「どんな女がタイプだ?」「体と尻とお腹のデカい子がタイプです」   作:ふとし

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肥満化という性癖があります。

簡単に、本当に単純に説明すれば人を太らせるのが好きなことです。



君もデブの魅力を感じよう!!


第1話

 父さんがよく言っていた。

 

 “人は生まれながらにしての役割がある”と

 

 どれだけ逃れようとも皆、その役を全うする

 

 

 瘦せ細って息を止めてしまった床にいる母を前にしても

 

 

 “お前の母はお役目を立派に果たした”

 

 

 父さんは変わらずそう言った。

 

 僕は納得できなかったが、飲み込んだ。

 

 間違いなく父は母を愛していた。

 

 僕の母は父さんの妻でもある。父さんも辛いだろうから飲み込んだ。

 

 

 僕の妹が同じように痩せ細って冷たくなったときも父は変わらなかった。

 

 

 “お前の妹はお役目を立派に果たした”

 

 

 僕は納得できなかったが飲み込んだ

 

 母を亡くした父は明らかに妹を溺愛していた。

 

 父も悲しいだろうから飲み込んだ 

 

 

 

 僕を襲う刺客と父さんが刺し違えた時も変わらなかった。

 

 

 “お前を守って死ぬなんて、上等な死に方が許されるなんて思わなかった”

 

 

 息も絶え絶えなのにおかしそうに笑っていた。

 

 僕は父にこんなものが父さんの定めなのかと問うと、父はいつも通りの言葉を続ける。

 

 

 “人は生まれながらにしての役割がある”

 

 

 僕は納得できなかったが飲み込んだ

 

 僕は父さんを愛していたし父さんも僕をきっと愛していた

 

 最後に悲しい別れはしたくなかったから、僕は飲み込んだ。

 

 

 “だが”

 

 

 父さんは僕の後ろの方をぼんやり見ながら呟いた。

 

 

 “その役割は自分で決めなさい”

 

 

 そう言われた瞬間、僕の心臓は割れんばかりに痛んだ

 

 それはあまりにも今更過ぎる言葉で

 

 それをもっと早く言ってくれたら僕は、僕は……

 

 

 

 耐えられないので飲み込んだ。

 

 

 

 飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで、飲み込んで

 

 

 

 そうして、全部、なかったことにして、

 

 まっさらな僕はたった一つ残った己の感情に気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「女の子を太らせるのはすごく気持ちがいいってことにね……!」

 

 

 

 

「うーん、君、イカレてるね」

 

「やっぱり? イカしてますか? 先生にも分かってもらえてうれしいです」

 

「OK 話も聞かないタイプだね、よかった、君、呪術師に向いてるよ」

 

 

 僕、二穴(ふたあな) 孔二(こうじ)は新たな学び舎で同好の士を見つけ、今後もなんとかやっていけそうな、確かな手ごたえを感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「上の推薦で生徒が一人来る? やめてくださいよ、そういうのは学長権限で適当に弾いてもらわないと」

 

「真面目に聞け」

 

 

 五条悟は、一応の上司であるはずの夜蛾正道学長を前にして、興味なさそうに足を組んでその話を聞いていた。

 

 

「お前が虎杖を無理に入学させたから、向こうもねじ込んできたんだろうが」

 

 

 話の内容は簡単だ。

 

 五条悟は己の強権を行使して、呪いの王である両面宿儺の器を殺さずに呪術師として入学させた

 

 その無理は通ったが、その歪の帳尻合わせを上が求めた。

 

 

 条件は、自分たちの推薦した生徒に入学試験を受けさせること

 

 

 

 

「えー、でも結局入学を認めるかはアンタのさじ加減でしょ? じゃあパパっと落としてよ」

 

「その通りだ。私が決めることで、お前の指図は関係ない」

 

「はいはい、で、上のよこす奴ってのはどのタイプのクソ野郎ですかねぇ……」

 

 

 五条が攻撃的な言葉を吐こうと、夜蛾学長は諫めることはない。

 

 事実、上が絡むとなれば、その人選がどのようなものになるか察せられるからだ。

 

 学長自身も五条の態度が気に入らないだけで、おおむね同意見ではあるのだ。

 

 

「その話をしようとしていたが、お前が話の腰を折ったのだ……、いいか、奴は」

 

「あー、そういう色眼鏡かけたくないから、直接聞こうよ」

 

「コイツ……」

 

 

 五条はチラリと部屋のドアに目を向ける。

 

 

「すいません!」

 

 

 ドアを3回たたく音、その言葉には多分な緊張が含んでいた。

 

 

「呪術高専東京校に入学するために来ました二穴(ふたあな) 孔二(こうじ)です! よろしくお願いします!!」

 

 

 至極真っ当な挨拶、若々しさの中にまっすぐさも感じる態度

 

 だが五条は少年のガワではなく、奥を見透かしながら唸る。

 

 

「うーん……、彼さ、虎杖目的(殺し)に来た系の奴?」

 

「おそらくな」

 

 

 今回が上層部の人選である時点で夜蛾学長はくるであろう者が相当面倒な人物であるとは予想がついてはいた。

 

 だがそれでも資料でその名を見た時、彼の脳裏には上層部のほくそ笑んだ顔がありありと浮かんだ。

 

 

 人を呪わば穴二つ

 

 二穴の姓で呪術師と言えば噂ぐらいは聞く

 

 しかもその出どころが人死にすら飯の笑い話になる御三家

 

 その噂の不穏さを考えれば、教職員二名で対応しているのであった。

 

 

「えっ目的ですか? いえ、むしろ五条先生だと思います。なんかそんな感じのこと言ってました」

 

「マジ? 僕? 僕を殺りにきたの?」

 

「ち、違いますよ! 僕の目的は監視役です」

 

 

 だが目の前の人物は特に隠し事をする様子もなく自身の目的を説明し出した。

 

 

「五条先生と宿儺の器になった人を見て定期的に報告するのと、時々お願いを叶えればいいそうですよ、もちろんできる範囲です。場合によっては僕は拒否します」

 

「……言っていいのか? ずいぶん明け透けだな」

 

「その、流石に本人に許可を取らずにそういうことをするのは良くないですし……、そもそも目的自体があまりよさそうなものじゃないんですけど、断れなくて、……ダメそうなら大人しく帰ります。もともとそういう話でお願いを受けたので」

 

 

 素直に頭を下げる少年を目の前にして大人二人は顔を見合わせる。

 

 上層部の手の者とは思えないその態度にすぐにお引き取りいただくという目的を見失いかけていた。

 

 

「彼、もしかして普通にいい奴?」

 

「六眼持ちが私に聞くな」

 

「いや、絶対悪い子でしょ」

 

 

 上の意図が掴めない、そう考えながらも学長は咳ばらいをすると場を仕切りなおす。

 

 

「……まだ我々は君の入学を受け入れたわけではない」

 

「やっぱり実技の試験もあるんですか?」

 

「そうではない、ただ聞かせてもらおう、君はここに何しに来た」

 

 

 突然の質問に少年は慌てて答える。

 

 

「呪術を学びに……」

 

「その先だ。呪術を学んで君は何をしたい」

 

「それは……」

 

「君の本音が聞けない限り、私は君の入学を認めない」

 

「でたよ、その質問、学長も好きだね」

 

 

 上層部がどう考えていようと夜蛾学長は己が納得しなければ入学を認める気はなかった。

 

 そのことを感じ取ったかは分からないが少年も少し考えこみ、しばらくしてから口を開いた。

 

 

「……はい、僕には夢があります」

 

「……ほぅ」

 

 

 語り口は緊張気味だった先ほどとは違い力強い。

 

 

「この学校を卒業した後は料理に携わる仕事に就職して、二年後に調理師免許を取るんです。技術を吸収できる職場で働いて、お金をためていつか自分のお店を持つんです」

 

「それ、呪術かんけーないじゃん」

 

「待て、悟」

 

 

 茶化そうとする五条を夜蛾学長は止めて、続きを促す。

 

 

「……今の僕にはその夢を叶えようにもあまりにもしがらみが多い、今のままじゃ僕の夢はかなわない!」

 

「……ではどうする」

 

「強くなりたいです! 周りの指図を受けないぐらいに強くなりたい!」

 

「ひゅーう!」

 

 

 面白がりながら五条は口笛を一つ吹いた。

 

 その様子を見ていた夜蛾学長は佇まいをただす。

 

 

「……ひとまず認めよう、君を呪術高専東京校に歓迎する」

 

 

 上の思惑もあるが、ここは学び舎、若人のための場所である。

 

 学ぶ意思があり、望んでこの門を叩く少年を拒否することはできない、彼は一人の教育者としてそう判断した。

 

 

「そして、僕のお店の料理でみんなをブクブクと太らせたい……!」

 

「うん……?」

 

 

 しかし、少年は面接が終わっていることに気づいていないのか一人ブツブツと何かを呟いている。

 

 

「肥えた姿を見てみたい……、ただのおデブじゃない……、自分のお腹の肉すらつかみきれないような巨デブにしてやる!」

 

「おい」

 

「満腹中枢を破壊して機能させないような究極の料理を作り出して僕は僕の夢を叶える!!」

 

「まて」

 

 やがて早口は大声へと変わり、いつの間にか顔を真っ赤にしながら少年は身振り手振りを交えながら叫んだ。

 

 

 

「僕は皆をデブにしたい!! それが僕の夢!!!! そのために呪術を学ぶんだ!!!」

 

 

「いいか二穴、……その夢は呪術となんら関係ない」

 

 

 

 

 

 

 




TS、ケモナー、様々な性癖が認知されていく中で、次に肥満化が認知されてると信じてる

どのような批判を受けようと自分は身動きせず、ひるまないと信じている

デブという性癖が持つポテンシャルを信じている
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