吉井明久の野望R   作:いくや

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 三河ではなく……
 遠江優子Sideです。

 1話あたりの分量が少ないからかな?
 話が進んでる感じがしないや……

 では、どうぞ♪



第17話 妹と風流と三相同盟

 

 何でアタシ「明久くん」なんて呼んだのかしら。

 空気を読むのにもほどがあるでしょ!

 本人は気づいてないみたいだからそこは救いね。

 男子を下の名前で呼ぶなんて秀吉以外初めてよ……

 

 とか思いながら歩いている浜松に来た。

 道中、何か話しかけてきた感じだったがさっぱり頭に入ってこなかった。

 多分大事な話はしていないんだろう。

 

 

 

 「あ、みんな揃ったみたいです~」

 アタシたちが最後に浜松城にやってきたらしい。

 

 「松平軍に新入りも入ってきたことですし……みなさん自己紹介始めてください~」

 それってアタシたちのことだろう。わざわざ気をつかってありがたい。

 

 「古くから仕えている、酒井忠次、だ」

 数正さんとどこか似通った雰囲気だけど……こちらのほうが戦場馴れしてる感じ。

 

 「すでに知っておるだろうが……本多忠勝」

 ハチちゃん。その強さは折り紙付きだ。

 

 「ハチと同じころに姫様に仕えたよ! 榊原康政っていうんだ! よろしくね♪」

 なかなかテンションが高い子ね。どこぞの愛子って子にそっくりだわ。

 

 この子らとこの隣にいるバカの4人が松平四天王って呼ばれるようになるなんて想像もできないわ。吉井明久、ではなく井伊直政、が史実らしいけどね。

 

 「………………鳥居元忠」

 どこか高橋先生を感じさせるわね。クールというよりかは無口といったほうが正しいかもしれないけど、雰囲気は似ているわ。

 

 「井伊谷の吉井明久です!」

 「木下優子。よろしくお願いします」

 遠江では主にこのメンバーでやっていくのね。三河には松平家当主の元康さんの妹、信康さんをトップとし、補佐役に数正さんを置いている。

 

 「早速だけど~どうしよっか~」

 この当主……大丈夫なのかしら。

 

 「駿河は既に武田の手の中でした」

 「この遠江、北を信濃、北東を甲斐、東を駿河、と三方を武田に囲まれていますね♪」

 そこは楽しそうに言うところじゃないと思うんだけど……

 

 「………………いつ狙われるかわからない」

 「姫様、どうお考えで」

 「まず~氏真ちゃんがどこに行ったか知ってるですか~?」

 「氏真、って誰でしたっけ?」

 すかさず隣のバカが聞いてくれる。

 

 「今川義元公の妹君じゃ」

 「姉上に似て風流人だったね♪」

 「………………相模の北条の下で保護されておりまする」

 「そうなんだ~よかったです~」

 一応、前主君の妹だからな安否は心配なんだよね。

 

 「信奈様は美濃と伊勢を一気に攻め取るお考えのようですね~」

 「美濃には斎藤、伊勢には北畠がいるというのに無茶な!」 

 「そうでもないみたいですよ~それが信奈様ですから~」

 「我が軍はどうしますか? 姫様♪」

 楽しそう。天真爛漫とはこのことかな。

 

 「北条と同盟を組もうかな~」

 「………………よいかと」

 「武田とは同盟を組んでいたはずでは?」

 ハチちゃんが不思議そうな顔して尋ねていた。

 ここら辺の話はアタシたちじゃなく、彼女らに任せよう。

 

 「武田が今川と同盟を切って攻め込んだ際、北条は武田と同盟を切っています」

 「ということは、敵の敵は味方?」

 「難しい! そこはみなさんで考えて♪」

 なるほど。戦働きが主らしい。康政さんは。忠次さんは結構何でも出来そうで、ハチちゃんは意外と頭脳も使う。元忠さんは、ただ姫様に忠誠を誓うのみ。

 

 「それに、旧主今川義元公の弔い合戦とでも申せば、我が軍に義は立ちますな」

 「相模にいらっしゃる氏真公も担げばよろしいと」

 「わかりました~みなさん。では、使者は~明久さんたちお願いしますね~」

 「ぼぼぼ僕!?」

 驚いた。この軍議ほとんど言葉を発していない彼のもとにお鉢が回ってくるとは。

 

 「拙者が参りまするぞ!」

 「いえ。これは決めたことです~みなさんは武田の侵入があった時のためにこの浜松にいてもらいます~」

 要は、松平の家臣になって間もない上に少数の井伊谷の軍勢に期待するより、ほぼ確実に果たせる同盟の使者のほうに期待しているというわけですかね。

 

 「謹んでお受けいたします」

 「優子さん!?」

 「最善の策よ」

 「そうはいっても~」

 そう。懸念材料は残ってる。問題は、遠江から相模に行くルート。

 陸路の場合、武田領(駿河)を通らねばならない。海路の場合、水軍もないアタシたちが目的地にたどり着くか。

 

 「行き方はお2人に任せます~」

 「んな無茶な!?」

 「資金はどれほど?」

 「あまりありません~」

 「意外とドS!?」

 結構無理難題を押し付けられたような感じでもあるわね。

 

 「わかった。行ってくるよ相模の北条 ー ?」

 「氏康公じゃ」

 「北条氏康とやらに会って、同盟を組んでくるんでしょ?」

 「頼みました~」

 アタシたちはひとまずこの浜松城を後にした。

 

   ☆

 

 「どうしたものだろう」

 「織田に頼むのは無理でしょうね」

 「あちらも忙しそうだからね~」

 陸路でいくのは危険すぎる。かといって海路は手だてがない。

 

 「海に出たところでどうすることもできないし……」

 「可能性がある陸路に賭けるわけ?」

 「……迷ってる暇はない。優子さんは留守番を頼むよ。僕だけ行ってくる」

 「待ちなさい。2人でって言われたでしょ。アタシも行くわ」

 「でも危ないよ。危険だらけだよ!」

 「そんなのわかってるわ。でもね、あなた1人で果たして役目勤まるかしら?」

 「ぐぬぬ…………わかった。絶対危険な目には合わせない。僕が守る」

 「言ってなさい。守られる側にならないことね」

 足の震えが止まらない。気にしていないつもりなのに。

 

 「優子さん、震えてるよ……やっぱりやめておいたほうが ー 」

 「いいの!! 行くったら行くの!!」

 今度ばっかりは今まで以上に難易度が高いわね。それは怖いわよアタシだって。でも……

 

 「どうしてもそこだけは譲れないわ」

 「うん。僕もこれ以上は言わない。いや、言えない。一緒行こ!」

 「わかったわ」

 こうして、遠江から駿河を越え相模の小田原に向かう旅路へとついた。

 

 





 あっちに行ったりこっちに行ったり大変なお2人。
 どのくらい歩き続けているのやら。
 
 ようやく他のキャラ出せそうですね。
 武田か北条か。
 出てくるのだけは予告しておきましょう。
 次は誰かな?

 次話がその話かどうかはお楽しみ。
 美濃に戻るかもしれませんしね。

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