あなたは「あんこ玉」という駄菓子を知っているだろうか?
この「あんこ玉」を一言で説明するなら、「あんこ」を「きな粉」でくるんだ飴玉の形をした駄菓子。これが的を得ていると思う。
味は見た目通り、口に入れた瞬間「あんこ」の甘さが「きな粉」の風味と共に口一杯に広がり、一つ食べただけで「もう充分」といってしまうほどにくそ甘い。
よく、子供のころ田舎の婆ちゃん家に遊びに行くたびに「あんこ玉」を出されその処理に苦戦していた記憶がある。
幼少期はあまりいいイメージがなく、その後特に食べたいとも思わなかった「あんこ玉」
しかし、とある一節を読み急に食べたくなってしまった。その一節とは・・
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あんこ玉なぞというものは、いわゆる[アテモノ]なぞという籤引きがあって、一等に当たると一銭で、それこそ大人の拳ほどあるあんこ玉があたる。
私は特大あんこ玉が当たると、家へ持ち帰り、母の眼をかすめて生玉子の黄身を一つ、うどん粉の中へ割入れ、水でかきまわしたやつを、フライパンにゴマ油をたっぷりとながしたのへながしこみ、これが、ふわふわと焼けてきたところへ、あんこ玉の三文の一ほどを細長く置き、くるくると巻いて皿へとり、熱いうちに黒蜜をかけて食べたものだ。
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という一節である。
これを見て私が真っ先にイメージしたものは「クレープ」の「あんこ玉」包みである。
こちらは「うどん」粉を使用しているが、調理法などを見ると正に「クレープ」の作り方ににている。それに「クレープ」に「あんこ」を入れているのだから不味いはずはない。早速作ってみよう
しかし、今回生憎と「うどん粉」は用意していないので、代わりに以前の調理で余っている「メリケン粉」を代用する。
まずは、玉子を割り「黄身」を一つ用意する。しかし、これが中々に難しい。
2つに割った殻を利用し、「白身」と「黄身」に分離しようとするが中々に上手くできない。(若干白身が残ってしまうが、「妥協」と「ある程度のいい加減さ」も調理には必要ではないかといつも思う)
そして、「メリケン粉」と「水」を入れたボウルを混ぜ合わせる
*それぞれの分量は「パンカツ」同様目分量。
あとは、加熱したフライパンにゴマ油を入れ薄く伸ばし、そこに「クレープ」のもとを流し込み薄くのばす。(原文ではふわふわと焼き上げるとしか描いていないが、時短及び焼きむらが怖いので)
そこに、通販でお取り寄せした今回の主役「あんこ玉」(勿論’当たり’の特大サイズ)を包丁で大体三分の一程度に切ったものを、巻きやすさを考慮し生地の端に添える。
あとは、生地に「小さい気泡」が出来たくらいを見計らい、箸を使いながら「玉子焼き」の要領でクルクルと巻いていく(勿論この行程で生地が張り付き、幾つもの穴が出来たが気にはならない)
そして、それを皿にもれば出来上がり。できたて熱々をハチミツ(黒蜜が無かったので有るもので代用)
を掛けていざ、実食。
匂いはまさに「クレープ」のそれだが、少し生地が厚すぎたか食べた感じは「あんこ味」の「ホットケーキ」といった具合だろうか? まぁ「うどん粉」の代わりに「メリケン粉」を使ったので当たり前ではあるが・・・
しかし以前の「パンカツ」に比べれば全然「食べられない」わけではない。むしろ、「あんこ」と「きな粉」のくそ甘さがいい感じに生地と混ぜ合わさり、ちょうどいい。強いて言うなら、生地が厚すぎるせいで、用意した分の「あんこ玉クレープ」を全部完食した頃にはもう「お腹一杯」になるくらいだろう。
確実に夜飯を食べれる余力は残らない。 「あんこ玉クレープ」中々いけるが作る時間と量は考えた方がいいかもしれない。
「メリケン粉」と「うどん粉」味の違いはないらしい
「グルテン」とか言うものの含有率で名称が代わり、「うどん粉」を使うと「小麦粉」よりも「こし」のある食感がプラスされるとのこと
今度は両方揃えて、それぞれで同じ「あんこ玉」クレープを作って食べ比べも面白いかもしれない