美濃颯Sideです。
まだ新キャラ出ませんでしたね……
タイミングを見計らっています。
今のところ、20話21話のどちらかくらいに。
その前に……
大切な美濃と尾張のほうを。
では、どうぞ♪
菩提山城のとある一室。重要な話し合いということで、竹中家当主半兵衛と妹久作、叔父安藤守就、そしてオレの4人が集まっていた。
「どうしようか半兵衛ちゃん」
「けほけほ………仕方ないですね」
「まさか見破られるとは思わなかったよ」
2度の織田と斎藤の戦争が終わっていっときしてから竹中家にこのような書状が来た。
竹中半兵衛、至急稲葉山城に登城されし。
偽物ではなく本物の竹中半兵衛だ。
わしをもたばかりおっていかなる所存か。
申し開きをされい。 斎藤義龍
「行きましょう。くすんくすん」
「罠かもしれないよ」
「そうだとしても、主君の命は絶対。そむくわけにはいきません」
「わかった。オレもついていく」
偽物はいらんとは書かれていない。今度斎藤義龍、お前と会う時は偽竹中半兵衛ではなく佐々木颯として会おうではないか。
「わっちは呼び出されておらぬのう」
美濃の重臣のはずの安藤守就、この頃稲葉山城に向かう機会がない。
それは美濃三人衆と呼ばれる稲葉一鉄、氏家卜全、そして彼は諫言ばかりするので美濃の国主である斎藤義龍に嫌われているとか。その代わりに、側近の日根野備中守や斎藤飛騨守を愛用しているそうだ。
「おっさんもついてきたほうがいいな」
「久しぶりに金華山にも登りとうなってきたな」
金華山とは稲葉山城がある山のことである。
「よし。久作ちゃんが留守番だな」
「わたしも行く!」
「わたしにもしもがあった時は久作が代わりに竹中家を盛り立てるのです。くすん」
「必ず生きて帰ってきてください!」
たかだか主君からの呼び出しに大げさなとは思えない。
才ある者、嫉妬には気をつかわなければならない。
☆
「そういえば何で美濃のマムシが国主の時に仕えようとは思わなかったんだ? どうみてもそっちのほうが待遇がいいだろう」
井ノ口の町(稲葉山城の城下町)を歩く道中、半兵衛ちゃんと会話をする。安藤のおっさんもいるのはいるが買い食いに夢中だ。
「道三様は怖いです……くすん」
「あーそうだよな。義龍も十分怖いぞ」
身長はなんといっても六尺五寸(約2m)だ。現代人でも大男。この時代の平均身長が現代より10cm以上小さいから、オレたちがいた世界でいうと、2m10cmくらいの大男だ。
「でも、いぢめません…くすん」
それは要するに……頭が悪いから意地悪に見えないと取っていいよな。
「ってことは織田の当主は ー 」
「怖いです。くすんくすん」
「やっぱりな……」
密かに織田へと通じさせようと思ってはいるが、当の本人がこれならば仕方ない。
「そろそろじゃのう」
確かにそろそろ稲葉山城。ただ、門からがまた長い。戦国きっての要害堅固な城と言われているだけある。
半兵衛ちゃんは少ない体力を振り絞って登りきった。
☆
「貴様、何をする!! 我が主竹中半兵衛に!!」
登城を終え、ようやく義龍と面会をしようとして門をくぐった時、突然、半兵衛ちゃんが大声をあげて泣き出した。上から何やら降ってきていると思いきや、誰とも知らないやつが小便を半兵衛ちゃんにかけやがったのだ。
「お、おなご!? わしは……わしはー!!!」
と言って逃げ出した。待てやこらお前。この責任をどう取ってくれようぞ!!
「あやつは斎藤飛騨守、義龍様の側近」
なるほど。主君に愛され、調子に乗った若造が邪魔者の半兵衛をないがしろにしようとしたということか。
「なんだなんだ?」
「なにごとだ?」
「あれは、半兵衛殿ではないか?」
「お召し物がびしょびしょに」
と、斎藤の家臣たちが物見見物にやってきた。見世物じゃないぞこら。
中心には義龍もいるし。どうにか収集つけろよ。飛騨守もとっくに逃げおおせてるし。
「ぐすん……ぐすん……いぢめないでくださあああいいい!!!!!!」
絶叫。これほど大声が出るのかというくらい大声をだした半兵衛ちゃんは、その声と同時に妙な札を取り出した。
「いかん、颯どの半兵衛を抑えてくれ!!」
「えっ?」
「こーん、前鬼登場。我が主の恥辱を晴らすべく参上つかまつった」
「後鬼」
この後、全部で14体にも及ぶ召喚獣みたいなやつ(=式神)が現れた。
「でたああっ!!」
「竹中半兵衛の術じゃー!!」
「謀反じゃ謀反!」
「逃げろ~!!」
口々に斎藤家臣は逃げ出した。その家臣を1人1人違う式神が追う。この式神、召喚獣と違ってそれぞれが意思を持っているから操作をしなくてもいいのか。その動きに見とれていると、この金華山から斎藤家臣団はいなくなっていた。
「これは……」
「半兵衛、でかしたぞ。稲葉山城はわっちらのものじゃ」
「半兵衛ちゃん、大丈夫か!」
式神は跡形もなく消えていたが、半兵衛ちゃんの様子がどうもおかしい。
「実は使いすぎるといつもこう ー 」
「半兵衛ちゃん!!」
どうする……どうするよ!!
「おいおっさん! 半兵衛ちゃんをいますぐ!!」
「それはもちろんじゃが……稲葉山城は ー 」
「んなもの後からだろうが! 責任もって義龍に返しとけ!! オレは菩提山に帰る」
「待て颯どの!! 半兵衛の意思は……?」
「起きるまで待てってか? 欲が深すぎるぜおっさん! 姪っ子を大事にしないのならお前は叔父失格だ! いいかよく聞け。オレは菩提山に半兵衛ちゃんを連れて帰る。安藤伊賀守守就、お前は斎藤義龍に責任もって城を返せ! 何か言われたら竹中半兵衛は責任取って隠居したとまでな」
「お主……我が安藤一族は ー 」
「竹中家は久作ちゃんに継がせるんだ。こうなった以上、義の武将竹中半兵衛は消えなければならない。半兵衛ちゃんもそう望んでいるはずだ!!」
「………承知した。わっちは義龍様に城をお返ししたのちは久作の後見をしよう」
それでいいぞおっさん。まずは半兵衛ちゃんが体をもとに戻すことが先決だ。
☆
「こ、この城を出て隠居する!?」
数日後、無事に体調が回復した半兵衛ちゃんは先の4人が集まった時にこう告げた。
「姉上、本気ですか!?」
「竹中家は久作に任せます。叔父さんも後見を頼みます」
「しかと承った」
「ちょ、ちょっと姉上、わたしにはそんな力が ー 」
「大丈夫です久作。叔父さんと協力すれば大丈夫です」
短い間だったが、竹中半兵衛の活躍は目を見張るものがあった。偶然に偶然を重ね、謀反のような形となってしまったが、半兵衛は義の武将。そのようなもの本意ではない。ということを示すために隠居をする。オレとしてはそれと同時に、病弱な半兵衛ちゃんをこれ以上酷使してほしくないという願いもあったがな。
「お主らお似合いじゃ。わっちを安心させるためにもの ー いやなんでもない。この話は半兵衛が無事に菩提山に帰ってきたときにしようとするかの」
隠居するって言ってんのに、このおっさんは復活を既に待ち構えているのか。
「オレは隠居するといえども竹中半兵衛についていく。2人ともさらばだ」
「半兵衛を頼むぞ」
「姉上~!!」
最後までぐずぐずしていた久作ちゃんだったが、仕方がないと踏ん切りがついたのか最後は笑顔で見送ってくれた。
「半兵衛ちゃん、これでよかったんだね」
「はい。竹中半兵衛は死にました」
「そう……か」
再び世に出る気は毛頭ないということだな。
「療養だね」
「はい」
「今からどこに行くんだっけ?」
「長亭軒城です。近江との国境にあります」
えっと確か、関ヶ原のとこね。別名松尾山城といって関ヶ原の戦いのおり小早川秀秋が陣取った場所だな。
史実の半兵衛はここで隠居して浅井ともつながりを持つんだよな。
「誰かそこにいるのかな?」
「浅井の家臣の樋口殿と言われる方がいらっしゃいます。かねてから懇意にしてましたので、この機会に少しお邪魔しようかと……くすん」
浅井のとこってのがちょっとばかし嫌だが、本人が尾張には絶対に行きたがらないだろうから仕方ない。
「颯さん、稲葉山城のおり、ありがとうございます。叔父さんに聞きました」
「いやそんな大したことしてないよ」
「これからも迷惑をかけるかもしれないですが、よろしくお願いします」
「えっ…いやこちらこそ。オレみたいなのをそばに置いてくれてありがとう」
「もし颯さんがよければ ー 」
最後のほうは何て言ったかさっぱり聞こえなかったが、表情が晴れやかで安心した。
これで戦乱の世とはおさらばだな。
表舞台から竹中半兵衛が消え去る。
どうなるのか!?
歴史を知る颯はそれを止めることなく、ついていく。
織田につけばよいことを知っているはずなのに。
原作ともアニメとも違う展開にしました。
これで、信奈を見てない方でもいざ見てみようってなった時にワクワクするかも。
見てる方は逆にこちらの展開も新鮮でよかった、のかな?
コメント・感想等
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