池波作品のあれこれ   作:ぴちかー党

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 お子様ランチの定番


チキンライスもどき

 

 突然だが私の料理のモットーは「手を抜けるところはトコトン手を抜く」である。

 例えば、「ライスカレー」を作るとき、ジャガイモやタマネギは例外として、ニンジンなどは皮を剥かずに投入する。また、カレールウを入れて「煮込む」前の「炒める」という一手間も省く。

 

 サラダなどを作る際も、「レタス」などは手でちぎり包丁は使わない。卵も茹であがったものを殻をとり、切らずにだいれくとだ。

 

 

 そんな私が今日も、いつものごとくとある小説から昼飯のヒントを物色していると、何やら「おいしそう」な一節を発見した。

 

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東京の下町に生れ育った私など、幼少のころに口へ入れた洋食というものは、近所の洋食屋のカツレツかカレーライスか、たまさか母親につれて行かれる上野・松坂屋のお子様ランチぐらいなものである。

 

 さて、この[お子様ランチ]なるものに、かならず型でぬいたチキンライスがそえてあったものだ。いまもそうらしい。

 ところが私は、このチキンライスが大きらいであった。

 トマトケチャップの匂いが、どうにもきらいだったのである。

 

              中略

 

 やがて、戦争となり、私は召集令状をうけとることになった。

 海軍の召集であったから、横須賀海兵団へ入団するまでに約半月のゆとりがあった。そこで、私は太田を出て、まず飛騨・高山へ遊びに向った。

 

 

 宿は遊郭。そこを根城にして、私はわらの雪沓をはき、積雪の高山を歩きまわったものだ。

雪の中を歩きまわって疲れると、私は、◯◯が教えてくれた洋食屋へいった。

 

 なにしろ当時は、もう食糧が不足していて、好ききらいなぞいってはいられなかったが、高山の町にはなぜか鶏肉が豊富であった。

 その洋食屋のメニューはチキンライスとコーヒーとスープのみ。

 そこで仕方なくチキンライスを食べたのだが、おもわず、

「うまい!!」

と叫んだ。

 

 

 それはそうだろう。もうなんでも口へ入るものなら、うまかった時代なのである。

 プリプリと歯ごたえのある鶏肉がたっぷりと入り、トマトケチャップで熱く香ばしく炒めた飯を、あたたかく燃えているストーブの傍で食べるたのしさ、うまさ、うれしさというものは、たとえようもなかった。

 

 以来、私はチキンライスが大好物となった。

 ことに、旅へでると、毎日でもよい。

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実においしそうである。私は山登りはしたことがないが、ウィンタースポーツは好きであるのでそれに例えると、スキー場でたべる「ライスカレー」や「ラーメン」といったところであろうか?

 なんでもない、恐らく「レトルト」であろうものでも、「スキー場」で食べると美味しさが格段にアップするのだから面白い。仮に同じ「スキー場」の「レストラン」で出される「ライスカレー」を町中のレストランで見かけても見向きもしないであろう。

 

 

 話は少し脱線してしまったが今回は「チキンライス」これを作っていきたい。

 

 

 フライパンを加熱し冷蔵庫の昨日の残りの御飯をぶちこみ、ほぐしていく。適当なところで、「ケチャップ」を気持ち多目に投入する。

 それと鶏肉は、わざわざこの為だけに購入すると絶対に使いきれず、冷蔵庫の肥やしになってしまうので、代用に常備してある「ミックスベジタブル」をしようする。

 因みに、この「ミックスベジタブル」弁当の空いたスペースや、おかずが無いときのお供、料理の彩りなど色々使え、とても重宝している。

 

 

 使いきれなくても、再度冷凍庫で保存可能で何より安い。野菜が高騰したときなどはこれと野菜ジュースで乗り切ったものである。

 

 この「ミックスベジタブル」をケチャップ色の飯にぶちこんで、いい案配に混ぜれば「チキンライス」の「チキン」ぬき。その名も「チキンランチ」モドキの完成である。

 

 

 味の方は、「チキン」が入っていないので、物足りないと思うかもしれないが、見た目の鮮やかさは「チキンライス」のそれとは比べ物にならないくらいに映えている。またニンジンとグリーンピースがいい感じに「ケチャップ御飯」とマッチしており、味も「チキンライス」と何ら遜色ない。

 

 

 欲をいうと、よく私はここに、茹でた「トウモロコシ」を追加でぶちこむ。缶で売っている「トウモロコシ」はおすすめしない一粒一粒の「甘さ」が段違い。あくまで、茹でて一粒一粒ほじくり出した「トウモロコシ」である。




 トウモロコシ剥いちゃいました。という依然あったお菓子はなかなかにおいしい
*内容量のわりに値段がネックなことを除けば完璧である

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