吉井明久の野望R   作:いくや

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 明久Side。

 壊滅寸前の織田軍の前に、少数だが三河武士が援軍に駆け付けた。
 織田を滅亡させるついでに松平もといきり立つ浅井・朝倉連合軍が猛烈に攻めかかるのである。
 
 では、どうぞ♪





第40話 戦争と平和と見慣れた光景

 僕と雄二と秀吉は颯につき、最前線へと駆け上がった。颯が大声で勝家さんと犬千代ちゃんを呼び、退かせるのに成功した。そして颯は残った兵士をまとめ上げる。

 

 「まずはこれで落ち着くだろう」

 颯はそう息をついたものの、戦況は全然変わっていない。ここで織田を滅ぼせると勢いづいている浅井・朝倉は攻めに攻めてきている。松平最強の軍の3隊を連れてきてもまだ劣勢極まりない。数の上でも1対2くらいの割合で不利だ。

 

 「ここからどうするの?」

 「どうって言われても、もう織田方の兵士に戦う余力は残っていない。後は状況を見ながら下がるしかねえよ。松平の援軍には期待している」

 「捨て駒にするつもりなの?」

 「んなわけねえだろ。織田は連戦につぐ連戦なんだ。もう限界なんだよ。正直、松平が軍勢引き連れてきてくれなかったら、ほぼ全滅でオレらは京に戻らなくてはいけなかったかもしれないからな」

 僕はそんな颯の悔しそうな顔を見て、決断した。

 

 「じゃあ、元気が有り余っている人たちだけ残して、あとはさっきの信奈さんのところへ戻ろうよ」

 「そいつらをどうするつもりだ」

 「僕が共に戦う。ハチちゃんも忠次さんも康政さんも戦っているんだ。僕が戦わないわけにはいかないよ。僕だって松平の人間だからね。颯は戦えない人たちを連れて下がっておいて。そこは織田の人間としてしっかりとしてね」 

 僕は言うことだけ言うと、一瞬だけ雄二や秀吉とアイコンタクトを取り、いったん休養を取っていた織田の敗残兵に声をかけに行った。

 

 「まだ元気が有り余っている人いますか? 僕らは浅井・朝倉と戦ってきます!!」 

 5分5分で誰もいないんじゃないかと思ってたけど、その予想は当たってしまった。颯の言うとおりに、もう戦う気力すら残っていなかったのだった。

 

 

 「明久、いくか」 

 「当然。僕ら3人でもいくよ」

 広い野原に陣取っていた松平3軍。中央に忠次さん、右に康政さん、左にハチちゃん。僕らはそのどれにも所属せずに、別行動を取り始めた。

 

 「お前、横から攻める気か」

 「まあ正面から行ったところで僕らの存在が消えるだけだよね」

 あえて人がいないところから攻めることで少しでも相手に動揺を生み出せば。でも、ここは平地。林など隠れる場所はない。でも、急いで相手の横めがけて走り出す。今は乱戦中だ。気づかれない可能性だってある。気づいたとしてもたった僕らの3人のために陣を崩してくれるならありがたい。

 

 「ここらあたりか」

 敵味方が入り混じっておらず、目の前には敵だらけ。この場所は最適じゃないかな。運よく気づいていないよ。相手も勢いに乗ってて横には全く気付いていない。

 このまま無言で攻め入ろう。相手に混乱を与えるのだ。

 

 

 「いこう!」

 僕ら3人は一斉に敵に向かって突っ込んでいった。最初の数人は何が起こったかわからずに斬られていったけど、やはり異変に気付いたのか周りに人が集まってきた。

 

 「敵の奇襲だ~逃げろ~逃げろ~!!」

 僕は大声を出す。すると雄二もこの作戦に乗ってくれたのか、僕より大声で戦場に声を響かせる。一瞬のスキをついて、僕らは奥深く入り込まずにななめにそれも自陣に向かって攻め込んだ。敵が後ろから来るなんて思ってもいないからさらに大混乱に陥れることが可能になるよね。

 

 「奇襲だ奇襲だ~!!」

 「松平方の援軍吉井明久だ!!」

 雄二が勝手に僕の名前を出していた。なぜそんなことを言う必要があったのか。そんなことも考える暇もなく僕らは剣を振り続けていた。

 

 「敵は少数だ」

 「というよりわずか3人じゃねえか」

 「無謀だな」

 「つぶすぞ」

 思ったよりも早く相手に気づかれてしまったようだ。そのことに気づかれたら僕たちはあまりに危険な場所にいる。敵に囲まれているんだからね。その包囲網をじわじわと縮めてこられている。僕らは自然と背中が合わさってしまう。

 

 「どうするよ明久。囲まれてしまったな」 

 「不思議と死ぬ気がしないんだよね」

 「アホだな」

 「そういう雄二こそ。ついてくるなんて相当なバカだよ」

 「ぬかせ。それをいうなら ー 」

 僕たちはさっきから全然しゃべらない後1人に視線を移す。

 

 「()()()()だってそうだよね」

 「そうだな。こんなところまでついてきて」

 「アンタたち気づいていたわけ……か」

 「そりゃそうだよ。もう見分けつくからね」

 なんか雰囲気で。でもあの時颯に何も言わなかったのは、優子さんの相当な覚悟を見たから。僕らがどうこう言ってとまる雰囲気じゃなかったからそのまま何も言わずについてきてもらった。でも、こうなった以上、全力で彼女を守り抜くしかない。

 

 「後ろは任せたよ2人とも!!」

 じりじりと迫ってくる敵の包囲網に対し、僕たちは全く同じタイミングで背中を離し、逆に斬りかかった。

 

 

 「僕たちなんかずっと気にしちゃっていいわけ?」

 「そうだぞ。そろそろあの優秀な3人の軍隊が迫ってくるんじゃないか?」

 僕と雄二は弱者における対応の仕方をマスターしている。戦いながらも相手の注意をそらすとかね。ほんの刹那、全員が前方から迫ってくる僕たちの援軍に気を取られた。

 もちろんそんな一瞬でも僕らが見逃すわけがない。優子さんの手を取り、僕らに背を向け援軍の様子をうかがっていた人たちを蹴り飛ばし、全速力で味方の軍へと走り出す。

 

 『待ちやがれ!!』

 『逃げ出すな!!』

 もちろん待つわけがない。そこらへんにいる敵の兵士たちは蹴り飛ばしながら殴り飛ばしながら斬り飛ばしながら、追手から逃れる。

 そして、ようやく本多忠勝つまりハチちゃんの旗印が見えてきた。これで助かったと思いきや………味方であるはずの本多軍に狙われ始めたのだ。

 

 「ちょ、みんな僕たちに気づいていない!?」

 「敵だと認識されているぞ」

 「それはそうでしょ。浅井・朝倉がいるほうから駆けだしてきているのだから!」

 僕らは奇妙にも前からも後ろからも攻撃を仕掛けられることになってしまった。

 

 「ハチちゃん!? 僕だよ。吉井明久!! 攻撃とめてよ!!」

 大声で叫ぶと聞こえたのかハチちゃんが攻撃中止の命を出してくれた。これでもうまくいかないのが僕たちの定めなのだろうか。後ろから追ってきた浅井・朝倉がもうすぐそこに。

 

 「ここは退くわけにはいかないよね!」

 後ろには味方しかいない。ならば援軍を待って攻撃に耐えるってのがいいだろう。

 逃げ帰って軍を混乱させるよりね。

 

 「優子さんはもう戻っていいよ。これ以上戦わせるわけにはいかない」

 「何言ってるの。そんなこと ー 」

 「いや、正式に言うと戦うことが出来ない。と言っていいか」 

 「どういう意味坂本君」

 僕ははじめ雄二が何を言っているか分からなかったけど、直感でなにをするのかわかってしまった。長い付き合いって怖いな。

 

 

 

 

 「こういう意味さ。明久いくぞ!!」 

 雄二が胸ポケットから取り出したのは久しぶりに見た黒金(くろがね)の腕輪。清涼祭での優勝賞品だったなあ。

 

 

 

 「起動(アウェイクン)!!」

 僕はその声に懐かしさを覚えながら、いつも通りのあの声を出す。

 

 

 

 「試獣召喚(サモン)!!」

 見慣れた魔方陣が姿を現し、その次に僕の召喚獣が現れる。

 これぞ、僕と雄二にしかできない戦争だ。

 

 

 「しょ、召喚獣!?」

 「起動確認はしていたからな。後は召喚獣が出るかどうかが問題だったんだ」

 黒金の腕輪はフィールド展開を出来るが、自分自身で召喚することは出来ないんだよね。今まで隠していたのはこういうとっておきの場面で使いたかったのかな。

 

 「物理干渉がある僕にしか出来ない仕事。優子さん、そういうこと」

 「アタシの召喚獣じゃ人を止めることが出来ない、というわけね」

 「ご名答。木下は下がってこいつの戦いっぷりを見てな」

 こんなに余裕でしゃべっている暇はない。召喚獣の登場に驚いた敵軍だったけど、すぐに気を取り直して僕のほうに迫ってきた。知ってるかな。召喚獣に生身の人間で対抗できるのはただ1人。鉄人だけだよ。みんなじゃ残念だけど相手にならないね。

 

 「明久、そろそろ出し惜しみせずに本気だせ!」

 「あれが本気じゃなかったわけ!?」

 「そうだね……」

 僕は肌身離さず持っていた白金(しろがね)の腕輪を手にあの言葉を放った。

 

 「二重召喚(ダブル)!!」

 常夏先輩と戦って以来だろうか、ダブルを使うのは。2つに増えるのはいいけど、同時に動かすのが難しいんだよね。でも……今の僕はそんなこと関係ない。戦場にいる女の子を守り抜き、そして友人を助け出す。

 

 その一心で戦い続ける。やがて周りから敵がいなくなり、敵は逃げ帰って行ったようだ。

 

 

 「明久さん~すごいです~」 

 ふと無人となった敵陣のほうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

 「ははっ……召喚獣とはな。まさかこの世界でも使えるとは思ってもいなかったぜ」

 「良晴さんは黙っててくださいよ~死なれたりしたら私が怒られます~」

 だんだんと近づいてきた声の主。その人影は3人。顔を観なくてももうわかる。

 

 「姫様~!!!」

 「ご無事でしたか!!!!」

 「よかったです!!!!!!」

 戦争が終わってこちらに集まってきた3人が真っ先にたぬきの姫様に会いに行く。それで、その隣にいるのは生死不明だった良晴。そして護衛の半蔵さん。

 

 「無事でよかったよ」

 姫様があちらで取り囲まれている中、良晴は1人こっちにやってきた。それはそうだよね。松平軍に良晴知っているのはほとんどいないんだから。

 

 「俺が簡単に死ぬわけないだろ。それよりお前らも助けに来てくれたのはありがたい」

 「お前はついでだ。俺たちは姫様を助けに来たんだからな」

 「あーそうかよ。それで、何でお前らが前線で戦ってるんだよ」

 「織田軍は壊滅したよ。早く信奈さんの元へ向かいなよ。将は何とかみんな生き残ってるから」

 「織田が壊滅!? 俺がいない間にそんなことが……」

 良晴がいなかったから壊滅したのではないかという雄二の小声が聞こえてきた。そうなのかな……まあ真偽は分からないけどね。

 

 「良晴、やっと戻ってきたか。遅かったな」

 「颯……京はどうした。仕事を任せたはずだが」

 「てめえの命がかかってて、いや織田の命運がかかっているのに京なんかいられるか」

 「ふっ………信奈はどうしてる」 

 「お前が死んだという話を聞いて、信奈筆頭家臣全員が無謀な戦に挑戦しボロボロに敗れている。お前のせいだ。お前が何とかしろよ」

 颯……きっついね。良晴だって大事な仕事した帰りじゃなかったのかな。

 

 「早く案内しろ」

 「もちろんだ……それより、ムッツリーニらはどうした」

 「ちゃんと後ろから来てるさ。俺と元康は急いで戻ったがいいと言われてな」

 「奴らも急いで戻ったほうがよかったんだが」

 「女の子がいたからな……スピードをその子に合わせているさ」

 女の子といっても、霧島さんと工藤さんと秀吉だけじゃないか。やっぱり疲れてしまったのかな。後ろからちゃんと来ているなら安心だね。

 

 「それならばいい。早く戻るぞ」

 颯は1人馬に乗ってきてやってきている。もちろん良晴の分はない。僕らの分もない。

 

 「お前らの馬はあそこにある」

 と言って颯の50mくらい後ろに2頭いた。あそこが僕らの最初いたポイントだったんだ。よく走り回ったよ。

 って2頭? 1頭どこに行ったんだよ……

 

 「良晴後ろにのれ」

 「急げよ」

 一足先に颯と良晴が本陣に向かっていった。僕たちはそれを追いかけるようにして馬の元へ向かった。

 

 「僕たちも急ごう」

 「先行くぞ!」

 「ちょ、待ってよ雄二! 2頭しか馬が ー 」

 「そんなもんわかりきったことだろ!」

 雄二は僕らを放っておいて、先に駆けだした。

 

 「優子さん、仕方ないから後ろ乗って」

 「しっかり操りなさいよね」

 「昔の僕じゃないんだからそこは安心して」

 僕は後ろに優子さんを乗せて前の3人を追う。無事に姫様が見つかった松平軍はゆっくりと後ろからついてきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「相良良晴、ただいま戻りました!!」

 本陣の近くに来ると、良晴が大声を張り上げていた。良晴のこの声に、ざわざわとなっていた本陣から1人、また1人と織田家臣勢が出てきた。

 

 「ひ、姫様! サルが……サルが生きてましたぞ!!」 

 「これは素晴らしい。満点です」

 「…犬千代との約束守った」

 「先輩が死ぬなんて思ってもなかったですけどね」

 「よかったです。前鬼さんに頼んでおいて正解でした」

 『ホントなの? また嘘とかでしょ……もういいわ』

 「信奈はあんな感じだ。良晴、お前行って来い」

 馬から降りた良晴は本陣の中に走って行った。その後ろから家臣団もついていく。さっきまで暗かった人たちとは思えない。良晴がどんだけこの人たちに愛されていたのかわかるなあ。

 

 『ホントにホントの良晴なの?』

 『何べん言えばいいんだよ。俺の顔忘れたのかって』

 『忘れてなんかいないわ。これ夢よね』

 『夢なんかじゃねえよ』

 「なにはともあれ、主力が全員無事でよかった。これで良晴が本当に死んでいたら織田軍は立ち直っていないからな」

 良晴はやはり織田軍における重要ポイントを占めていたようだ。

 

 

 「おっ、後ろから松平軍も帰ってきたみたいだな。ムッツリーニたちもちゃんと戻って来れてるし ー って、あいつ女の子っていう意味はそういう意味だったのか」

 颯が謎の言葉を言っているのが気になって僕も振り返って見てみる。

 そこには、ムッツリーニと霧島さんと工藤さんと秀吉まではわかる。ただ ー 。

 

 「アキ~!! 何木下といちゃいちゃやってんのよ~!!」

 「明久くんひどいです。私たちがいないところで!!」

 姫路さんと美波がいた。なるほど、姫路さんがいるのならばやってくる時間が遅くなるのは当然のことだよね。でも良晴も意地悪だよな。何で2人の存在を教えてくれなかったんだよ。

 

 「この声は、お姉さまですね!! お会いしたかったですお姉さま!!」

 「何で美春がここにいるのよ~!!」

 「お姉さまがいるところにはわたくしが!」

 「意味わからない~」

 なにはともあれ僕に迫る危険は清水さんという新たな人物の登場によって取り払われた。

 

 「よよよよ吉井君!? 君はどうして木下さんと2人で?」

 「あ、久保君。どうしてそんなに慌ててるの?」

 それに悪寒がするんだけど。なんでかな。文月学園にいるころからそうだったんだけど、久保君と会うと悪寒がするんだよね。

 

 「あら、やっぱり優子は吉井君と♪」

 「…優子、恋敵(ライバル)登場したけど」 

 「あ~やっぱり吉井君はわたしたちがいない間に!!」

 「許さないわアキ!!」

 なにがどうなっているかわからないけど、確実なのは美波が清水さんをどうにかして、こっちにやってきたということだけだ。

 

 「ちょ、ちょっと待ってよ。優子さん ー 」

 「「優子さん?」」

 「へえ~名前で呼んでるんですか~瑞希、気にならない?」

 「それはちょっと気になりますね~美波ちゃん」

 「「うふふふふふふ………」」

 怖いんだけどこの人たち! 僕っていつもこんな恐怖に追われていたっけ!? 戦場のほうが怖くないのはどういうこと!!

 

 「助けてよ優子さん!」

 「どうすることも出来ないわよ」

 「そんな~」

 「こうなったらいっそ、こうしちゃおっか」

 と、優子さんが思いついたその行動に僕は驚愕のあまり、声が出なかった。

 

 「くぁwせdrftgyふじこlp;!?」

 「何驚いてんのよキスくらいで」

 そう突然優子さんが僕の唇に自分の唇を重ねてきたのだ。

 

 「明久くん!?」

 「瑞希、これはおしおきが必要じゃないかしら」

 「ええ。そうですね美波ちゃん」

 「吉井君、君はなんということを!?」

 「おねえさま~美春は諦めませんよ!!」

 「だから美春邪魔しないでって言ってるでしょ!!」

 「嫌です~!!」

 「明久よ、あっちの世界に帰ったら覚えておけ」

 「………殺したいほど妬ましい」

 「…雄二、優子たちに負けてられない」

 「ま、待て待つんだ翔子。くそ~!! 明久のバカめ! 逃げるしかねえじゃねえか」

 「ムッツリーニくーん、ボクとやってみる?」

 「………なんでお前なんかと」

 「嫌なの? ボクなんかと出来ることそうそうないよーあははは」 

 「全くお主らは相変わらずじゃのう……2人ともお似合いじゃぞ」

 「許しませんっ!!」

 なにか騒々しいが、僕の耳には何も入って来なかった。優子さんが僕にキス? 何がどうなってるんだ。僕は夢を見ているんじゃないか。どうなんだ? ここで夢オチなんだよね。

 どうなの!?

 

 

 『夢なんかじゃない~!! このエロザル!! わたしが眠っている間に唇奪おうとしてたでしょ!!』

 『お前も合意の上だっただろ!!』

 『信じらんない最低っ!!』

 『先輩、そんなに接吻がしたいのならばわたしと』

 『おおおおお前が助かったらわたしの胸を好きにしていいと言ってしまったが……』

 『勝家はバカに胸が大きいだけ。良晴は小さい女の子が好き』

 『いーえ、同じ名前のよしみでわたしのことが!』

 『ふぉっふぉっふぉ……ボウズと信奈ちゃんお似合いじゃのう』

 『いいですわね若いというのは』

 『うふふ……これでやっと織田軍がもとに戻りましたね。120点です!』

 

 

 夢じゃないらしい。

 これが現実? 本当に本当なの!?

 

 

 

    ☆

 

 

 「颯さん、これは……一体」 

 「特に何もおかしいことはないぞ。いつもどおりだ。良晴たちはもちろん、明久たちも」

 「そ、そうなんですね……颯さん、少し耳をお貸しください」

 「何か秘密の相談でも?」

 半兵衛は颯が顔を自分の近くまで持ってくると、すかさず口づけをした。

 

 「ななななっ!?」

 「わたしもははは恥ずかしいですが……いつものお礼です」

 半兵衛はりんごのよう顔を真っ赤にして照れた。

 そんな半兵衛に颯は無言で抱きしめるのだった。

 

 

 

    ☆

 

 

 「あああああああああアタシったら一体何をっ!? 正気の沙汰じゃないわ!! ああああああ明久くんさささっきのはなし! なしったらなし!!!!」

 優子さんがこれ以上乱れることはないんじゃないかなっていうくらい、取り乱して馬も転げるように落ちて、走り去って行ってしまった。

 夢じゃないんだ~優子さんが僕にキス……忘れれるわけないじゃないか。

 

 「あ~き~ひ~さ~く~ん?」

 「もう逃がさないわよ」

 「せせ説明してもらうよ吉井君!!」 

 なぜか久保君まで僕を取り囲んでいる。身の危険を感じた僕は馬に乗ったまま逃げることにした。

 

 『…雄二、逃げるなんてひどい』

 『当たり前だろ!!』

 『ムッツリーニ君、ボクらは ー 』

 『………何を言っているんだ()()は』

 『何故ワシが叩かれるのじゃ~!!』

 『なんでなんでなんでなんで!! アタシどうしちゃったのよ~!!』

 『お姉さまはどこですか? 美春は何を一体!?』

 逃げる最中様々な声が聞こえてきたが、今の最優先事項は”逃げ”だ。ともかく追手から逃げる。捕まったら死。

 

 

 「明久さんは人気ですね~」

 「織田軍における相良良晴のようだ」

 「姫様は行かなくてよいのですか?」

 「私はいいですよ~みなさん混じっても構わないのですよ」

 「ハチも混ざってくる」

 「わたしもだ!」

 なぜかしら松平軍の方々も混じってきたんだけど!?

 

 もうわけわかんない……でも、これが日常、なんだよね……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 第一部完結編です。
 
 アニメが大体ここらへんなので……
 2期が放送されることが決定したら続き書きます。

 まあ、主人公が2人も3人もいると書きづらいというのが今回判明しました。
 誰をヒーローとするかとか…結局どっちつかずになった感は否めませんね。

 コメント・感想・評価などなど
 いつでもお待ちしておりますので、是非ともお願いしますね!!

 前作「青春と音楽と召喚獣」も見ていただけると嬉しいですね。
 次回作「バカとオレと彼女たちR」もお願いします。
 ありがとうございました!!


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