池波作品のあれこれ   作:ぴちかー党

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 田舎ではポピュラーなお菓子のお話


閑話休題 げてもの料理アンソロジー「イナゴの佃煮」他5選

 突然ですが、皆さんは「げてもの料理」という言葉を聞いたらどのような料理を想像するだろうか?

 何かのTV番組で自衛隊は野営訓練では「バッタ」や「カエル」、「ヘビ」など捕まえて食べると言うのを見たことがあるが美味しいのだろうか?

 

 

 また、蜂の巣駆除のお仕事をしている方達は、蜂が成虫になる前の子供(蜂の子)をよく食しているらしい。

 このように、例を挙げると多々出てくる「げてもの料理」だが、私の最も身近に感じられたものは、「イナゴの佃煮」である。

 

 

 この料理は、料理名からもわかる通り稲に発生する「イナゴ」を捕まえそれを一匹一匹丁寧に油で揚げて甘辛く味付けしたものである。見た目はもちろんまんま「イナゴ」なので昆虫が苦手な人にはグロテスクに見えるかもしれない。

 

 

 しかし、見た目に反して味の方はなかなかに美味である。

食感は「パリパリ」としており、味は甘辛い。一番身近な食べ物で表現するなら「かりんとう」に近いのではないだろうか?

 子供の頃は、稲が成長して出てくる「イナゴ」を見つけては、ヅタ袋に集め揚げてもらっていたものだ。

 

 

 丁度いいおやつがわりになるので、小さい頃は「イナゴ」を集めるのが「ファミコン」と同じくらいワクワクするものだった。

 話がそれてしまったが、私が読んだ著書のなかで「げてもの料理」のレビューをかなり具体的に記してあった作品があったのでその1節を紹介したい。

 

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 パリーでかたつむりを油でいためたものを食った。

値段は相当に高いがうまくない。日本へも缶詰になって来ているが、あっちで食うよりは一層うまくない。

 

 蛙は日本ではもったいつけて食わせるが、フランスへ行くと下等料理屋(大衆食堂)でなくてはならないものである。しかも日本では一つ五、六円とるなんて馬鹿にした話で、あんなものを養殖奨励する必要などはないと思っている。

 

                   中略

 

 冬、まむし蛇のつけ焼きを食ったことがある。一ぴきが六人前位で四円八十銭取られたが、一人前は、わずか一寸四方位のものが二た切れ、うまいものではなかった。

 

 

 からすの肉へくしをとおしてろうそく焼き(キリタンポ)にしたのも食ったが、これもまずい。

からすは一体くさいもので、この時には何にかいれてあると見え、くさみはなかったが、蛇と違って目の前で料理するのではないから、私の食わされたものが果たしてからすであるかどうか、それはわからないのである。

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 成る程。こういう料理が好きな人は気分を害するかもしれないが、基本「げてもの料理」はうまいものではないらしい。何処かの本で「へび」は「蒲焼き」の味がするとかいてあった気がするがあれは本当だろうか?

 いつか機会があったら、「へび」だけは食べてみたいものである。




 世界には様々なげてもの料理があるらしい

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