池波作品のあれこれ   作:ぴちかー党

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「シャーベット」ではなく「シャーペット」


リンゴシャーペット

「本当はシャーベットが正しいとわかってはいるんだがね。このさわやかな氷菓は、おれの日本人としての語感では、どうしてもシャーペットになる。

ベットは何だかベトベトした感じでいやなんだ。それでいつも原稿にシャーペットと書いて、編集者にわらわれる」

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 これは「シャーベット」アイスクリームに対する、「鬼平」著者の考えを抜き取ったものである。

 

 「シャーベット」が正しいことは分かっているが、その特徴的食感を表現するため敢えて「シャーペット」と表記する。たしかに「シャーペット」のあのスプーンを刺した瞬間にわかる「しゃりしゃり」とした感触を表現するならば、「シャーベット」ではなく「シャーペット」が正しいように思えてくる。

 

せっかくなのでシャーベットの由来を検索してみると、下のようなものがかかれていた

 

「シャーベット」とは糖類のほか果汁や酸などを加えて凍結させた冷菓。

 英語圏ではsherbet(イギリス英語とアメリカ英語同じ)と表記するが、多義的であり、氷菓。あるいははじけるキャンディーのことをいう。

 

 オーストラリア英語とニュージーランド英語ではシャーバート(sherbert)と呼ばれることがあり、しばしばアメリカでもシャーバートと誤認されている。

 

 シャーベットは、古くは発泡性または氷で冷やしたフルーツがベースの飲料であったが、イギリス、アメリカ、オセアニアで異なるものを意味するように変化していくに連れ、その意味(及びスペルと発音)は、三つの英語圏の国の間で分離していった。

 

 

 この説明を見る限り、「果汁」が入っている物を「凍結」させれば「氷菓」もとい「シャーペット」が作れる。ということは、自宅にある製氷気容器に果汁100%飲料を注ぎ、あとは冷凍庫で寝かせれば、それも「シャーペット」になる。これは簡単だ

 

 

 もう一手間加えるとするなら、かき氷用の専用容器になみなみと100%飲料を注ぎ冷凍庫で寝かせ、それをかき氷機にセットする。そしてあとはハンドルを回せば、自家製「シャーペット」が簡単に出来るのではないだろうか?(わざわざこの寒い時期に引っ張り出してやろうという気力はないので夏まで我慢する)

 

 ・・・と色々考えては見たが、今回は「リンゴ」と何処のお店でも売っている、「爽」快感がうりのあの「氷菓」を「シャーペット」の代用として「リンゴシャーペット」と洒落混んで見よう。

 

 「リンゴ」と「氷菓」の2つの異なる「しゃりしゃり」食感。

やはりこれは言葉的に誤っていても「シャーベット」ではない「シャーペット」だ。

まだまだ寒い3月に窓から見える雪を見ながらこたつで食べる自家製「リンゴシャーペット」もなかなかおつなものである。




 銀座日記に頻繁に出てくるとある喫茶店の「ゆずシャーペット」
東京に出掛ける機会があれば是非一度は食べてみたいものである

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