サブタイトルからもわかる方はいらっしゃるかもしれませんが……
以前投稿していた「吉井明久の野望」とは違う場所にタイムスリップします。
1話1話が短いですがよろしくお願いしますね。
では、どうぞ♪
そろそろあの光もなくなったかな……
まぶしさが瞼の裏から感じられなくなったから目を開けた。
「あれっ?」
さっきまで一緒にいたはずのみんながいない。みんながいない、どころではなくAクラスの教室ですらなくなっていた。
「何があったんだ……?」
あの光に包まれてからとその前とで記憶が繋がらない。記憶喪失って感じでもないし。
「と、ともかくみんなを探そう」
なぜか知らない場所にいた僕は行く当てもなく適当にぶらぶらと歩いた。でもさ。ここは本当にどこなんだろう。田舎だよね。マンションとかおっきい建物全く見当たらないし。まさか、あの光には催眠効果があって寝ている間にドッキリか何かで見知らぬ土地に連れてこられるとかいうやつ!?
「にしても、連れてこられる場所ひどすぎ……田んぼのあぜ道って手がかり0じゃん」
ともかく、人のいそうな場所のほうに歩くしかない。農作業している人くらいいてもいいじゃ ー いた!
これこそ第一街人発見って感じ! 街ってより村?
「すいませ~ん!」
少し遠い場所を歩いているおばあさんらしき人に声をかけてもらう。でも、耳が遠いのか歩き続けていた。
僕は見失わないようにダッシュでおばあさんのところまで走った。
「すいません!」
「何用じゃ?」
ようやく追いついた僕は直球で質問をした。
「ここはどこですか?」
「なんじゃ。お主若いが旅人か?」
「え、まあそんなところですかね」
「ここは遠江国、井伊谷じゃ」
僕は耳を疑った。遠江国? 旧国名? 僕だってちょっとは日本史勉強しているからわかるようになったけど、こればっかりは理解不能。
「ついてまいれ。お主、害はなさそうじゃ」
「はあ……」
もう少し情報収集すべくそのおばあさんの言うとおりにする。しばらく歩くと、大きな小屋みたいなところに到着した。
「直虎様! また勝手に出かけてもらっては困ります!」
「心配するでない」
「隣の見慣れぬ人物は?」
「客人じゃ。気にするでない」
「見慣れぬ服を着ておりますが」
「面白そうじゃろう。じゃから連れてきたのじゃ」
そういや服とか気にしてなかったけど、僕制服のまんまじゃん。周りの人和服っていうのかな? 昔ながらのあのよく大河ドラマとかに出てきそうな薄い格好だよ。
「護衛はいらぬぞ。人払いじゃ。誰も部屋に入ってくるでない」
おばあさんはそういうと部屋に入って僕だけを呼びつけた。一体何が……?
「名を聞いてなんだ」
「吉井明久といいます」
「ほう。よき名じゃ。わしの名は井伊直虎(いいなおとら)じゃ」
かっこいい名前だけどおばあさん。昔は迫力ある女性だったに違いない。
「お主は見込みがある」
「は?」
「わしはの、長くはない。じゃが後継ぎがおらぬ。みな死んでしもうた。今川様は近いうちに尾張に出兵すると仰せじゃがわしは無理じゃ。そこでお主に家督を譲りたいと思うておる」
言っている意味が分からなかった。しばらくぽかんとしていたらおばあさんが続けた。
「初めて会ったお主じゃが、その目、顔立ち、いずれも立派な大将になる者じゃ」
「え、えと……何を言ってるんですか?」
「井伊家の家督をお主に譲る。直政の代わりじゃ。あやつはわしの代わりに死んでしもうたからの」
全然状況がつかめない。
「ここは?」
「先ほど言うたであろう。遠江国、井伊谷じゃ」
ようやく少しわかった気がする。僕タイムスリップしたんじゃない? 家督とか今の人たち使わないよね。でもどうやって? まさかあの光がタイムスリップを引き起こしたのか!?
ということは、どういうことだ? これもまたミスなのか!? それともこの世界観を味わせたかったのか。
何はともあれ、元の世界に戻るのを考えたほうがいいね。たぶん、僕以外にもあそこにいたメンバーは迷い込んでいると思う。仲間を集めて元の世界に戻るためのカギを探さないと。
「黙ってるということは承知してくれたのじゃな」
「え?」
「井伊直政として元服させたかった子の代わりじゃ。お主よく似ておる」
「僕何が何だかわからないですけど?」
今僕が理解したのは、タイムスリップしたという事実だけだ。
「それは家臣団……言うてもここらの住民じゃがの。そやつらがお主を補佐するのじゃ」
「そんなの僕には!」
「心配するでない。あやつらにはわしから言うておく。今日からお主はわしの子じゃ」
勝手に決まってしまった……タイムスリップしたかと思えば家督を継ぐとか意味わからないよ。
……そういえば。井伊直政ってあの徳川家康に仕えていた井伊直政!? 赤備とかで有名な!
僕がそう考え事をしていたら、部屋の中に人がぞろぞろ集まってきた。
「な、何が?」
驚いていると部屋中に人が入ってきた。ざっと50人くらい。
「お主らに頼みがある」
「なんでしょう直虎様」
「わしは隠居し、こやつに家督を譲る」
それは確定なのね…もう反論する元気もないや。
「どこの馬の骨ともわからない男に格式高い井伊家を譲るのですか!?」
馬の骨て……僕はれっきとした人間だ。
「見てみい。こやつを。直政にそっくりであろう。直政の生まれ変わりとして使えるのじゃ」
「直政様の! 承知いたしました。直虎様のおめがねにかなった人物なれば」
「わたくしらに依存はございません」
すごいカリスマだな~直虎のおばあさん。てか僕が人の上に立つってどういうことだよ。自分が驚きだ。
「名をなんと?」
「え、僕? 吉井明久」
「明久様、よろしく頼みまするぞ」
「この井伊の名はどうなされる?」
「井伊の名は分家があるので気にするでない。この井伊谷を守ってくれる大将が吉井明久になっただけじゃ。今日より、吉井家に仕えると思え」
なんかすごいことに巻き込まれている気が。名門って言ってたのにこんな人間をトップにするって。
「これで何も思い残すことはない。明久よ頼んでおくぞ」
「え、あ、はい」
なんか頼まれてしまった。これで僕はどうやっても井伊直政の生まれ変わりとして生きるしかなくなった。
尾張ではなく、遠江にきました明久。
何故かわかりますかね。
以前と違う点は、織田信奈の野望のほうの主人公を出しているというところですね。
井伊直政は、直虎のおばあさんの身代わりとなって亡くなったそうです。
その代わりを務めるは明久。
荷が重すぎると思うが、出来るのか明久!?
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