吉井明久の野望R   作:いくや

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 Sideが変わります。

 忘れられているかもしれない一応出てたオリキャラ。

 では、どうぞ!!




第12話 美濃と姉妹と厄介者

 

 目覚めるとそこは新緑が豊かな山の中だった。

 

 「小説チックにしても誰得だよって話だ」

 オレ、佐々木颯は何故か山の中にいた。オレの記憶が正しければ学校にいたはず。

 

 「あの光か……またあの学園長やらかしたな」

 ということは、ここらへんに他の連中もいるはずなんだがな……

 オレが見渡す限りそんなやつらはいない。

 

 「起きないオレを放ったらかしにしてどっかに行った可能性も否定はできないが」

 何せあの時、あの部屋にはろくな連中がいなかったからな。

 

 

 「こっちです姉上! さっき来たとき寝転んでいた男がいたのは!」

 「きゅう、さく……走らないで………ください…息が……」

 「あ、ごめん姉上。もうすぐ、ほらあそこ! って起き上がってる!」

 「………あの男の人ですか?」

 どうやらオレのことを言っているらしい。

 

 「何者だ! ここらでは見ぬ顔だな!」

 先ほど姉上と言っていた気の強い少女がオレを問いただした。

 

 「何者だ、と聞く前に自分から名乗ったらどうか? それが礼儀というものだ」

 「なにを~っ!?」

 「失礼しました。私、竹中半兵衛と申します。くすん」

 聞こえなかったわけではない。しっかりと聞こえた。竹中半兵衛、と。

 この病弱そうな少女が? ポイントはそこではない。

 オレはいつタイムスリップした。いや待て。タイムスリップでもないな、半兵衛は男のはずだ。オレの大好きな戦国時代の武将の名前。いややはり考え直そう。それはオレの偏った先入観。同姓同名の少女かもしれない。

 

 「えっと、そちらは?」

 「竹中久作(きゅうさく)!」

 ふむ。同姓同名がまた。兄と弟から、姉と妹、という関係に変わっているが……

 

 「オレは佐々木颯」

 「その佐々木とやら! ここで何をしている!」

 「そちらこそ」

 「ここは先祖代々竹中家の領内。領内ではそなたが見慣れぬ顔故当主である姉上を連れてまいった」

 ふむ。なるほど……確かめてみるか。

 

 「というとここは菩提山(ぼだいさん)?」

 「そうじゃ」

 「ここは美濃国?」

 「そうじゃ」

 「今の世は乱世?」

 「そうじゃ」

 我ながらアホ丸出しの発言ではないかと思うが、これではっきりした。オレのいた世界とは違う。カメラも見当たらないし。ドッキリという感じでもない。

 

 「オレはどうやら迷い込んだらしい」

 「どこから来たのじゃ!」

 「未来」

 「はあっ!? 何を寝ぼけておる!」

 「久作、人の話は聞くものですよ。くすん」

 姉妹で完全に役割分担が出来ているみたいだな。

 

 「くすん。ついてきてください」

 「城に入れるのですか姉上!!」

 「けほけほ……道に迷って先ほどからお腹を空かせている人物を放っておくわけにはいきません」

 そういえばさっきから腹がなりっぱなしだな。

 

 「ありがたい。感謝する」

 お言葉に甘えて菩提山城に入ることに。道中ずっと久作ちゃんのほうはブツブツ言ってたんだけどな。

 

 

   ☆

 

 

 「満足満足。ごちそうさま」

 「よかったです。くすん」

 「そろそろ身の上話をしてもらわないとな!」

 女の子が口が悪いことで……でもいたよなこういう男勝りの女の子。

 

 「信じるか信じないかは別だが、オレは未来から来たと思われる」

 「未来~!?」

 「それは未来とやらの服ですか?」

 ん? 服装まったく気にしてなかったが、制服じゃん。そりゃ不審に思われるわな。

 

 「そう。こんなの見たことないだろ? 証明はこれしかできないが」

 「まだないのか?」

 「オレが知っているこの乱世は、竹中半兵衛と久作は男だったんだよな~」

 「それは違う話ではないのか?」

 合ってるようで違うようで。オレらがいた直結の過去ではないのかもな。

 

 「まあ、半兵衛が今孔明と呼ばれるほどの知識の持ち主で、久作がその半兵衛を補佐する武人ってことくらいかな~」

 「姉上は日の本一の知識人じゃ! 臥龍と言われ世に出る機会を待っておる!」

 「久作、余計なことです。けほけほ」

 「ところで今の世の中での出来事は何があった?」

 男と女という性別が変わっているとはいえ、場所・時代は変わっていないのだから他にも情報は仕入れることが出来るかも。

 

 「美濃の斎藤道三様が尾張の織田信奈様に惚れ込んで美濃を譲ると明言した。その言動がきっかけで義龍様が道三様を尾張に追放した。今美濃は義龍様のもの」

 ふむふむ。オレらの世界でいうと「長良川の戦い」だろうが、道三生きてるんだ。ちょっとずつ世界は変わっていると思ってよさそうだ。

 

 「佐々木さんは ー 」

 「颯でいい。名字で言われるの慣れてないんだ」

 「わかりました。颯さんは、一時ここにいてもらいます。けほけほ」

 「う~ん行くとこないし。ちょっと厄介になろう」

 ここで出来るだけの情報を集めるか。それにちょっとこの2人見てると楽しいし。

 





 補足。
 史実では、竹中半兵衛と竹中久作は兄弟です。
 竹中家は美濃の菩提山一帯を領しています。

 尾張に良晴、三河に雄二、遠江に明久、駿河に優子、
 そして美濃に颯。5人目の登場ですか。
 誰がまだ出てないかな~
 楽しみにしててください。

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