吉井明久の野望R   作:いくや

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 相模明久Side。

 ムッツリーニと再会した明久は相模を歩いていた。

 では、どうぞ♪



第24話 同盟と小田原と包囲網

 

 「ムッツリーニはこの相模の地に?」

 「………………ああ」

 ムッツリーニに名ばかりの護衛をしてもらいながら小田原を目指す。

 

 「………………言い忘れてた。俺は小田原何て場所は知らない」 

 『はあっ!?』

 「………………息がピッタリ。仲良くなってる。妬ましい」

 「そこはいいから、小田原城知らないの?」

 衝撃の言葉が。何のためにムッツリーニを連れてるのか。

 

 「………………俺がこちらの世界に来て風魔の地にしかいなかったからな」

 「風魔、と言えば忍者か。ムッツリーニあれ以上に進化させたわけ?」

 「………………俺に出来ないことはない」

 「かっこいいけど、使い方思いっきり間違えるよね~」

 主にエロ方面にしか使わない。

 

 「………………風魔の当主の小太郎様に話を通す。多分いいはずだ」

 「確証はないの?」

 「………………さあ、そろそろ風魔だぞ」

 「スルーなんだね」

 相変わらずムッツリーニはムッツリーニだ。

 

 「明久くん、土屋君について行って大丈夫なの?」

 「心配ないさ。どのみち、僕たちだけじゃどうしようもないからね」

 「それもそうね」

 「………………明久、くん(・・)? しばらく見ないうちに明久……」

 「それはいいからこっちの世界に来てまでそんなのしなくていいから!」

 「………………覚えておけ。異端審問会」

 ぎゃーっ! 向こうの世界に帰っても死刑が確定しちゃった~!!

 このままこちらの世界で過ごすのも悪くないと思ってしまう自分がいる。

 

 「………………ついた。風魔の里」

 「なんかやっぱすごいね」

 独特の雰囲気を醸し出している。

 

 「………………普通の者は入れない。ここで結界が張ってある」

 「そんなのまで!」

 「………………土屋康太だ。小太郎様に会いに来た。この2人も中に入れていいか?」

 「お待ちください。小太郎様に確認してまいります」

 一種の城だね。普通の城よりかここ落ちないよ。

 

 「どうぞ。屋敷におられます」

 普通の人間じゃ考えられないようなスピードだった門番。ムッツリーニもそれを不思議に思わないだなんて……

 

 「久しぶりだな。今日は何用?」

 「………………この者たちが面会を」

 屋敷に入ると、既に1人の人(男か女かわからない)が座って待っていた。

 

 「そうか。お主の知り合いか」

 「………………そう」

 「吉井明久っていいます」

 「木下優子です」

 「この者らがどうかしたのか」

 声を何度聞いても男性か女性かもわからないよ。流石は風魔。謎に包まれてる。

 

 「僕たち松平家の者なんですけど、北条氏康様に会いたくてやってきたんです」

 「姫様に……というかよく武田領内を抜けて参られた。普通なら殺されるはず」

 「傷は負いましたけど、無事でした」

 「姫様にはその勇気に免じて合わせてやろう」 

 よかった。でも最後の難関が待ってる。同盟を組めるか否か。

 

 「まずはその傷の手当て」

 と言って、僕たちの怪我の手当もしてくれた。優しいな。

 

 

   ☆

 

 

 「姫様、この者たちです」

 「松平の者たちと言ったな」

 「はい。吉井明久です」

 「木下優子です」

 大きい大きい小田原城に入って、本丸まで案内されたんだけど、めちゃくちゃ緊張する。松平家みたいに家臣が少なくはない。ずらっと並んでいるから怖い。

 北条氏康。姫武将。大人びていてしっかりしてそうだなあ。

 

 「わざわざ遠方から何しに参られた」

 「率直に申します。我が松平家と北条家、同盟を組んでいただきたい」

 「断るわ」

 「何ゆえにございますか」

 あまりにもそっけなく返事を返された。このまま引き下がるわけにはいかない。

 

 「対武田を意識しているんでしょ。武田を敵に回したくはないわ」

 「北条には、滅びた今川氏真公がいらっしゃるはず。我が松平家は北条家と手を組み、氏真公を駿河の国主に返り咲かせようという ー 」

 「それには及ばないわ。氏真は国主なんかしたくないって言ってた」

 な………それは想定外だ。

 

 「今北条は、上杉と対峙しているの。武田まで敵に回すと小田原と言えども踏みつぶされてしまうわ」

 「む…………」

 どうするべきか。ここで武田を放ったらかしにしておくわけにはいかない。

 

 「武田と上杉は仇敵のはず。手を組むことはないのでは?」

 優子さんが助け舟を出してくれた。頼んだよ。

 

 「そうね。そうかもしれない」

 「氏康様は武田信玄をどう思われてます?」

 「いけ好かない奴。いつかはこの手で滅ぼしたいと思ってるけど今はその時期じゃない」

 「それならば、上杉と和睦してはいかがでしょう?」

 「なっ!?」

 「上杉謙信公は義の武将と聞き及ぶ。此度の武田信玄の行い、目に余る行為。と訴えればたちまち北条と同盟を組み、武田を討つのでは?」

 流石は優子さん。敵の敵は味方だね。

 

 「武田包囲網ってわけ?」

 「ええ。3国が協力すれば武田と言えども厳しいでしょう」

 「松平は織田と同盟を組んでるのでは?」

 「そうですね。4国大がかりな同盟となりましょう」

 スケールが大きい。武田包囲網か。ちょっとワクワクする。

 

 「その話、聞き入れる価値がありそうね。上杉が攻めてこないだけでなく、武田も攻めてこれない状況になったらこの小田原も安泰ね」

 「そうです。この話聞き入れてもらえますか」

 「皆の者、今の話聞きましたね。我が北条家は上杉と和睦、同盟を組む。その後、上杉に掛け合って武田包囲網を作り上げるわ」

 成功した! 優子さん。ありがとう。ほっとした。

 

 「上杉には北条から言っておくわ。事の次第は松平に伝えるわ」

 「ありがたい」

 「見ていなさい武田信玄。4国同盟ならばあなたも震え上がるでしょう」

 「姫様、この者らは」

 「帰していいわ。わざわざご足労ね」

 一仕事を終えて(優子さんのおかげだが)小田原城を出る。

 

 「ありがとう優子さん、僕一人だったら終わるところだったよ……」

 「傷まで負ってこんなところまで来てダメでしたで帰るわけにはいかないからね」

 「よかったよ本当に……」

 優子さんの機転がなければこの2人の傷は無駄に終わるところだった。

 

 「このまま遠江に帰るのか」

 「ですね。もう役目も果たしましたし、松平の姫様にもお伝えせねば」

 「陸路は危ない。今度こそ命を落とすであろう。土屋、船で遠江まで送るのだ。同盟の暁にお前はそのままこの2人と行動を共にするがいい。もう伝えることはない」

 「………………承知しました」

 「風魔の秘密、言ったらどうなるかわかるな」

 それ知りたいけど、どうなるかわからないからやめておこう。

 

 「吉井と木下だったかな。2人の勇気、あっぱれ。また会おう」

 お礼の一つくらい言いたかったのにいつの間にか姿消すんだもんな。

 

 「………………行こう」

 ムッツリーニが風魔の近くの船着場に行くと、気軽に船を出してくれた。結構すごい立場なんだね。

 

 

   ☆

 

 

 「無事、帰り着きました」

 「首尾はどうだったですか~」

 浜松に帰ってくると、松平の姫様1人しかいなかったけど話を進める。

 

 「我が松平と北条、既に同盟を組んでいる織田、そして上杉、この4国で武田包囲網を作ることに相成りました」

 「す、すごいことになりました~お疲れ様です~」

 「ありがとうございます」

 「みなさんには私からお伝えしておきますので、明久さんたちはその足で信奈様に報告してほしいです~」

 やっぱりドSだ。休む暇さえくれない。

 

 「姫様、何やら怪しい男が」

 「………………服部半蔵か」

 「お前は誰だ」

 「こらこら2人とも城内で暴れない。落ち着いて」

 姫様の護衛の半蔵さんとムッツリーニが今にも闘いそうな雰囲気になっていた。

 

 「僕の仲間だから半蔵さん」

 「なかなかの手練れ」

 「風魔で鍛えたんだって」

 「いつの日かお手合わせ願おう」

 「………………受けて立つ」

 ムッツリーニがかっこいい男になってる。もうそれはいいから……

 1日だけ休みをもらって、今度は3人で尾張 ー いや美濃に向かうことに。

 

 





 同盟を上回る包囲網。

 これにはたぬきの姫もビックリ。
 うつけの姫は巻き込まれたがどう反応するのか。

 これで本格的に康太ことムッツリーニも共に行動することに。

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