仮面ライダー電王 incompletesong   作:火野ミライ

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時を超えた家族

桜吹雪が舞う一本道。木の根元で起き上がろうと必死に動き回り、親を求めて泣き叫ぶ小さな命。その頭上には鳥の巣があり地面に横たわる雛鳥を心配して3羽が声をかける。通り行く人々は視線は向けてもその足を止めることはしない。

 

次第に雛鳥の動きは鈍くなり、声も弱々しくなっていく。今にも違う意味で飛び立とうとしてる雛鳥をゆっくりと優しく両手ですくい上げる140cmほどの少女。その髪はまるで染まることを拒む純白、逆に何にも染まることが出来ると錯覚させる純白。

 

小さな命を落とさぬようしっかりと片手で包み込み、その体の何倍もの太さを持つ桜の木を登ろうと試行錯誤を繰り返す。しかし少女の頑張りはむなしく、片手では木にしがみつく事すらできなかった。自分の不甲斐なさに舌をかみしめる少女。

 

次の瞬間、黒い瞳は紫色に変わり、どこからともなく帽子とヘッドホンが出現。更に少女から見て左側の前髪に肩につくほど長い紫色のメッシュ、少年の様な笑みを浮かべ、先程まで登ることのできなかった木をダンスをするがごとく、遠心力を利用し素早く登りあがり手に持つ雛を鵜に返して飛び降りる。

 

もう落ちちゃダメだよ♪

 

雛鳥に一声かけた後、素肌を隠すように巻かれた血が滲んだ包帯に視線を向ける。半袖のシャツから見える両手に乱雑にまかれた包帯。その下にある傷の感触を確かめた少女はすぐさま軽快なステップを踏み、この場を去っていくのだった。近くに設置された時計の針が動いた次の瞬間、少女はその姿を消していた………

 


 

_____2043.04.XX

 

雨が降る町中をめいと二人で歩く私。片手には買い物用のバックを持っている事も有って、周りから見ればお使い中の姉妹に見えているのかもしれない……

 

[野上めい]

その名前は私との関わりを持つための偽名。彼女の本名は私も彼女の家族同然の奴らも、彼女自身すら知らない。何せ彼女は生まれたその瞬間、時間を支配しようとする未来の人々によって連れ去らわれたのだという。

 

彼女が連れ去らわれた理由、それは彼女が[特異点]と呼ばれる存在だから。歴史が書き換えられても彼女が覚えている限り、歴史は元に戻る。だからこそ彼女を攫った人達は改変した時間を正しい物として覚えてもらう為に拉致監禁したという。

 

そんな幼少期を過ごした結果、めいは喋る事はなく、髪も色が抜け落ちたらしい。全部彼らから聞いたこの先で起きるめいの過去。日本語がおかしいけど、間違ってない。彼女はいつどこで生まれたのかさえ分からないけど、私が死んだずぅ~~~~~~~っと未来で日の光を浴びず、友達の意味すら分からずに過ごす。

 

これは彼女が()()として覚えている。変わらない、変えられない未来(かこ)。彼女が認識している事が正しい歴史なんだ。どんなに否定したくても、どんなに変えたくても、変える事は出来ず肯定し続けなければいけない特異点の定め。

 

閑話休題(話を戻して)

 

遥か先の未来で監禁されてためいがなぜ私の横にいるのか? その疑問は簡単に解決する。[イマジン]と呼ばれる未来を生きる魂。彼らは過去の人達が持つイメージで肉体を補い、取りついた人の願いを叶える事でその人の大切な時間へと繋がるゲートを作り出す。その先の過去で暴れ、歴史を狂わせる事で未来を変える。

 

そのイマジンの一体である赤い鬼のイマジン、[モモタロス]はめいの監視をしていた。けどモモタロス自体は不満だらけなうえに喋れないめいとの契約は出来ない、そのため今でも不完全の状態で時間の狭間でしか実態を保てない。

 

そんなモモタロスのストレスが爆発し、めいの体を使って暴れる事も有ったらしい。しかもそこに特異点(めい)の特性を利用する亀、めいと友情をきずいた熊、めいがおかしな行動をとったら殺すように命令された龍、めいの境遇に目を当てられなかった天狗、めいに恩を感じた王気鳥(きどり)、新たな監視役の霊が次々とめいに取り付いて来た(モモタロス談)。

 

イマジンにとって取り付いた人間(契約者)と言うのは、契約が完了するまで命がつながっており、人が死ぬとイマジンも死ぬと言う。そんな彼ら(霊を除く)はめいの自由をつかみ取る為に時を移動する電車を奪い取り逃走。この時間に逃げ込んで来たらしい。

 

そしてこの歴史の[分岐点]である私に接触する為、野上めいを名乗り中学に編入した。どうやって戸籍を手にしたかとか、分岐点は何って聞いたらはぐらかされたけど……………

 

とてつもなく大切な事だとは思うけど、教えてくれないならそれでいい。私はめいのそばに居るから。大変な時に寄り添ってくれる人が居ないのが、どれだけ辛い事なのはよく知っているから。本当の名前も家族も知らずに育った彼女に愛着があるのも事実だし。

 

視線をめいに向けると相変わらず、あちこちに包帯やらガーゼやらなんやらを付けいる。これは消えない傷跡を隠すためでもあり、新しい傷の手当。相変わらず時代(そと)に出る度、何かしらの不幸を身に受けるので目を離せない。

 

そんなことを考えていたらスーパーに到着。 ………………地獄はここからだ。現在の時刻は午後4時。世のお母さま方とセール品や割引品の取り合いになる。それに巻き込まれたら最後………

 

 

 

めいがどうなるか分からない(真顔)。

 


 

幸いな事に押し潰れそうになったり、気が付いたら一人で迷子を助けようとして一緒に迷子になってたり、傷口が開いて包帯に血が滲むだけで済んだ。ちなみに一番ひどいときは吹き飛ばされて、店の物を壊して商品ダメにして、痙攣を起こした時かな?

 

あの時は焦った。めいはこの時代の人間じゃないから、保健所とか無いし。アレ?どうやって中学生なったの?? …………聞いてもはぐらかせるオチだし、気付かなかった事にしよ。

 

めいが分厚い定期パスの様な[ライダーパス]を持ち、その辺の扉を開く。本来ならその先に続く道は無く、扉の先には時間の狭間。永遠に続くと思うぐらい辺りに一面に広がる砂漠に、オーロラが広がる多色の空。

 

そこにポツンと止まる赤い全面パーツが特徴的な時を渡る電車[デンライナー]。めい達が未来から逃げる為に盗み出した物らしく、現在では私達の住居として使ってる。中に入ると色とりどりのイマジンがそれぞれの反応で迎えてくれた。

 

_ただいま。

声は出なくても、彼らに伝えるかのように笑みを浮かべるめい。彼女を中心に集まるイマジン。その様は異形ではあるけど、確かな絆がある家族。その光景を見てるとどうしても思いだす、家族と一緒に過ごしていた時間。

 

「なに今更、遠慮してんだよ響。お前もこっちこい!!」

 

私が遠目で見てるのに気が付いためいが私の手を握り、めいの桃太郎のイメージで肉体を形成る赤鬼の様なイマジン[モモタロス]が代りに声をかけてくる。私はめいの手を握りしめ、輪の中へと入っていく。

 

拝啓、天国のお父さん。お母さん。おばあちゃん。私、立花響は何処までも不幸で、何処までも優しい少女と一緒に元気に暮らしてます。だから、安心して眠ってください。




データの整理してたら途中まで執筆してたのが出てきたので投稿。そうは言っても誤字を治すぐらいしかしてないからおかしいところあるかも。
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