け弾けるようにスーツが消えて元のめいの姿に戻った。一瞬ふらつくも持ちこたえ、響の元に歩み寄る。
「めい、なんだよね?」
「‥…」
響と問いに首を縦に振り、赤黒い液体が付いて無い左手を指し伸ばす。その手を響は握り立ち上がった。右手で黒いパスを握りしめ、唖然とした表情を浮かべる少女たちを背にその場を去る。
二人はそのまま、夜の闇の中に消えていった…………
✖月○日
家を失った。奴らのせいだ。
けど、助けに来てくれためいの肌は冷たいはずなのに、とっても暖かかった。
「立花響の日記」より抜粋