池波作品のあれこれ   作:ぴちかー党

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数々の著書で必ず登場する「鮨」のお話


すし・寿司・鮨

日本語は本当に奥が深い。

「すし」一つとっても、「寿司」と「鮨」かたかなの「スシ」までいれれば4種類もの単語が出てくる。

 個人的には「すし」<「スシ」<「寿司」<「鮨」の順に美味しそうに見えてくる。

 

この「鮨」について、以下の著書にこう書かれているので紹介する。

 

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 むかしから銀座にある、それとしられた鮨屋で◯◯鮨という店があり、私は以前から、よく通いもしたし、近ごろまで食べに出かけていた。

 

 ところが去年の秋に久しぶりで立ち寄って、注文をしたところ、いま流行の[まな板]のかたちをした台の上へ鮨をならべて、手巻きの鉄火をつけたのはよいが、親指ほどのふといまぐろが飯からはみ出し、きたならしいことおびただしい。

 

 飯といっしょににぎる魚や貝がやたらに大きく厚く、飯がすくなくて、まるで刺身でも食べているような鮨が、いま流行であるが、それは好き好きゆえ文句をつけるつもりはない。

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 これを見る限り、本物の「鮨」は「ネタ」と「しゃり」の配分がどちらか一方が多すぎず少なすぎず、あまりにネタが大きいと「刺身」を食べているのとかわりがない。と読み取ることができる。

 

 私のように「倍ねた祭」や「大切り◯◯」などのフェアーが始まると嬉々として行ってしまう自分には耳の痛い。また、どう著書に本物の「鮨」がなんたるものか?も記されていたので紹介したい。

 

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私の母は、ここの鮨が大好きで、みやげに一折もって帰ると、両眼をほそめて、ぺろりと食べてしまう。

 

母は、こういう。

「ここのお鮨は、おみやげの折の中で、まだ濡れ濡れとしているねえ」

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どうだろう?

いつも思うがなぜこんなにも言葉選びが上手いのであろう。

 折の中で「濡れ濡れ」なのだ。「てかてか」でも「ピカピカ」でもない。この「濡れ濡れ」を見ただけで、おいしそう。いや絶対にうまい事がその店の「鮨」を食べたこともないのに伝わってくる。

 

 さて、この「濡れ濡れ」とした鮨をスーパーで買ってきた半額品でどう工夫すれば再現できるか・・・ちょっと安易ではあるが、鮨ネタ表面に「はけ」を使って薄く「醤油」を塗ってみようか

 

 まあ、予想はしていたが鮮度が落ちた少しくすみがかった「ネタ」に「醤油」を塗っても「濡れ濡れ」とはいかない。せいぜい「ぬらぬら」といったところであろう。

しかし、それでも「鮨」には変わらない。たとえ半額品でも旨いものは旨い。

 

 いつか、本物の「濡れ濡れ」とした「鮨」を食べれることを夢見てに今日はこの半額品の「すし」で我慢しよう。




 著書に出てくる「鮨」屋さん、いつかは全て行きたいとノートに名前を書き連ねていたが、廃業してしまった所もちらほらと・・・これが「時の流れ」なんですかね
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