吉井明久の野望R   作:いくや

7 / 40

 んとまあ……

 前書きに書くこともないので……

 早速ですが、どうぞ♪




第7話 悪友と乗馬と戦国最強

 

 「よしっ……今川のお館からも許可をいただいたことだし」

 「松平の軍勢と合流しましょう」

 今川の本隊に従軍していた僕らはそこから離れ、先行している松平のもとに向かった。

 

 「木下さん……」

 「何かしら?」

 「馬に乗れたんだね」

 「初めてよ」

 驚きだ。乗馬が初めてでも馬は乗りこなせるのか。現に僕だって振り落とされそうになってる。それを左右についている人たちが必死で抑えてくれてるけど。まだ走らすことは出来ない。

 

 「あれは!?」

 誰かの声が聞こえてきた。その声に反応して僕らは前方を見た。そこには一騎こちらに駆けてきている。

 

 「めちゃめちゃ速くない!?」 

 「吉井君、馬上の主は女の子よ」

 「ええっ!?」

 驚いている暇などなかった。あっという間に僕らのもとに迫ってきていた。逃げ出す暇もなく(追ってくるものから逃げ出す習性がついている僕って……)その馬はやってきた。

 

 「井伊谷城主、吉井明久か?」

 「そうだけど」

 この子誰だろう。僕は知らないんだけどなあ。

 

 「あなたたち、警戒しないの!?」

 木下さんが後ろに向かって大声で叫ぶ。あ、そっかこれが敵だったら僕たち一発アウトだもんね。

 

 「明久様、その方は味方にございます」

 「ハチはお主らを迎えに参った」

 「ハチちゃんとやら、僕は知らないんだけど?」

 「明久様、松平元康様の家臣、本多忠勝様でございますぞ」

 へっ? 本多忠勝!?

 

 「ハチちゃんが本多忠勝?」

 「そうだ。……そのちゃんというのはやめてくれないか?」

 「ハチちゃんが本多忠勝ってことはその槍は蜻蛉切?」

 「そうだ。……ハチの話は聞いていないのか?」

 すごい。本当にこの世界は様々な武将が女の子になっているんだ。

 戦国最強といわれる本多忠勝が味方なんてラッキーじゃないか。

 

 「元康様から井伊谷の軍勢はハチと行動を共にするようにとの仰せであった」 

 「あ、わかった。よろしく頼むよ。ハチちゃん!」

 「ちゃんは余計だ!!」

 葉月ちゃんよりかはちょっと大きい感じか。でも妹みたいでなんかかわいい。

 

 「吉井君、大丈夫かしら?」

 「何が?」

 「こんな子に任せていいのかってことよ」

 「ああ……心配いらないと思うよ」

 体はちっちゃいけど、本多忠勝の名が嘘でなければあの槍を無双よろしく使えるんだろうから。

 

 「松平軍は、今川の本隊とは離れ大高城攻略を仰せつかった」

 「大高城?」

 「尾張にある出城じゃ」

 「場所は?」

 「陣に帰ったら教えよう」

 と言って、馬を軽くスピードあげるのはいいけど、さっきまでスピードあげなかったのは話をするためじゃなくて、これ以上速く走れないからだよ! ハチちゃん。ちょっと待ってください!

 

 「なんじゃ、馬に乗れぬのか?」

 僕の様子に気づいたハチちゃんはスピードを緩め戻ってきてくれた。

 

 「初めて乗ったからね」

 「そこの吉井明久の横にいる ー 」

 「フルネームはやめてよ」

 「ふるねえむ?」

 そっか、外来語って通じるわけないんだっけ?

 

 「名前を呼ぶとき、長いと面倒でしょ」

 「明久、隣にいる女子は?」

 「アタシは木下優子。吉井君の補佐よ」

 「そなたも馬に乗るのは初めてかの?」

 「ええ」

 ハチちゃんは何か少し考えた後にこう告げた。

 

 「馬の扱いに手慣れたものはおらぬか?」

 「はっ。拙者 ー 」

 「明久はそのものの後ろに乗って、優子はハチの後ろに乗って。他は走るのじゃ!」

 『承知!!』

 あれ、え? ちょ? 失礼しますとか言って僕の前方に乗ってきたよ! 木下さんはおとなしくハチちゃんの後ろに乗ったし。残り一頭はすでに他の人間が走らせてるし。

 

 「いざ!」

 って、急に走り出すな!! 落ちそうだったじゃないか。

 

 「ハチについてくるのじゃ!!」

 やばいよ。この速さ。チャリの二人乗りの感覚じゃない!

 

 何回も落ちそうになったが無事に辿り着いた。

 

 「はあっ……はあ……」

 「だらしないの。大高城の場所を説明する。ついてまいれ」

 「ふうっ……疲れた」

 「聞こえたの吉井君、そんな暇はないわよ」

 無理やり連れてかれる僕。他の家臣団はちゃんと陣の中心に入らず外で待機していた。

 

 「地図を持ってまいれ」 

 床几(イス)に座ると同時に声をかける。やっぱり根っからの大将なのかな。似合ってるし。

 陣幕の中には今ハチちゃんと僕と木下さんしかいない。ハチちゃんは参謀なんていないのかな? 自分で考えることが出来るタイプなんだな。猛将のイメージだけどすごいね。

 

 「やはりお前だったか。明久」

 聞きなれた声。僕はその声の主を探し後ろを振り向く。すると、

 

 「雄二……」

 想像通りの人間がそこにいた。

 

 「坂本君?」

 「おお。ひでよ - じゃなくて木下姉のほうか」

 「そうよ。ここで何にしてるわけ?」

 「説明は後だ。まずはこの戦いの説明が優先だろ」

 雄二はこの世界に来ても雄二だった。こいつに関しては、感動の再会ってシチュエーションは全く似合っていない。この悪友はしぶとく生き残ってやがったかという気持ちだけだ。ただ、この悪知恵が働く男がいるとなると僕は相当楽になる。ただ、仕事を押し付けられなければという話だが。

 

 「明久のブレーンに木下姉がいるのは意外だったな。だからこういった行動をとれたんだな」

 「あら…どういう意味かしら?」

 雄二は会話を続けながら地図を広げ、おそらく僕たちに説明するための準備も同時にしていた。

 

 「この戦いが桶狭間だと見抜いても、バカには何の対処も出来なかったはずだ」

 「失敬な」

 「ま、嬉しい誤算だな」

 「説明するぞ」

 僕たちの会話が少し切れたのを見計らってハチちゃんが説明を行う。

 今川本隊は想像通り桶狭間山を通るルートで行くみたいだ。僕たち、いや松平軍はそこから離れた織田方の出城、大高城を攻略することが任務だそうだ。

 

 「お主らはどうしてか今川が負けると予想しておるようじゃが、松平が負けるわけにはいくまい」 

 その通りだ。僕らも負け添えくらって負けるなら意味がない。

 

 「元康様率いる松平本隊は既に大高城に向かっておる。ハチらも急ぐ」

 「承知した。明久、井伊谷の軍勢は」

 「外にいるけど、数少ないよ」

 「井伊谷の軍勢は、後詰じゃ。頼むぞ」

 安全な場所に配置してくれてありがとう。戦場に安全も何もないだろうけど……

 

 「俺はこの明久のほうについていくがいいか?」

 「構わぬ。前線はハチに任せるがよい」

 すげーかっこいい! 本多忠勝これにありって感じのオーラも出してるよ。

 

 「ハチは急ぐ。明久、井伊谷は遅れても構わぬゆえ背後を警戒してくれるか」

 「わかったよ。ね、雄二」

 「何でも俺に押し付けるな。お前の軍じゃねえのか?」

 「いってまいる」

 ハチちゃん率いる本多隊はものすごいスピードで西へと向かっていった。僕らも追いかけないと……

 





 さっさと合流。
 テンポよくいきたいところです。

 というくせして、書き溜め(ストック)がもうなくなった。
 平日に執筆する気力・時間はないので。
 土日まで(たぶん)一時のお別れですかね。

 感想・コメント等
 お待ちしております♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。