池波作品のあれこれ   作:ぴちかー党

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 天婦羅のお話


大葉の天婦羅

 「カツレツ」「唐揚げ」「天婦羅」簡単なように見えて、案外手間暇がかかる家庭料理三銃士。

 今回はその一角「天婦羅」に挑戦していきたい。

 

 

読者の方々は「天婦羅」ときいて想像する「ネタ」はどんなものだろうか?

やはり、王道の「海老天」か?はたまた「とり天」「牛天」のような肉系だろうか?

それとも「舞茸」「椎茸」などのキノコだろうか?

 

私の場合は「大葉」である。

 あの鮮やかな緑の葉っぱに1枚1枚丁寧に天婦羅粉をつけ、カラリと揚げた揚げたてを食べるのが堪らない。天婦羅ネタ自体が「大葉」なので、噛んだ瞬間の「ザクザク」という衣の歯ごたえと、大葉のふわっと香る独特な風味がたまらない。

 

 

 「大葉の天婦羅」と「醤油」、「大根おろし」があればもうおかずはいらないくらいである。

 

早速調理に取り掛かる。

 と言っても、今回は「天婦羅粉」は自作せずに市販のものを使用させてもらうので実際ネタの下準備、油で「揚げる」作業しかしない。「天婦羅粉」を薄力粉で自作すると、水の分量によっては完成した「天婦羅」がベシャッとなってしまう危険性がある。危険な賭けはしたくない。

 

 

 まず、「大葉」を水洗いし水気をとる。

次に市販の天婦羅粉をボウルに移し、パッケージ裏の説明書通りの分量の水をいれ、かき混ぜる。

いい案配になってきたら、鍋に油を少なめ(油処理が大変なので)にいれ、加熱する。箸先につけた「天婦羅粉」が

直ぐに浮き上がる位まで加熱させたら、「天婦羅粉」を塗りたくった「大葉」を投入し「カラリ」とあげる。

 

・・・そういえば、とある著書で「天婦羅」の食べ方についてかかれていたので例のごとく紹介したい

 

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「揚げるそばからたべる」

のでなかったら、

てんぷら屋なんかに行かないほうがいい。

そうでないと職人が困っちゃうんだよ。

だから、てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、

親の敵にでも会ったように揚げるそばから

かぶりつくようにして食べていかなきゃ、

てんぷら屋のおやじは喜ばないんだよ。

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私は「てんぷら屋」に一度もいったことがないが、これはわかるような気がする。

 当たり前だが、料理はなんでも「作りたて」が一番美味しい。そして時間が経てば経つほど、冷えて美味しくなくなる。特に「てんぷら」は一度冷たくなると衣が「シナシナ・べしょべしょ」になってしまい最悪である。

 

 今回はこの作法に私もあやかろう。

菜箸で「大葉」を投入し、揚がっていった「天婦羅」を割り箸で片っ端から口に放り込んでいく。

もちろん火傷しないように、一度醤油を入れた小皿に「大葉天」をダイブさせてからである。

 

 

 やはり、市販の「天婦羅粉」は素晴らしい。説明書通りにやれば誰でも簡単に「ザクザク」で「パリパリ」な衣の「天婦羅」ができる。

 

 片方の手で「天婦羅」を揚げていき、もう片方で揚がった「天婦羅」を醤油につけて掻き込む。

端から見れば恐らく行儀の悪い食べ方かもしれないが、これが一番美味しい食べ方なのだからしかたがない。

 

 なにかの漫画で

「モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ

独りで静かで豊かで」

という言葉があるが確かにその通りだと思う。わいわい皆でたべるご飯も確かに美味しい。美味しいが、

「天婦羅」だけは一人で黙々と「揚げたて」を食べたほうが断然美味しいと私は思う 




 「カボチャ」「ナス」「大葉」私が選ぶ「天婦羅」鉄板ネタはこの3つである

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